Side:レーシャ


「ほんで、格闘技ファン垂涎の攻防の末に、アインハルトがギリギリの判定勝ち。
 せやけどそんだけのぶつかり合いをした末に、アインハルトはヴィヴィオを認めた――なんや、バトル系の少年漫画みたいやな?」

「全力でぶつかった果てに見える物も有る……格闘技もデュエルも根幹の部分は同じなのかもしれないな。」


うん、アインもヴィヴィの本気を見れて満足したみたいだし、此れからは良い友人兼好敵手な関係になると思うんだ。
それに、私やリオ、コロナにとってもアインは格闘技の先輩になる訳だから、此れから先色々と世話になる事はあると思うんだよね〜〜〜〜?

ノーヴェと稼津斗師匠も、アインを私達と一緒にトレーニングさせる心算で居るみたいだし……正直な事を言うと、結構ワクワクしてるんだ♪


「さよか……まぁ、レーシャの交友関係が広がるのは親として嬉しい限りや♪
 話を聞いただけやけど、アインハルトも良い子みたいやし、機会があれば会ってみたいなぁ?……折を見て家に招待してみよか?」

「あぁ、良いかもしれないな。」


えぇ!?幾ら何でも速攻すぎるよお父さん、お母さん!!
って言うか、何れ呼ぶつもりだけど今は早すぎ!!それ以前に、此処は流れ的に先にヴィヴィが家に招待するのが筋だと思うんですけれども!?


「……其れもそやな?此処は先ずヴィヴィオがなのはちゃんにアインハルトを紹介するのが先やね……」

「確かにそうかも知れないな……まぁ、焦る事はないさ。――所でレーシャ、お前はそろそろ『T&H認定デュエル』じゃなかったか?」


うん――って言うか今日だけどね。
私とコロナの公式デビュー戦!!全力全壊で行く心算だよ!!


「その意気だ……悔いの無いようにデュエルをすると良い。」

「時間休がとれたら見に行くからなぁ〜〜〜♪」

「「おねちゃんがんばって〜〜〜〜〜♪」」


――――!!これは絶対に負けられないね、今日の認定デュエルは!!コロナと共に全力全壊でブッ飛ばさないと、多分満足できないわ!!











遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow8
『公式デビューのデュエル開始!』











Side:ヴィヴィオ


あの模擬戦から数日――私は出来るだけアインハルトさんと行動しようとしてる。
登校する時も、一緒に登校出来るようにしてるし、色々と話も振ってる――んだけど、アインハルトさんて基本的な口数が少ないから会話が………

だけど、格闘技やデュエルの事なら割と口を開いてくれるから、その点は助かるけど。


「ところでヴィヴィオさん、貴女は如何してデュエルをなさらないのですか?」

「へ?」

「レーシャさんのこの間のデュエルは心が震えました……貴女とてデュエルは出来ると思いますが、何故なさらないのでしょうか?」


……そう来ましたか。
え〜〜とですね、あまりにも情けない理由なので話したくはないんですけど、口外無用にしてくれるって約束してくれますか?


「えぇ、約束します――覇王の名に誓って。」

「其れじゃあ話しますけど……実は今よりも子供だった頃に、遊星さんが召喚した『ジャンク・バーサーカー』のイメージが強烈で、少しトラウマに…
 で、もっと言うなら、かのゆりかご内部でなのはママが呼び出したバーサーカーに玉座中を追い回されてトラウマが更に強烈になりまして……
 もしもあれがソリッドヴィジョンで目の前に現れたらデュエルどころじゃないので、デュエルは観戦オンリーに留めているんです……」

「其れはまた何とも……え〜と、大変な体験を成されましたね?」


2度と体験したくないんですけど……何てうか其れは絶対に無理な気がするんです……レーシャのデッキにはバーサーカー居るし。(涙)

そ、其れよりもアインハルトさんこそデュエルはしないんですか?


「生憎と、二足の草鞋を履くほど器用ではないので、今は己の目指す格闘の道を極める事で手いっぱいです。
 ですが其れだけに、デュエル観戦は鍛錬の合間の良い娯楽になりますし、全力で戦うデュエリストの姿と言うのは励みにもなりますから……」


やっぱりアインハルトさんは真面目だなぁ。
だけど、デュエルファンだって言うなら――今日の放課後は何か予定はありますかアインハルトさん?


「今日の放課後?……別分何も入ってはいません。精々家に帰って自己鍛錬をするくらいです。」

「だったら今日の放課後、一緒に『ホビーショップT&H』に行きませんか?
 レーシャとコロナが今日、ショップ認定デュエリストになる為の『認定デュエル』を受けるんです――良かったら一緒に見に行きませんか?」

「認定デュエリスト……確かショップ公認のデュエリストになって初めて大会への参加が可能になるんでしたか?」


はい!つまり今日はレーシャとコロナの公式デビュー戦なんです……えっと、ダメですか?


「レーシャさんとコロナさんの公式デビュー戦となるデュエル――私としても興味がありますので喜んで御一緒させていただきます。
 特にレーシャさんは、この間の神楽坂乱堂さんとのデュエルを見て、一デュエルファンとして心が躍ったのでとても期待してしまいます。」

「じゃあ決まりですね♪
 校門で待ってますから、授業が終わったら皆でT&Hに直行しましょう!」

「分かりました――ですがヴィヴィオさん、此処は中等部ですよ?初等部はあちらです。」


はい〜〜!?
は、話に夢中で気付かなかった……って言うか、気付いてたなら教えてよクリス!


『(/・ω・)/\(・ω・\)(・ω・)ノ』


あまりにも楽しそうに話してたから水を注すのは悪いと思ったって……いや、中等部まで付いてきちゃった事の方が少し恥ずかしいんだけど……
まぁ、アインハルトさんとお話しできた事は楽しかったけどね。


「そろそろ始業の鐘が鳴りますので、遅刻なさらないように……」

「あ、はい!!其れじゃあアインハルトさん放課後に!!」

口数は少ないけどアインハルトさんは、私の事を気に掛けてくれるのも嬉しいかな?……もっともっと、仲良くなれると良いな♪


っと、其れよりも今は初等部に行かないと!!遅刻だけは絶対勘弁なのです!!








――――――








Side:はやて


無事時間休も取れて、只今T&Hに向かってまっしぐら!!愛娘の公式デビュー戦を見逃せるかい!!
因みに遊星のDホイールにタンデム搭乗しての移動……そう言えば、遊星のタンデムに乗るなんて随分と久しぶりやな?……多分2年ぶりか?


「そうだな、はやてが妊娠中はこんな事は出来なかったしな。
 尤も、前とは違い今はお前だけじゃなくて遊陽とシュタームも一緒に乗ってるんだが……」

「掟破りの4人乗りやね♪」

「「やね〜〜〜〜♪」」

どんな状況かと言うと、私が遊陽とシュタームの2人を膝に乗せた状態でタンデムに乗り、遊陽とシュタームは遊星にしがみついとる状態や。
私も2人の脇は支えてるし、遊星も其れほどスピードは出してないから問題はないんやけどね♪


それにしてもレーシャもようやくデビュー戦か〜〜〜……認定デュエルは、ショップ認定デュエリストが相手やから一筋縄では行かん筈やけどな。
せやけど、血は繋がってなくともレーシャは遊星のデュエリストの魂を受け継いでるんは間違いないからきっと勝つはずや。

そしてコロナちゃんも、試行錯誤してデッキ作っとったから、迷いに迷って辿り着いたデッキはきっと強い……こら期待できそうやで♪


「「おとーさん、もっと速く〜〜〜〜♪」」

「へ?」

「もっと速く?……良いだろう!……クリアマインドォォォォォ!!!


――轟!!


はいぃぃぃぃ!?ちょお待て遊星!!何でここでクリアマインド!?幾ら速く言われたからって此れは限界突破やろぉぉぉぉぉぉぉぉ!?


「限界を超えた果てに新たな扉が開かれる!!行くぞ、アクセルシンクロォォォォオオォォォォォ!!!!

「「はや〜〜〜〜い♪」」

「うっそやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」



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・・・



「あの〜〜…大丈夫ですかはやて司令?」

「大丈夫やヴィヴィオ……少しばかり『この世にはなのはちゃんのブレイカーを上回る衝撃があった』って思ってるだけや………」

「其れって絶対大丈夫じゃないですよね!?」


大丈夫や……少なくとも私の旦那と子供達はな……遊星は兎も角、シュタームと遊陽は何で平気やねん……やっぱ半分は遊星やからか!?
なんや、将来的に私の子供らはレーシャを含めて最強ロードを突っ走りそうな気がするわ……


「何て言いうか否定できませんねぇ……遊星博士とはやて司令の子供だって言う時点で色々と……
 そ、其れは兎も角始まるみたいですよ?」


そやね。


『レディース&ジェントルメーン!!!全デュエルファンの諸君、ようこそホビーショップT&Hへ〜〜〜〜!!!
 今日は可憐な少女2人がこのショップで『認定デュエリスト』になるべく、ショップお抱えのデュエリストとの『認定デュエル』を行っちゃうぞ〜〜?
 挑むデュエリストも可憐なら、迎え撃つデュエリストも華のある2人――ナカジマ家の『ディエチ』と『ウェンディ』!!
 既にT&Hのショップデュエリストである2人が出て来るってだけでもドキドキワクワクが止まらないよなぁ〜〜〜〜?
 そして、この期待度MAXのデュエルの実況を担当するのはこの俺と〜〜〜〜?』

『T&H看板娘ことアリシア・テスタロッサでお送りしま〜〜〜す!!』



絶好調やなMCさんとアリシアちゃん♪
てか、あのMCさんてシティでもあんな感じやったん?――若しかして意外とあの人のファンは多かったりして?


「シティでもあんな感じだったな……ファンが居たかどうかは分からないがな。
 だが、彼もまたZ-ONEとの最終決戦の際に力を貸してくれたからな――俺のデュエルを実況する事で、避難の混乱を抑えてくれたらしい。」

「なんや、凄い人なんやねぇ?」

まぁ、あの『極大リーゼント』だけでも只者やないとは思ったけどね?


『其れではファーストデュエルは……『レーシャ・Y・不動vsディエチ・ナカジマ』だ〜〜〜!!!
 かの不動遊星の娘のレーシャと、クロウ・H・ナカジマの妹にしてナカジマ家ナンバー2の実力デュエリストのディエチの対決だ〜〜〜!!
 最強の父と、最強の兄を持つ2人の戦いは果たしてどんなデュエルになるのか〜〜!?これはテンションマックスだぜ〜〜〜!!』

『此れは間違いなく『10代女子デュエリスト』では『最強vs最強』と言っても過言ではないデュエル!!
 だけどセカンドデュエルの『コロナ・ティミルvsウェンディ・ナカジマ』のデュエルだって見逃せない好カード!!
 今日の認定デュエルは若しかしたら、T&H始まって以来の最高のデュエルになるかもしれないよね〜〜〜〜♪』


して見事な司会進行や。
観客もスッカリデュエルモードや……かく言う私も行きなりのレーシャのデュエル言う事で、すっかりテンション上がっとるけどね!!!


頑張れレーシャ………貴女ならきっと勝てる!!私も遊星も、そしてシュタームと遊陽もそう信じとるよ♪








――――――








Side:レーシャ


ついにこの時が来たね……ショップ認定デュエリストになる為のデュエルが!!
お父さんとお母さんは……うん、シュタームと遊陽と一緒に見に来てくれたみたい――此れは何としても勝って華を添えたい所だよね♪

しかも相手はディエチ……クロウ教官に次ぐ実力者と謳われるデュエリストが相手だなんて、物凄くワクワクしてくるもん!!!


「宜しくねレーシャ?……本気で行くよ?」

「勿論本気でお願いするよディエチ!――手加減されたデュエルなんて興醒めだし、本気でやらないと楽しめないモン♪」

「だよね――お兄ちゃんも『デュエルは常に全力を出して楽しむべし!』って言ってたからね……全力で楽しいデュエルをしよう。」


『如何やら2人とも準備完了だね!!ではMCさん!!』

『OK、アリシア!一緒に派手に行こうか〜〜〜!!
 ホビーショップT&H公認デュエリスト認定デュエル、レーシャ・Y・不動vsディエチ・ナカジマ〜〜〜〜〜………』

『『デュエル、スタ〜〜トォォォォォォォォォ!!!!』』




「「デュエル!!!」」


レーシャ:LP4000
ディエチ:LP4000



「先攻は挑戦者からと言う事で私のターン!!……『フォトン・ジャンカー』を守備表示で召喚!」
フォトン・ジャンカー:DEF1600


カードを1枚セットしてターンエンド!


「私のターン。『DK−進撃のカリバーン』を召喚。」
DK−進撃のカリバーン:ATK1500


「そして私のフィールド上に『DK−首狩りのマーロー』以外の『DK』が存在する時『DK−首狩りのマーロー』は特殊召喚できる。」
DK−首狩りのマーロー:ATK1700


1ターンで2体のモンスター……マーローでジャンカーを破壊すればカリバーンのダイレクトアタックも狙えるけど、多分本命は其れじゃない。
速攻で同レベルの非チューナーを揃えたって事は、狙いはランク4のエクシーズと見て先ず間違いないと思うわ……


「そして、進撃のカリバーンと首狩りのマーロー、2体のレベル4モンスターでオーバーレイ。
 黒き剣に誓いを立てし闇の騎士が、虚空を切り裂く!エクシーズ召喚!出でよ『DK−槍撃のゲイボルグ』!!!」

『ムオォォォオォォォ!!!』
DK−槍撃のゲイボルグ:ATK2200



やっぱりエクシーズ……しかも此れはまた何とも強力なモンスターですこと……


「ゲイボルグは守備モンスターを攻撃しても貫通効果でダメージを与える。
 そしてゲイボルグのオーバーレイユニット1つ取り除いて効果発動!このターンのみ、このカードは相手のカード効果を受けないよ。」


其れってランク4ではある意味破格の効果だよ!?


「かもね?……だけど此れ位の事態を打開できないならT&Hの認定デュエリストとして貴女を認める訳には行かない。
 バトル、ゲイボルグでフォトン・ジャンカーに攻撃、『ストライクランス』!!」


――ドガァァァァン!!


レーシャ:LP4000→3400



たった600でも、流石にディエチの一発は効くなぁ………まぁ、おかげで完全にデュエリストの闘争本能に火が付いたけどね!!!

「フォトン・ジャンカーの効果発動!
 このカードが戦闘で破壊された時、デッキからレベル4以下の『フォトン』または『ギャラクシー』と名の付くモンスターを特殊召喚する!!
 そしてトラップ発動!『光子の導き』!!
 私のフィールド上のモンスターが破壊された時、ライフを1000ポイント払い、デッキから光属性でレベル4以下のモンスターを特殊召喚する!!
 私はジャンカーの効果でデッキから『ギャラクシー・ドラグーン』を!『光子の導き』の効果で、デッキから『フォトン・クラッシャー』を呼び出す!」


レーシャ:LP3400→2400
ギャラクシー・ドラグーン:ATK2000
フォトン・クラッシャー:ATK2100




「私の攻撃を受けて尚これとはね……カードを1枚セットしてターンエンド。」

「今度はこっちの番だね?……行くよディエチ!!私のターン!!
 私はフィールド上のフォトン・クラッシャーとギャラクシー・ドラグーンをリリース!!」

「攻撃力2000オーバーのカードをリリース!!――と言う事はまさか!!」


そのまさかだよディエチ――攻撃力2000以上のモンスターを2体もリリースして現れるのは銀河の絶対支配者でしょう?

さぁ、出番だよ『銀河眼の光子竜』!!


『ウゴァァァッァァァアァッァアァァァ……!!』
銀河眼の光子竜:ATK3000


デュエルは此処からが本番……最高に楽しいデュエルをしようじゃない、ディエチ!!















 To Be Continued… 








*登場カード補足



光子の導き
通常罠
自分フィールド上のモンスターが相手によって破壊された時にライフを1000ポイント払って発動する。
デッキからレベル4以下の光属性モンスター1体を選択して、自分フィールド上に特殊召喚する。