Side:レーシャ
遂に、此処まで来たわね!
ミウラとのライバル対決を制して、いよいよ今度は番長との直接対決!!此れは何とも燃えて来るじゃないの!!相手はトップランカーだしね!!
「此れはまた、朝っぱらから気合入っとるなぁレーシャ?」
「トップランカーとのライバル対決に、気分が高揚してるって言う所か?」
ザッツライト!その通りですよお父さん!
最強のライバルとの対決以上に燃える物は無いでしょ?――それこそ、ミウラとの対決の時以上に、私の心は燃え滾ってバーニングソウルだよ!
でもって、其れは多分番長も同じだと思うんだよね。
どっちにしても、今日の試合は気合い入れて行くだけだよ!!――番長との喧嘩は、ミウラとの試合以上に激しいモノになるだろうからね!!
「そうやろな……ま、やれるだけやって来るとぇぇよ。
全力を尽くせば、結果が如何あっても後悔する事だけは無いやろうからね。」
「全ての力を出し尽くして来い――其れを出し切った先に、新たな世界が見えるかも知れないからな。」
了解です!!――私の全てを持ってして、此の喧嘩に臨むわ!!
遊戯王5D's×リリカルなのはViVid 絆紡ぎし夜天の風 Rainbow90
『いざ、喧嘩番長との直接対決!』
Side:ハリー
さて、いよいよか……こう言っちゃなんだが、まさか此処まで駒を進めて来るとは、ちょいとばかし意外だったぜ。
まぁ、2回戦が抜剣娘だったってのもあるだろうが、それでも、俺の前に現れるとは、大したモンじゃねぇかよレーシャ?正直、度肝を抜かれたぜ。
だが、俺の前に現れたってんなら、手加減抜きで相手してやらぁ。
「リーダー、そろそろ時間っすよ?」
「おう、分かってらぁ。」
だからよぉ、最高で最強の喧嘩をしようぜレーシャ?――お前となら其れが出来るって、俺は信じてるからよ!!さて、一丁やるか!!って……
「アンタは確か、レーシャの先生の……超強い人!!」
「か、稼津斗さんですよリーダー!!」
そうそう、それ。
そんな人が、弟子の対戦相手の控室前で何してんだ?今更敵情視察って訳でもないだろうし、アンタがそんな事するような人には見えねぇぜ?
「お前に頼みがあって来た。」
「頼み?……まさかと思うが、負けてくれなんて言う心算じゃあねぇよな?」
「まさか、その逆だ。――変な言い方と思うだろうが、レーシャに全力を出した末の敗北ってモンを教えてやってくれないか?アイツの為にもな。」
「……はい?」
思わず間抜けな声が出ちまったが、其れもしょうがねぇよ!
『頼み』って言うから何かと思えば、事もあろうに自分の弟子に敗北を教えろって、何考えてんだこの人は!?普通は、弟子の勝利を願うだろ!
「普通はそうなんだが、レーシャの成長の為には必要な事なんでな。
アイツは此れまで、格闘では負けた事がないし、デュエルでも遊星以外には負けた事が無い――さらに言うなら、遊星に負けても『まだ届かな
かった』程度の感じで、悔しさが薄い。
分かり易く言うなら、アイツには『敗北の悔しさ』の経験が無い。敗北の悔しさを知らない限り、レーシャは更なる高みに上る事は出来ない。
尤も、天才タイプ故に、並の人間が努力して到達できる高みには簡単に到達するだろうが、敗北の悔しさを知らない奴の強さは本物じゃない。
敗北を糧にして高みを目指して手に入れた強さこそが本物の強さだと、俺は思ってるんでね――お前もそう思うだろう、砲撃番長殿?」
「其れは……まぁ、一理あるぜ。」
俺だって去年、あのヘンテコお嬢様に負けたのが悔しくて、徹底的に雷属性への対策をして、更に自分を鍛え直して今回の大会に臨んだ訳だし。
つまり、レーシャを本物の強者にするために、敗北を教えてやってくれと、そう言う事か?
「有体に言えばな。
本音を言うなら、一回戦の『新人潰し』に期待したんだが、アレ位の使い手ではレーシャは苦戦しても超えてしまうようだし、ミウラとの一戦は、勝
っても負けても、悔しさは薄いだろうからな。
だが、お前との試合は別だ。
スピードだけはレーシャの方が上だが、パワー、スタミナ、タフネスは何れもお前が上回っている……となれば、必然的にレーシャは、全力以上
の全力を出さざるを得ないだろうが、その上で負けたとなれば、流石に悔しいだろうからな。」
「OK、その頼み、承ったぜ!」
俺が勝つ事でアイツが強くなるってんなら、来年はもっと楽しくなりそうだからな!
レーシャの潜在能力を限界まで引き出した上で、俺が勝ってやろうじゃねぇか!!互いに全力で殴り合ってこそ、喧嘩は楽しいモンだからな!!
「感謝する。お前が勝ったら、晩飯を奢るよ。お仲間達も一緒にな。」
「マジっすか!!絶対勝利っすよリーダー!!」
「自分、焼き肉が良いっす!!」
「食べ放題、サラダバー無料で!!」
「食べ放題だなんて、けち臭い事を言うな、叙○苑に連れて行ってやる。」
「マジっすか!!」
おいコラ、俺が勝つ前から、奢って貰う事前提で話進めんな~~?いや、負ける心算は毛頭ないけどな?つーか、勝つ以外の選択肢ないしな。
まぁ、ちょいと面倒な事を頼まれちまったが、そう言う事なら了解だ!!
砲撃喧嘩番長の真髄を見せてやろうじゃねぇか!!
――――――
Side:レーシャ
さてと、いよいよだね!
リングの上には、私と番長、そして互いのセコンド――今日の私のセコンドは、ノーヴェとスバルとギンガ……ノーヴェは兎も角、スバルとギンガは
お仕事の方は良いの?
「不動司令から、特別休暇貰ったから大丈夫♪」
「セコンドを務めた上で、生試合の臨場感を報告するようにって言われてるから……試合自体はパブリックビューで見てる筈なんだけど……」
「会場での臨場感を知りたいって事なんだろうな。」
お母さん、其れは職権乱用って言わない?
って言うか、職権乱用するなら、スバル達じゃなくて自分が直々に来ればいいんじゃないの!?特務二佐なら、その辺もネジ込めるでしょうが!
はぁ、時々お母さんの考えてる事が分からないよ――お父さんだったら分かるんだろうけどね。
でもまぁ、セコンドが誰であろうとも、私は私の全力を尽くすだけだよ!!
『さぁ、インターミドルの3回戦!チャンピオンと、雷帝の試合以上に注目の試合の始まりだ~~~~!!
ルーキー対決を制して3回戦にコマを進めたレーシャ・Y・不動の前に立ち塞がるのは、砲撃番長、トップランカーの一角ハリー・トライベッカ!
スーパールーキーは、トップランカーを屠って先に進むのか!其れとも、番長がルーキーに手痛い洗礼を与えるのか~~~!
此の一戦は、目が離せないぞ~~~!!!!』
でもって、今日もまた、絶好調ですねMCさん。
そのお蔭で、今日も会場は満員御礼札止め状態っぽいけどね――だからこそ、番長との一戦は勝ちたいんだよね~~…お客さんも多いから。
だから――
「ケリをつけようぜ、番長?」
「テメェの敗北を持ってな!」
――バチィ!!
『此れは、始まる前から、互いに激しいメンチ切りだと~~~!!
互いの視線が火花を散らしているようだが、インターミドルは試合であって喧嘩じゃないから、その辺にしておいてくれないか~~~!!』
「「試合じゃねぇ、喧嘩だ!!喧嘩上等!!」」
『まさかのカウンター!?よもや、喧嘩と書いて試合と読むって言うのか!?この展開は、予想外だ~~~~!!
だがしかし、其れならば、此の試合にはとっても期待が高まっちゃうってモンだ~~~!!最高の試合を、俺達に魅せてくれ~~~!!』
言われるまでもねーですよMCさん。
魅せてやろうじゃない、私と番長の、最高の喧嘩って言うモノをね!!
「セコンドアウト!!」
そして、セコンドアウトが言い渡され、リングには私と番長と審判だけ――何とも燃えるじゃない此れは!!番長には、悪いけど勝たせて貰うわ!
だって、私の目標はあくまでも優勝だから、此処で負ける訳には行かないからね!!
「レーシャ・Y・不動vsハリー・トライベッカの試合を此れより開始する!
DSAA&カウント制で、ライフが0になるか、ダウンカウントが10になったらその時点で試合終了!――承知良いかな?」
「オウよ、了解だ。」
「私も了解です。」
「ならば良し。
其れでは此れより、ハリー・トライベッカとレーシャ・Y・不動の試合を開始する!!ラウンド1、ファイト!!!」
――カーン!
「行くよ番長?」
レーシャ:LP25000
「全力で掛かってきな!俺は其れを超えてやるからよ!」
ハリー:LP25000
上等!!そう来なくちゃだからね!!
だから出し惜しみなんてしない……初っ端から全力で行くだけだよ!――強い相手には、真正面からぶつかってこそ意味があるってモノだから!
だから、最高の喧嘩を始めようか番長!!――この喧嘩は、きっと私にとっても大きなモノになるだろうからね!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
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