Side:レーシャ


さてと、此処からはずっと私のターンだよ木人!!
ヒット&アウェイじゃない、絶対的なアクセルのみを頼りにした、最強無敵の超絶ラッシュをブチかましてやるわ!!外装甲の強度と厚さは、充分かな?

「どぉぉぉりゃぁぁぁあぁぁ!!」



――バッキィィィィィィィィ!!!



よし、入った!!其れも良い角度で!!
まぁ木人相手には効果は無いけど、今の角度は生身の人間が相手だったら、間違いなく意識吹っ飛ばしてただろうなぁ……完全に側頭部強打してたか
らなぁ……インターミドルのルールだったら、間違いなくライフを半分削って、脳震盪のクラッシュエミュレートが発生するでしょうね。

でも、おかげで如何戦えばいいかが分かって来たわ!!

コイツには一撃が効かないんだから、兎に角スピードにモノを言わせて猛ラッシュをかけるしかないんだけど、出来るだけ同じ所を攻撃するのが一番ね。
ドレだけ頑丈なモノでも、一カ所を集中攻撃されたら、脆くなってしまうモノだし。

だから、此れで終わり!!

ボディが、お留守だぜ!!


――ゴス!!バキィ!!ドガァァァァアァン!!

――メキィィィ!!



集中攻撃で穴が開いた!!おぉぉぉぉぉ……喰らいやがれぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!


――ドガバァァァァァァァッァァァァァァァァァン!!……ガシャン……



少しばかり手こずったけど、アンタじゃ燃えねぇな?――残った木人も、纏めて消し炭に変えてやろうかしら?
尤も、試練だって言うならガンガン来なさいよ?そうでなくちゃ試練の意味は無いし、私だって退屈しちゃうって………それとも、もうお休みなのかしら?

だとしたら拍子抜けだけど、其れは流石にないでしょ?

もっともっと、来なさいよ?其れを正面切って越えてあげるからさ!!












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow77
『Ausbildung und Problem』









Side:ノーヴェ


うん、まぁ技の試練に関して言うなら、レーシャは大丈夫だろうとは思ってたけど、ヒット&アウェイの一撃離脱が効かない相手に、だからってスピード頼
みのインファイトラッシュを仕掛けるか普通!?

有効だったのは間違いないが、一歩間違えば自滅の可能性もある諸刃の刃な戦術を、迷わず選ぶとか、ドンだけ度胸あるってんだよレーシャ?
デュエルで、度胸は鍛えられてるのかも知れないが、アレだけの攻撃を即座に思いつき、そして実行するってんだから、マジでハンパねぇだろアイツ!



「レーシャは所謂『天才タイプ』だから、弱点や利点を理解するのが恐ろしく速いんだろうな。
 だからこそ、アレだけのラッシュ攻撃が可能になるって訳さ……本当に、末恐ろしい子だよ」

「旦那もそう思ってたんだ――確かにアイツは、チームナカジマの中でも一番成長が早いし、戦うたびに強くなるの典型だから、期待は大きいけどな。」

其れを付加しても、強化木人を速攻で倒したってのはトンでもない事だぜ……



「しかし……」

「ん?如何した旦那?」

「いや……使う属性が同じで、戦闘スタイルも似通っててる天才タイプってのは、己の弱点をカバーする術も似通ってくるもの何のかと思ってね。
 ネギの奴も、雷速使用のヒット&アウェイを得意としていたが、其れを師匠格にアッサリ破られた後は、今度は一転してアクセル頼りの猛ラッシュをブチ
 かましてたが、レーシャもまたヒット&アウェイでダメだと悟った瞬間に、相手に反撃の暇を与えない程の猛ラッシュで倒したからな。」

「あぁ、そう言う事ね。」

旦那の本体が居る世界のお子様も、中々如何して凄いらしいからなぁ…(汗)
しかしまぁ、大体予想はしていたが、レーシャ以外の2人――ヴィヴィオとミウラは、凄まじく苦戦してやがるな?まぁ、チームナカジマも八神道場も、基本
『長所を伸ばす事』に重点をおいていたせいもあるんだが、ヴィヴィオはカウンターが使えない組技、ミウラは中途半端な距離が大の苦手だよな。

だが、こう言う苦手を克服しなきゃ公式戦では勝ち残って行けない。



「それは……ですがノーヴェ姉様、苦手があると言う事は、其れを克服する術も有ると言う事ですよね?」

「そりゃそうさ。そうでなきゃ、態々こんな事やらないよ。」

「師範心が燃える課題だよ♪」

「自分の『苦手』の認識と、其れを克服する方法。
 そして、試練を超えたって言う経験と自信――それが、この三岩窟を攻略した際に手に入るお宝って事さ。付き添いの見習いの経験にもなるしな。」





「そういうことでしたのね?」






ん?



「御機嫌よう、リンナさん。」

「アイリン!其れにクレアも!!」

「スミマセン、突然におじゃまします。」

「いや良いって、ウチのアホ共が急に誘ったんだって?」

「まぁ、何時もの事ですから……其れよりもリンナさん、宜しければその企画、私共も協力いたしますわよ?」

「ホントに?」



行き成り現れた女の子と、その……え~~と、此れは何て言えばいいんだ?
女の人なんだけど、着てるのはメイド服じゃなくて執事服……この子専属のメイド?其れとも執事?……ど、どっちで表現すればいいのか分からねぇ!



「あ、ノーヴェちゃん、稼津斗君、ディードちゃん、紹介するね。」

「華鳳拳宗家、アイリン・ハーディンと申します。」

「リオ達のチームの、監督兼コーチをしてます、ノーヴェ・ナカジマです。」

「同じく、氷薙稼津斗だ。」

「聖王教会シスターの、ディードと申します。」

「うちの春光拳と、アイリンとこの華鳳拳は交流があって、リオとアイリンは幼馴染なんだ。」

「そうなんですの。
 あ、此方はうちの執事のクレアです。」

「以後お見知りおきを。」



あ、ども。……執事の方なんだな。



「ノーヴェ……」

「何だよ旦那?」

「カッコいい女の子と、男装の麗人は最強にして無双で無敵で、付け加えるなら素敵で素晴らしいぞ?執事服女子とか最高過ぎるだろ!!」

「真顔で何言ってんだアンタ!?つーか、キャラ崩壊してるぞ!?」

「多分そうじゃないかと思ったがやった。反省も後悔もしていない。」

「開き直るんじゃねぇ、このチートバグ野郎!!」

はぁ、はぁ……遊星さんも素でボケるが、旦那の場合は遊星さんと違って分かってやってるから、性質が悪い事この上ないっての!!
こんな事なら、突っ込み要因として兄貴も連れて来た方が良かったかなぁ?兄貴だったら、BFの鬼展開からの突っ込み入れてくれただろうからな。

まぁ、其れよりも、アイリンも参加してくれるみたいだが、誰の対戦相手をお願いしたもんだろう?
モニターを見て、考えてるみたいだが……



「アイリンはこう見えて可成り強い。」

「うん、そんな気はしてた。」

「数値化するなら、戦闘力3000て言う所か……大したモンだ。――ヴィヴィオが2500、ミウラが2800、レーシャが3100って所だからな。
 因みになのはとフェイトとはやてが、素の状態で300万で、遊星がクリアマインド発動で1000万、アインスに至っては素の状態で6000万な。」

「因みに旦那は?」

「素の状態で戦闘力がバグっていて表示不能。」

「アンタ、本気で存在が犯罪だよ。」

で、決まったかなアイリン?なんか、ヴィヴィオとミウラとレーシャが映ってるモニターを見ていたけど……



「リンナさん、私、この子達が興味深いですわ!!」



やっぱりヴィヴィオ達か。
金髪と黒髪のが、ウチのチームの子で、黒髪の方はインターミドル本戦への出場を決めてる。ショートカットの子も、本戦出場を決めてる有力選手だよ。



「御三方とも近代格闘技の選手なのですよね?
 なら……私は指導できるほどの立場ではありませんが、対戦相手としてならばお役に立てると思いますわ!」

「確かにそうだろうな……なら、俺と一緒に行こうか?俺も、レーシャ達の所に行こうと思っていたからな。――何よりも、木人相手よりも生身の人間を相
 手にした仕合の方が楽しいだろうからな。」

「ですわね♪
 それと、此方の黒髪長髪の方は剣術家でいらっしゃいますの?」



ミカヤちゃんか。
居合剣術の師範代だよ。チビ達の引率半分、自分のトレーニング半分て感じで参加して貰ってるんだ。



「其れならクレア、この方に胸を貸していただいては如何かしら?」

「ご命令とあらば。」



この執事さんも剣術をやるのか?
まぁ、主様を護衛する手段として、剣術は覚えておいても損はねーし、寧ろ覚えておけば、有象無象の犯罪者なんぞは一刀のもとに斬り伏せられるし。



「ノーヴェちゃんはリオとアインハルトちゃんのとこに行くでしょ?」

「うん、その心算だよ。」

「なら、アタシは、コロナちゃんとシュエとタオの所だね。あの子達の『心』をバッチリ鍛えてあげなきゃ♪
 でもまぁ、其れは其れとして――ノーヴェちゃんは、着替えと変装をしないとね?」



……はい?
って、ちょっと待って!如何してそうなるのさリンナちゃん!!!



「出落ちでバレないように、リンナさんの変身メイク見せてあげる~~~♪」

「いやいやリンナちゃん、変装位自分で出来るから!!」

「いいからいいから~~♪
 実を言うと、ノーヴェちゃんてこんなに美人なのに、そう言う男の子みたいなスタイルだと勿体ないって思ってたんだ~~~♪」

「何か話がずれて来てない!?」

「いいからいいから!リンナさんにお任せ~~~!!」



「ノーヴェ……頑張ってくれ。」



――パンパン!



柏手打ってる暇が有ったら助けてくれよ旦那ぁ!!あ~~~れ~~~~~~~~~~!!!













――でもって3分後



「よーし、完成!!どう、良い感じじゃない?」

「いや、そう言われても、自分じゃ分からねーんだけど…」

ど、どんな感じかな旦那、ディード?



「あら、まぁ……」

「此れはまた……見事なモノだな。」

「素敵ですわ。」

「ええ、そうですね。」



そうか?なら良いんだが、幾ら変装だって言っても、此処までやる必要って有ったのかな?ぶっちゃけ、此処まで変える必要ってないだろ絶対に!!!
半分はリンナちゃんの趣味だろうな絶対……まぁ、今更何を言う気も無いけどさ。



「良いと思いますよ姉さま?」

「変装として見事なだけでなく、魅力が際立っていますわね?」

「同感です。」

「此れはまた中々……俺でも惚れてしまいそうな位に凄いな?って言うか、ぶっちゃけお持ち帰りしたい位だ――見事に魅力を引き出してるな。」



ソイツはどーも。
だけどアタシ以上に、稼津斗の旦那だって変装する必要があるだろ?素の状態で出て行ったら即バレちまうんじゃねぇか?



「其れに付いては大丈夫だ。
 変装用衣装として、袖の破れた黒い空手胴着を身に纏い、帯じゃなくて荒縄で上着を固定し、草履を履いて首に数珠を装備。
 そして、ヘアージェルで髪を逆立て、特殊メイクで傷痕を隠した上で……殺意の波動発動!!!」



――轟!!!



どわぁぁっぁ!?何つ~衝撃だ此れ!!此れが、旦那の本気って事か……だが、その見た目は如何かと思うぜ旦那?
袖の破れた黒い空手胴着と、上着を止める荒縄と草履は良いとして、褐色に染まった肌と、赤い髪と赤い目って、アンタ何処の拳を極めし者だよ!!!

いや、其れならバレる事は無いだろうけど、ヴィヴィオとミウラは、下手したら卒倒するんじゃねぇか!?



「そうかも知れないが、この程度で卒倒するようじゃ、メンタルが弱すぎる。
 メンタル面を鍛える意味でも、この姿で言った方が、結果としてはトレーニングになるのさ。――レーシャの更なる課題を浮き彫りにする意味でもな。」



あぁ、確かにレーシャだと、旦那が出張らないと試練にはならねぇわな。
裏を返せば其れだけレーシャが凄いって事なんだが……だったら、尚の事次なるステップに進まないとだからな――そっちは任せるぜ稼津斗の旦那!



「任せとけ。アイリンと一緒に巧くやってやるさ。」

「私達にお任せをですわ、ノーヴェコーチ。」



そう言われちゃ、もう何も言えねぇな。コーチとして、チビ共の相手をしてやろうじゃねえか!!
何よりも、叩けば何処までも強くなる刃を、鍛えないって言う選択肢は有り得ねぇからな――アタシの全力を持ってして、最高の試練を与えてやるぜ!











 To Be Continued… 








*登場カード補足