――PM11:00・童実野町郊外廃屋
「緋渡遊哉…迦神霧恵…不動遊星…そして十六夜アキ。
成程…僕たちの計画の邪魔になりそうなのは確かだね。」
黒いローブを纏った男が同じローブを纏った男に言う。
「…早急に始末しますか?」
「否、まだ良い。3日後に開催される『闘いの王国』彼等はそこで沈んでもらうとしよう。メンバーを島へ…」
「御意に…」
それだけ言うと男達は闇に溶け込むように姿を消した…
遊戯王デュエルモンスターズ New Generation Duel4
『闘いの王国』
「…此処はどこだ…」
「…船の甲板だ。」
「どこに向かってるんだこの船?」
「『闘いの王国』でしょ?」
「何で俺は此処に居るんだろう…?」
「ペガサスに招待されたからだと思うよ?霧恵と遊星と一緒に。」
「ですよねぇ…。」
いつものメンバーでの客船の甲板上で遊哉は溜息をついた。
「如何したの?」
「あまり乗り気じゃないみたいだな…。」
遊星と霧恵もそんな遊哉の様子が気になるらしい。
「別に乗り気じゃない訳じゃない。優勝賞品の『幻龍皇』のカードは魅力的だし、見たことも無い強豪とのデュエルだって楽しみさ。
唯、ペガサス直々の招待ってのがな…。」
そう、彼等――遊哉、遊星、霧恵の3人はI2社名誉会長であるペガサス・J・クロフォードから3日前にデュエル大会に招待されていたのだ。
其れもビデオレターで直接に。
詳しい場所は不明。
指示された時間に童美野埠頭から船に乗れとの事だった。
「…何となく胡散臭いんだよなあの人は……主に喋り方が。」
「「「「「…確かに…」」」」」
――ピンポーン!
『間も無く会場に到着いたします。お忘れ物の御座いませんようご注意ください。』
「着いたみたいだな…って此処は…。」
「デュエル・アカデミア…」
彼等が着いたのはデュエル・アカデミア島。
デュエリスとの養成校が、大会の舞台であるらしい。
「……」
「?如何したの。まだやる気が出ない?」
「そうじゃねぇよ…何となく嫌な予感…何かが起きそうな気がしてな。」
「何かって?」
「そこまで知るかよ…」
それだけ言うと遊哉は、視界の先にあるアカデミア島に視線を移してしまった。
――――――
船から下りた一行はそのままアカデミアの校舎前へと移動した。
周りを見渡せば生徒以外の人間が結構居る。
「…こいつ等は全員参加者か?」
「多分そうなんだろうな。」
雑談をしていると…
『お集まりの諸君、よくぞデュエル・アカデミアへ!私が校長の鮫島です。』
スピーカーから放送が流れてきた。
どうやら開会の挨拶らしい。
『デュエリスト諸君、知っての通りこれからこの場所は『闘いの王国』となる。
AM9:00を皮切りに大会を開始する。詳細の方をペガサス会長…お願いします。』
『ハロ〜デュエリスト諸君。これからYOU達にはこの島でのサバイバルデュエルを行ってもらいま〜す。
ルールは単純で〜す。デュエリスト同士が会ったときデュエルが開始されるのです。
無論、闘うかどうかは諸君の自由なので〜す。
勝敗は随時このアカデミアの中枢のコンピューターに記録され、上位8名が決勝トーナメントへと進めるので〜す。』
「…相変わらず胡散臭ぇ喋り方…」
「それから離れようよ…(汗)」
「そうだな…同じネタは飽きるな。」
応援として付いて来た美咲も少々あきれ気味。
「兎に角トーナメントやリーグみたいに当る相手は決まってないって訳か。」
「基本的なルールは『バトル・シティ』と同じのようだな。」
「そうみたいね。」
そんな事を話してるうちに時間は刻一刻と迫ってきている。
そして…
AM9:00
『闘いの王国』開始――
「さてと…如何するか?」
「この方法ならバラけた方が良さそうね。」
「そうだな。それで、あんた達は如何するんだ?」
遊星が問いかけた3人組は…
「何をしてるんだ?」
「「「え?」」」
割り箸でクジをしていた…
「いや〜3人でバラけるって言うから誰が誰についていこうか決めてたのよ。」
「その結果、響が霧恵と。氷雨が遊星と。それであたしは遊哉と一緒に行く事になりました。」
「…そうかい。(周りの参加者からしたら結構浮いてんだろうな、俺達…)」
「まあ良いじゃない。」
「それじゃ…」
「「「決勝で!!!」」」
遊哉、霧恵、遊星の3人は決勝進出を心に誓いその場を後にした。
そして響、美咲、氷雨の3人も其々が付いて行く決闘者と共にその場を去っていった。
こうして始まった『闘いの王国』
しかし、そこに渦巻く陰謀にこの時は誰も気付いては居なかった…
To Be Continued… 