Side:委員長


さてと、今日も一日平和に終わって欲しいと願う所なのですが、雪女さんと西行寺さんと同じクラスである点で、其れは望むだけ無駄だと言う
ところでしょう……人間諦めが肝心とは言いますが、其れはある意味で至言ですね。



「おはようございます委員長さん。」

「おはようございます西行寺さん。
 ……雪女さんは一緒では無いのですか?」

「一緒に登校する心算だったのですが『物騒なラブレターを貰ったから先に登校してろ』とのメールをいただいたので、其れに従って先に登校
 した次第です。」



……其れはまた何ともですが、物騒なラブレターって大丈夫なんでしょうか雪女さんは?



「大丈夫ではないでしょうか?
 金属バットを装備した雪女さんは、1対100でもパーフェクト勝利しますよマジで。」

「何を馬鹿な……と言いたい所ですが、雪女さんだと、其れが否定できないのがアレですね――まぁ、彼女ならばプロレスラーが相手であっ
 ても勝つでしょうけれどね。」

ですが、無理だけはしないで下さいよ雪女さん?
貴女に何かあったら、西行寺さんとメユさんが悲しむでしょうからね……










ヤンキー少女とポンコツ少女とロリッ娘とEpisode35
『不良と七味唐辛子(生タイプ)』










Side:雪奈


物騒なラブレターを貰ったんで、指定された場所に来てみたら……何やら見覚えのある顔が勢揃いって感じだな?――1度はアタシがぶっと
ばした奴ばかりじゃねぇか。
雁首揃えてリベンジ戦か?其れとも敗者復活戦でもやろうってのかオイ?
何にしても朝っぱらから暇な連中ばっかりだな……ったく、テメェ等のせいで遅刻確定じゃねぇか。



「不良のくせに遅刻を気にするとは、落ちたモンね雪女?」

「あん?誰かと思えば、アタシにフルボッコにされたギャル5人組(21~23話参照)じゃねぇか?
 アンだけやられて、今度ふざけた事したらネットに名前と顔をアップするって言ったのに、こんな素敵なパーティを開催するとは良い度胸じゃ
 ねぇの?」

「ふん、面白くもない弱い者虐めを止めただけよ。
 アンタにやられた恨みは相当なんだからね?折れた歯を治すのにめっちゃお金かかったし!!」

「いや、そりゃ自業自得だろアホ。」

まぁ、何か?とどのつまりは、アタシにリベンジする為に、お前等同様アタシにフルボッコにされた馬鹿共を集めたって訳か……此れだけの数
を揃えたって事だけは褒めてやるよ。
だが、テメェ等程度のゴミにも雑魚にも劣る三下にもならねぇやられ専門のクソ雑魚がアタシに勝てると思ってんなら片腹痛くて笑う事も出来
ねぇっての。
と、よくよく見りゃ、前に学校にお礼参りに来た入れ墨ドレッドヘアーまで居るじゃねぇの?……こりゃ、中々素敵なパーティになるかもな?



「粋がってんじゃねぇぞ雪女?
 こんだけの人数相手に勝てると思ってんのか?……謝るなら今の内だぜオイ?」

「寝言は寝てから言えよデブ。
 其れと脂ぎった顔を近づけんじゃねぇ、臭いんだよブタが。ブタはブタ小屋に行きやがれ。」

「んだとオラァ!?」

「うるせぇよクソデブが。」



――バッキィィィィ!!!



「ひでぶおわ!?」



取り敢えず話しかけて来たデブに裏拳かまして一撃KO!うん、感触からしてありゃ完全に頬骨砕けたな。
さぁて、パーティの始まりは告げてやったぜ?次のアタシのダンスパートナーは誰よ?遠慮しないで来いや――何なら一度に何人相手にし
てやっても良いんだぜ?



「舐めるんじゃないぜ雪女!!」

「おぉっと、今度はヌンチャク使いか?
 だが、只振り回してるだけとは、まるで扱い方なってねぇ!!」

だから、ヌンチャク持ってる手に蹴り入れて、ヌンチャク奪い取ってやったぜ!
ったくテメェのヌンチャクの使い方はまるでなってねぇ。ヌンチャクと言えば截拳道だろ?ブルース・リーの映画見た事ねぇのかよ?



――バキバキバキ!!



はい一丁上がり!
そういや言ってなかったが、アタシは無手でも武器使ってもどっちでも強いからその心算で居ろよ?ガキの頃のお稽古事で、空手に剣道に
合気道、功夫に截拳道と一通りの格闘技も習ったからよ。



「いい気になんなよ!
 此の俺様のバタフライ二刀流で切り刻んで……」



――ズル!!



今度は学園にお礼参りに来た入れ墨ドレッドが来たが……カウンターでのズルパン。……相変わらずの真性かよ、気持ちわりぃ。
前にも言ったが、テメェみたいのは家に引きこもってB級AVでも見ながら自家発電するのがお似合いだぜチンカス野郎が。テメェみたいのは
存在その物が要らねぇんだよ!



――ガスゥ!べキバキ、ゴスゴス!!



「あう!へぶ!ぐはぁ!!」

「オラオラオラ、如何した入れ墨ドレット君よぉ?
 ご自慢のバタフライ二刀流でアタシを切り刻むんじゃなかったっけ?其れとも、そのバタフライはカボチャも斬れない鈍らってか?ヒカリモン
 の手入れはしといた方が良いぜオイ!!」

取り敢えず蹴りかまして、ヌンチャクと体術でフルボッコにした上でネックハンキングからの連続ヘッドバットをかまして、トドメはジャンピング
パイルドライバーってな!
頭は足でホールドしてたから首が折れてる事は無いだろうが、頭はカチ割れたし、首だって鞭打ち確定だ。

んで、コイツを皮切りに次から次へと馬鹿共が襲い掛かって来たが、ドイツもコイツもアタシの敵じゃねぇ!!
拳で、蹴りで、ヌンチャクで叩きのめしながら、時には気絶したクソッタレを投げつけて凶器にし、タバコを使っての根性焼きカウンターも喰ら
わせてな。
ったく、本気で弱すぎるぜお前等。こりゃ、タバコ5本吸い終わる前に全滅出来っかもな?

「ギャル5人組に何を言われたかは知らねぇが、アタシにケンカを売った事を後悔しやがれクソ共が!!」



――バッキィィィィィィ!!



「ひでぶわぁ!?」



オラ、遠慮しないで来いよ?パーティは、まだ始まったばかりなんだからよ!!







――そんな訳で乱闘中だ、少し待ってろ。






「オラオラオラァ!反撃してみろよコラァ!!」

「あう!ぎべ!!ごはぁ!!」





――引き続き乱闘中だから、待ってろ。





「調子こいてんじゃねぇぞオラァ!その命、貰ったぁ!!」

「この、俺がぁぁぁぁぁぁ!!」




――もう少しだけ待っててくれ。





「調子くれてんじゃねぇぞクソアマが!!」

「その手のセリフは聞き飽きてんだよやられ専門のモブが!!」

襲い掛かって来た奴に、ぶっ倒した馬鹿を踏み台にしてのシャイニング・ウィザードをかましてKOってな!……残るはテメェ等だけだな、クソ
ギャル5人組よぉ?
この間は、仏の慈悲で許してやったが、今回はそうは行かねぇぞ?徹底的に……



――バオンバオォォォォォン!!



ん?バイクのエンジン音?



「ふ、アンタも此処までよ雪女。
 こんな事も有ろうかと声を掛けておいた暴走族の連中が来てくれたわ……幾らアンタでも、渋谷辺りでブイブイ言わせてる現役100人を相
 手にしたら、流石に勝てないでしょう?
 随分と調子に乗ってくれたけど、此れでアンタも当分は病院生活……」

「………」

「って、何方様ですか?海坊主さんのお知り合い?」



で、現れたのはガチムチマッチョ……誰お前?



「海坊主ってのは、コイツの事かい?」



で、次に現れたのは、血まみれの坊主頭を片手で持って来た、ロングスカートに胸にサラシを巻いて特服を纏ったレディース……お前、千鶴
ちゃんじゃねぇか!
って事は、此のガチムチマッチョは千鶴ちゃんの仲間か……個性的な奴仲間にしてんなぁ?

だがまぁ、中学の頃に派手に喧嘩した後にダチ公になった奴と再会するとは思ってなかったぜ。
懐かしいな、元気だったか!?



「おうよ、アタシは元気だぜユキちゃん。」

「まさか、こんな所で会うとは思ってなかったが、何だって此処に?」

「適当に流してたんだが、ユキちゃんのスクーターを見つけてさ。もしかしたらと思って来てみれば何やら楽しい事になってるじゃんよ?
 此処からはアタシ等に仕切らせてくれよユキちゃん?……このハンパモン共に、本物の悪童の怖さって奴を教えてやるからさ。」



そりゃいいな?
なら、徹底的に本物の不良の怖さってモンを叩き込んでくれや……二度とふざけた事をしようとは思わない位に徹底的にな。取り敢えず、死
ななきゃ何しても良いぜ。



「任せろユキちゃん。
 アタシとしても、ダチ公に上等働いた馬鹿を許す気は無いからな。」

「おうよ、任せたぜ千鶴ちゃん。」

千鶴ちゃんは、中学時代に唯一アタシと引き分けたヤンキーだから実力はハンパねぇ……千鶴ちゃんのチームが偶然通りかかった事に後
悔するんだなギャル5人組。
取り敢えず、己のアホさ加減を呪うんだな。



・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



「ふい~、ごっそさん。」

「学生さん学校良いの?」

「学校よりも、空きっ腹を満たす方が今のアタシには大事だったんすよおっちゃん。」

でもって、大立ち回りして腹が減ったから、近くラーメン店でラーメンと餃子頼んだら、学校とかどうでもよくなって来たから、サボってゲーセン
行くか。
そのままサボってゲーセンに入り浸ってたんだが、夕方ゲーセンを出た所で委員長とエンカウントするとはな……延々と説教されちまった。
まぁ、アタシがサボった事よりも、何の連絡もなかった事に対しての説教が多かったけどな。
一応は心配してくれてたって事か……心配してくれた事は兎も角として、説教は勘弁だから、次からはちゃんと連絡を入れる事にした方が吉
って所だろうな。








 To Be Continued… 



キャラクター設定



・千堂千鶴
中学時代に雪奈と大喧嘩を展開し、その後ダチ公になったヤンキー少女。
高校に上がってからは暴走族を結成し、関東圏最強の暴走族として名を馳せている。