Side:はやて


 今日はすずかちゃんの家で、月に1度のお茶会の日や♪
 お菓子は翠屋から持ってくけど、お茶は月村家のスーパーメイドの至高の一品…毎回楽しみや。

 で、今日は恭也さんも一緒に?


 「忍に呼ばれてね。…恋人の誘いを断る事は出来ないさ。」

 「お兄ちゃんは忍さんを大事にしてるよね♪」

 「ソレは当然の事じゃないか?」


 まぁ、そうなんやけど、ソレを実行できる人って早々居ないと思うで?
 恭也さん以外やと士郎さんやろか?……まぁ、彼女さんは大事にせなアカンね♪

 「其れに、忍さんは将来的になのはちゃんの『お姉さん』になる人やからなぁ?」

 「えぇ!?そうなのお兄ちゃん!?」

 「……可能性は0じゃないとだけ言っておく。」


 ち…恭也さんはこの程度じゃ動揺させられへんか。
 まぁ、冗談は程々にして、月村家に到着や。

 今日のお茶会も楽しくなりそうやね♪









 魔法少女リリカルなのは〜夜天のなのは〜  夜天10
 『邂逅せし者達』










 お、アリサちゃんはもう来てたか――相変わらず速いなぁ?


 「アタシの楽しみの1つだからね、遅れるなんてありえないわよ?」

 「にゃはは…うん、このお茶会は私達の楽しみだモンね♪」


 まぁな。
 ゆったりまったり、お茶をしながら友人と休日の午後を楽しむ…優雅で贅沢なモンやで。

 ヴィータは初参加やけど、楽しんでな?


 「おう、勿論だ!」


 「恭也〜〜、待ってたわ♪」


 おぉっと、此処で忍さん登場や!
 出会い頭に恭也さんに抱きついて……恭也さんは頭をスウェーバックしたな…


 「恭也?なにその反応…『キスしちゃダメ』の意?」

 「忍…妹達が居るんだから少しは自重してくれないか?」

 「大丈夫、私は気にしないから♪」

 「俺が恥ずかしいんだよ!!」


 うん、恭也さんの言う事の方が正論やね。
 せやけど、何ぼ正論言うてもね…

 「私等には構わんと、どうぞ遠慮なく。いっそディープなやつを思いっきり!」

 「何を言ってるんだ、はやてちゃん!?」

 「あら、それじゃあ遠慮なく♪」

 「忍!?」


 あ…忍さんに火が点いてもうた…


 「はい、少し落ち着こうねお姉ちゃん♪」


 ――カキィィン!


 「!?」

 「すずかちゃんお見事なの…」

 「呼吸穴だけ残して氷漬けって…アンタも容赦ないわね…」

 「だってこれ以上は『観覧禁止』になりそうだったから…」

 「一切否定できんわソレ…」

 煽った私が言うのもアレやけどね。
 ホンマに忍さんは恭也さんにゾッコンラブやなあ……恭也さんは極上レベルやから仕方ないけど。


 「取り敢えず程ほどにね、お姉ちゃん?」


 ――パチン!…パキィィィン



 「最近すずかの突っ込みが強烈になってる気がするわ……まさか氷漬けにされるとは予想外よ…」

 「今ので何事も無く復帰したお前に俺は吃驚だよ…」


 単にすずかちゃんの絶妙な力加減のおかげやね。
 ほな、何時までも玄関に居てもしゃーないし、そろそろ中に入ろか?
 ノエルさんも律儀に待ってくれとるからなぁ…


 「にゃはは…それじゃあ改めまして、おじゃましま〜〜す♪」

 「ようこそいらっしゃいました。此方へどうぞ。」


 流石のスーパーメイドやノエルさん。
 桃子さんが翠屋に欲しがったのも頷ける言うモンやな。

 ま、この人は月村家の専属メイドの方が似合うてるけどな〜〜♪
 ほな、おじゃまします〜〜♪








 ――――――








 Side:なのは


 「意外と…」

 「問題なさそうね…」

 「仲良くなれてよかった♪」

 「いや、僕は結構ピンチなんだけど!?」


 大丈夫だよユーノ君、ねこさん達はじゃれてるだけだから♪
 多少荒っぽくても食べられたりはしないよ?


 「いや、何で僕だけこんなに手荒い歓迎受けてるの!?
  そっちのハネキツネとか言うのは、そんなにフレンドリーなのに!!」


 なんでかなぁ…?


 「こっちはスッゴクほのぼのやなぁ♪」

 「見てるこっちも和んでくるよな〜〜♪」

 「そういえばこの子の名前って決まったの?」


 うん、色々意見が出て迷ったんだけど、この子の名前は『タマモ』になったの。
 女の子のキツネだからピッタリでしょ?


 「確かにピッタリね、良い名前じゃない!」

 「タマモちゃん…うん、可愛い♪」

 「因みに此れ考えたのはなのはとはやてだぜ!」


 にゃはは、何となく思い浮かんだんだよね。
 はやてちゃんも同じの考えてるとは思わなかったけど♪


 「長い事、一緒に暮らしてたから思考が似通ってるのかも知れへんね。」

 「あぁ、有るかも。」

 まぁ、ソレはソレで。
 けど、タマモに決まるまでには色んな名前が出たんだよ?
 コン、ハネちゃん、シロ……挙句には『ドラゴンズロアー』なんて謎な物まで…

 でも、意外だったのはザフィーラかなぁ?
 この子が女の子だからって『カレン』なんて名前を出して来るんだもん。


 「ソレは意外ね〜〜。」

 「アイツはあぁ見えて、その手の感性は良いからな。」


 そうなんだ。

 で、時に大丈夫、ユーノ君?


 「大丈夫じゃないよ!てか助けて!?ちょ、尻尾噛まないで!食べられないから!!
  お願いだからそんなに激しく来ないで!抜ける!毛が抜けるから!!だから噛まないで〜〜〜!!」


 …モテモテだね♪
 ネコさん達と仲良くなってくれたなら良かった。


 「いや、此れ僕が一方的に襲われてるから!!」

 「ソレは愛情表現だよユーノ君♪」

 「ノーーーーーーーーー!!」








 ――只今ユーノ君がネコに(多分に攻撃的な)愛情表現をされてるから少し待ってなの♪








 「ふ、不幸だ…ジュエルシードを追ってこの世界に来てから碌な目に遭ってない気がする…
  ジュエルシードに重傷負わされて、デバイス2つには見限られて、あらぬ疑いをかけられて、サポーターとしての位置も無く…」

 『苦労してますね。』

 「その80%はレイジングハートのせいだからね!?」

 『何の事やら存じませんね♪』

 「本気で人でなし!?」

 『本より人ではありませんので。』


 はい、今回もレイジングハートの勝ち〜〜。
 ユーノ君が精神捻じ曲がって非行に走ると面倒だからその辺でね?


 『Masterのプライベートを覗いて『禁則事項』を考えていた時点で、もうダメでしょう?』

 「あ、そうか。」

 「だから濡れ衣!!」


 まぁ、そんな事は如何でも良いとして…結構集めたよねジュエルシード。


 「そうね〜〜…ユーノが封印した2個に、動物病院の1個。」

 「夜の学校で1個と、神社で1個、巨大樹木から1個と、ゴールキーパーの子の1個。
  1個はゴールキーパーの子のと交換しちゃったけど、空になったジュエルシードは合計7個。
  1/3は無害化に成功してるよ?」


 だね。
 此れって結構良いペースかな?


 「なんか釈然としないけど…良いと思う。
  少なくとも僕が単独で回収を続けてたらこんなに集まらなかったと思うから。」


 うん、良いペースなんだね?
 だったら残りの2/3も出来るだけ早く集め…




 ――ヒィィィン…!!




 ――Pipipipipipipipi!




 !!この感覚!それに博士が作った『携帯型ジュエルシード感知器』が作動してるって事は…ジュエルシード!!
 ソレも可也近い…!


 『Master、反応はこの家の庭からです…至近距離です。』


 えぇ!?此処の庭に!?
 …でも、だったら逆に好都合なの!速攻で封印できるから!


 「タイミング悪いわねぇ…アタシ蒐集されたばっかで戦えないのに…」

 「大丈夫だよアリサちゃん!此処は私とすずかちゃんで抑えるから!」

 だからはやてちゃんとヴィータちゃんは此処でいざと言う時の為に待機してて。
 特にヴィータちゃんは、この中では一番戦闘経験豊富だから頼りにしてるよ?


 「おうよ!任せとけ!何があってもアタシが全部護ってやるぜ!」

 「おぉっと、『私等』やろ?」

 「…へへ、そうだな!」

 「アタシは今回は戦えないから頼りにしてるわね〜〜。」


 うん、此処の護りは任せるの!
 行こう、すずかちゃん!


 「うん!スノーホワイト!」

 「レイジングハート!」

 「「セーーットアーーップ!!」」

 『『Standby, ready.Set up.』』


 よし、出撃なの!!








 ――――――








 Side:すずか


 という訳でやってきたんだけど…此れは流石に予想外だよ…


 「なぁ〜〜ごぉ〜〜〜〜♪」

 「「超巨大ネコ…」」

 『写真とってム○に送りつけたら面白そうですね。』

 『取り敢えず記念に記録に残しておきますわね♪』


 此れもジュエルシードの影響?
 どんな願いを歪んだ形で叶えちゃったらこうなるんだろう…


 『このネコの『大きくなりたい』と言う願いを叶えたみたいですわね。
  尤も戦力的には大した事ありませんので、すずかとなのはでしたら余裕ですわよ。』


 大きくなりたいって、ソレは成長であって巨大化じゃないと思うけど…歪んだ形だとこうなるんだね。
 でも、先ずは封印しなきゃ!
 スノーホワイト!!


 『任せてくださいまし!』


 ――カキィィン!!



 四肢を凍らせて動きを封じれば何も出来ないはず。

 …ゴメンね…

 「なのはちゃん!!」

 「OK!…ゴメンねネコさん…だけどソレは封印するの!!レイジングハート!!」

 『All right.Divine Buster.』



 ――ドゴォォン!!!



 「ふぅ…封印完了!」

 「お見事♪」

 「にゃはは、すずかちゃんが巧く動きとめてくれたからだよ?
  ネコさんにも怪我が無くてよかったの♪」


 そうだね。
 それじゃあ皆の所に…


 「2人とも伏せろ!!!」

 「お兄ちゃん!?」

 「恭也さん!?」

 如何して此処に!?


 ――バガァァァン!!!


 「「きゃぁ!!!!」」


 こ、攻撃!?
 なんで…何処から…!


 「無礼千万を承知で申し上げる、ソレを自分に渡してはくれまいか?」


 !!忍者さん!?…なんでこんな人が?
 と言うよりも、忍者って本当に居たんだね、なのはちゃん…


 「ある意味で魔法が存在してた事以上に驚きなの。
  ん?若しかして、お兄ちゃんはあの人の気配を感じ取って…」

 「あぁ、そうだ…しかもアイツ1人じゃない…もう1人別の奴が居る!
  おい、既に居るのは分ってるんだ…隠れていないで出て来い!!」


 「なんでぇ、ばれてたのかよ?
  見かけによらず良い勘してるじゃねぇか色男。」


 今度は筋骨隆々の大男…何時の間に…!


 「ったく、相変わらずまだるっこしいな隼人!
  交渉なんぞしねえで、ガキ共を締め上げてジュエルシードとやらを巻き上げりゃ良いだろうが。」

 「自分は無益な争いは好まぬ…尤も、戦闘は避けられぬだろうが…」


 イキナリ攻撃してきて、無益な争いは好まないって無いと思いますけど?
 其れに、勝手に人の家の庭に入り込まないで下さい!!


 「ソレについては謝罪を…済まなかった。
  だが、自分にも目的がある…主君より受けた任は果たすが勤め…!!」

 「どうしてもやるって言うなら…手加減はしないの!!」


 うん…やるとなったら!!


 「おうおう、いいねぇ?おっぱじめようぜ、弩派手な喧嘩をよぉ!!」

 「なのは、すずかちゃん、コイツは俺が引き受ける!2人はそっちの忍者を頼む!」


 「お兄ちゃん…うん、分った!!」


 任されました!!
 行きますよ忍者さん?


 「立ちはだかると言うなら切り捨てるのみ……悪く思わないで欲しい。」



 ――フッ…



 「「消えた!?」」

 「いや、此処にいる。」

 「「!!」」


 ――ガァァン!!


 は、速い…私の動体視力でも見切れないなんて…!
 けど!!

 ダイヤモンドエッジ!」

 ディバインバスター!!


 此れの同時攻撃なら…!!!


 「良い攻撃だが、自分には無意味…」


 ――フッ


 また消えた…!
 此れじゃあどこから来るか分らないよ…!


 「終りだ…」

 「「!!!」」


 目の前に…此れじゃあ回避も防御も間に合わない…



 ――ガキィィィン!!!



 え?
 衝撃も何も無い?


 「大の大人が、女の子2人を襲うなんて感心しないよ。」

 「そう言うのはスッゴクカッコ悪い!」


 「貴殿等は…!!」


 だ、誰?
 良く似た金髪の女の子が2人……何て言うか、このまま終るって感じじゃなくなってきたかなぁ…?

 どうなるんだろう…この戦い…













  To Be Continued…