Side:アリサ


ったく、また巨大樹木って、芸がないわねジュエルシードも。
意志なき魔力宝石に芸を期待しろってのが無理かもしれないけど…だけど相手が樹ならアタシとシグナムで楽勝なのよ!!

「てぇぇぇぇい!!クロウバイツ!」

煌龍!!



――ゴォォォォォ!!


樹は炎で燃えるでしょ?
其れにどんなに反撃して来たって無駄なのよ!アタシとシグナムがメインアタッカーで、アミタとキリエとアリシアがサブアタッカー兼バックスよ?

更に封印担当としてなのはとフェイトが控えてるんだから…無駄な抵抗は止めて大人しく木炭になってなさいよ!!


――ボォォォォォォ!!


「見事な炎だなバニングス…いっそ『烈火の戦姫』とでも名乗ったらどうだ?」

「悪くないけど、其れを名乗るのはアンタを超えてからにするわシグナム!」

「ふ、ならば名乗るのは、ず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと先の事だな。」


言ってくれるじゃない……必ず超えてやるから覚悟しときなさいよ!

だけど、今は取り敢えず…鬱陶しいから大人しく燃え尽きろって言ってんでしょうが!!!クリムゾン…スターロード!!


『黒だよ…真っ黒!!』


アンタも意外とノリ良いわよね、フレイムアイズ…









魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜  夜天16
『Those Fight Further』










「―――――――――――――!!!」


取り敢えず結構削ったわ…あと3〜4発喰らわせればジュエルシードも露出するんじゃない?
ま、ドンだけでかくても図体だけじゃアタシ等の敵じゃないわよ♪


「そうですね。
 攻撃力は確かに高そうですが、其れも当らなければ意味はありませんし、なによりシグナムさんとアリサさんが相手では何も出来ないでしょう?」

「草タイプに炎タイプは基本よね〜〜。弱点突いてダメージ2倍のJTDよ〜〜ん。」

「てか、こんなに簡単に封印できるのって初めてかも…すごいねアリサ。」


此れも日々訓練の賜物よ。
それに、此れから封印を行うなのはは、ある意味でアタシよりもっと凄いわよ?
なんてったって『20倍○王拳○めはめ波』も吃驚の砲撃をガチでぶっ放す事が出来んのよ?


「嘘でしょ!?」

「ガチよ?…まぁ、その目で見てみると良いわ。」

其れをやる為にもさっさとジュエルシードを…


「このジュエルシードは自分達が貰い受ける。」

「「「「!!!」」」」

「忍者!?」


コイツ…若しかしてなのはとすずかが言ってた忍者!?
一緒に居る女の人は仲間よね?
何てタイミングで現れてくれるのよ……まぁ、ジュエルシードを狙ってるんだからある意味で当然だけど。

けど、ジュエルシードを貰い受けるですって?……んな事させる筈ないでしょうが!!
このジュエルシードは封印して、そんでなのはの為に使う事が決まってんのよ――アンタ達には渡さないわ!


「ならば、斬り捨てるのみだ…華と散れ!!」

「ご覚悟を…」


太刀と弓矢って、結構厄介ね…あぁ、アンタ達に構ってる暇なんて無いって言うのに〜〜〜〜!!!


「バニングス、巨大樹への攻撃を続けろ!コイツ等は我等で引き受ける!!」

「其れがベストね〜〜ん。
 人数ではこっちが圧倒的に有利な訳だし、私とアミタとシグナムであの3人の相手をして、アリシアちゃんがアリサちゃんのサポートに回ればOKよ〜〜♪」


んじゃあ、アタシはこのまま巨大樹を焼いて燃やせば良い訳ね?

まっかせなさい!!サポート頼むわ、アリシア!


「OK!お姉ちゃんにお任せ!!」

「いくわよぉぉぉ……ヒートドライブ!!」

『終わりにするぜ!!』


燃っえっろーーーーーーーーーーーーー!!!








――――――








Side:なのは


忍者さん…隼人さんがまた現れるなんて!
ううん、あの人達もジュエルシードを集めてるんだから、此れはある意味当然の事だね。
マッスルで大きなお兄さんと、はやてちゃん曰く『残念な体型』のお姉さん以外にも仲間の人が居たんだね。

其れにあの刀のお姉さんと弓のお姉さん――強い。
刀のお姉さんはヘヴィエッジ形態を使ってるキリエさんと互角に切り結んでるし、弓のお姉さんは一度に複数の矢を放つことでアミタさんと渡り合ってる。
そして、特出してるのはやっぱり隼人さん。
押し切れないまでもシグナムと略互角に渡り合えるって相当だと思うの。

「けど、其れだけに気になるよねフェイトちゃん…」

「うん。他の2人が出てこないのが……或は他にも仲間が居るかもしれない。」


だよね。
其れを踏まえると、私達も動いた方が良いんだろうけど…


『Protection.』


――ガキィィィン!!!



「「!!!」」


な、なに!?今のなに!?


『狙撃ですね。
 此方の有効間合いの外から狙ってきたようです……姑息な卑怯者が…!』

『Be Cool.』

『えぇ、分かっています!分かっていますよバルディッシュ!!
 ですが、自分は身を隠して此方を狙うと言う、その性根と根性が気に入らないんですよ!!正直、弾が飛んできた方に直射砲を放ちたいくらいです!!』



レイジングハート…(汗)
でも狙撃だとしたら、あの2人のどちらでもない…フェイトちゃんの言う通り他にも仲間が居たんだ!


――バババババババババババババ!!!


『また来やがりましたね?Masterの防御力を甘く見ないで頂きたいものです…Protection.』


く…全方位からの高速狙撃――相手は複数なの?


「バルディッシュ、相手の数は分かる?」

『狙撃手の数は1人ですが……此れは他の建物に遠隔操作可能な狙撃武器が備えられているかと。
 其れが、少しずつずれた間隔で発砲しているためにこれ程の高速連射がされているようです。』

『面倒な…Master、此れではこちらも動けません…このままでは…』



うん、更なる別働隊が居たらアリサちゃんの隙をついてジュエルシードが奪われるかもしれない…其れだけは避けなきゃ!
此処はやっぱり頼るしかないよね……

《力を貸して、私の騎士達!!》

《オッシャー任せろ!!》

《御意に…シャマル!》

《はやてちゃんも一緒に、纏めて転送するわね!》

《ほな…》
「呼ばれて飛び出て参上や!!」


はやてちゃん、ヴィータちゃん、ザフィーラ!…あれ、シャマルは?


「『私まで居なくなったら店が大変』と翠屋に残りました。…尤も、遠隔支援は行うとのことですが。」

「ある意味でシャマルが最も得意とする分野だね…其れじゃあ作戦!
 ヴィータちゃんとはやてちゃんは、狙撃手と狙撃武器を見つけ出してこの狙撃を止めてほしいの。
 ザフィーラは私と一緒にジュエルシードの封印に…え〜〜と、フェイトちゃんは…」

「私も戦闘の方を引き受ける。
 アルフとリニスに増援要請をしたし、多分母さんも一発やってくれると思うから。」


其れなら安心だね。
それじゃあプロテクションを解いたら行動開始だよ…レイジングハート!


『All right.Protection release.』


――シュゥゥゥ…バガァァン!!


ふぅ、ザフィーラの助っ人が無かったら危なかったね。
フェイトちゃんは問題なく全弾回避と……それじゃあ、お願い!……ってちょっと待って!!


「そぉらよっと!!」

「!!バルディッシュ!!」

『Yes sir.』

「お?コイツを防ぐとはやるねぇお嬢ちゃん♪」


槍を持ったお兄さん!……此処で新手が現れるなんて…!


「ヴィータとはやては行って、この人の相手は私が引き受けるから!」

「フェイトちゃん!?……けど、そうやな…任せるで!」

「無理すんなよ!」


フェイトちゃん…うん、無理だけはしないでね?
直ぐにジュエルシードを封印するから――ザフィーラ!!


「心得ました。」


狼状態の方が人間状態よりもスピードは速いから、此れでザフィーラに運んで貰えば…!!


――グンッ!


やっぱり速い!此れなら…



「あの、その矢は毒矢で、致死性でないとはいえ掠っただけで動けなくなるほどの毒が塗ってあるのですが…」

「そんな物は気合いで!!!」


…なんか、今物凄い事を聞いた気がするの…流石はアミタさん…


『見習うに値しますね♪』


多分見習って見習えるものじゃないと思うの。
よし、巨大樹到着!……って、やっぱり居たね筋肉お兄さんと『残念な体型』のお姉さん!!


「誰が残念な体型よ!!」

「なのはちゃん、其れは直球過ぎるよ…」


すずかちゃんも来てくれたんだ!


「私も出た方が良いと思ったから…意外と私の勘も鋭いのかも。」


うん、そうだね。
すずかちゃんが来てくれなかったら私とザフィーラで、この2人に対処してただろうから、封印係が居なくなっちゃう。


「此処は我等にお任せを…主はジュエルシードの封印に。」

「もうすぐアリサちゃんがジュエルシードを露出させるだろうから…急いでなのはちゃん!!」


ザフィーラ、すずかちゃん…うん、お願い!!


「行かせるかよぉ!!」

「やらせるはずないでしょ!!」


「お前の相手は私だ!!」

「させない…スノーホワイト!」

『やらせませんわよ…アイスバインド!!』


「野郎…やろうってのか!!?」

「我が主の邪魔はさせぬ…!」


――ガシィィ!!!


「氷って……君、中々侮れないね?」

「ありがとうございます…でも、此れで本気じゃありませんから!」


ザフィーラとすずかちゃんなら大丈夫だね……アリサちゃん!!


「なのは?…良いタイミングよ!此れで終わるわ!!喰らえ……ヘブンズドライブ!!」

『バーーーニング!!』


ノリノリだなぁフレイムアイズも……だけどこれで表面が焼け落ちて――見えた、ジュエルシード!!


『封印します!』


お願いレイジングハート!


「其れは貰い受ける!!」

「「!!!」」


隼人さん!?どうして……まさか変わり身の術を使って!!


「そうはさせん!ジュエルシードは渡さんぞ!!」

「シグナム!!」

シグナムも隼人さんを追って来たけど、多分ギリギリ同着レベル。
く…こうなったら仕方ないの……近距離戦闘は得意じゃないけど、クロスレンジに対応した状態で封印は可能?


『問題ありません。
 Masterが私を信じてくれるのならば、私はどんな事だって出来ますから。』


「レイジングハート……うん、其れじゃあお願い!このまま突っ込んで直接ジュエルシードを封印するから!!」

『All right.Master.』


突撃なの!!


「む…させぬ!!」

「其れは我等のセリフだ!!」



だけどシグナムと隼人さんは止まらない…



――ガキィィン!!



捉えた!…だけどシグナムのレヴァンティンと隼人さんの剣も同時に……!!

物凄い負荷だけど、封印しなくちゃ!!


「主なのは!……レヴァンティン!!」

『承知!我が魔力で封印の補助を…』


シグナム…うん、結構負担が軽くなった――軽くなったけど、これじゃあ!!


――ピキ…


「此れは!!」

「レイジングハート!!」

「レヴァンティン!!!」


デバイスが堪えられないよ……このままじゃ…!!



――カッ!!!



!!!!凄い光…目を開けていられないの………一体何が…きゃぁぁぁぁ!!!!!











 To Be Continued…