Side:なのは


季節は夏。
学校も夏休みに入って、1年で1番長い休みに突入!そして、児童や学生には1年で1番楽しい季節の到来!

夏休みの宿題は、シャマルやお姉ちゃんに見て貰いながら夏休み開始から3日で片付けたの…勿論アリサちゃんとすずかちゃんもね。
何気にお姉ちゃんも、アミタさんとキリエさん呼んで、私達の勉強見ながら自分の宿題を片付けちゃったし。

……特に宿題は出されていない、大学生のお兄ちゃんがちょっと羨ましかったです。



で、今日は家族皆で海に!夏と言えば、やっぱり海だよね〜〜♪


「おぉ〜〜〜!!海鳴の公園から見るのとは全然ちげぇ!!人も沢山居るぜ〜〜!」

「夏と言えば海やからなぁ〜〜♪」


で、早速水着に着替えて砂浜に……何て言うか、ザフィーラが色んな意味で『凄い』と思うの――ボディビルダー顔負けの肉体美だね。


「お褒めに預かり光栄です……」

「うん……色々凄いからね……主に筋肉が。」

其れとは別に、シャマルも水着よく似合ってるね?絶体似合うと思って、パレオ付の白にしたけどバッチリ♪


「そうですか?そう言って貰えると嬉しいです♪」

「なぁ、なのは〜、アタシは?」

「ヴィータちゃんも可愛いよ♪って言うか、良く見付けたね『のろいうさぎ』がプリントされた水着なんて…」

「1着だけだけどな〜〜♪アタシはのろうさ好きだから、如何しても此れが良かったんだ。」


うんうん、その気持ちは分かるよ?やっぱり好きなモノは好きだからしょうがないもんね。
それで……残るはシグナムなんだけど――何でそんなにギッチリとパーカーを着てるのかなぁ?ん〜〜〜〜、水着が気に入らなかったのかな?












魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜  夜天32
『SummerEvent1:基本の海』











ねぇシグナム、若しかして私が選んだ水着は嫌だったの?


「いえ、決してそう言う訳ではないのですが……その…いざ着替えてみると、人前で此れは些か羞恥心が湧くと言いますか…」

「ほえ?なんで?……シグナムはスタイル良いんだから、恥ずかしがる事なんてないと思うんだけど…?」

「いえ、スタイル云々では無くて……その、この水着は少々布面積が小さいような気がしまして…あの…つまりそう言う事なのです…」


あ〜〜〜……そっか、シグナムにはスタイルが良いからってビキニ選んだんだよね。
確かに布面積はお姉ちゃんが着てるセパレートタイプと比べれば格段に少ないかも……だけど、そのままじゃ泳げないよ?


「う……あの、砂浜で大人しく日光浴を…」

「え〜〜〜?そんなぁ……浮き輪使えば水の中も大丈夫だから、シグナムと一緒に遊びたかったのに……」

「あ、主!?……そ、そんな顔をしないでください!!!
 わ、分かりました!!私と一緒に遊ぶのを楽しみにしていてくれたと言うのならば、其れに応えないのは騎士の名折れ…ならばこの程度…!」


――バッ!!


「こ、此れならば一緒に海に入る事も出来るd――パァン!!……な、何だ今の音は!?って、砂浜の一部が真っ赤に!?
 一体何が起きたと言うのだ?今までは何もなかったと言うのに…」

「……主にオメーのせいだ、この乳魔神。オメーがパーカー脱いだ瞬間に浜辺の男共の8割が鼻血大噴火したんだよ!!」

「わ、私のせいなのか!?」


……ど、如何かな〜〜?……確かにシグナムがパーカー脱いだ瞬間にだからねぇ?
温泉の時も思ったけど、ホントにシグナムってスタイル抜群だなぁ……私も大きくなったら、あんな風になれるのかなぁ?……うん、頑張るの!!


「まぁアレやな、シグナムのプロポーションは、世の男共の煩悩を限界突破させる破壊力があるって言う事やね。
 ぶっちゃけ、士郎さんと恭也さんくらいしか平気な男の人おらへんのと違う?」

「僕には桃子さんが居るからねぇ♪」

「忍の過剰なスキンシップで慣れた……喜ぶべきか悲しむべきか……」


にゃはは……お父さんとお兄ちゃんはね…

んん、其れよりも海入ろうか?折角来たんだから楽しまなきゃ損だもん。


「そうですね……では、主は私と共に…」

「うん、宜しくね♪」



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



はぁ〜〜〜〜……やっぱり夏の海は最高だね〜〜〜……水も冷た過ぎないから気持ちいいしね〜〜〜…シグナムは如何?


「えぇ、とても心地よいモノですね。
 海水浴と言うモノは初めての経験ですが、とても心地よいと言うか……普段とは違った気分になれます――とても解放的な感じです。」

「其れも真夏の魔力かなぁ?
 真夏の海には不思議な魅力があるからねぇ……だから此れだけの人が集まって来るのかも。」

「そうであるのかもしれません。
 ……時に主なのは、少し潜ってみませんか?私と手を繋いで居れば少しくらいは大丈夫でしょう?」


潜って?……うん、手を繋いでれば大丈夫だと思うけど、私はそんなに息続かないよ?


「1分くらいならば大丈夫でしょう?……貴女と少しばかり海の中を見てみたいと思いまして……」

「そう言う事なら大丈夫♪」

折角の望みだもん、一緒に海の中を楽しもう?
この海は海水の透明度が物凄く高い事で有名だから、きっと潜っても楽しめると思うんだ。


「其れは楽しみですね……では!」

「せーの!」


――ザブン



ふわぁぁ……実際に潜ってみると、物凄く水が澄んでる……10m以上先までハッキリと見えるの!正に青い海だね!


《此れは……想像以上の絶景ですね……見事なモノだ。》

《気に入った?》

《えぇ……此れほどまでに美しい景色を、私は此れまで見た事は有りませんので。》


水の中では念話でね。
そっか、此れまで見た事がなかったんなら余計に楽しまなくちゃ損だよ?
それに、よくよく考えればレイジングハートに補助して貰えば、水中でも可也息は続く筈だしね――暫く海の中を楽しもうか?


《はい………あの、主…この岩場の穴は何でしょうか?》

《穴?……あ、此れは多分ウツボって言う凶暴な肉食魚の巣じゃないかなぁ?
 下手に手を出さない方が良いよ?ウツボって噛む力が物凄く強いから、ウツボに指を噛みきられたって言う事故は、結構多いんだよ?》

《それは、注意した方が良さそうですね……って、何か出てきました!!》


!!話してた傍からウツボ!?……だとしたら速攻で逃げた方が良いけど…


『に〜〜〜〜……にゅい〜〜ん〜〜〜』

《《!?》》

うん、穴から出て来たのは確かにウツボだったの……だけど此れは如何見ても『強欲なウツボ』なの!!
実在してたの!?何で居るの!?それ以前に『にゅい〜〜ん〜〜〜』って何の音なの!?理解不能なの!誰か説明してなの〜〜〜!!


『ご安心くださいMaster、只の未確認生物です…大した脅威にはなり得ません。
 寧ろMasterとシグナムが一緒のこの状況に敵など居ませんて。何か出てきたら、シグナムが斬り捨てたのちにMasterが撃滅すれば無問題!』


あ!そ、そうだよねレイジングハート!!


《いや、其れは色々間違っているぞレイジングハート!!!主なのはも変に同意しないでください!!》

『にゅきゅ〜〜〜ん……』


あ、居なくなっちゃったの強欲なウツボ……
?……ところでシグナム、私は何かとんでもない事に同意した気がするんだけど気のせいかな?


《……多分気のせいです……思わぬ未知生物との遭遇で、少しばかり驚いて自我が飛びかけてしまったのだと思います…》


そっか……うん、それじゃあもう少し海の中を楽しもうか?レイジングハート、もう少しサポートをお願いね?


『All right Master.』


引き続き海中散歩を楽しもうねシグナム♪……手、絶対に離さないでね?


《離しませんよ……貴女と一緒でなければ、この素晴らしき海中景色も楽しめそうにはありませんので。》

《そう?……それじゃあ、確りエスコートしてね?頼りにしてるよ、私の騎士様♪》

《御意に……それでは引き続き参りましょうか、麗しき人魚姫よ。》


に、人魚姫だなんて照れちゃうよ///……シグナムが言うと余計にね。
でも、私が人魚姫なら、シグナムは人魚騎士だね♪――長剣携えたビキニアーマーの人魚騎士……何か物凄く似合うかも。


そう言えば、こんなに長く海に潜った事は無かったなぁ……初めての経験かもね?
ふふ、私もシグナムも初めての海中散歩ってなんか変なの――だけど、だからこそ新鮮で楽しいのかもしれないね。


《主なのは、海にもナメクジが居るのですね?》

《違うよ、此れはウミウシって言うの――まぁ、遠い親戚だから、ナメクジと無関係とは言えないけど。》

《そうなんですか……ですが、此方の方が色鮮やかで綺麗ですね。》


そして、思ったよりも海の中は不思議と驚きに満ちていたの。



流石に『ジンベイザメ』に遭遇したのにはシグナム共々驚いたけどね――アレってこんな場所に居る魚だったかなぁ?








――――――








Side:シグナム


海と言うのは初めて来たが、中々に面白い場所だ。
主達と共に過ごしていると、この水着で居るのも恥ずかしさを感じなくなってくるから不思議なモノだな。

午前中は主と共に海中散歩を楽しみ、昼食は海の家と言う場所で摂った。
まぁ、悪くはないが桃子殿の料理と比べたら雲泥の差があったな……もし、もう一度来る事が有ったら今度は桃子殿の弁当を望むな。



さて、一休みしての午後は……今度は一転しての日光浴だ。
美由希殿と恭也殿は、午後も泳ぎに行ったが、主とはやて嬢は午前中に目一杯遊んで少し疲れてしまわれたのだろうな。

まぁ、其れは良い……其れは良いのだが…


「それじゃあシグナム、オイル塗ってね?」

「私はシャマルにお願いしようかなぁ♪」

「はい、任せて下さいはやてちゃん♪」


何だこの状況は〜〜!?
私の前にはうつ伏せになって背中をはだけさせた主が!!……いや、サンオイルを濡れと言うのは拒否しませんが、何もそこまでしなくとも!!
幾ら主が子供とは言え、ビキニトップを外すと言うのは……!!!


「ほえ?大丈夫だようつ伏せだし。
 其れにオイル塗り終わったら元に戻せば良いだけだし、そもそもこんな子供の身体に興味を示す変態さんは流石に居ないでしょ?
 仮にいたとしても、近づいてくる不埒な輩はザフィーラが撃滅してくれるだろうから大丈夫だよ?」

「……………」(主に近付く不埒な輩は撃滅オーラ全開)


……確かにザフィーラが無言で仁王立ちしているだけで誰も近寄らないとは思いますが……まぁ、其れなら問題はないか?
ならば、失礼して、僭越ながらオイルを塗らせていただきますね?


「うん、お願いします♪」


では……初めての事だから勝手が分からないが此れ位だろうか?
如何ですか主なのは?此れ位で良いでしょうか?


「あ〜〜〜……十分なの〜〜〜……はぁ〜〜〜〜シグナムはマッサージも巧いね〜〜……とろけちゃいそうなの〜〜♪」

「そうですか?不快でないのならば良かった。」

初めて故に戸惑うが、如何やら主のお気に召したようだ。




しかし……改めて触れてみると、主なのはの身体の何と小さい事か……この小さき身体で、主は闇の書の全てを受け入れようとしておられる。
いや、身体以上に主の器の大きさがあればこそその道を選択で来たのだろうな。

主なのははこの小さき身体の中に無限の力と優しさを内包しておられる……きっと生まれながらにして上に立つ気質を持っておられたのだろうな。
だからこそ、我等は本来あるべき『感情』を表に出す事が出来たのだろうな……


さて、終わりましたよ主なのは。


「うん、ありがとう♪
 其れじゃあ今度は交代、私がシグナムにオイルを塗ってあげるね♪」

「な!?……そんな、主にして頂くなど!!」

「ダメ?私がそうしたいんだけどなぁ……私だけ塗って貰うって言うのも悪いからね?」


そ、そう言う物でしょうか?……ですが、其れならばお願いします。
主自らがこんな事をしてくれるとは思ってもいませんでしたので、少し驚きましたが主がそうしたいのならば止める権利は我等には在りません。
尤も、主が道を踏み外しそうになったその時は、我等は全力を持って主を止める覚悟で居ますので。

「ではお願いしてもよろしいですか?」

「は〜い、任せてね♪」


でだ……オイルを塗るのに邪魔だろうと思ってビキニトップの紐を緩めたら、又しても砂浜が真っ赤に……一体何なのだろうな?
う〜〜む……海水浴と言うのも中々謎が多い行事のようだな。



「…シグナムに紐ビキニはやっぱり拙かったなぁ?」

「いや……アイツが乳魔神なのに問題があるんだ、なのはのチョイスに間違いはねぇ!」



?……ヴィータが主と何か言っていたようだが一体何だろうな?
まぁ良いか―――生まれて初めての海水浴と言うのは中々に楽しいモノだったらな。








――――――








Side:アリア


はぁ……引き続き監視をしてたけど、今回の闇の書は騎士を含めて本当に無害だわ。
ロッテもそう思うでしょう?


「だね〜〜……高町なのはを中心に騎士達も纏まってるし、なのはの友達も多分もっと強くなってる。
 ぶっちゃけて言うと、コイツ等相手に下手に手出しをしたら、こっちが火傷じゃすまない痛手を被る事になりかねないね…」

「だよね……」

何よりも、騎士達があんなにも人間らしいなんて言うのは、此れまでの闇の書事件からは考えられない事だよ。


高町なのはの人間性が、騎士達に人としての感情を芽生えさせたのかもね……なら尚の事、闇の書の強制封印は阻止しないといけないわ。
今回の闇の書の主は、私達の知る私利私欲を望んだ外道じゃなくて、純粋な心を持った女の子なんだ――この子を封印なんて出来ない。


待っててね高町なのは……必ず貴女を死なせずに、そして騎士達と共に過ごせる未来を届けるから!















 To Be Continued…