Side:???
ふむ…成程、良く分かったよ。
闇の書の主である少女が魔導師として覚醒し、しかもその子には温かい家庭が在ったか……
「お父様…アタシはあの子を凍結封印なんてできないよ…!」
「私もロッテと同じ意見です。
それにあの子を凍結封印してしまったら、残された家族には悲しみと、私達への恨みだけが残る…そんなのは絶対ダメだと思う…」
「うむ…」
確かにその通りだね。
この子を凍結封印してしまったら、残された家族には私達が味わったのと同じ思いを…それ以上の思いをさせてしまう。
ふむ…此れは計画の見直しが必要だ――とは言ってもこの計画を提唱した者は聞く耳を持たんだろうが。
アリア、ロッテ、2人は引き続きこの子の監視を――そして必要ならこの子達に手を貸してやってくれるかな?
「「畏まりました。」」
「頼む。」
そう言えば、このジュエルシードの一件に当たって居るのはリンディ君だったな。
ふむ…其方にもそれとなくこの子の事を伝えておいたほうが良いか――あくまで『現地の有力な魔導師』としてだがね…
魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜 夜天12
『温泉行こうぜ温泉!』
Side:なのは
今日は毎年恒例の『高町家』『月村家』『バニングス家』『フローリアン家』の4家による、合同の温泉旅行の日。
2泊3日で、海鳴の最高級温泉旅館に皆で出かける…1年の中でも楽しみのイベントの1つなの♪
「温泉と言うものは初めてなので楽しみではあるのですが…この人数をどうやって目的地まで移動させるのですか?
高町家だけで10人+αですが…」
「それについては大丈夫だよ。」
そろそろ来ると思うから、アリサちゃんのところからのお迎えがね♪
「アリサんとこから?つってもこんだけ人数移動するとなったらバスくらいの車が必要じゃねーか?」
「ん〜〜…ある意味でバス以上の車やなあアレは。」
言えてる。
あ、来たみたいだよ?
「どうも、高町様。お迎えに上がりました。」
「えぇ〜〜!何この長い車〜〜!!」
「車高は乗用車で、全長はバスレベルだと…!!」
「お嬢様から『高町家は人数が多いから特殊リムジンで迎えに行きなさい』と仰せつかったものですので…」
にゃはは…リムジンの、更に特殊車だったんだ。
確かに去年のリムジンよりも全長が1.5倍くらい有るかなぁ?これなら全員楽に乗れそうだけどね。
「むぅ…だが此れだけの長さで、果たして鋭角な角を曲がる事が出来るのか…」
「其れは鮫島さんのドライバーテクニックにお任せってところかな?」
ですよね、鮫島さん?
「勿論でございます。
まぁ、目的地に到着するまでの皆様の安全は、この鮫島が責任を持ちます故、何卒ご安心を。」
「まぁ、鮫島さんなら安心だよな……つーか、ぶっちゃけ博士が迎えじゃなくて良かったよな。
博士が迎えに来てたら、妙な発明品に乗って温泉に行く事になってたかも知れねぇ…」
「其れは否定できないかも…」
若しかしたらアミタさん達はそれで移動してるのかなぁ?
去年までは普通の車で来てたけど、今年は旅館先に見た事もないメカがあったりして…
「其れは其れでおもろいけどな〜〜♪ま、行けば分かるやろ。
ほな、温泉に向かってレッツゴーや!!」
そうだね、しゅっぱ〜〜〜〜つ!!!
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・・・
と言う訳で、走ること1時間、温泉旅館に到着〜〜♪
「あ、来ましたね皆さん!」
「待ってたわよん♪」
アミタさんとキリエさん、先に着いてたんですね。
って…なんですか後ろの妙な車は…若しかして予想が当たっちゃったのかな?
「パパの発明品の空陸両用車よん…『空には渋滞がないからねぇ〜』ってご機嫌で運転してたわ…」
「…何と言うか容易に想像が出来るな其れは…して、その博士は?」
「部屋で寛いでます。皆さんが到着したら、温泉に入りたいとも言っていました。」
そうなんだ…其れじゃあ早く荷物持って中に入ろう?
あんまり待たせちゃ悪いから。
「そうだね…それじゃあ今年もゆっくりと楽しもうか。」
「「「「「「お〜〜〜〜〜!!」」」」」」
楽しい楽しい温泉の始まりなの♪
――――――
Side:アリサ
とは言っても、アタシ達は毎年の事だけどイキナリ温泉には入らない。
先ずは温泉街を適当に散策するのがお約束なのよね〜〜…ヴィータは皆に交じって温泉にすっ飛んでったけど。
「ザフィーラは一緒に居るのよね〜〜。」
「ザフィーラは温泉入らなくていいの?」
「まだそう言う気分ではないので……それと、今は入らないと言ったら士郎殿から『子供達について行ってあげてくれ』と頼まれましたので。」
ふ〜〜ん…ま、アンタが居ると頼りになるのは間違いないわよね。
こんなワイルドイケメンの如何にも強そうな外見してるのが一緒に居れば、子供相手にちょっかい出してくるバカも居ないでしょ?
「…そうでもないようだ、アリサ・バニングス…」
「「「「え?」」」」
そうでもないって…てかフルネームじゃなくて、アタシの事はアリサって呼びなさいよ!
「善処しよう。」
「で、何かあったのザフィーラ?」
「前方をご覧ください主。…明らかに此方を見ています。」
「…あの黒髪のお姉さんやな?」
む…確かにこっちを見てるわね?
子供4人と大人1人の珍しい組み合わせに興味を持ってる――って感じじゃないわ。
「ふぅぅん?君達がそうなんだ?茶髪のツインテールと、紫がかった長い黒髪…隼人が言ってた通りだね〜。」
「「!!」」
なのは、すずか!隼人って、確かこの前アンタ達が戦ったって言う…
「「忍者のお兄さん!!」」
「って事はこの人はくノ一かなんかかい!?」
嘘でしょ…ジュエルシードを巡って敵対関係になりそうな奴の仲間とバッタリだなんて。
てか、アタシ達を見つけたのは多分偶然だろうけど、真昼間から仕掛けてくるなんて普通じゃないわよ!?
「魔法が使えるんだってね君達…でも調子に乗らない方が良いよ?
あんまり私達の邪魔するようなら……子供でも容赦しないよ?」
「お前こそ調子に乗らないことだ。我が主とその友人には指1本触れさせはs「ハッ、調子に乗ってんのはどっちだいこのちんちくりんが!」…」
ちょ、セリフに被るのは良くないわよ!?てか誰!?
「あの…どちら様ですか?」
「むぅ…同族か?」
「少なくともアンタ等の敵じゃないさ。」
オレンジ髪のお姉さん?
ワイルド系美女って言うのかしら?タンクトップにホットパンツって、結構なスタイルよね。
「…君誰?」
「アンタに名乗る名は持ち合わせてないね!
てか、白昼堂々と宣戦布告とも脅しとも喧嘩吹っかけてるとも分からない事言ってんじゃないよ!
アンタこそあんまし調子に乗るんじゃないよ?調子に乗ってる悪い子には…『ガブッ』っと行っちゃうからね?」
「!!!」
うわ〜〜迫力あるわ〜〜。
あらら…黒髪の方は迫力負けしてるわね。
「ふん!今は挨拶だけよ!でも、ジュエルシードは渡さないから!其れだけは覚えておいてよね!!」
――ボウン!
「消えた…なんだアイツ、手品師かぁ?」
「いや、忍者でしょ?」
多分だけどね。
んで、アンタは誰?アタシ達の敵じゃないって言ってたけど…
「おぉっと、こりゃ失礼!アタシはアルフ。え〜と…茶髪ツインテールがなのはで、紫がかった黒髪ロングがすずかで良いんだよね?」
「はい。」
「あの、私達の事知ってるんですか?」
「あぁ、知ってるよ?てか、こう言えば分かりやすいかな?アタシはフェイトの使い魔さ。」
フェイトって、この間の戦いの時になのはとすずかを助太刀してくれたって言う。
あれ?それじゃあ、その子達も此処に来てるの?
「ん?あぁ、来てるよ。若しかしたらアンタらと同じ宿かもしんないね?
其れは其れで面白そうだけど……ま、アタシ等はアンタ達の敵じゃない、其れだけ分かって貰えれば充分だよ。
ま、プレシアも協力関係を考えてるみたいだし、そうなった時はよろしく頼むさね。」
「敵じゃないならなんだって良いわよ。味方は多い方が良いし。」
なのはも協力関係ってのには賛同するだろうし。
「ま、また会う事もあるさ…んじゃ!」
「あ、あの!フェイトちゃんとアリシアちゃんに伝えてください!今度ゆっくりお話ししようねって!」
「ん、了解。ちゃんと伝えとくよ!ほんじゃあね!」
行っちゃったわ…
でも、敵対者に、協力関係築けそうな人達が同じ場所に会するって…如何にも一波乱ありそうね?
ま、何が起きてもアタシ等は負けないけどね!
――――――
Side:はやて
はぁ〜〜〜、昼間はホンマに驚いたなぁ?
こらアリサちゃんの言う通り、平穏無事に温泉旅行が終わるとは思わん方がえぇかも知れへんね。
けどまぁ、事が起きたときは起きたときや。
今は温泉をゆったりまったり楽しむべき……なんやけど、やっぱり起こったなあ?
『ミスター恭也、この駄フェレットを男湯に強制連行してください。
この野郎は動物の姿で居るのを良い事に、女湯に忍び込む気満々ですから。』
「だからなんでレイジングハートはそういう事言うの!?」
「よし、お前はこっちだユーノ…」
「僕の話を聞いて!?」
レイハのユーノ君弄り。
まぁ、偶発的な事故や言うてもユーノ君には弁護しきれない余罪もあるんは事実やけどね。
「駄目だよレイジングハート、あんまりユーノ君をいじめちゃ?」
「なのは…僕を助けてくれるの?」
「ユーノ君はこんなに大変な目に遭ってるのに、故郷の人が誰も助けに来てくれない可哀想なボッチ君なんだから優しくしてあげなきゃ。」
「前言撤回!なのはが一番酷い!
違うから!僕が救援信号出してないだけだから!友達とか仲間が居ない訳じゃないからね!?」
うっわ〜〜…なのはちゃんが一番真っ黒や。
此れはこの前の事相当怒ってるみたいやね?
「…ユーノ君。」
「な、なに?」
「ジュエルシードの事は確かに大事だし、其れの関連したお話が大切だって事も分かるの。
だけどね…女の子の部屋にノックもしないでイキナリ入ってくるって言うのは如何なのかな?かなぁ?」
あ〜〜やっぱりや。
ユーノ君がイキナリ入ってきて、バッチリ見られてしもたんよね、私となのはちゃんの着替えシーン…
「ほう…其れは初耳だな?」
「じっくり聞かせてもらおうかスクライア…」
あ、恭也さんとシグナムが喰いついた…此れはユーノ君終了のお知らせやな。
「事故ですから!態とじゃないから!確かに僕にも非はあるけど、本当に只の事故ですから!!」
『いいえ、狙ってましたね。
Master達が着替え途中と知っても、直ぐに部屋から出ずに数秒間じっくりと舐めるように見つめていましたから。』
「予想外の事態に直面したら思考って止まると思うんだけど!?」
『ですので、このフェレットもどきの脳内には下着姿のMasterとはやての姿がバッチリ記憶されていますよ?』
「よし、記憶を消してやるからありがたく思え。」
「僕の意見は絶対無視!?」
其れはもう運命やから諦めれやユーノ君。
けどまぁ悪ふざけはこの辺にして、私等も温泉行こか?
ユーノ君はまぁ、死にはしないから大丈夫やろ。
「そうだね。それじゃあシグナム。」
「はい、何でしょう?」
「抱っこ♪お風呂まで連れて行って。脱衣所には車椅子じゃ入れないから。」
「はぁ?主の頼みとあれば断りはしませんが…失礼します。」
――ひょい
おぉ!ナチュラルにお姫様抱っことはやるなぁシグナム!
ハンサム系美人のシグナムがやるとホンマに絵になるわぁ〜〜。
「シグナムさんは本当に『騎士』って感じがしますね。
なのはちゃんを護る誇り高き騎士様。正に姫を護るナイトと言う感じがします!」
「そうね〜〜、一番騎士らしいのはシグナムかもしれないわねん♪
勿論、シャマルやヴィータにザフィーラだって、騎士なんだけど〜…騎士らしさはシグナムがダントツよね。」
アミタさんとキリエさんもそう思うやろ?
ホンマにかっこえぇわ〜〜。
「にゃはは、ありがとう、私の騎士様♪」
「此れ位は…なんでしたら、その御手に口付けをして主への忠義を改めて誓いましょうか?この間テレビでそんなのを見ました。」
「それは…ちょっと恥ずかしいかな?」
え〜〜?せぇへんの?やってもいいと思うんやけど…
まぁ、強制する事でもあらへんけどね。
ほな、露天風呂でまったりしよか〜〜♪
あ、タマモは女の子やから私等と一緒やで?
「♪」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
「…そんなに見ないでほしいんだが…」
「ちょっと恥ずかしいわ…流石に…」
うん、分かっとるで?分かっとるんやけど注目してまうのは仕方ないやん!
シグナムもシャマルもスタイル良すぎや!!
いや、美由希さんも忍さんも、アミタさんもキリエさんも桃子さんもスタイルはええで?
せやけど、シャマルはまぁ、美由希さん達と同レベルとしても、シグナムは天元突破やろ其れは!!
何時もは服で隠れてたけど、ドンだけやそれ!!
「仕方ねぇってはやて、シグナムは乳魔神だからな。」
「ヴィータ!お前その呼び方はやめろと言っただろう!!」
「ハッ、事実じゃねぇか!」
乳魔神…言い得て妙やな。
ホンマに眼福でした!…って、なんやこの寒気は!!
「はやてちゃん…私の騎士達をそんな目で見ないでね?」
「ななな、なのはちゃん!…り、了解や…!!」
な、なんちゅう威圧感やねんなのはちゃん…うん、シグナムへの悪戯はやめた方が身のためやね。
そう言えば、浴場の方から話し声聞こえへん?
他のお客さんが入ってるんやろか?
「そうかもしれないよ?私達で借り切ってるわけじゃないから。」
「まぁ、そやね。」
知らない人とお付き合いも温泉の醍醐味やしね。
さてとどないな人が居るんやろか?
――ガラガラガラ…
あり?あのオレンジ髪の人は昼間のワイルド美人さん?
其れに金髪の子が2人と、黒髪ロングの女性に茶髪ショートのお姉さん?
「フェイトちゃん!」
「アリシアちゃん!」
「!!なのは!!」
「あ、すずか〜〜♪」
あの金髪の子がフェイトちゃんとアリシアちゃん?
ホンマにおんなじ宿屋ったとは予想外や……
ん〜〜、此れは此れで、厄介事とは別におもろい温泉旅行になるかもしれへんなぁ?
なあ、なのはちゃんすずかちゃん、紹介してくれへん?
「あ、フェイトちゃん、アリシアちゃん、紹介するね。私のお母さんとお姉ちゃん、それから友達のはやてちゃんとアリサちゃん。」
「其れからアミタさんとキリエさん。後なのはちゃんの騎士のシグナムさんとシャマルさんとヴィータちゃん。」
「は、初めまして、フェイト・テスタロッサです。」
「アリシア・テスタロッサだよ〜〜♪」
「アリサ・バニングスよ。」
「アミティエ・フローリアンです。」
「キリエ・フローリアンよ〜〜。今後ともよろしく〜〜KTY〜〜♪」
「シグナムだ。」
「シャマルです。宜しくね♪」
「ヴィータだ…まぁ、宜しくな。」
美由希さんと桃子さんも挨拶済ませて…と。
私ははやて、八神はやてや。
宜しくな、フェイトちゃん、アリシアちゃん♪
To Be Continued… 
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