Side:なのは


さぁてと、随分とふざけた事を並べたてくれたけど、其れの対価を払う覚悟は出来てるんだよね?
言っておくけど、非殺傷でやる心算は毛頭ないから、精々命の覚悟はして置きやがれなの……って言うか、せめてお祈り位は済ませてあるよね?トイレは済んだ?部屋
の隅っこで、ガタガタ震える準備は出来てるのかな?かなぁ?



「ききき、貴様本気か!!
 こんな所で暴動を起こせば、貴様はたちまちテロリストとしてミッド全域に手配されてしまうのだぞ!!」

「其れが何なの?テロリストだからどうだって言うのかな?
 確かに無意味無差別に破壊行為を行うのは言語道断だけど、私達には『最高評議会の壊滅』と『管理局の浄化』って言う目的があるから、只のテロリストじゃないよ。
 寧ろ私に言わせれば、己の私腹を肥やす為に後ろ暗い事を平気でやって来た貴方達や、生の欲望に憑りつかれた脳味噌の方が遥かに邪悪な存在じゃないのかな?
 大体にして、人をテロリスト呼ばわり出来る立場なの?」

「……何が言いたい?」



既にネタは上がってるんだよ?――そうでしょ、リンディさん……もといドゥーエちゃん?



「えぇ、バッチリと証拠は掴ませて貰ったわ。
 この会場の地下には、数えるのも面倒になる位のガジェットが満載だったわよ――恐らくは、機を見て其れを起動して、クロノ提督を殺害する心算だったんじゃないの?
 そして、其れを謎のテロリストのせいにして、その上でガジェットを自分達で倒す自作自演をやって、市民の支持を得ようとしたんでしょうね……心底呆れるわね。」

「成程ね……さて、申し開きは有るかな?」

「貴様等……!!
 良いだろう、其方がそう来るならば、私達も相応の対応をするだけだ!!ハラオウン提督も、夜天の主も纏めて消し去ってくれる!!貴様等は邪魔なのだからな!!」


――ゴゴゴゴゴゴッゴゴゴゴゴゴゴ……


で、予想通りに現れたね大量のガジェットか。
だけど、此の程度の玩具なんて、私達の前では塵芥にも等しい――精々その目に焼きつけて貰おうかな、夜天の主とその騎士、そして仲間達の圧倒的な力をね!!













魔法少女リリカルなのは~夜天のなのは~  夜天120
『Ganze Energie ganze Zerstorung』












一切手加減なんてしないから……行くよグルム!!



「はいです!ユニゾン……イン!!――融合完了です!

「夜天の祝福、今此処にだね。
 さてと……シグナム、ヴィータ、スバル、ノーヴェ、ギンガのクロスレンジ型は、近接戦でガジェットを叩きのめして!
 なたね、ディエチの砲撃型は、私と一緒にクロスレンジ型の後方支援を担当し、他のメンバーは避難路の確保と、公聴会の傍聴に来ていた一般市民の避難誘導を最優
 先に行って!」

「了解ですなのは!!」

「任せといてや姉やん!!――やるで、アロンダイト!!」

『オウよ!!クソッ垂れ共は、纏めて撃滅してやろうぜ大将!!!!』



ふふ、頼りになるね。
ハッキリ言って、六課の戦力を考えたらガジェットが何体来ようとも、相手にすらならないんじゃないのかな?って言うか、ガジェット如きは屑鉄にしかならないと思うの。

尤も、数が凄まじいから少しばかり面倒かも知れないけどね。



『ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン……』

「背後から狙うのは悪い手ではないが、その攻撃を悟られては意味がないぞ?
 尤も、貴様のような機械人形は、あらかじめ設定された事しか出来ぬのだろうから、戦場での心得など理解できるはずもないか……何れにしても目障り故に逝ね!!」



――ゴォォォォォォォォォォォォォォォ!!!



で、私の背後に現れたガジェットは、信長さんが口から強烈な炎を噴射して一撃KO。
現れたのは分かってたから、カウンターでバスターをかます心算だったんだけど、信長さんの攻撃の方が早かったみたいですね?お見事です。



「気付いているとは思ったが、万が一と言う事も有るのでな……余計な世話だったかもしれんがやらせて貰った。
 しかし、まだまだこの機械人形は、有象無象の如く現れて来るようだな?――無限に現れたとしたら、何れ体力が切れて此方が不利になるのではないかと思うが…」

「確かにその可能性も否定は出来ませんけど、恐らくガジェットの数は有限の筈です。
 そして、有限ならば此処に投入して来る数は限られて来る筈ですから、今この場に現れたガジェットを一掃すれば、取り敢えずは何とかできると思いますよ信長さん。」

「左様か……相変わらず、見事な戦術眼よ。
 ならば、この機械人形を撃滅するだけだ――ワシの背に乗れ高町なのは。黒獅子の第六天魔王たるワシと、黒衣の夜天の主であるお前で、奴等を撃ち滅ぼそうぞ!」



その提案、乗らせて頂きます信長さん!!
って言うか、聞いた話だと、如何やら私って一部で『黒い魔王』とか呼ばれてるみたいですから、いっその事ダブル魔王で、ガジェットを塵殺しちゃいましょう!!



「其れはまた、何とも愉快であるな?いっその事、二代目第六天魔王を名乗ってみるか?」

「いっそ其れも良いかもしれません――来ましたよ、信長さん!!」

「うむ!!戦とは、真に強き者のみが生き残る事の出来る真の修羅場……故に、貴様等の様な機械人形如きがワシ等に勝つ事など出来ぬと知れ!!」

「自立型で此処まで動けるのは大したモノだとは思うけど、此の位の性能の自立型ロボットなら、5年前に既にグランツ博士が開発済みなの!!」



――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!

――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!




信長さんの火炎ブレスと、私のバスターで、大体20体くらいは吹き飛ばしたかなぁ?
最高評議会の連中が、此処にどれだけのガジェットを持って来てたかは分からないし、転移魔法を使えば別の場所から送り込む事も出来るだろうから、マダマダ出て来
ると思っておいた方が良いよね。

尤も、来たら来ただけ塵殺して、くず鉄は地球に送ってグランツ博士に再利用して貰う心算だけどね♪








――――――








Side:三月


へっへっへ……良いぜ!良いぜ!!最高だぜオイ!!何とも暴れ甲斐があるじゃねぇかコイツはよ!!
少し手荒く扱ってやりゃ、簡単にぶっ壊れる機械人形だが、次から次へと現れやがるから幾らでもぶっ壊す事が出来るぜ!!オラァ、テメェも逝っちまえぇぇぇぇぇ!!



――バキィィィィィィィィ!!!



「如何したオラァ!!俺を倒せるほどの奴は居ねぇのか?居ねぇんだったら、大人しく帰るこったな。
 守護騎士筆頭のシグナムさんは、俺の10倍は強いし、夜天の主様は次元世界最強の魔導師様だぜ?俺を倒せねぇ程度の奴等じゃ、到底相手にもならねぇんだよ!」

「…………」



ん?如何した七緒?
『其れが分かってるならこんな事はしない。それにコイツ等は機械だから分かる筈がない。』――確かに、言われてみりゃその通りだ。

でもよ、此れは本気で負けが見えないぜ?
なのはさんはユニゾン状態で黒獅子の背に乗って無双状態だし、守護騎士の連中だってガジェットを撃滅中――あ、シグナムさんがデバイス一振りで4機ぶっ壊したぜ。

更に、ナカジマ6姉妹+ティアナも――



「スバルとノーヴェは、ウィングロードとエアライナーを展開して空中の足場を確保しながら、展開進路上のガジェットを撃破。ギンガさんは2人のフォローをお願いします。
 チンクさんはミドルレンジで、ディエチさんはロングレンジでの攻撃をメインにガジェットを撃破してください。
 ウェンディは兎に角動き回ってガジェットを撹乱して。倒せるようなら倒しちゃっても構わないから。」

「OK!任せてよティア!」

「遊撃か……確かにアタシとスバルには適任だな!」

「フォローは任せなさい♪」

「うむ、姉に任せろ!!」

「なのはさんには遠く及ばないけど、私の砲撃で吹き飛ばす。」

「了解っす!!此の趣味の悪いロボット共を撹乱してやるっスよ!!」



ティアナが指揮官になって、見事なまでにチームとして機能してやがるからな。
もっと言うなら、二乃姉と七緒が此処に来たって事は、親父と一架姉と四菜がバックアップとして動いてるのは間違いねぇだろうから、本気で最高評議会は詰んでるだろ。


ぶっちゃけて言うと、この乱闘が始まってまだ15分程度だろうが、撃破したガジェットの総数は200は下らねぇだろ絶対に!!その半数は、なのはさんとシグナムさんが
撃破したモンだけどよ。

其れでもマダマダ現れて来るってんだから、ドンだけのガジェットを造ってやがったんだろうな最高評議会とやらはよぉ?
てか其れ以前に、質量兵器禁止を謳っておきながら、テメェ等はバリバリ質量兵器の開発と所持をしてたってのは、幾ら何でもふざけすぎだぜ……ガチで最悪だぜ!!



「…………………」

「ん?その意見には同意する。だけどなんか来たって?………あぁ、お前の言う通りみたいだな七緒。」

んで、七緒に言われて視線を移した先には、ロングコートを羽織って、青龍刀みてぇな武器を携えたオッサン。四菜だったら『ダンディなオジサマ』とか言いそうだぜ。
まぁ、実際シブさ全開で、何とも言えないカッコ良さを感じるんだが……それ以上に、このオッサンの実力はハンパねぇ!ガジェットなんぞとは比べ物にならない位だぜ!

だが、現れてくれた以上は相手になるぜ?アンタとの戦いは面白そうだからな。



「その気持ちは分からんでもないが、ソイツの相手は私に譲って貰おうか?」

「シグナムさん?」

「強者との戦いを望むその姿勢は評価に値するが、コイツとお前では天と地ほどの力の差があるのは否定出来んのでな――コイツの相手は私がする!!」



――轟!



うおわぁぁ!?
シグナムさんの髪と目の色が変わって、しかもレヴァンティンが『蒼炎の剣』に変わった……つまりは本気って事か――なら、俺がウダウダ言う事は何もねえな。
シグナムさんが本気を出した以上は、相手がなのはさんじゃない限りは勝利は絶対だからな。言っちゃ悪いが、終わったなあのオッサン。


なら俺達は、他のガジェットをぶっ殺すとするか!!マダマダ行けるだろ七緒?



「…………」(こくり)

「まだまだ余裕?其れは大したモンだぜ!!――なら、もうちっと暴れてやるとしようぜ!!」

つか、俺自身が、マダマダ暴れたいと思ってるからな……ぶっちゃけマダマダ暴れ足りねぇんだ!!ガジェット共よ、出てこいや!!纏めてぶっ壊してやるからよぉ!!








――――――







Side:シグナム


また会う事になるとはな……まぁ、お前が最高評議会の配下であるのならば、何れまた出会う事も有ったのだろうが、まさか今日此処で再会するとは思って居なかった。
相変わらず、その力は健在のようだが、未だに意思は無きままか。

何故お前がそうなってしまったのか、何故最高評議会の手駒と化しているのか、聞きたい事は山ほどあるが、貴様は其れを語る舌は持たないようなのでな……貴様を討
ち倒した上で、詳しい話を聞かせて貰うとしよう。

何よりも、私はもう一度お前と戦いたいと思っていた、そう願っていた!!
お前がお前である状態ならば最高だったのだが、どんな形でアレ私の望みは叶った――その力を見せて貰うとしようか?

そして、可能ならば貴様を解放してやろう――貴様ほどの騎士が、最高評議会如きの手駒になっていると言うのは、同じベルカの騎士としては、見捨てておけぬのでな。



「…………」

「だが、今この時はベルカの騎士として、戦いを楽しもうとしようか?――貴様ほどの力を持った騎士を前にして、私の血も滾っているのでな!!」



――ガキィィィィン!!!



さぁ、私を愉しませて見せろ!!現代に生きる、誇り高きベルカの騎士よ!!








――――――








Side:なのは


さてと、そろそろ潮時な感じだね?
最高評議会だって馬鹿じゃないから、これ以上無駄に戦力を磨り潰す真似はしないと思うの――そうじゃなかったら、本気で馬鹿で阿呆で有象無象の集団になるしね。

兎も角、今この時に於いては、これ以上の追加戦力って言うのは考え辛いから、広域範囲魔法で一気に撃滅してやるの!!



――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



「姉さん……やる気ですね?」

「いやん、やる気満々やな姉やん♪」



今更何を言ってるの?此れが私の全力全壊だよ!!

「無限の地平にて無に帰れ……デアボリックエミッション!!

吹き飛ばすです!!

『つーか、大人しく地獄に逝きなさい。ぶっちゃけGo to Hell一択ですので。』



――キィィィィィィン……ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!




「ほう……一撃の下に撃滅するとは、実に見事だな高町なのはよ。
 流石はワシが、第六天魔王が認めただけの事はある――矢張り、この世界に於いて、天下を統一し世界を平定するのはお前以外には存在しないようだな。」

「その高評価は光栄ですよ信長さん。――だけど、まだ終わって居ません。」



――ガキィィィィン!!!




「へぇ、気付いてたのかよ?」

「何となくだけどデアボリックエミッションを放つ直前に、隠そうともしない純粋な闘気と殺気を感じたから、攻撃が終わったら仕掛けて来るんじゃないかと思っただけだよ。」

それで、貴女は誰かな?
顔とかバリアジャケットとか、何処か私に似てる気がするんだけど………若しかして、私のクローンの類なのかな?



「正解だ……その通りだよ高町なのは!!
 私の名は『N9999』!!お前の遺伝子から生み出された、『高町なのはの9999体目のクローン』だ!!」



成程ね……8年前にクリザリッドを倒して、私のクローン製造計画は終わったと思ったけど、水面下ではマダマダ計画は続いていたって言う事で、その計画の末に生まれ
たのが貴女って言う事だね?

だったら良いよ、貴女が望むなら相手になってあげる。

だけど、此れだけはハッキリと言える――貴女じゃ私に勝つ事は絶対に出来ないってね。



「テメェ……舐めてんじゃねぇぞ高町ィ!!!」

「『さん』を付けなよ、デコ助野郎!!」



――轟!!



望み通り、少し遊んであげるよ――でも、精々その身に刻み込むと良いよ、劣化コピーじゃ、オリジナルを超える事は天地がひっくり返っても不可能だって言う事をね!!

其れ以前に、私の劣化コピーが今尚存在してるって言うのは、何とも嫌な気分だから、悪いけど撃滅させて貰うの!!












 To Be Continued…