Side:アミタ(夜天)


それにしても、アレがU-Dとは予想外でしたね?
『砕け得ぬ闇』との事なので、ドレだけ禍禍しい姿をしているのかと思いましたが――まさか彼女が『砕け得ぬ闇』だったとは思いもしませんでした。

禍禍しいオーラを纏って佇むU-D………ですがその姿は……


「アミタ、アレって統夜君達と一緒に居たユーリよね?(コラボ編参照)」

「間違いないでしょう……カラーリングこそ赤ですが、袴の様な装束に、ウェーブのかかった金髪……見間違えようもありません!!!」

兎に角、先ずは彼女達を止めるのが先決です!!

平行世界のキリエと、U-Dが戦ったら間違いなく無視できない被害が出ますからね……其れだけは何としても阻止しなくてはなりません!!


その為にも、先ずはあの二人を無力化します!――行けますか、キリエ?


「あら〜〜ん?だ〜れにモノ言ってるかしらアミタ?
 行けるに決まってるでしょ?私はパパの娘でアミタの妹なのよ〜〜?ちょ〜〜っとくらい難易度が高い程度じゃ退く気はないわ……だから大丈夫!!」


それを聞いて安心しました……では、改めて行きましょうキリエ、この世界を護る為に!!!


「了解よアミタ!……私達の街で、好き勝手はさせない……平行世界の私をとっ捕まえて色々聞きだしてやろうじゃな〜い?」


妙なスイッチが入ったようですが、此方の方がキリエらしいと言えます!

エネルギー充填120%!!さぁ、行きますよ?













魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜  夜天73
『The name“Un Breakble Dark”』












Side:キリエ(GOD)


フッフッフ……この子を倒せば、エクザミアはアタシのモノ。
エクザミアがあれば、エルトリアの危機もきっと何とかできる………だから、貴女の中に眠ってるエクザミアを渡して貰うわよU-D!!!!


「其れは出来ない……私の力には誰も勝つ事など出来ない……君もまた、私に撃滅される運命なんだ……だから…大人しく眠ると良い。」


ん〜〜〜、情熱的なお誘いなんだけど、今はダ〜〜〜〜メ。
貴方の中のエクザミア、私が貰い受けるから、その心算で居て下さい……な!!!


――ガキィィィィィィィン!!


え?……そんな、剣が通らないだなんて!!!幾ら何でも予想外よ此れは〜〜〜〜!!
だけど、未来の皆の為にもアタシは此処で退けないの!!だから――どんな手を使ってでもアタシは!!…喰らいなさーい、ファイネスト・カノン!


「其れも無駄だ……良い加減に諦めて……全ては無駄な事なんだ!!!」

「無駄かどうかは、自分で確かめないさ〜〜い?そぉれ、ラピッドファイアー!!」


――ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド!!!


至近距離からの高速連射は、流石に効くでしょ?


「………無駄だ、私にはどんな攻撃も効かない。
 何物を持ってしても砕けないが故に、私はUn Breakble Dark――砕け得ぬ闇と呼ばれているんだ……だからもう、無駄な抵抗は止めて、大人しく沈め…」


うっそ〜〜〜〜ん!?
この至近距離から、12発も叩き込んだって言うのに無傷とか絶対に有り得ないでしょう!?てか、チートでバクで反則過ぎない、有り得ないわよこの堅さ!

だけど、幾ら堅くても攻撃を続けて居れば、何れ防御も解ける!!諦めないわよ!!


「その根性は見事だと思うけど〜、ちょ〜〜〜っと周りを見た方が良いんじゃない?
 って言うか、自分の世界で好きなように暴れまくるには文句言うつもりないんだけど、人様の世界で好き勝手するってのは拙いと思うのHSMなんだけど?」

「と言うか其れ以前に、彼女に単身で挑むなど無謀すぎます!死にたいんですか貴女は!?」

「へ?」

「君達…は?」


アミタ!?其れに……アタシぃぃ!?
はい?え?どゆ事?

よくよく見ればアミタも、もう一人のアタシもカラーリングがアタシとアミタとは違うけど、闇の欠片って訳じゃないみたいだし……まさか、ドッペルゲンガー!?


「そんな訳ないでしょ〜〜〜?こ・こ・は、言うなれば平行世界なのよ〜〜ん?
 貴女が居た本来の世界軸とは全く異なる、でも時間軸は同じにしてる平行世界――私とアミタは其の平行世界の存在……理解できたかしら〜〜?」

「パラレルワールドって事?……成程ね。
 で、そのパラレルワールドのアタシとアミタが一体何の用なのかしら?見ての通り、こっちはちょ〜〜〜〜〜っと取り込み中なんですけどね〜〜〜?」

「決まっているでしょう!貴女を止めるためです!
 貴女の目的はU-Dの中のエクザミアでしょうが、恐らく其れは人の扱える物ではありません!其れに、U-Dが本気で暴れたら世界が滅んでしまうんです!
 だから、大人しくして下さい!貴女達には私達と一緒に来て貰います!!」


ふ〜〜〜ん?……悪いけどお断りよ!
アタシには、何が何でもエクザミアが必要なの!何人たりとも邪魔はさせない!!



――ボウ……



「……此処は何処だ?……俺の狩るべき相手は……お前達か………」

「うふふふふ……可愛いお嬢さん達ね?……リンカーコアを抜く時に、どんな可愛い悲鳴を聞かせてくれるか、楽しみだわ………」


「「闇の欠片!!!」」


と思ったら、此れは思わぬ好機ね?
平行世界のアタシとアミタは、そいつ等の相手でもしてなさ〜い?アタシはアタシで、き〜〜っちり目的を果たさせて貰いますので〜〜〜。頑張ってね〜〜?


「ちょ、待ちなさ〜〜い!!」

「厄介な時に出て来てくれるわね闇の欠片も……少しは空気読めのSKYよ!!!」


兎も角、邪魔が入らないのは良い事だわ。
さぁて、U-D改めてエクザミアを貰い受けるわ……エルトリアの為に、パパにせめてもの成果を見せてあげるために――アタシは絶対エクザミアを!!!








――――――








Side:キリエ(夜天)


ったく、最悪のタイミングで現れたわね闇の欠片が……ホントに空気読みなさいよ〜〜?
おまけに、現れた欠片は野生の本能全開のザフィーラと、なんだかと〜〜〜〜ってもサディスティックなシャマル……シャマルが普通に怖いわ此れ…(汗)

まぁ、本物のザフィーラとシャマルが相手だったら苦戦必須なんだけど、欠片程度じゃ私とアミタには勝てないわよ〜〜ん?


「「ロックオン!!」」


――ガキィィン!!


「「!?」」


こう見えて、姉妹の連携は結構なモノなのよ?其れこそ、一々口に出さなくても分かる位にね。
二重のバインドは効くでしょ?……此れで終わらせる!!

「せぇぇっの!スラッシュ・レイブ・インパクト!S・R・Iーーーーーーー!!!」


――ドガバァァァァァァァァァァァァァァン!!!!


手応え有!トドメは任せるわよアミタ!!


「任されました!!
 破ぁぁぁぁぁぁぁ……E・O・D、行きますよ!!てやぁぁぁぁぁあっぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁあぁぁ!!シュートォ……エンドォォォォォ!!!」


――ドォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!


「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

「ふぅ……気合と根性で、頑張りました!!」


アミタの超高速斬撃と、回避不能の弾幕は何時見ても圧巻だわぁ〜〜〜……流石のお姉ちゃんね。
ともあれ、闇の欠片は撃滅したけど、平行世界の私とU-Dは!?


「えっと……倒した?」

「……………」


ヘヴィエッジのザッパーを振りおろした平行世界の私と、首をもたげるU-D………だけど、倒せてなんていない!アレは……力を溜めてるだけ!!
今直ぐそこを離れなさい平行世界の私!!そうじゃないと、死ぬわよ!!


「……稼働率65%……敵性存在を排除する……」

「!?」


遅かった!?……でも、この距離じゃ救出は間に合わない――!!





アクセラレイター!!!




――バキィィィン!!!


え?……アレは、若しかして平行世界のアミタ!?―――自らを盾にして、妹を庇ったって言うの!?


「アミタ!?」

「に、逃げなさいキリエ……此処は、私が食い止めます!!」

「……愚かな……その身を盾にしても苦しいだけだ……大人しく終われば何の苦しみもないと言うのに……」

「そうかも知れません……だけど、どんなに痛くても、どんなに苦しくても、前を向いて生きる!人の心はそう言う風に出来ているんです!!
 ヴァリアントザッパー、オーバーブラストォォォォォォオオオォォォォォォ!!!!


――キィィィィィィィン………ドゴバガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!!!



な、何この破壊力!?
此れって、下手したらなのはちゃんとはやてちゃんとフェイトちゃんの『トリプルブレイカー』に匹敵するんじゃない!?……此れなら流石に、効いたかしら〜?


「並の相手ならば此れで終わりでしょうが……如何にもそうは行かないみたいですね……」








「今のは少し痛かった……だけど其れも無駄だった……悲しい事だ、本当に悲しい……」


アレを喰らって無傷とは、本気で恐ろしいわねU-D……!!
って言うか、平行世界のアミタ、左腕が千切れてお腹に穴が開いてるじゃない!!……そんな、嘘でしょ……!?


「うぐ……頭が……うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


――バシュン!


消えた!?……って、平行世界のアミタが!!!


「お願い、クラールヴィント!」

『Ja.(了解。)』


――カキィィン……



シャマル!!……美味しいタイミングで来てくれたわね〜〜〜……助かったわ。
取り敢えず平行世界のアミタを―――え?


「「機械の身体!?」」


千切れた左腕も、大穴が開いたお腹からも、見えるのは火花を散らす機械……平行世界のアミタは……うぅん、アタシも……若しかしなくても人間じゃない?
でも、そうだとしてもこんなに確固たる自我を持ってるロボットなんて……


「あるかも知れませんよキリエ?
 お父さんが、学生時代に友人と共に研究していたモノの中に『人の心を持ったロボット』と言うのがあったらしいんです……だとしたら……」

「平行世界に於いて、其れの成功例が出来ていても不思議じゃない…か。
 何れにしても、パラレルアミタをパパの所に連れて行きましょ?人間で言うなら、超重傷レベルだけどパパなら治す事も出来ると思うから。」

「ですね……と、言う訳で私とキリエは一時戦線を離脱しますので、後はお任せできますかシャマルさん?」

「は〜〜い、大丈夫ですよ〜〜〜?こう見えても、夜天の騎士なんですから♪」


任せるわよシャマル〜〜?
騎士達の中では、直接的な戦闘力が一番低いとは言え、逆に言うなら他の騎士達にはない一撃必殺(コア抜き)があるから頼りになるのよね〜〜?



この場はシャマルに任せるとして、パラレルアミタ……死んじゃ駄目よ?
アンタは此処で死に様な魂じゃない!!だから、絶対に生き残って……そんで、平行世界の私に一発かまして目を覚まさせてやって頂戴な!!!



だけど、あれほどの力を持つU-Dにどうやって挑めばいいの?
恐らくあの子の強さは、暴走した『闇の書の闇』よりも遥かに強い……此れは結構な難題かも知れないわね〜〜ん……真剣に考えないとよね〜〜〜……

って、如何したのアミタ?


「平行世界の私は、自らを投げ打ってでもキリエを助けようとした…だけど、私には其れが出来なかった……私は、此れでは……」


あ〜〜……気真面目は面倒くさいわね。
大丈夫よアミタ、貴女は誰が何と言おうと、私の自慢のお姉ちゃんだから!!だから、平行世界の自分と比べるのはナンセンスよ〜〜ん?


「ですね……しかし今回の件は、如何にも一筋縄では行かないようですね……」


多分ね……まぁ、最終的にはなのはちゃんが如何にかすると思うけど、如何せん不確定要素が多過ぎる――一度集まって作戦会議を開くべきかもね〜…
あら?そう言えば、平行世界の私は一体何処に行っちゃったの?姿が見えないんだけど〜〜〜?


「あの一撃のどさくさに紛れて、この場から離脱したようですね?逃げ足は速いと言うか何と言うか……」


うそん……己の身を犠牲にして護ってくれた姉をほっぽり出して逃げるとか如何言う神経してんの?
此れは、今度会った時にはきっつ〜〜〜〜〜い一発を……そう、確りとO☆HA☆NA☆SIしないといけないようね〜〜〜?覚悟しときなさいよ〜〜?








――――――








Side:???


む……此処は何処だ?
我は確かに冥界に旅だった筈なのだが……此処は、そうか海鳴か!――と言う事ははやても近くに居るのだろうか?……居るならば会いたいがな。

其れにしても……

「我は遂に人を辞めたか……まぁ、予想はしていたがな。」

如何やら我は人間ではないらしい。あの妙な感覚を思えば余計にな……だが、出来るだけ早くはやてと合流した方が良いのもまた事実だ。


だが、今再び我がお前の前に顕現したその時、お前はどんな顔をしてくれるのかな?……我が妹『八神はやて』よ――――!!


うぬの気持ち、全て我に刻み込まれたぞ……その答えを見出す。
如何やら、我も覚悟を決めなくてはなるまい――今だからこそ伝えるぞ、はやて……我も、父上も母上も、お前の事を愛していた…其れは忘れないでくれ。








――――――








Side:はやて(夜天)


?……なんや?なんか、旋風姉やんに呼ばれたような………?
空耳――にしては、あまりにもはっきり聞こえた様な…?

若しかしなくても私の記憶から旋風姉やんが再生された?……やったら行かなアカン……私が行かな。

闇の書の中で誓いを立てたけど、もう一度誓いを立てる必要があるみたいやね……


せやけど、夢で終わりかと思ってた旋風姉やんともう一度会えるかも知れへん……其れを考えると、自然と頬が緩んでまうな〜〜〜……♪
もし会う事が出来たらどないしよ?……先ずは、思い切りハグしてもらおかな?……其れ位の我儘を言ったって罰は当たらんと思うからね。



とは言え、U-Dは行方知れずのまま……警戒は、怠らんで継続するのが上策やろうね……何とも、面倒な事になったもんやな――!!


やけど上等やないの?
関西人のど根性舐めたアカンで?やるなら徹底的にやったるわーーー!!私と、なのは姉やんが力を合わせれば、出来ない事なんて何もないからな!!
















 To Be Continued…