Side:なのは


最高評議会との戦いに備えて、戦力を整えたいとは思ってたけど、此れは一体如何言う事かな?
アミタさんとキリエさん、すずかとアリサ、そして信長さんの軍勢、クロノ君の配下の魔導師が力を貸してくれるって言うのは、まぁ分かるんだけど、此れは其れだけじゃ済ま
ない人数だよね!?
軽く見積もっても、500人は下らないよ此れ!?



「貴女が、最高評議会と事を構えると知って集まったのですよ此れだけの人が。
 貴女が予想していた戦力以外の追加戦力は、国防軍からの出向と、今年度のメイガス・ヴァルキリアの本戦トーナメントに駒を進めた、屈指の魔導師達ですよ。」

「其れは……でも、どうして?」



「高町なのは教官の敵は、我々の敵でもあるからであります!
 何よりも、高町教官は我等国防軍にとっても、恩義のあるお方ですので、その恩を返すのが今だと判断し、一個小隊を派遣させて頂きました!!」

「私等は……まぁ、アンタだからこそ協力したって所かな?
 メイガス・ヴァルキリアの絶対覇者である高町なのはは、今や世界中の魔導師の目標だから、其れが居なくなっちゃうなんて言う事は、絶対に認められない事なのよ。
 第一にして、地球を攻撃するなんて言う、ふざけた事は認められないじゃない?……だからこそ、私達はアンタに助力したのよ。」



なはは……其処まで言いきられると、何も言えないかな?
でも、だったら逆に頼りになるよ――其れだけの思いがあるなら、その思いは絶対に力となるからね!!

何れにしても、此れだけの戦力が集っているって言うなら、最高評議会が相手でも負ける気がまるでしないの――だから、精々ない首を洗って待っていやがれなの!!

地球に集った最高の力で、引導を渡してやるの!!













魔法少女リリカルなのは~夜天のなのは~  夜天125
『最終突撃命令発動也』












戦力の方は問題ないけど、重要になるのは、戦力の配置だね?
ゆりかごに乗り込むのが、私とシグナムだとしても、市街地の防衛は、バランスよく振り分けたいって言うのが本音かな?ガジェットの事もそうなんだけど、其れに加えて
全勢力を投入して来るのは間違いないから、出来るだけね。

「最高評議会は、恐らくグランツ研究所を狙ってくるでしょうから、私達は研究所を囲む形で陣形を構え、敵が現れしだい、其れを叩いて行きます。
 とは言え、此れは恐らく雑兵なので、陣を突破されない程度に、適当にあしらってやってください。
 その混戦の隙を突いて、私とシグナムがゆりかごの内部に侵入し、ヴィヴィオを奪還した上で、ゆりかごを完全に破壊して脳味噌に引導を渡してやるの!!!」

「気合入ってるわね~なのは。ま、当然だけどね。」

「久しぶりのなのはちゃん達との共闘……楽しくなって来たよ。」

「気合と根性で、頑張りましょう!!」

「アミタはやっぱりそれなのね~~~……ま、偶にはKKGも悪くないけど。」



すずかとアリサは、何時も通りだね。アミタさんとキリエさん、そして信長さんと信長軍の面々も、何時も通りって言う感じだけどね。



「高町なのは教官、幾ら何でも、敵陣に僅か2名で特攻すると言うのは、幾らなんでも無謀ではありませんか!?
 高町教官とシグナム教官の強さは良く存じておりますが、其れで合っても件の飛空艇の内部では何が起きているか分かりませんので、突入するなど自殺行為です!」



うん、貴女の言う事も良く分かるけど、だからって前線基地に引っ込んでるって言うのは、私もシグナムも柄じゃない――だから、戦場に出るんだよ。
何よりも、自分が打って出なければ、其れに続く人は居るだろうからね。兎に角、此れだけの戦力が集ったんだから、絶対勝たないとなの!勝てなかったら嘘だよ!!



「高町教官……了解いたしました!
 ならば、我々国防軍は、高町教官とシグナム教官が件の飛空艇に無事に突入できるように最大限の援護をさせて頂きます!!」

「うん、お願いね?」

国防軍の人達からも、随分と信頼が厚いんだね私って。まぁ、人徳が有るって言う事で納得しておこうかな。
其れよりもシグナム、国防軍の正式機体である『一○式戦車』の他に、Ⅳ号戦車H型とかⅢ号突撃砲とかティーガーⅠとかパンターGとか、果てはマウスまで見えるのは
気のせいかな?って言うか、何であんなものが有るの!?



「……どうやら、大○女子学園と、黒○峰が援軍に訪れたようですね………まぁ、戦力が増えたのだから良いでしょう。
 其れに、世間では『ガ○パンは良いぞ』と言う言葉が蔓延している様ですので、気にしては駄目ですよ、なのは。寧ろ気にしたら負けです!突っ込んでも負けです!」

「何その突っ込み殺し!?」

まさかも援軍にびっくりだよ!!
でもまぁ、確かに戦力が増えるに越した事はないから、此の援軍には素直に感謝だね。

其れと信長さん、私とシグナムがゆりかごに突入した後は、市街地戦での指揮をお願いできますか?
国防軍の一佐さんに任せても良いんですけど、本当の戦場を経験している信長さんの方が、より効果的な指示を出す事が出来ると思いますので――良いでしょうか?



「是非もなし!
 この国の!否、世界の命運をかけた大戦で采配を振るう事が出来るとは、ワシの血も騒ぐと言うモノ……市街地戦での指揮は任せておけ、高町なのはよ!!」

「お願いします!」

さぁて、ソロソロ現れるころじゃないかな?此方が戦力を集わせているって言う事は、最高評議会も感知しているだろうからね。
クアットロさん、ゆりかごが現れたら即時その内部解析はお願いしますね?



『お任せ下さいなのはお姉さま~~~!!
 不肖クアットロ、なのはお姉さまとシグナムお姉さまの為でしたら、この身を文字通り粉にして働く事に悔いなし!!寧ろ誉ですわ~~~!!
 小賢しいゆりかごの内部なんて、即刻解析して、ヴィヴィオちゃんの居場所を割り出して見せますわ!!全てはお姉さま方の為に!!愛してますわお姉さま~~!』

『煩いぞ、クアットロ。』



――ゴン!!


『ぺぎゃラッパぁ!?』

『……取り敢えず物理的に黙らせましたのでご安心ください、なのはさん。』




うん、暴走したクアットロさんは、ウーノさんの鉄拳で沈められたみたいだね……何かものすごい音がしたけど大丈夫なのかなぁ?……即復活するって聞いてるけどね。
ある意味で、敵にしたくないねクアットロさんは。



「上空に転移反応!……此れは、最高評議会の魔導師とガジェット!!!」



っと、来たみたいだね?シャマル!!



「了解よなのはちゃん!!広域封鎖結界展開!!」



――ギュイィィィィィィィン!!



お見事だよシャマル!此れで海鳴を中心に、半径5kmはシャマルの結界に覆われて、現実世界とは切り離された世界になった――此れなら現実世界への影響は無く
なるからね。

戦闘開始だよ皆!!

皇国荒廃在此一戦!各員一層奮励努力!!全力全壊也!!



「言われるまでもないわなのは!!最高評議会の馬鹿共に、誰に喧嘩売ったのか教えてやるわ!!――アタシの炎で、焼き尽くしてやろうじゃない!!」

「だったら私は、全てを凍てつかせようかな?……最高評議会の考え方には、正直言って腸が煮えくり返る思いだからね。」



うわおぉ……アリサは兎も角、すずかも本気で怒ってるね此れは。
すずかは普段が大人しいから分からないんだけど、本気で怒った時には誰よりも怖いんだよね……其れこそ、夜の一族の力を躊躇なく発動する位には。――真祖の吸
血鬼が親友に居るって、私も大概だけどね。

兎に角、戦闘開始!全力全壊で行くよ!!



「「「「「「「Jawohl.Meister NANOHA!(了解しました、主なのは!)」」」」」」



「いざ出陣!!敵兵を全て狩り尽くせ!!」

「っしゃー!やってやるぜ!!」

「死なない程度に頑張りますか。」



さぁて、懺悔の時間の始まりだよ最高評議会?
夜天の主は貴方達を許さないし、命乞いを聞く心算も無いから、今のうちに精々辞世の句でも考えておくと良いよ――其れを詠む機会を与える心算は、毛頭ないけどね。








――――――








No Side


こうして始まった最高評議会と時空管理局と地球の連合軍の戦いだが……意外と戦況は拮抗状態になっていた。
其れは最高評議会のガジェットに搭載されていたAMFが原因だろう……此れのせいで、魔法が極めて効果を発揮しづらい状況になっていたのだ。
如何に高位の魔導師と言えども、魔法の力が制限されてはその能力を完全に発揮する事が出来ないのだから……

其れだけならば、戦況は最高評議会に傾いていたかもしれないが、そうならなかったのは国防軍と大○女子学園と黒○峰の戦車部隊の活躍が有ったからとも言える。
確かにガジェットには魔法が効き辛いが、だからと言って物理的ダメージも軽減できるかと言われれば、其れは否だ。

魔法が効かないならば物理で倒せではないが、Ⅳ号とⅢ突の超砲身75mm砲と、ティーガーⅠの88mm砲、そしてマウスの128mm砲は、的確にガジェットを粉砕して、
最大の成果を上げて見せたのだ。


そして、其れと同様の活躍を見せていたのが、なのは、はやて、フェイト、アリシア、アリサ、すずかの6人の魔導師と、夜天の守護騎士達だ。
如何に魔法が制限されるとは言っても、元来高い力を有するなのは達にとってはそんなモノは枷にすらならず、ガジェットをそれぞれ得意の魔法で鎧袖一触!!!



「私の首を取りたいのなら……」

「最低でもスバル程度の力を有してからにしろ!!」



中でも凄いのは、なのはとシグナムの、夜天の主と夜天の筆頭騎士のコンビだ。
中距離以上のガジェットや魔導師はなのはの砲撃で撃滅され、中距離以内に入ってたガジェットと魔導師は、問答無用でシグナムに斬り倒されると言う結果に終わって
いるのだから、ドレだけの力かは分かると言うモノだ。

だが――



――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!



「!!……此れは、ゆりかご!!」


この局面で、最高評議会の切り札であるゆりかごが顕現!
俄然緊張が走るが、なのはとシグナムは、臆することなくゆりかごに向かって一直線!!――ヴィヴィオを助け出す為にも、止まっている事など出来なかったのだろう。

そして、この突撃の効果は大きく、即刻援護の為の射撃や砲撃が始まり、なのはとシグナムの進行の邪魔はさせないと奮闘する。
其れこそ、後の事など考えずに攻撃を加え続ける!!――その結果として、なのはとシグナムはゆりかごの内部に侵入する事が出来、此処からが本番と言う感じだ。








――――――








Side:なたね


如何やら姉さんとシグナムは、無事にゆりかごの内部に入り込めたようですね?
クアットロからのマップも受け取っているでしょうから、余程の事が無い限りはしくじる等と言う事は無いでしょう……と言うか、あの2人には勝てる気がしませんからね。

マッタク、最高評議会は馬鹿な事をした物ですね――自ら己の首を絞める結果になったのですから。
まぁ、馬鹿は死んでも治らないと言いますから、精々己の愚かさを胸に抱いて消えていくのが良いでしょう……其れこそが相応しい末路だと思いますから。


――で、貴女は何用ですか?



「気付いてたってのか……大したモンだ。
 まぁ、難しい事じゃねぇんだが、高町なのはってのが何処に居るか知らねぇか?――知ってたら教えてくれよ……俺は、アイツをぶっ殺さないとならないんでな!!」

「なのはとの戦いを望みますか。
 ですが、其れは容認できません……何よりも、なのはの妹として!!!

私が私となったあの日から、私の魂はなのは姉さんのモノです!――その領域を侵すと言うのならば、貴女には此処でリタイアしていただきますよ?



「アイツの妹だぁ?……上等だ!
 テメェをぶっ殺して、その死体をアイツの前に曝してやる――そうなれば、アイツだって戦わざるを得ないだろうからな!!」

「貴女如きが私に勝てると?……誇大妄想も、ソコソコにしておいた方が良いと思いますよ?」

何よりも、必要以上に強い言葉を使うと、逆に弱く見えますからね。
そして、今理解しました――貴女が姉さんの言っていた、姉さんのクローンの亜種であるN9999ですね?……ならば、この戦いは絶対に負けられません。えぇ、負けられ
ませんとも。

この程度の亜流に負ける心算は有りません――全力をもってかかってきなさいN9999。



「舐めんじゃねぇぞ高町ぃ!!」

「さんを付けなさい、三流以下のデコ助野郎。」

天地がひっくり返ったって、貴女がなのは姉さんを超える事など絶対に在りない事です――私が、今此処で其れを証明して見せましょう。

私が私として得た焼滅の力、其れをお見せしましょう。
その上で、貴女の本気を全力で受け止め、そして粉砕して差し上げましょう……そして、精々身の程と言うモノを知ると良いでしょうね。

身の丈以上の力を欲し、身の丈以上の相手に挑んだ先に待っているのは、避けようのない敗北と破滅のみ……其れを是とするならば、私は其れを討つだけの事です。
地獄への片道切符、精々楽しむと善いでしょう。

夜天の主が突き進む、覇王の道の前に敵は無い――さて、いざ戦闘開始ですね………目に物をみせて差し上げましょう

そして知りなさい、己の器の小ささと言うモノを。












 To Be Continued…