Side:なのは
うぅ、何で夜の学校なんかでジュエルシードが発動するかな? 幾らなんでも夜の学校は不気味過ぎるの…
「確かに夜の学校って一種独特な雰囲気があるわよね〜〜〜…いっそ肝試し?」
「キリエさん、ソレ洒落にならないです…」
否定は出来ませんが……と、来た! シャマル!!
「は〜〜い!捕まえた!!」
「ラピッドトリガー、ファイアー!!」
――ドドドドドドドド!
キリエさんグッドタイミングです! レイジングハート!
『All right.My Master.』
ジュエルシード…封印!!
――カッ!!!
ふぅ、封印完了なの。 ユーノ君が1人で封印した分も含めて此れで4つ…良いペースかな?
「良いペースだと思いますよなのはちゃん。 此れだけ広い海鳴に散らばった21個のジュエルシードの1/5を1週間も経たないで集めたんですもの。 おかげで、闇の書のページも埋まってきましたし♪」
それなら良いけどね♪ って言うか、アミタさんを蒐集した時に一気に30ページ埋まったって……凄いなぁアミタさん。 きっとキリエさんも凄いと思うけど…本当に、感謝感激なの。
魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜 夜天8
『フリーズ&ブレイズ』
で、夜の学校での封印から数日後。
今日は皆でグランツ研究所に――何でもアリサちゃんとすずかちゃんのデバイスが完成したって。
確かレイジングハートとアロンダイトのデータを取ったのが4日前だったよね?
「其処から独自のミッド式デバイス作り上げるってドンだけや博士…」
「魔法の存在が完璧に立証されてからはまるで水を得た魚よね…」
「でも、楽しそうだから良いと思うなぁ♪」
博士の長年の夢が叶ったんだもん、夢中になるのは仕方ないと思うの。 それに、それでアリサちゃんとすずかちゃんのデバイスも手に入るんだから、ね?
「まぁ、ソレは確かに…」
「これで、やっとなのはちゃんとはやてちゃんを手伝う事が出来るね♪」
「うん!その時は頼りにしてるよ、アリサちゃん、すずかちゃん!」
さてと、今日もエントランスで待ち合わせのはずだけど…
「やぁ、良く来たね。待ってたよ♪」
「おぉ?博士直々にお出迎えとは、珍しいなぁ?」
「いやぁ、早くアリサ君とすずか君のデバイスをお披露目したくてねぇ! もう待ちきれなくて、僕が直接お出迎えと言うわけさ♪」
にゃはははは…本当に楽しそうだね博士。 けど、だからこそ頼りになります!
リンカーコア蒐集にしたって、博士が作ってくれた『コア回復促進ポッド』はとっても助かりますから!
「まぁ、僕は僕に出来る事を最大限にやろうと思っているだけさ。 シャマル君が言うには、僕にはリンカーコアとやらは無いらしいから、魔力はあげられないしね。 だったらせめて、バックスと言うかサポート面で最大限協力させてもらうさ。 だから、デバイスのメンテナンスにしろバージョンアップにしろ要求があったら遠慮なく言って欲しいかな。」
「はい、宜しくお願いします!」
「うん、子供は素直なのが一番だね!…さて、此処がデバイス開発室だよ。」
おじゃまします。 へ〜〜…思ったよりは小さな部屋なんですね?
「デバイスそのものはそんなに大掛かりな物が無くても作れるからね。 特に待機状態なら手の平サイズになるわけだから、保管場所が小さくても問題ないしね。」
「合理的な部屋ってわけね?」
「そう言う事だね。 さぁ、此れが君達2人のデバイス……ブレスレットがアリサ君の、指輪がすずか君のだ。」
「此れが…」
「私達のデバイス…」
なんかカワイイ感じだね♪ なんて言うデバイスなんですか?
「実は未だ名前を付けていないんだ。 僕が命名するよりも、これからマスターになる人が名付けてあげた方がデバイスも喜ぶと思ってね。」
『良い判断ですね、ミスターグランツ。』
『テメェの主人から名前貰えるってんなら、そりゃそいつ等だって嬉しいだろうよ。』
そうなの? あ、若しかしてレイジングハートも私から新しく名前付けてほしかった?
「アロンダイトもそうなんか?」
『いや…俺達は自分の名前持ってるからなぁ?大将や嬢ちゃんみたいな主と出会えただけで満足だぜ。』
『私達の力を120%引き出してくれるMasterと出会えただけで満足ですよ。』
「そ、そう言われると逆に照れちゃうかな?」
でも、そう言ってもらえると嬉しいよ♪
「うむ、なのは君達とレイジングハート達も良い関係を築いているようだね。感心感心♪ さてと、2機ともそろそろお待ちかねだからね、2人とも良いかな?」
「「は〜い♪」」
アリサちゃんとすずかちゃんのデバイスはどんな感じなんだろう? ちょっと楽しみかな♪
『はじめまして。会うのを楽しみにしていましたわ♪』
『アンタが俺のマスターかい?宜しく頼むぜ!』
「「わぁ…」」
喋った!……あの2機はインテリジェントなんですね?
「折角だからね。娘達のデバイスは非人格搭載型で作ったから、今度はインテリジェントで。 因みにすずか君のデバイスはレイジングハートを、アリサ君のはアロンダイトの人格を夫々ベースにしているんだよ。」
「ちょお似てるなぁて思たけど、やっぱりそうやったんか。」
うん、確かに似てるかも。 すずかちゃんのは女の人で、アリサちゃんのは男の人なんだね。
「はじめまして。月村すずかです。宜しくね…名前は…『スノーホワイト』なんて如何かな?」
『良いですわね。気に入りました。これからよろしくお願いしますわねスズカ。』
「アリサ・バニングスよ。宜しく頼むわよ『フレイムアイズ』♪」
『ソイツが俺の名前かい?良いね、気に入ったぜアリサ!』
「おやおや、早速仲良くなったようだね?いや〜3連徹で仕上げた甲斐があったかな〜〜♪」
「「「「「!?」」」」」
3連徹って…丸3日間寝てないんですか!? だ、ダメですよ身体壊しちゃいますよ〜〜!
「いや〜〜、自分が好きな事だと夢中になっちゃって、眠気も疲れも感じないんだよねぇ。」
「いや、だとしても博士凄すぎだろ…なぁ、アイゼン?」
『人間の集中力とは恐ろしいものだ…』
ホントだね…しかもこれで素なんだから凄まじいの一言なの。
「まぁ、今日はちゃんと休むよ流石にね。 あぁ、そうだ!折角だから2機を起動してみないかい?と言うよりも起動させたくて堪らないと言った感じだね?」
「「良いんですか!?」」
「勿論!」
確かに起動したのを見てみたいかも。 レイジングハートは杖で、アロンダイトは剣だったけど、スノーホワイトとフレイムアイズはどんななんだろう?
「起動してのお楽しみって奴ね?それじゃあ遠慮なく!!」
「え〜と…ミッド式だからセットアップで良いのかな?」
『『All right.Stand by ready.Set up!』』
――カッ!!
「「「おぉ〜〜〜!!」」」
「へ〜〜…此れがアタシのバリアジャケットとフレイムアイズの起動状態ね?」
「私のバリアジャケットは凄く可愛い♪スノーホワイトはグローブなんだね♪」
フレイムアイズは銃剣型で、スノーホワイトは爪付きのグローブなんだ。 バリアジャケットも2人にとっても合ってると思うよ?
「アリサ君は近〜中距離を得意とする高機動型にしてみたよ。デバイスも其れに特化した感じだね。 すずか君は動体視力が優れているからね、防御力に重点を置いての後方支援型だね、尤も魔法の火力は凄いけれどね。」
「正にアタシ達専用ってことね?」
「ありがとうございます博士♪」
「いやぁ、僕が好きでやったことだからねお礼なんて…」
――ビーッ!ビーッ!ジュエルシードの反応を感知しました。
ほえ!?な、何ですかこの警報は!?
「うん、こっちも良い感じで機能しているね? どうせなら感知出来る装置も有ったほうがいいと思って、造ったんだ『ジュエルシード発動感知器』を。」
「「「「「色々凄すぎるの!」やろ!?」だぜ!」よ!?」ですよ!?」
「僕の存在価値を奪わないで!?」
本当に博士は何者なの!? って、それ所じゃないね!ジュエルシードが発動したとなったら見過ごせないよ!
…と言うか居たんだユーノ君。
「最初から居たよ!?」
「ふ〜ん…まぁいっか♪」
「なのはが冷たい!?」
うん、封印しなきゃだね! はやてちゃん、ヴィータ!
「勿の論や!速攻で行くで!!」
「ブッ叩いて封印してその後で闇の書の糧にしてやるぜ!!」
「おっと!アタシとすずかも忘れんじゃないわよ?」
「イキナリの実戦だけど、手伝うよなのはちゃん!」
アリサちゃんとすずかちゃん…うん、お願い! 今の時間だとシグナム達はお店が忙しくて出れないと思うから!!
「共に戦う…良い友情だね!それじゃあ屋上に! 其処からなら飛び立ったとしても目立たないだろうからね。」
「ありがとうございます博士!!」
いざ、出動なの!!
――――――
Side:アリサ
『アリサ、イキナリの本番だぜ?大丈夫か?』
「何言ってんの!此れこそアタシにピッタリだわ!」
練習無しのぶっつけ本番?だから何よ! 何が起こってもその場その場で臨機応変に対応出来なきゃダメなのよ?
『成程な…気に入ったぜ!ソレでこそ俺のマスターだ!いっちょかましてやろうぜ!!』
「言われなくてもその心算よ!!」
…見えた、ジュエルシードの封鎖結界! シリアル個体によっては発動と同時に結界を展開するってユーノが言ってたのは本当だったのね…
「あの、僕ってそんなに信頼無い?」
「だって、アンタよりシャマルの方が感知能力とか凄いんだもの。」
「闇の書の守護騎士と比較しないでよ!?」
まぁ、シャマルと比較したらカワイソウよね。 さてと、此処って神社だけど…ジュエルシードは…
――バガァァァン!!
「Whgryaaaaaaaaaaaaaaaaa!!!!」
「「「「「!!!!」」」」」
な、何よあれ!? 動物病院で見たのとまるで違うじゃない!!モンスターってのは同じだけど…
「闇の書?…うん、うん、…えぇ!?それって!!!…しかもそっちの方が強いの!?」
「なのは?闇の書はなんて言ってんの?」
「うん…あのジュエルシードは生き物を取り込んでるって! そのせいで単体での暴走発動体よりも格段に強くなってるって!!」
はぁ!?何よソレ!?初実戦がイキナリ中ボスクラスって……なんてね! ソレ位でアタシ等が怯むと思ってるの!?
海聖4−1の五聖王を舐めんじゃないわよ!! なのは、指示を頼むわ!
「うん!アリサちゃんとヴィータはクロスレンジでアレに攻撃を! はやてちゃんはミドルレンジで牽制しながら、可能だったらクロスレンジで切り込んで! すずかちゃんは補助!防御とアレの動きの制御をお願い!封印は…私がやる!」
「任せなさい!」
「おう!アタシとアリサならきっと行ける!」
「ほな、やろか!!」
「頑張ろうね!」
っと、来たわね……けど、その程度じゃ…喰らわないわよ!!
――ズバァ!!
へぇ…ブレード部分は魔力体で、鞭みたいに使う事も出来るのね? 此れは結構汎用性が高そうだわ!!
「うざってぇ!!大人しくブッ潰れてろ!!」
「おぉっと…此処から先は通行止めやで?」
「皆には手出しさせない…!」
何よ、力合わせれば殆ど完封じゃない? 多少強くてもアタシ等の敵じゃ無かったって所ね!
よし!今よなのは!!
「OK!レイジングハート!!」
『All right.』
「ジュエルシード、シリアルV…封印!!」
『大人しくお縄を頂戴しなさい。』
…何処でそんなセリフ覚えたのよレイジングハートは… 兎に角封印は出来たわね。
「おう…そんじゃまぁ…闇の書、蒐集。」
『Sammlung.』
――キュゥゥゥ…コトリ
ホントに魔力なくなると只の宝石よね… で、此れが取り込まれた生き物…なんだけど何で此れが日本に居るのよ…
「ハネキツネ…」
「誰かがペットとして飼ってたんやろか?」
十中八九そうだわね。 飼いきれなくなって、捨てられたこの子をジュエルシードが取り込んだって事みたいね…でも如何するのよこれ?
「私が引き取るよ♪ユーノ君も居るし、今更1匹も2匹も同じだよ♪」
「完全にペット扱い!?」
「実際ペットやろ…」
良いの?アンタが良いなら別にいいけどね。
ま、初の実戦は大成功ね。 これからもよろしく頼むわよ相棒?
『おう!任せときな!』
「これからも宜しくねスノーホワイト♪」
『任せてくださいまし♪』
ふっふっふ、ジュエルシードでも何でも来いってのよ! アタシ等が全部封印してやるから覚悟してなさい!!
――――――
Side:???
「そう、ジュエルシードを集めている勢力が他にも…」
「うん。アレを封印できるんだから相当な力の持ち主だと思うよ?」
「しかも被害は建物の一部損壊だけ……正直、凄い使い手だと思う。」
でしょうね…ふぅ、厄介な事になったものだわ。 せめてその人達の詳細でも分れば対応のしようもあるけど、一切詳細不明では仕方ないわ。
分ったわ、その勢力については私とリニスで調べてみるわ。 貴女達は、今日はゆっくり休みなさい…疲れたでしょう?
ゴメンナサイね、私が動ければ一番早いのだけれど…
「気にしないで母さん。私とアリシアも大丈夫だから。」
「お母さんは有名人だからあんまり表立って動くと面倒だからね〜〜。此処は私とフェイトに任せて♪」
えぇ、お願いするわ。 ふふ、こんなに素晴らしい娘が居るなんて母親冥利に尽きるわね♪
…まぁ、娘達の頑張りに応えるためにも、私も確りしなくてはね。 謎の使い手達…もし協力関係が築けそうなら、此方から接触する事も、念頭に入れておいた方が良いかもしれないわ…
To Be Continued… 
|