Side:シグナム
「………!?」
「シグナム、如何かしたか?」
恭也殿………主なのはの魔力が消えた!!……いや、正確には封鎖結界に捕らわれた!?……何故行き成りこんな…!!
「な!なのはが!?無事なのか!?」
「分からない……シャマル!!!」
「お任せ!既に結界は補足したわ……だけどこの結界……以外に堅い――私達が入り込むには1分くらいかかるかも知れないわ…!!」
……難しいかもしれんが40秒でやってくれ。
それと、結界内の様子は!?主は御無事なのか!?
「今は無事だけど……何者かの襲撃を受けているわ!
しかも相手は並の魔導師なんかじゃない――恐らくは私達と同じ古代ベルカの魔導を扱う騎士!!なのはちゃんじゃ分が悪いわ!!」
「く……何故なのはが…!!だが、魔法関係じゃ俺も美由希も父さんも手が出せない……クソ!
悔しいが……シグナム、シャマルさん――なのはを!!」
「言われるまでもない……主の危機を騎士として見過ごす事は出来ん……無論私だけでなく、ヴィータとザフィーラも。」
「そんで私もやで!!フェイトちゃん達とアミタさん達と、すずかちゃん、アリサちゃんに連絡居れたで?入れるようになり次第皆で突撃や!!」
はやて嬢……何とも、その手際の良さには感服するな。
だが月村にバニングス、フローリアン姉妹とテスタロッサ姉妹も供に来てくれるとなると心強いのは確かだ――彼女達もまた超一流の魔導師だからな。
何処の誰かは知らんし、目的も分からないが……襲う相手を間違えたようだな?
我等が主に手を出したら一体如何いう事になるか――文字通り、その身に刻みこんでやるから覚悟を決めておけ!!
魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜 夜天39
『切り離された結界の中で』
Side:なのは
「ちぃ、とっさにバランスとってデバイスを起動したってのか?……噂以上の腕前だな『闇の書の主』!!」
「伊達に戦国の英傑とガチバトルをしたわけじゃないからね。」
其れよりも私の事を『闇の書の主』って呼ぶって事は、十中八九この子は闇の書と何かしらの関係があるか、或は闇の書の力を欲してるかの二択…
私を行き成り襲って来たって事は後者か、或は闇の書に深い恨みを持っているのか……何れにしても何にも聞かない事には始まらないよ!!
「お願い話を聞いて!!どうしてこんな事をするの!?」
「どうしてどうしてって、うるせぇ奴だなお前………答える義理はねぇって言っただろうが!!耳ねぇのかテメェ!!!!」
この頑固者!!話してくれなきゃ、何も分からないんだからーーーー!!!
『I think so.(そうですね。)取り敢えずとっちめましょう!話は其れからです!!Divine Shooter!』
――ヴォン……バシュン!!
「んな!誘導弾だと!?たった1発とは言え、何て速度と精度だ此れ…!!!」
やろうと思えばもっと展開できるけど、貴女の足を止めるだけなら其れでも充分なの――お話聞いてくれるよね?
「ふざけんな……この程度で勝った気なってんじゃねぇ!!!俺を舐めるなぁ!!!」
!!魔力の爆発でシューターを消し去った!?……でもそれは、『如何足掻いても話を聞く気はナッシング』の意思表示で良いんだよね?
このわからず屋の石頭!!
「話を…」
『Divine…(一撃必殺…)』
「聞いてってばーーーーーー!!!」
『Buster!(速攻滅殺!)』
――キィィィィ………ドガァァァァァァァァァァァァァン!!!!
「のわ!?」
一直線に飛んでくるところにカウンターしたのに、其れをギリギリで避けるなんて間違いなく相当の実力者……ホンの少し掠っただけで終わっちゃった。
だけど今ので落とせなかったのは少し拙いなぁ……二度同じ手は通用しないだろうし、クロスレンジの技術もパワーもあの子の方が上だからね…
「テンメェ……やってくれやがったなクソガキ!!ソルブレイカー……ロード、カートリッジ!!!」
『Ja Nachladen.』
「その身体、薪みたいに真っ二つにしてやるぜ!!バスチオンバスター!!!」
イキナリ雰囲気が……まさかバスターが掠っただけで逆上したって言うの!?幾ら何でも沸点低すぎじゃないかなぁ!?
って言うか、それ以前に自分の方から襲い掛かって来て、反撃されたら怒るって言うのは幾ら何でも身勝手過ぎない?
『その通りですね……ですが、あのヘビーアックスの一撃を私で受けきるのは少々無理があるので――戦略的撤退を推奨します。』
「言われなくても……だけどこの結界から外に出る事は出来るの!?」
『無理ですね。なので、騎士達が到着するまで兎に角逃げ回りましょう。』
だよね……だけどこの子凄く速い!!クイックムーブで直前回避を繰り返したとしても、此れじゃあ…!!
「うろちょろうざってぇ……うおらぁぁあぁ!!!!!」
――バキィィィィ!!!
「レイジングハート!!!」
『く……機体の損壊だけでコアの損傷はありません――ですが拙いですね。
此れでは必殺の砲撃を放つ事は出来ません、精々バリアと誘導弾を放つ程度しか……!!』
さ、最悪だね其れは……只でさえ状況は悪いって言うのに、最大の必殺技が封じられたとなったら殆ど詰みだよ……だからって諦める気はないけど。
レイジングハート、バリアや誘導弾に割く魔力を可能な限り回避能力に回す事は出来る?この際防御力も無視して!
『可能ですが……そんな事そしたら、被弾する事が=死に直結しますよ?』
「だからって、あの子の攻撃を私の防御力でも耐えるのは難しいでしょ?だったら可能な限り回避する方が上策なの!」
『……確かにその通りですね…。
了解、バリアジャケットのデッドウェイトを可能な限り減らし回避性能を極限まで高めます。』
バリアジャケットの形状が……スカートがミニスカートになって上半身はインナーのみに…確かに此れなら早く動けるね。
と、追撃が来たね!
「速度特化か?其れで俺の攻撃から逃げられると思ってるのかよ!!」
「逃げ切る!!攻撃と防御の全てを回避に回せば出来ない事じゃないの!!」
其れに加えて、貴方の直線的な攻撃なら見切るのは難しくない……悪いけどシグナム達が来るまで逃げさせて貰うから!!
「逃げ切れると思うのか?」
「!!!!」
『新手!?』
「貴様には此処で沈んでもらうぞ闇の書の主……貴様と闇の書は存在して居てはいけないモノなのだ!!」
こ、今度はシグナムそっくりの剣士!?
だけどこの人もシグナムとは違って男の人だし、武器も長剣じゃなくて大剣……って、其れ所じゃないの!!
只でさえ劣勢なのに此処で追加戦力だなんて……幾ら何でもこの波状攻撃を躱し続ける事は難しすぎるよ……!!
それでもお兄ちゃんとシグナムの模擬戦を何度も見てたお蔭で攻撃の太刀筋を見切る事が出来るけど、其れだけじゃあ何れ……
「オラァ!!!!!」
「にゃぁぁ!?」
「良く避けたが……後ろががら空きだ!!」
しまった…!!此れじゃあ回避できない………!!
「うおらぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「覇ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
――ガキィィィン!!!
ふぇ?衝撃が……こない?
「貴様等……我が主に刃を向けるとは良い度胸だな……その蛮行、その身を持って償って貰うぞ!」
「テメェ等……なのはを襲って只で済むと思うなよ?纏めてアイゼンの頑固な汚れにしてやるぜ!!」
シグナム、ヴィータちゃん!!……な、何とか持ち堪えられた〜〜……レイジングハート、バリアジャケットを通常モードに戻して。
はぁ、其れにしても間一髪助かったよ2人とも♪
「ワリィ、遅くなっちまった……」
「言い訳になってしまいますが、この結界は以外と堅くてシャマルでも解析に50秒ほどかかりまして…
更に主が、家とは随分離れた場所にいらっしゃいましたので此れだけの時間が掛かってしまいました……申し訳も立ちません。」
「ううん、気にしないで……ギリギリでも間に合ったんだから問題はなしだよ。
其れにシグナム達が来てくれたなら、もう逃げ回る必要もないの――あの人達を倒して結界を解除して帰ろう?」
「ちぃ…来やがったな闇の書の守護騎士……!!」
「まぁ、ある意味好都合だな……闇の書の主共々、守護騎士も葬る心算だったからな。」
「我等を主共々葬る?……随分と甘く見られたものだな?」
「闇の書の守護騎士をあまり安く見ない方が良いわよ?」
ザフィーラとシャマルも!
「其れだけやないで?」
「闇の書の主には守護騎士だけじゃなくて、最強の友が居るのよ〜ん?油断大敵YDT〜〜!」
「これ以上、好き勝手な事はさせません!」
「てか、アンタ等アタシの親友に手を出して無事で済むとは思ってないわよね?……真っ黒に焦がしてやるわ!」
「其れとも氷のオブジェの方が良い?……大事な友達が行き成り襲われて、私達も怒ってるんだから。」
「貴方達が何の目的を持ってなのはを襲ったのかは知らないけど、友達が襲われて黙ってられるほど、私達は薄情じゃない……!」
「そんな訳で、此れから貴方達に裁きを下します!!」
「さぁてと……フェイトとアリシアの友達に上等働いてくれたんだ、骨の1〜2本は覚悟して貰うからね?」
はやてちゃん!
其れにキリエさんとアミタさん、アリサちゃんとすずかちゃん、フェイトちゃんとアリシアちゃんにアルフさんまで!!…此れは一気に状況が好転したね!
レイジングハートが大破した今、私1人じゃ戦うのは難しいけど、皆が一緒なら話は別なの。
最強の守護騎士と、頼れる仲間が一緒なら、負ける気は一切しないから……退かないなら、倒す――まさか2人で勝てるとは思ってないよね?
「闇の書の守護騎士に、闇の書の主の友が集うとは……成程確かに私とヴォクシーだけで相手にするのは無理だろう。
だが、我等とて戦力が此れだけではない――!」
「……ハン、雁首揃えたもんだねぇ?……ったく面倒くさいったらないもんだ。」
「「「「「「「「「………」」」」」」」」」
……やっぱり退かないか――予想通り、他に戦力も有ったみたいだしね。
10人近い魔導師はみんな同じような武器と服に身を包んでるから、恐らくは『只の兵隊』だとおもうの。
それにしても、今現れたのは褐色肌に銀髪の獣人のお姉さん――ザフィーラを女の人にしたら多分こんな感じだろうね、性格は似てないけど。
この人も加えて、兵隊以外の3人はまるでシグナム、ヴィータちゃん、ザフィーラの性別を反転したような容姿をしてる。
其れを踏まえると、多分シャマルそっくりの容姿をした後方支援型の『男性』の騎士か魔導師も居るって見た方が良いかもしれないね。
「ふ…我等に対して総力戦を挑むか?……愚かだな。
お前達ならばいざ知らず、言い方は悪いがその他は雑兵に過ぎんだろう?……その程度では主の友を落とす事など夢物語にもならんぞ。」
「まぁ、テメェ等の運命も似たようなもんだけどな?
何でアタシ等と似た見た目なのかは知らねぇが、テメェ等は絶対にしちゃならねぇ事をしたんだ……問答無用で叩き潰す!!!」
「主、ご命令を……!!」
うん……闇の書の主として守護騎士に命じる……私達に刃を向けし者を、その力を持ってして退けよ!
「「「Jawohl Meister NANOHA!!(了解しました、我が主なのは!!)」」」
はやてちゃん達も、他の魔導師の相手をお願いできるかな?
悔しいけど、レイジングハートが大破した今、私は誘導弾くらいしか攻撃する手段がないから……皆に任せる事になっちゃうんだけど…
「何水臭い事言ってんのよなのは!アタシ達の仲じゃない?」
「そうよ〜〜〜?それに〜……無粋で空気の読めない襲撃者さんには、確りと『力の差』を教えてあげた方が親切だと思うのよね〜?」
「だからなのは、此処は私達に任せて、なのはは自分に出来る事を――だけど、無理はしないで。」
……うん、其れじゃあお願い!!
それで、シャマルは行かないの?
「私は直接的な戦闘に向かないから……私の役目は、此処でなのはちゃんを護る事ですから♪
其れと並行して、結界の解除もシグナムから言われていんですけどね……はぁ、中々に強固な結界で辟易しちゃいます……」
シャマルが手こずるなんて、相当に強力な結界なんだね……つまり術者はシャマルに匹敵する相手って事だよね。
そうなると、あの3人もシグナム達に匹敵する力を持ってると考えた方が良さそうだね……となると、最悪は削り合いの泥仕合になっちゃうか。
うん――シャマル、出来るだけ急いで結界の解析を解除を行って!
戦況が如何であれ、結界がなくなればあの人達は退くしかない筈だから――!!
「結界を張って襲ってきた以上、其れが解かれた場合は相手の方が色々不利になりかねないと言う事ね?
了解です!そう言った事なら、全部シャマル先生にお任せ〜〜〜!」
お願いねシャマル!
さてと……私は今の私に出来る事を――せめて誘導弾で、皆の援護位しなくちゃだね!
――――――
Side:アリア
高町なのはがこんなに早く襲撃されるなんて、流石に予想外だったわ。
其れにあの襲撃者――性別は違えどヴォルケンリッターの面々とほぼ同じ容姿だなんて、此れは一体どれだけ性質の悪い夢なのかしらね……
「夢なら本当によかったけど、此れは夢じゃないだろ――如何するアリア?」
「今はこの戦いを静観するしかないでしょ?
でも、高町に余計なことしようとした奴が出てきたら、其れは問答無用で沈める……其れが一番ベターだとは思うけどね?」
尤も、流石にやばそうな場合には介入させて貰うけれどね……
高町なのはと守護騎士、そしてその友達は私達とお父様の希望にして護るべきモノだ……絶対にやらせないわ…絶対に……!!!!!
To Be Continued… 
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