Side:アリサ
ったく、次から次へとウザったいわねこのくず鉄兵団が!!対して強くもないとは言っても、こうも矢継ぎ早に戦力の追加投入が行われるっては、流石にキツイわね……
だけど、だからってへこたれる事は出来ないわ!!
ゆりかごに突入したなのはとシグナムは、更にキツイ戦いをする事になるかも知れないんだから、此処で弱音を吐く事は出来ないわね。
行くわよフレイムアイズ!コイツ等全員、燃やし尽くしてやろうじゃない!!
『言われなくてもその心算だ!!……纏めて焼き尽くしてやろうじゃねぇか!!!』
そう来なくっちゃ!!……さて、覚悟は良いわね、最高評議会の魔導師とガジェット共!!
「私達に勝てるって、本気で思っているならね。」
――轟!!!
ふふ、すすかもやる気十分か。
兎に角、此処からがアタシの…アタシとすずかの本気モード!獄炎と絶対零度のコンビネーションに耐えられるモノなら耐えてみなさい?耐えた所でKOは確定だけど。
なんにせよ、アンタ等が勝つ確率は0%よ!……精々大人しく、真っ黒に焦げちゃうと良いわ!!
魔法少女リリカルなのは~夜天のなのは~ 夜天127
『ゆりかご突入のN&S!!』
Side:なのは
大体予想はしてたけど、ゆりかごの内部の警備も可成り強烈に設定してあるみたいだね?先に進もうとした途端に、大量のガジェットが現れて道を塞いでくれたからね。
AMF搭載のガジェットが此れだけ現れたとなったら、並の魔導師だったら頭を抱えたくなるんだろうけど、私達を並の基準で考えるのは愚の骨頂だよ!!
「吹き飛べ、ディバインバスター!!」
「我等の前に立ち塞がるのならば斬り裂くのみ!散れ、紫電一閃!!」
「おらぁ!燃えちまえポンコツ共!!」
グルムとユニゾンした私、調停者の力を解放したシグナム、そして高い力を有した融合騎のアギト……此れだけの戦力の前には、ガジェット如きは的でしかないんだよ。
AMFが有るとは言っても、AMFで相殺できないだけの魔法をぶち込めば、AMFを突破するのは難しくないからね。
って言うか、私達を止めたいのなら、ガジェットじゃなくてター○ネーターかロ○コップを持って来やがれなの!
この程度の戦力で、私達を止めようなんて烏滸がましいにも程があるよ?自分で言う事でもないかもしれないけどね……兎に角、此のままゆりかごは制圧するだけ!
「其れはそうでしょうが……如何やら新手が現れたようですよなのは。」
「……如何やらそうみたいだね。」
此れも、恐らくはガジェットの一種なんだろうけど、限りなく人型の外見をしてる事を考えると、此れまでのガジェットとは一線を画す能力を持ってるのかもしれないね。
何よりも、見た目が長身マッチョを連想させて、滅茶苦茶強そうなの。
だけど敢えて言わせて貰うよ?――そんなモノ程度で、私達を止める心算なのかな?
もし本気でそう思ってるのなら、最高評議会とやらもたかが知れてるね。……この程度の戦力で、夜天の主と、ヴォルケンリッターの筆頭騎士を如何にか出来ると思って
居るなんてね。
「……恐らくは、ゆりかごの管制室みたいな所で私達の戦いを見てるんだろうけど、だとしたら余程見る目が無いのかな?
確かに此れは、今までに戦ったガジェットとは比べ物にならない程、時間と手間をかけて作られてるよ。其れこそ、並の魔導師だったら太刀打ち出来ないかもしれない
位の力があるのは間違いないと思う。AMFも搭載されてるみたいだしね。
でも、これで私達の進撃が止まると、倒せるとでも思ってるの?……もしそうなら、長生きし過ぎて耄碌したとしか言いようがないの。」
「こんなモノは、我等にとって足止めにもならん。」
そう言う事だね。
まぁ、良いや。折角だから、モニターで見てるであろう最高評議会の脳味噌様達が持ってる『高町なのは』に対するイメージを一新してあげようかな?
レイジングハート!
『了解しました。マスターの事を砲撃しかないと思ってる腐れ脳味噌共に、マスターの真の実力と言うモノを見せてやりましょう。此の、木偶の棒を叩き伏せる事で。
シュナイダーモード起動。バリアジャケットをイクシードアサルトモードに換装。シールドモードに変形し、シュベルトクロイツを転送します。
さぁ、目ん玉かっぽじってよく見やがりなさい、腐り切った脳味噌共。此れが、時を経て進化したマスターの新たな戦闘スタイルです。』
ふふ、如何かな?
バリアジャケットは、上はインナーは其のままに上着がロングコートタイプになって腰の辺りでベルトで絞め、右腕にはレイジングハートが変形したショートシールド。そし
て左手にはシュベルトクロイツ。下はスカートからズボンタイプに変更。
そして私の周りに浮かんでるのは、レイジングハートが作り出したシールドビット――此れが、クロスレンジ戦闘用の私のスタイル『シュナイダーモード』だよ!
確かに私の本分は、砲撃と射撃だけど、兄と姉が超一流クラスの剣士だから、近接戦闘の事だってちゃんと教えて貰ってトレーニングをしてたんだよ……実戦で使える
ようになるのに10年もかかっちゃったけどね。
さて、此のデカブツには剣十字の槍の錆になって貰おうかな?――行くよシグナム、アギト!!
「Ja!(了解!)」
「デカブツが……精々燃え尽きろ、潔くな!」
『ぐがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁ……ゴォォォォォォォォォォォォォォォォッォォォォォォォォォォン!!!!』
――ドゴォォォォォォォォオオォォォォォォォォォォォォン!!
と、攻撃しようとしたところで、先に此のデカブツが動いたね?……巨体の割に、意外とスピードも有るみたいなの。
だけど、それ以上に、やっぱり見た目通りにそのパワーは物凄い物があるよ――外したとは言え、その拳は鋼鉄製の床を、まるでビスケットを割るみたいに貫通してた
訳だからね。
此れを真面に喰らったら、私とシグナムでも骨の1~2本は覚悟しないとって言う感じだね。尤も、フェイトと比べたら蠅が停まりそうなのろい攻撃を喰らいはしないけど。
「パワーだけならばヴィータをも凌駕するかも知れんが、我等を倒すにはスピードが足りんな?
其れでは我等に決定打を与える事など出来ん。ドレだけ強い力であっても、相手に当たらなければ何の意味もないと言う事を教えてくれなかったのか、脳味噌は?」
「破壊力が大きいだけじゃ何の意味もない。
大事なのは、その圧倒的な破壊力をどうやって相手にブチかますかだよ。」
スターライトブレイカーを決める為には、まず相手をバインドで拘束するようにね――そんな、基本的な事もインストールされてないとは、お粗末としか言い様がないよ。
『ガァァァアァァァァァッァアァァァァアァァァァァァアァァァッァァアァ!!!』
「黙れ雑魚が。貴様の叫び声は耳障りだ。」
「悪いけど、貴方の相手をしてる暇は無いんだよ、私達にはね。」
――ズバァァァァァァッァァァアッァァァァァッァァァァ!!
――ドスゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥ!!!
そして次の瞬間、シグナムがデカブツの両腕を斬り落とし、私のシュベルトクロイツがデカブツの身体を貫いた。……普通だったら間違いなく戦闘不能だろうね此れは。
だけど相手は、機械人形だから、此れでも致命傷にはなり得ない。――現に両腕が無いにもかかわらず、反撃しようとして来てるからね。
でも、其れも無駄な事だよ――アギト!!
「任せろ!!うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁ……喰らいやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!
『グワァァァァアァァァァアッァアァァァァァァァァァァアッァ!!!!』
「ハッ!アンタじゃ燃えねぇな!」
決めゼリフも鮮やかに、見事に決めてくれたねアギト。紅蓮の炎で薙ぎ払う今の一撃は見事だったよ。
だけど、これで分かったでしょう最高評議会?貴方達の用意した戦力は、ロードとユニゾンして居ない融合騎であっても簡単に倒せる程度の力しかないって言う事が。
本気で私達を潰したいなら、高みの見物を決め込んでないで、じかに私達の前に現れたらどうかな?
まぁ、現れたら現れたで、全力全壊で叩き潰すだけだけどね。――さて、ゆりかごの攻略を再開しようか!!
――――――
Side:ザフィーラ
うむ、地上部隊の戦力の高さを加味しても、最高評議会の送って来た戦力などは、マッタク持って相手になっていないな。
ガジェットとドローンは、国防軍の魔導兵士と、ヴァルキリーズデュエルの出場者達が略完封しているし、非情に腹立たしいが、主なのはのクローン魔導師は、我等守護
騎士と、主の友人たち、そして信長軍で抑えているからな。
まぁ、コピーとは言え、主なのはを抑えるのは簡単ではなかったがな。
だが、何よりも、N9999と名乗る存在が、なたねに撃破されたのは大きいだろう……奴は、他のコピーとは一線を画す実力を持って居た様だからな……主なのはには
遠く及ばないレベルではあるが。
とは言え、流れは我等にある。
この流れに乗れば、一気に押し通す事も出来るのだろうが……恐らくそうは問屋が卸さぬだろう。
この状況を、あの脳味噌が黙ってみているとは思えぬからな。
――ギュィィィィィィィィン
「此れは、予想以上にやるモノだ……そのせいで、私が直々に来る事になってしまったのだが――取り敢えず、纏めて皆殺しにしてしまえば問題ないだろうね。」
「其れをやすやすやらせると思うのか、下郎が。」
矢張り、予想通りに現れたか最高評議会。
纏めて皆殺しとは、何とも物騒だが、短絡的な貴様等が考えそうな事だ。――が、その思惑通りにはさせぬ!!私の爪牙が、貴様の野望を砕いてくれる!!!
「ククク……貴様が私を止めるとは正気か犬っころ?前回何も出来なかった貴様が?
だとしたら、素晴らしい冗談だ。身の程知らずの称号を与えてやる位だよ!!!――マッタク、身の程を弁えたまえ、夜天の飼い犬よ。」
確かに、この前は何も出来なかっただっろうが、我等は日々力を付けている。
そして私は、歯牙無い飼い犬ではななく、夜天の主の守護を司る、誇り高き守護獣!!――消えるのは貴様等の方だ!
精々知るが良い、ヴォルケンリッターの守護獣である私の――俺の持つ守護の力がどれ程なのかと言う事をな!!
――パキ!ボキィ!!
はじめに言っておこう、夜天の守護の拳は無敵だとな。
尤も、貴様等には手加減など不要故に……俺も持てる力の全てを持って叩きのめすのみ!!我が爪牙を折る事が出来ると言うのならば掛かって来るがいい!纏めて
返り討ちにしてくれる!!
「守護の拳……その身をもって味わうが良い。」
「ククク……なら見せて貰おうか、その守護の拳とやらがドレだけのモノかと言う事を!!――私達を失望だけはさせないでくれたまえよ?」
……寧ろ、失望する暇がない程だ、徹底的に叩き潰してくれる!!
此れがラストターンだ、最高評議会――俺は貴様を倒し、主なのは達も必ずゆりかごを攻略するだろうからな。
先ずは、貴様を叩きのめしてやるから、覚悟を決めておくのだな……俺の爪牙は、敵対者に対しては絶対的な強さを発揮するからな。
何れにしても、守護騎士ザフィーラは絶対に退かん!……寧ろ本番は此処からだ。
「来るか……ならば相手になろう!
そして知るが良い、何故俺が盾の守護獣と言う二つ名を得るに至ったのかと言う事をな!!」
同時にあの世で悔やむが良い最高評議会!――ムザムザ俺の前に姿を現してしまった、己の愚行と言うモノをな!!
夜天の守護獣ザフィーラ、推して参る!!
――――――
Side:なのは
そんなこんなで、やるもやったり200基オーバー。幾らゆりかごが大きいとは言っても、ガジェットとドローンを通算で200基以上撃破してるって普通にあり得ないよね。
尤も、そのお蔭で割かし楽に『玉座』に辿り着けることが出来たんだけどね。
だけどその玉座で待っていたのは――
「ママ……?」
「「ヴィヴィオ……」」
まさか、ヴィヴィオだったとはね。――マッタク持って、本気で腐ってるね最高評議会!!
ヴィヴィオを人質にするだけじゃ飽き足らず、玉座の聖王として、ゆりかごの力を解放する為に使うなんて……此れはもう完全に堪忍袋の緒が切れたの!!
先ずはヴィヴィオを取り戻す事が先決だけど、其れが終わったら、次は貴方達だよ最高評議会!!――精々、自分がドレだけ愚かな道を歩んで来たのかって言う事を
自覚して貰う良い機会な訳だからね!
まぁ、其れは其れとして、今助けるから待っててねヴィヴィオ!
大丈夫だよヴィヴィオ、貴方のなのはママとシグナムママは、世界最強の魔導師と騎士なんだから!!負ける事なんて、絶対に有り得ないの!!
だから私達は勝つ!!――そしてヴィヴィオを救い出す!!全力全壊でやる!只それだけなの!!
少しだけ、痛いのを我慢してねヴィヴィオ――この一撃で、貴女を……この呪いから解き放って見せるから!――始めようか、最強の戦いって言うモノをね!!
そして、ヴィヴィオを解放した後は、貴方達の番だよ最高評議会!!――精々辞世の句を詠む準備をしておくんだね!!
To Be Continued… 
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