Side:はやて(GOD)
え〜と、只今絶賛、ヴォルケンリッターを再生した闇の欠片と交戦中なんやけど、こっちのなのはちゃんとシグナムはドンだけや!?
倒した端から、新たな欠片が追加されるって言う消耗戦上等な状況やけど、現れた端から夜天のなのはちゃんと夜天のシグナムが、速攻で撃滅やとぉ!?
「ディバイィィィン………バスターーーーーーー!!」
『死に曝しなさい、本物の一割にも満たないヘッポコがぁぁぁ!!』
「飛竜……一閃!!」
『Verschwinden.(消し飛べ。)』
――ドガバァァァァァン!!!
「夜天の主、高町なのはと……」
「ヴォルケンリッターが将、烈火のシグナム……」
「「我等の前に敵はない!!」」
ぐおわぁぁぁーーーー!敵を撃滅して、更に自分のデバイスを構えて背中合わせに立つ夜天のなのはちゃんとシグナムはカッコ良すぎやろ!誇張抜きで!
しかも、二人ともバリアジャケットと騎士甲冑が、黒字に蒼ラインって言う御揃いのデザインやし……ホンマに絵になるわぁ〜〜〜。
夜天のなのはちゃんとシグナムからは、私とリインフォースとはまた違った絆を感じるなぁ?
若しかしたら夜天のなのはちゃんとシグナムは、互いに通じ合ってるだけやなくて、もっと……もっと深い所で通じ合ってるのかも知れへんね。
魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜 夜天74
『Ein Sturm und Wirbelwind』
Side:なのは(夜天)
守護騎士の皆をコピーするとは、随分とふざけた事をしてくれたけど、欠片如きじゃ私達の敵じゃないよ?
うじゃうじゃ現れてくれたけど結構削ったし、此れで終わらせる!シグナム、合わせて!!
「了解です、主なのは!」
纏めて吹き飛ばすよ?ハイペリオォォォォォォォン……スマッシャーーーーーー!!!
『Hyperion Smasher.』
「翔けよ、隼!!」
『Sturmfalken.』
――キィィィン……ドガバゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!
完全滅殺なの!
本物のシグナム達が相手なら兎も角、劣化しまくった欠片が相手じゃ苦戦も何もないよ?……寧ろ、適当な強さの練習相手って言うところが妥当な線だよ。
尤も、この結果もシグナムが、私の砲撃の隙をクロスレンジでカバーしてくれたからなんだけどね。
で……夜天のはやてちゃんとリインフォース、其れにヴィヴィオちゃんとアインハルトちゃんとトーマ君は、何でそんなに唖然として固まっちゃってるのかな?
「黒いママと、黒いシグナムさん……超凄い!!」
「世界が変われば人も変わると言いますが……よもやこれ程の力を有しているとは驚きです……」
「あはは……黒い高町教官と、黒いシグナム隊長………有り得ねぇ、最強すぎる……例え300回生まれ変わっても勝てる気がまるでしねぇよ……」
《トーマ、確りして!?大丈夫、頑張れば大丈夫だから!!》
「無敵にして最強の存在とは、つまり夜天のなのはちゃんとシグナムのコンビの事やと思うんやけど――如何思う、リインフォース?」
「私としては、我が主と私のコンビが最強だと言いたい所ですが、実力的に判断するなら、彼女達には勝てないでしょう――10回やったら10回負けます。」
其れは如何かなぁ?
確かに、私とシグナムのコンビネーションは『最高の前衛後衛タッグ』だって自信を持って言えるけど、だからって私達が最強だなんて有り得ないと思うなぁ?
私とシグナム以上のタッグなんて、あらゆる次元世界を探せば五万といる筈だからね……私達はマダマダだよ。
其れに砲撃と射撃は兎も角、私のクロスレンジは未だ『クロスレンジも出来る』レベルだからね?
折角グランツ博士が、シュベルトクロイツをクロスレンジ用のアームドデバイスに改造してくれたんだから、クロスレンジももっと熟せる様にならないとだよ。
「何やろう、こっちの世界に天下無敵の魔導騎士が誕生しそうな気がして来たわ。
只でさえなのはちゃんの砲撃と射撃は一級品やって言うのに、其処にクロスレンジでの戦闘技術まで身についたら間違いなく最強やないの!?
……取り敢えず、事件解決して帰る前にサイン貰っとこかな?何れは次元世界に名を轟かせるであろう、夜天のなのはちゃんのサインを是非!!」
にゃはは……平行世界のはやてちゃんもぶれないなぁ?
兎に角、闇の欠片は全て倒したから博士の所に――
「おぉ、見つけたぞはやて!!」
「へ?……えっと、ディアーチェちゃん!?……じゃないよね?良く似てるけど私服姿だし……って言うか、貴女は闇の欠片……だよね?」
博士の所に行こうかと思ったところで現れたのは、平行世界からやって来たディアーチェちゃんそっくりの女の子。
だけど、防護服じゃない上に紫の剣十字も持ってないし、何よりもはやてちゃんの事を名前で呼んでる……あの、貴女は誰ですか?
「む?……そう言えば貴様とは初対面だったな?
我は八神旋風、八神はやての実姉よ!まぁ、既に死んでいるのだが、何がどうなったのかこんな状態で蘇ってな?…人間辞めるとは思わなんだがな。
だが、探して早々見つけるとは中々に運が良いぞ!」
はやてちゃんのお姉ちゃん!!
あの、凄く言い難いんですけど、此処に居るはやてちゃんは、貴女の妹のはやてちゃんじゃないです!平行世界から飛ばされてきた、異世界同位体なの。
「何だと!?……ならば、我が妹は何処に居る〜〜〜!!
……ではなくて……一つ確認したいのだが、貴様は高町なのはで間違いないか?」
「ほえ?確かに私は高町なのはですけど……初対面ですよね?」
「貴様からすればそうかも知れんが、我はお前の事を知っている。
礼を言わせてくれ高町なのは……天涯孤独となった、我の妹と仲良くしてくれた事は感謝している……其れをちゃんと伝えておきたかった。」
そんな……私の方こそ、足が動かない事ではやてちゃんにお世話になりっぱなしですから。
其れに、仲良くするのは当然じゃないですか?だって家族なんですから。はやてちゃんは、私の大事な妹なの。
「家族か……つまり、あ奴も今や高町家の一員と言う訳か。と言う事は『八神はやて』ではなく『高町はやて』と言う事になるな。
してなのはよ、我の妹は一体何処だ?折角こうして一時的とは言え蘇ったのだから、可能ならばはやてと会っておきたいのだが……」
えっと、じゃあ連絡しますね?
はやてちゃんは別行動だけど、通信を入れればすぐに来てくれると思いますし、来るまでの間は私達とお話しでもしてれば良い訳ですから。
「うむ、其れが上策であろうが―――って、何だ此れは!?」
へ?此れは転移反応!?
なんで、如何して!!……若しかして旋風ちゃんを転送しようとしてる!?待って、まだはやてちゃんに連絡してないのに―――!!
――シュゥゥゥゥン……
消えた……だけど、何処かに転移したのは間違いない。
だけど、一体何処に?其れにどうして転移したんだろう?……若しかして、こっちのはやてちゃんと関係のある人達の所に飛ばされた?……有り得るね。
取り敢えず、アリサちゃん達にも連絡を入れといた方が良さそう。
旋風ちゃんを、只の闇の欠片だって消されちゃったら、目も当てられない事になるだろうからね。
――――――
Side:旋風
むぅ、高町なのはがはやてに連絡を入れてくれると言う寸前に転移してしまうとは……簡単にはやてと会う事は出来ぬと言う訳か。
して、転移した先は……此れは何とも面倒な状況かも知れんな?
目の前の4人組……金髪と紫髪は知って居る、確かはやての親友のアリサ・バニングスと、月村すずかだったな。
だが、高町なのはによく似たのと、ひっじょ〜〜〜〜〜〜に腹立たしいが、我によく似た――と言うか瓜二つの小娘……厄介事バリバリの気配100%だな。
「貴様……闇の欠片の分際で、我の姿を模すとは良い度胸だな?
我は闇総べる王ぞ!その王たる我を模して現れる等、頭が高いにも程がある!!欠片は欠片らしく、我に砕かれて眠るが良い!!」
闇総べる王って、痛すぎるぞ其のネーミング?まさかとは思うが厨二病か?
いやまぁ、我も己のキャラ的に人の事は言えぬかもしれぬが、自分自身を『王』等とは称さんぞ?………取り敢えず、コイツを黙らす事が先決であろうな。
「悪くない突きだが、軌道が直線過ぎて読みやすい。
こと、槍の様な武器は円運動による攻撃を織り交ぜなければ、極めて動きが直線的になってしまう故に、無手の相手にも手玉にとられてしまうぞ?」
――メリィィィ!!
こんな風にな?
こうして関節を極められては、流石に何も出来んだろう?
「貴様……只の欠片ではないな!?何者だ、名を名乗れ!!!」
「八神旋風……八神、否『高町はやて』の実姉よ。何がどうなってかは知らんが、こんな形ではあるが蘇ってな?
恐らく長くは存在できぬだろうから、もう一度冥界に渡る前にはやてに会っておこうと思っただけの事よ――貴様等には分かるだろう?アリサ、すずか?」
「アタシ等の事知ってんの!?……いやまぁ、天国からはやての事見てたってんなら知ってて当然よね。」
「でもディアーチェちゃんを、いとも簡単に組み伏せちゃうなんて、旋風ちゃんは何者なんだろう……」
フン、生憎と生前は齢10歳にして剣道初段、柔道二段、合気道二段、空手三段の腕前でな?一応戦いには精通していたのだ。
故に、直線的な攻撃を見切れぬような間抜けではないわ。
「大概ね其れ……って、ちょっと待ってね――なのはからか。
もしもしアリサだけど………うん、うん…はやてがね?……え?その人なら今アタシ達の所に居るんだけど……はやてが来るまで待って貰えばいいのね?
大丈夫よ、其れ位なら出来るから……うん、うん……アンタも気を付けなさいよ?うん…其れじゃあね。」
む……電話の相手は高町なのはか?
若しかしなくても、はやてが来るまで此処に居ろとか、そう言う類の事であろうか?…我も待てるのであれば待ちたい所だが――如何にもそうは行かんか。
――キュゥゥゥゥゥゥ……
「って、言った傍から消えかけてる!?
なんで!?如何してそうなるのよ!!はやてが到着するまで待ちなさ〜〜〜〜い!!!」
「そうは言われても、此れは我一人で如何にかなるモノでもないから身を任せるしかあるまいよ。
だが、此れで分かった事も有る……如何やら我は、はやてと再会する前に、はやての親友達と会っておかねばならぬのだろうな……故にこの現象か。」
次は一体誰の元に飛ぶのやら………
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して、今度の転移先は金色の姉妹の所であったか。
確か小さい方が姉の『アリシア』で、大きい方が妹の『フェイト』であった筈だが……ふむ、よもや戦闘中とは思わなかったな、正直な所。
尤も、闇の欠片風情ではあの二人の敵ではないし、勝てる筈がないのだが……面倒だから纏めて吹き飛ばしてやろうではないか!!
妙な存在として蘇った事で、我も一時的にではあるが人外の力を使う事が出来る故な!
其れに、今ならば幼き時の望みも果たせるやもしれぬからなぁ?……纏めて吹き飛ばしてくれるぞ闇の欠片とやらよ!!
「ムゥゥゥン!!ふぅぅぅ……か〜〜、め〜〜、は〜〜、め〜〜………波ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!」
――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
ふふ……ふははははははは!!
出来たぞ!幼き頃からの夢であった『かめはめ波』を撃つを、闇の欠片とやらになった事で達成してやったわ!!
消え去るが良い塵芥共!
貴様等如きはお呼びではないわ!精々、この事態を鎮圧せんとする者達の成長の糧となるが良い、其れが意思なき欠片に出来る最大限の事だと知れ!!
ふん、マッタク相手にもならんな。
して、はじめましてだなテスタロッサ姉妹よ?我は『八神旋風』、高町はやての姉である。
「えぇ、はやてのお姉さん!?」
「闇の欠片として再生されるなんて、予想してなかった……」
まぁ、我としても予想外であったからなぁ?
冥界でマッタリと過ごしておったら、何やら強烈な力に引っ張られて、気が付けばこの状況だ……が、此れもまた良い機会だと我は思って居る。
ウヌ等もまた、はやての親友なのだろう?
恐らく我は、また転移するのだろうが、転移するまでの間に聞かせてくれぬか?今のはやての状況と言うモノを……姉として、其れは知っておきたいからな。
「そう言う事ならお任せ〜〜!」
「私達の知っている事で良ければ、喜んで話させて貰うよ。」
うむ、教えてくれ――我の知らない、はやての事をな。
――――――
Side:はやて(夜天)
姉やん……旋風姉やん!!闇の欠片として現れてくれるなんて予想外やけど、でも、もう一度会う事が出来るんや……もう一度、大好きな旋風姉やんと!
闇の書に取り込まれた時に会ったけど、あの時は私を見せられへんかった……泣き虫な私しか見せられへんかったからね。
やから、今度は見せたい、強くなった私を!
高町家の一員として新たな未来を歩み始めた私を見て欲しい、今の私の強さを見て欲しい……やから、何が何でも旋風姉やんと会わなアカンのに………
「もう嫌だ……もう沢山だ……痛いのこ、怖いのも、全部なくなれば良いんだ!!」
なんや、怖そうな装備携えた銀髪のお兄さんが立ち塞がりよったわ!!
恐らくは、平行世界の誰かの記憶が再生された闇の欠片として再生されたんやろうけど、此れを無視する訳には行かへんからね……相手になったるわ!!
複数の相手を一人でってのは無理でも、タイマンやったら負けへんで?……旋風姉やんに会う為にも、押しと通らせて貰うで!!
『そうだな……って、待て大将!もう一つ敵性反応が!!』
「もう一つ!?……これは、最悪やな!!」
もう一つの敵性反応が、よもや美由希お姉ちゃんを模した闇の欠片やとは――!
幾ら何でも此れは、私一人で対処できるレベルやないで!?
『大将!!』
「しまった!!」
呆けた一瞬の隙を突かれた!!
防御は……アカン、間に合わへん!!これじゃあ、私は―――
――ガキィィィン!!!
「貴様……我の妹に手を出すとは良い度胸だな?」
「え?……あ……あぁ!!旋風姉やん!!」
「うむ、我だ!!闇の書の内部で会った時以来だなはやてよ。
テスタロッサ姉妹に、最近のお前の事を聞いてる最中に転送されたが……まさか、お前のピンチだったとはな……中々に良い転送タイミングであったか。
積もる話もあるだろうが、其れも先ずはこの雑魚を撃滅してからよ!
眼鏡のおさげは我がやるから、お前はそっちの如何にも悪そうな黒騎士を在るべき場所に還してやれ!」
其れが上策や!って、言いたい所やけど、姉やん武器は!?
幾ら闇の欠片が開いていうても、美由希お姉ちゃん相手に徒手空拳で挑むんは無謀極まりないで?
「ふん、案ずるな!如何やら、この身体の特異性か、魔力とやらで武器を作れるようだからな?……作ってやったわ、この最強の剣を!!」
「ブッフゥゥゥ〜〜〜!!ちょっと待って姉やん!!
剣道二段やったのは知っとるけど、何だって作り出した武器が『レーザーブレード対艦刀シュベルト・ゲベール』!?」
「身の丈以上の超大型ブレードは剣術者のロマンだ、憧れだ、異論は認めん!!」
「この対応、やっぱり旋風姉やんや〜〜〜〜!!!」
やけど、闇の欠片とは言え本物の姉やんやって実感できるわ。
話したい事は色々あるし、甘えたい気持ちもあるけど、先ずは目の前の闇の欠片を撃滅する事が先決やからな――手加減なしで行くで、旋風姉やん!!
「手加減など、元よりする気はないわ!!
消えろ、闇の欠片――此処は、貴様等の生きる世界ではない!!大人しく、消え去るが良い!!!」
「高町はやてと、八神旋風……『疾風』と『旋風』の名を冠した姉妹の力、骨の髄にまで知ってもらおかな?」
「「Sind Sie bereit?Ein Bruchstuck der Dunkelheit!(覚悟は良いな?闇の欠片よ!)」」
私と旋風姉やんの前に現れた事を、精々後悔するんやな?欠片すら残さずに撃滅したらるから、覚悟しときや!!
To Be Continued… 
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