Side:レーシャ


思った以上のアップダウンが有った山道を、進む事約1時間、漸く地図の示す『三岩窟』とやらの入り口に到達したわね~~……私は大丈夫だけど、ユミ
ナ委員長は大丈夫?ガス欠起こして死んでない?



「死んでたら此処に居ませんから、バッチリ生きてます!
 其れ以前に、この程度の事で音を上げてたら、皆さんのマネージャー兼マッサージ係は務まらないと思いますから、へこたれてなんて居られません!」

「有り難い事ではあるけど、意外と脳筋っすねユミナ委員長先輩様。」

クロウさんなら、良い根性してるって褒めそうな感じだよ。


ともあれ、此処が試練の三岩窟の入り口だと思うと、流石に緊張して来るよ――同時に、緊張を凌駕したワクワクが有るって言うのも事実なんだけどね。

何れにしても、この『宝探し』は普通の宝探しで終わるとは思えないから、最大級に気合を入れておいた方が良いと言うのは間違いないわ。

さて、この洞窟で何が起きるのか、ワクワクして来たわ!!












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow76
『Selbstmordangriff!Drei Hohlen!!』









で、如何やらこの洞窟は、3つの入り口夫々に名前が付いてるらしくて、1つは『技の間』もう一つは『力の間』、そして最後は『心の間』だった訳か……
此れだけだと誰が何の為に、あの地図を残したのかって疑問もあるだろうけれど、其れはこの際纏めて無視するに限るでしょう。てか、一々突っ込んで
たら、身体が持たないかもだからね。

ともあれ、この洞窟は入り口が3つに分かれてるから適当にチーム分けをしないとならないんだけど、此れもまたチーム編成に悩むわぁ!!
いや、アインとリオが『力』で、コロナが『心』で、ヴィヴィとミウラは『技』の間に進むんだろうけど、私は一体どの試練の間に挑めばいいのやら……パワー
不足だから、ヤッパリ『力』かなぁ?



「いや、レーシャちゃんは『技』の試練が良いんじゃないかな?」

「ミカヤン?何故私は『技』の試練なの?その心は?」

「例えばジーク位のレベルだったら己の弱点を補う事で、強くなる事が出来るんだろうけど、レーシャちゃんの場合は、まだ発展途上だからね?
 そうなると、短所を補うよりも、トコトン長所を伸ばした方が良いと思うんだよ?――実際に私も、君と同じくらいの年の頃には、体術なんて碌に練習し
 ないで、もっぱら剣術のみを磨いていたからね。」

「あ、そう言えばなのはママも同じ様な事言ってたかも。
 ママの最強技であるブレイカーは、チャージ時間が長いって言う弱点があったんだけど、ママは弱点には目をつむって、圧倒的な破壊力って言う長所
 を伸ばす方向で調整したって聞いた事が有る。」



うわおぉ、なのはさんもそっちの方向での強化をしてたんだ。……まぁ、己のスタイルを徹底して強化するって言うのは大事な事だと思うし、稼津斗師匠
も、ありとあらゆる格闘技を身につけていても、その根幹にあるのは、己の基本である空手だった訳だしね。

でも、そう言う事なら、確かに私は『技』に挑むのが良いね。
春光拳の『勁』の基本も覚えたから、其れを織り交ぜた新たな『スピード型』を試してみたいとも思っていたし、何よりもこの試練を超えた先には、相当な
『お宝』が待って居る気がするからね。

そうだ、どうせだからタオも一緒に如何?折角来たんだから一緒に行かない?



「えっ!?で、ですが私は猫たちの番をしていようかと思って……」

「え~~?良いじゃん別に。」

「えぇ、どうぞ行ってきてください。
 其れに、猫ちゃん達のお世話でしたら、如何か私にお任せを。タオさんは、お気兼ねなく探索を。」



OK、ナイスタイミングよディード。そのブラシやら何やらを何処から取り出したのかが些か気になるけど、この際それには突っ込みは入れない方向で。
でもまぁ、実際動物の事ならディードに任せておけば大丈夫だと思うよ?ディードって大型動物好きだし、実はトリマーの免許も持ってるからね。
だから、一緒に行こうよタオ?



「あ、はい。」

「其れじゃあ最終的に決まったチームはこの布陣で!」



で、チーム分けは……


チーム『技』:私、ヴィヴィ、ミウラ、イェン、引率はミカヤン。
チーム『力』:アイン、リオ、引率はユミナ委員長。
チーム『心』:コロナ、タオ、シュエ、引率はオットー。

力チームがやや戦力低めかもしれないけど、アインとリオのパワーなら、大概の事は如何にか出来るから多分大丈夫でしょ。心の方も、いざとなればコ
ロナがゴーレム召喚して、更にデュエルモンスターズのカードを召喚すれば何とかなるだろうからね。

それじゃあまぁ、春光拳の伝統である3つに試練に挑むとしましょうか!!――技の試練、必ずや超えて見せるわ!!








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Side:ノーヴェ


おし、此処までは予定通りだな――まぁ、最初の試練位は簡単に突破するだろうが、大事なのは其の後の試練だからな。
そう言えば、ウチの連中は無事に入ったけど、イェンちゃん達の友達も合流するって事じゃなかったけかリンナちゃん?その辺は大丈夫なのかな?



「アイリンには、ちゃんと説明しておかないとね。」

「説明しとかないと、面倒な事になるかも知れないからね。」


「……ところが、面倒な事は既に起きたみたいだぜノーヴェ?」

「実はチャンピオン……ジークリンデさんが、ルーフェンに到着したそうです。執事のエドガーさんと一緒に。シャンテさんと冥王様も一緒の様ですが……」



って、何だよこの狙った様なタイミングは!?
幾ら何でもジークとイクスが来るとか予想外にも程があるだろ!!まぁ、ジークに関しては都市大会に向けての調整の意味合いもあるんだろうけどよぉ。

まぁ、成っちまったモンはしょうがねぇさ。寧ろ、チャンピオンが此処に来てくれるなら、チビ達の士気も上がるかも知れねぇからな?
今は、夫々の試練で何が起きてるかを、確りと把握しておかないとな。



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んでもって、チビ達が夫々の試練に挑んで十数分、どのチームも最初の試練は難なくクリアしたみてぇだな?
力チームはアインとリオがゴーレムを一撃で砕き、心チームはコロナがゴーレム創生で敵のゴーレムを圧倒し、技ルートはデバイスの使用を封じられた
チビ共とミカヤちゃんが、見事なまでの大立ち回りを演じで、あっという間にターンエンド!!!

まぁ予想はしていたが、こうも難なく第一関門を突破するとは、コイツ等はアタシが思っていた以上に成長してるのかもしれねぇな?……だとしたら、指導
者冥利に尽きるってモンだ。

しかも、モニターの向こうのチビ達はマダマダやる気満々だから、やりがいもあるってモンだな。



「だな、レーシャもヴィヴィオもアインハルトも、動きが良いからな。アイツ等には並の使い手では足元にも及ばないだろうと思わせる位の実力がある。」

「旦那位の達人が言うと、重みが違うよな其れは。」

だけど今度は、苦手科目が押し寄せる試練の第2幕だ。さて、苦手項目をどうやって攻略するかね?








――――――








Side:レーシャ


さてと、技の試練で、デバイスでの補助を封じられたうえで、木人相手にスパーリングって事になったんだけど、第一陣は難なく突破してやったわ。
ヴィヴィのカウンターに、ミウラの豪打、そんでもって私の速打の敵じゃなかったからね。

だけど、第二陣として現れた木人は、第一陣とは比べ物にならないわね?
ヴィヴィに襲い掛かってる木人は徹底して組技に持って行って、ミウラが相手をしてるのは、ミウラが力を発揮できないクロスレンジでもミドルレンジでも
ない、微妙な間合いで襲い掛かって来てるからね。

で、私には、異常に頑丈で、スピード=破壊力すら決定打にならないって言う、トンでもなく堅い木人!!
春光拳の勁を応用した、新たなスピードの一撃すら耐えるとか、幾らなんでも頑丈過ぎるでしょ此れ!?この堅さはお父さんの防御力に匹敵するわよ!



『ゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!』



――バガァァァァァァァァァァァアァァァッァァァアッァァァン!!



しかも攻撃力も高いし!!!あんな一撃を喰らったら、即入院間違いなしでしょ!!
まぁ、私には絶対的なスピードがあるから、この攻撃を喰らう事は無いんだけど、此のままじゃジリ貧だから何とかしないと!――でもどうやって?

相手の攻撃は私には当たらないけど、私の攻撃じゃコイツをKOする事は出来ない。スピードを最大限にまで引き出した一撃ですら、多分決定打にはな
らないと思うからね……八方塞がりかな此れは?

でも、何処かに絶対攻略法が――


って、ちょっと待って?『一撃』では駄目でも、超高速のラッシュをブチかましたらどうかな?
一撃が効かない相手であっても、連撃なら効果があるかも知れないし、その連撃が光速を超えた猛ラッシュとなれば、効果は抜群かも知れないから試
して見る価値は有りそうだわ。

だったら、其れを実行する以外の選択肢はないわよね?――悪いけど、こんな所で止まってる事は出来ないから、さっさと先に進ませて貰うわよ!!

「……行くぜ。」



――バチィ!!



さぁ、此処からはずっと私のターンだ――覚悟しろよ、此の木人野郎!!アンタを倒して、私達は更なる高みに上らせて貰うから、大人しく道を開けろ!
この勢いのまま、一気に試練を超えてやるわ!!












 To Be Continued… 








*登場カード補足