Side:はやて


1ラウンド目は略互角やったけど、其れだけに此の第2ラウンドが事実上のファイナルラウンドになるって言うんは、考えるまでもない事なんやろね。
ライフもクラッシュエミュレートも略互角やから、何方が勝ってもオカシクは無い。ないんやけど――

「やっぱり此処は、レーシャに勝ってほしいなぁ?」

なんぼミウラを鍛えたのがヴォルケンリッターの皆や言うても、自分の娘に勝ってほしいと思うのは仕方ない事やで。遊星かてそう思うやろ?



「其れは、否定できないな。
 ミウラも確かに良いファイターだが、レーシャは恐らくその上を行く…ともすれば、この戦いの中で更なる成長を見せてくれるかもしれないからな。」

「其れも含めて、レーシャには勝って欲しいんよ。」

あの子には未知なる力、無限の可能性、その他色んなものがマダマダあるからなぁ?それらを覚醒させる意味でも、此処は勝って欲しいんや!!
勿論ミウラかて強いから、一筋縄で行くとは思ってへんけどね。

でも、それでもアンタやったらミウラに勝てるでレーシャ?――何たって、規格外のチートバグに鍛えられたんやからね!!



「レーシャ嬢ちゃんファイトー!!」

「司令のご息女、負けないで下さいーーーー!!」

「叩きのめしちゃってください~~~~!!!」



……其れは其れとして、何やねんこの『レーシャ親衛隊』とも言うべき謎の応援団は?横断幕に鉢巻きに法被にメガホンて、気合入りまくりやろ?
まぁ、応援してくれるのは有り難いから咎めへんけど、度を過ぎたら……落とすから、その辺は弁えて行動してな~~~♪











遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow89
『全力全開!全開!全壊!!』












レーシャ:LP15000
ミウラ:LP16000


Side:レーシャ


さてと、事実上のファイナルラウンドである第2ラウンド!ライフも回復したし、クラッシュエミュレートも8割がた回復した訳だから、全力で行くわよ!
其れこそ、なのはさんじゃないけど、手加減不要の全力全壊!!――ミウラも異論はないでしょ?



「はい!」

「じゃあ、行くわよ!!」



――ガキィィィィィン!!!



っと、奇襲のコトツキを肘を立てたエルボーガードで防ぐとは……一歩間違えば肘関節損傷の危険性のある攻撃的なガードを迷わず使うとか、ミウ
ラは、相当自分の身体の頑丈さに自信が有るみたいね――自信がなきゃこんな事は出来ないけどさ。

でも、エルボーガードを見てから咄嗟に点をずらしたおかげで、互いにライフの減少は無い――つまりは、此処からって言う事だけど、さっきラウンド
で分かった通り『今までの私』はミウラに研究されてるから、『ミウラの知らない私』を使うとしますか!

「覇ぁぁぁぁぁぁ……銀閃華ぁ!!!


――轟!!


「!?此れは、魔力が膨れ上がった!?レーシャさん、其れは……!!」

「稼津斗師匠譲りの強化術『銀閃華』だよ。
 魔力を高める事で、身体機能を倍加させる能力で、理論上強化上限は無い……けど、当然倍加させる力が大きい程、身体に掛かる負担も大きい
 から、只倍加するのは危険て訳。
 今の私だと2倍が限界……無理して3倍って所かな?」

「因みに稼津斗さんは?」

「今更必要ないけど、やろうと思えば500倍は軽いって言ってた。」

「あ、納得。」



本気でチートなんだから……お父さんとお母さんと稼津斗師匠が手を組めば、本気で世界征服できるんじゃないかと思うわよ。
――と、其れは兎も角、今の私は受けるダメージが増加した代わりに、攻撃力とスピードが2倍になってるのよ?……倍加した雷速を見切る事が
出来るかしらミウラ!!



――シュン!!



「消えた!?」

「遅い!!」


「へ?うわぁぁぁぁぁぁあ!!!」
ミウラ:LP16000→14300



『ぬわんとーーー!!第2ラウンド開始早々、レーシャ・Y・不動のスピードが第1ラウンドよりもアップしたーーー!?此れは強化魔法なのか!?
 何れにしても、残像が残る程の超高速ラッシュを前に、ミウラ・リナルディは何とかガードするのが精一杯!レーシャが一気に決めに来たーー!』




えぇ、決めに行きますとも!
ミウラみたいなタイプ相手だと、長引くだけこっちが不利になるからね……なんたって、一撃で逆転される可能性がある上に、インターバルでも可也
回復して来る訳だから、出来る限り速攻で終わらすのが上策って事!!


レーシャ:LP15000→14000



おぉっと?此れは一体如何した事だ?一方的に攻撃しているにもかかわらずレーシャのライフが減っている~~?
 ……まさか、その強化魔法は自分もダメージを受ける諸刃の刃なのか~~~~~!!だとしたら、正に捨て身の猛攻だ~~~!!
 レーシャのライフが尽きるのが先か、其れともミウラのライフが削り取られるのが先か……此れは本気で目が離せないライバル対決だ~~!』



そう、銀閃華使用中の身体への負荷は、DSAAルールだと、確りとライフに影響するのよね……恐らく、ミウラのライフが減るのと同時に、私のライフ
は、カウントダウンするかのように、1ポイントずつ、でも結構な速さで減ってる筈だからね。
だから、私のライフが0になる前に、ミウラのライフを削り切る!!
如何にガードを固めてるとは言っても、この超高速ラッシュの前には、完全にガードできるのは正面か側面からの攻撃のみ!背後や足元への攻撃
はガードしきれないから、確実にダメージは入ってるからね!!



ミウラ:LP14300→(又してもラッシュで削られて)6500
レーシャ:LP14000→10011




だからこのまま押し切る!!そして、切り札を切るのは今!!

見せてやる、不動の拳をーーーー!!!


――ゴゴゴゴゴゴゴ……ドガガガガガガッガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガアガガガガガッガ!!!


最終決戦奥義“無式”!!これで決まりだぁぁぁぁ!!!


――バガァァアァァッァアァァァァァアッァン!!


「ぐぅ!!!」
ミウラ:LP6500→1000


って、此れを耐えた!?……身体を丸めて、受けるダメージを最小限に留めたって言うのね……土壇場で、そんな防御をするとは、本気でミウラは
最高のライバルって言えるわね!!
でも、耐えられたって事は――!!



「うおぉぉぉぉぉ!!!これで、僕の勝ちです!!抜剣!!


来たか、カウンターの抜剣!!
と言うか、此のカウンターを放つために、今まで我慢してたって訳ねミウラ……カウンターを叩き込むチャンス――私が決める為の大技を放った後
の隙を――!!



――ドゴォォォォォオォォォォォォォォォォォォォ!!!

――バガァァァァァァァァァァアッァァァアァァァァァァァアァァァン!!!




「ガハッ!!」
レーシャ:LP10011→1(銀閃華強制解除)



『此れはーーー!決めに来たレーシャに対して、ミウラが土壇場でのカウンターを一閃!!
 辛うじてライフが1ポイント残ったレーシャだが、場外まで吹き飛ばされてしまったーーー!!果たして、試合続行は可能なのかーーー!?』




此れは……流石に拙いわね?てか、一撃で10000以上のライフを持って行くってドンだけの鬼カウンターよ?幾ら被ダメージ増加中とは言え此れ
は無いでしょうに……

しかもカウンターでボディに喰らったから、息も苦しい……負けたくはないし、負ける心算は無いけど……此れは流石に――



「「おねちゃ、がんばってーーーー!!!」」



――ピクリ



今の声は?……いや、確認するまでもない!遊陽とシュターム!!
如何して会場に――って、若しかしてお母さん、自分は仕事で見に行く事が出来ないけど、子供達には生で見て来てほしいって、局員(多分ナカジ
マ家の誰か)を護衛に付けて、会場に来させた!?

あながち間違いじゃないだけに、何してんですかお母さん……でも、今回に限っては、其れは嬉しい誤算だったよ!!
うおりゃぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁあぁぁぁぁぁあっぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!!


――ドガァァァァァァァァァァァァァァン!!!


レーシャ:LP1→3001



『ってー!!今度はレーシャのライフが回復した~~!?
 しかも其れだけじゃなく、悠然とリングに戻って行くって、本気でどうなるんだこの戦いはーーー!全然先が読めないぞ~~~~!!!』

「れ、レーシャさん!?な、なんか髪の毛が金色になってますけど……変身魔法ですか!?」



……私は、不動家のお姉ちゃん。
ライバルとの対決でギリギリまで追い詰められ、でも弟と妹の声援を受けて目覚めた伝説のお姉ちゃん……スーパーお姉ちゃんレーシャだ!!



「何ですか其れ!?」

「ある、偉大なお姉ちゃんは言いました『気合と根性が有れば大抵何とかなる』と!」

「意味が分かりません!!」



うん、私にも分からない。だけど『お姉ちゃん』を名乗る以上、此れは押さえておかないといけない気がしたのよ!如何言う訳か分からないけど!!
まぁ、流石に変身魔法で金髪になったのはやり過ぎたけど、遊陽とシュタームの声援のお蔭でライフが回復したってのは本当よ?……って言っても
所詮は根性論上等な回復だから、精々『最強の攻撃を打てる』のが限度。

だけど、其れは貴女も同じでしょうミウラ?
無式を耐えたのは見事だったけど、カウンターでの抜剣に結構な力を使っただろうから、抜剣はもう一発撃つのが限界……違うかしら?



「正解です……今ので決める心算でしたから。」

「なら、お互いに次が最後の一撃って事よね?――だったら、最後は小細工抜きの力比べと行こうじゃない?」

ナオミ戦で開眼した私のタイプ0……風の拳と、貴女の抜剣のどちらが強いのか!!お互いの最強の技で決着つけようじゃない――異論はある?



「ありませんよ……此処まで来たら、何方かのライフが0になる以外での決着なんて有り得ませんから!!
 だから、この抜剣には僕の持てる全ての力を注ぎ込みます!!――だから、破壊力はさっきのカウンターの比じゃありません……良いですね?」

「……上等!そう来なくちゃね!!」

なら、行くわよ!!


――クン

――グッ




私とミウラが構えると同時に、会場は静寂に包まれた……それだけ、この攻防が見物だって言う事だろうね?観客の息遣いまで聞こえてきそう。
其れこそ、1秒が1分に感じる世界……でも、勝負は一瞬!!



「行きます!!」



先に動いたのは、ミウラの方ね?
ヴィータさん直伝と思われるロケットブーストからの抜剣は、本来の威力に加速力が加わって、破壊力は倍化どころじゃ済まない感じだわ本気で。

でもだったら!!


――ダッ!!


私は、光速移動からのタイプ0の連携攻撃を繰り出すだけ!!
最速の拳と雷速の移動術を使えば、ミウラの抜剣・流星と技の速さは略互角!!でも、私は喰らったらKO必至だから、喰らう事は出来ない……だ
から此処は――


――ズン



「!?」



ミウラの蹴り足を躱して懐に潜り込むのが上策!
如何に強力な抜剣とは言え、当たらなければ意味は無いし、その威力ゆえに、外した際の隙も馬鹿でかい――だから、これで終わりだよミウラ!

「此れで、最後だぁぁあぁっぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁアぁ!!!!」



――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!



「うわぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁぁあっぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
ミウラ:LP1000→0



『決まったーーーー!!!第1ラウンドから目が離せない攻防を展開してくれたスーパールーキー対決を制したのは不動・Y・レーシャ!!
 一時は残りライフが1まで追い詰められながらも、其処から奇跡の逆転勝利!!何とも燃える戦いだったぞーーーーー!!!』



はぁ、はぁ……本気でギリギリの勝利だわ此れ。
そもそもミウラが乗ってくれなかったら、負けてたかもだからね……力比べを受けてくれた事に感謝するわミウラ……アンタ、最高のライバルだよ。



「其れは僕も同じですよ、レーシャさん。」

「ミウラ!!もう回復したの!?」

「あはは……僕も割と耐久力と回復力が高いみたいで……思いの外直ぐに目が覚めました――尤も、レーシャさんの拳だったからかもですけど。」



へ?其れって如何言う事?



「風の拳……確かに凄い破壊力でしたけど、だけど此れは只破壊するだけじゃなく、何かを生み出す力が有る……其れを感じる事が出来た。
 負けたら悔しい筈なのに、僕はこんなにも清々しい気分で居る……それはきっと、レーシャさんの風の拳で倒されたからなんだと思いますよ?」

「何かを生み出す力……」

だからタイプ0……無から何かを作り出す力か……まさか、其れだけの力を秘めているとはね。
でも、だったら私は、此の拳をさらに磨くだけの事だよ!!風の拳が持つ可能性は無限大だって言う事を、こうして知る事が出来たんだからね!!



「頑張って下さいレーシャさん……僕の分まで。」

「OK!任せなさい!――次の相手は強敵だけど、負ける心算は毛頭ないからね!」

そう、次の相手はミウラ以上の強敵……次はアンタだぜ番長!!――精々最高の試合にしようじゃない!!そうでなきゃ面白くないからね!!








――――――








Side:ハリー


俺の次の相手はレーシャか……ま、願ったりだけどよ。
お前との楽しい喧嘩は、俺としても望むところだからな――だから、次の試合では小細工無しでブチかまそうじゃねぇかレーシャ!楽しもうぜ!!!

若しかしたら次の試合は、デコメガネや、ヘンテコお嬢様との試合以上に楽しむ事が出来るかも知れねぇな。



「番長!!」

「ん?」

「次の試合――最高の試合にしようね!!」



コイツ、引き上げがてらに……よっしゃ、上等だぜ!!
だが試合じゃねぇ……史上最強にして、最高の喧嘩をしようぜレーシャ!!てか、そっちの方が俺等にはピッタリだろ?バッチリ合ってるだろ?



「確かに……でも、負けないからね?」

「そいつはこっちのセリフだ。」

レーシャとの3回戦……楽しみになって来たぜ!!













 To Be Continued… 








*登場カード補足