Side:レーシャ


セインとのデュエルは、私の勝ちだった。……セインは予想以上に強かったけどね。
もしもセインが、本格的にデュエリストを目指してたら、さっきのデュエルは若しかしたら負けてたかもね……其れ位の、デュエルだった。燃えたけどね♪

で、今は、セインとのデュエルを観戦してた番長達と一緒に学院祭巡り。
お父さんとお母さんも来てくれてたんだけど、番長達と学院祭を巡るって言ったら、『だったら、邪魔しちゃ悪い』って、2人で学院祭を周り始めちゃったよ…
私が番長達と一緒に居るのを邪魔したくないって言うのは嘘じゃないと思うけど、それ以上にお母さんがお父さんと2人きりになりたかったんだよね絶対。

ホント、何年経ってもお父さんとお母さんはラブラブだよ。娘の私からしても照れちゃう位にね。

ま、偶には夫婦水入らずのデートを楽しみなさいって。私は私で、適当に楽しくやってるからさ。



で、其れは良いんだけど、何だってこうなった?



「腕相撲とは言え、全力でやろうぜ覇王っ子……正直な事言うと、一度オメェとはどんな形でアレ、本気で勝負したいと思ってたんだ…望みが叶ったぜ。」

「そう言って頂けるとは光栄です……ならば、全力でお相手します。」



アインのクラスの出し物を覘いて行こうって言う事で来たはずなのに、運がいいのか悪いのか、アームレスリング担当のアインのブースで、新たな挑戦者
を募集してて、其処に番長が喰いついたんだよねぇ……てか、2人ともやる気満々だし!!



「あーなった、リーダーは止まらねぇッスな。」

「南無八幡大菩薩。」

「どうやら、腹くくって行く末を見守るしかないみたいですね……」

机壊すくらいなら兎も角、教室その物を吹っ飛ばしたりしないでよ?……アインと番長がガチで腕相撲すると、存外それがシャレにならないッポイからね。












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow69
『ライバルも親友も集いし場所』









……結果だけを言うなら、アインと番長の戦いは引き分けだった。
台を修復不能なまでにぶっ壊す程の力が渦巻いた末の引き分けだったけどね……って言うか、学校の備品壊すなよ番長……今回は、大丈夫だったけど
学院祭じゃなかったら、間違いなくアインと半額ずつ弁償させられてたからね?



「わ~ってるって。
 けどまぁ、俺の予想以上に覇王っ子が強かったから、つい熱が入っちまったんだよ……其れは、アイツも同じだろうけどな――お蔭で楽しかったぜ。
 正直、未変身状態の細腕で、アレだけのパワーを秘めてるとは思わなかったからな……見た目で判断しちゃいけねぇって、改めて実感したぜマジで。」

「見た目で判断しちゃダメだよ番長。
 レベルもステータスも最低クラスのクリボーだって、100万の戦闘ダメージを0に出来る、強力な効果を秘めてるんだからさ。」

「確かに其の通りだな♪分かり易いぜ。」

「何たって、かの初代デュエルキングが愛用してて、ブラマジ師弟と同じくらい活躍してる裏エースですから。
 伝説のバトルシティ準決勝では、その効果でオベリスクの『相手と相手モンスター全てに4000ポイントの戦闘ダメージを与える』効果を無効にしたし!」

「何よりも可愛いからな。デュエルモンスターズきっての癒し系モンスター。思い切りモフってみてぇ!!」



リラで良ければ、どんぞ~?



「んじゃあ、遠慮なく……おぉ!スゲェ!!!この上ないモフモフ感が堪らねぇ!!」

『クリ~~~♪』

「お気に召したようでなにより。
 時に番長、今日は此れからの予定ってどうなってんの?」

「ん?あぁ、適当に学院祭見て回ろうかと思ってる。さっきのデュエル喫茶は、デッキがない奴でもデュエルが体験出来るように『ストラクチャーデッキコー
 ス』ってのが有ったから、其れでデュエルを生体験してみるのも悪くねぇと思ってるしよ。」



なら、是非ともデュエルを体験して、その魅力を知って欲しい所だよ。見る専だなんて勿体ないからね。
で、若し良ければ、此れから一緒にランチとかどう?ヴィヴィやアイン達も一緒になんだけど……ダメかな?



「おぉ~、覇王っ子と、ちびっ子達と一緒に昼飯ってのは悪くねぇな。生憎弁当は持って来てないが、露店で適当に買ったから、其れ喰えば良いしな。」

「じゃあOKって事で♪」

っと、言ってる傍からヴィヴィ達が来たわ。お疲れ~~~!
って、アリ?ミウラも一緒?



「其処で会ったから、誘ったんだ。別に良いよね?」

「全然OK。こっちも、番長が一緒する事になったからさ。
 其れに、ご飯は皆で食べた方が美味しいし、折角の学院祭なんだから賑やかな方が楽しいでしょ?だから、人数が増える事に関しては全然無問題。」

其れに、アインも追加人員連れて来たみたいだしね?



「少し遅れました。ユミナさんをお誘いして居たモノですから。」

「えっと、私も参加して良いのかな?」

「「「「大丈夫だ、問題ない。」」」」

「折角ですから、一緒に楽しみましょう?」

「お~~~、楽しもーぜ、委員長っ子。」



連れて来たのはユミナさんだったか。うん、参加は全然OK!寧ろウェルカム!!
で、番長は、何だってユミナさんが委員長だって分かったのかな?



「だって、委員長オーラ出てるだろ?アホのエルスみたいに。」

「確かに。」

「其れで納得するんだ!?」



だって言われてみると、委員長オーラ全開だからねユミナさんて。
まぁ、エルス委員長と比べると堅物感は無いから、親しみやすい委員長って感じだけどね……まぁ、格闘ファンだけに、ミウラと番長が居るこの状況は…



「あ~~~!貴女達は、ミウラ選手とハリー選手ですよね!?何時も試合見てます!!」

「え?あ、はいどうも……」

「お~~、見てくれてたのか~~?応援よろしくな~~~?」

「勿論です!!!」



間違いなく夢の様な状況だよね。

でもって、その流れでミウラと番長がサインをする事になったのは、ある意味で当然の流れだったわ此れ――でもまぁ、楽しいランチタイムの始まりだね!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



で、大勢でのランチの醍醐味は、互いのお弁当をつまむ事なんだけど……ん~~~、美味しい!!リオのお弁当メッチャ美味しいじゃない!
此れって、ルーフェンの料理?



「そうだよ~~?
 口に合うかな~って思ったんだけど、アタシの故郷の味を知って貰いたかったから、作って来て正解だった。」

「うん、凄く美味しいよリオ。幾らでも行けちゃう感じだもん。」



料理の感じは、お母さんの故郷にある『中華料理』に似てるかな?
でも、其れよりも薄味でずっと美味しい!!コロナの言う通り、此れなら幾らでも食べる事が出来るんじゃないかって思うわね。



「コイツは良いぜ。美味いモンは、大勢で喰うともっと美味く感じるからな。
 っと、レーシャその卵焼き一つ貰っても良いか?」

「どうぞ。……そして、食して慄け。
 お母さんの作った『ハチミツ出汁巻き卵焼き』の味は天下無敵。其れこそお父さんが、お弁当にリクエストする位の美味しさであり、その味力は3000ポ
 イントは下らないぜ……その味の虜になるが良いわ番長!!」

「レーシャ……何でジョジ○立ち?」



何となくよヴィヴィ。
そんで、如何ですか番長?お母さんの卵焼きは?



「此れは……此れは……う~ま~いぞ~~~~~~~~!!!
 何だよ此れ、甘さとしょっぱさのバランスがハンパねぇだけじゃなく、強烈な旨みを感じるぜ?其れに、この焼き色は……断面の綺麗な渦巻き模様を出
 す為には、ある程度焦がさないとダメなのに、焦げてない部分は綺麗な黄色を保ってる……コイツは一体どんな手品なんだ!?」

「其れがハチミツの妙技だよ番長。
 そして、塩味に普通の醤油じゃなくて、関西特有の『白醤油』を使ってるからこそ此れが出来るの。
 白醤油は色が薄いから、普通の醤油みたいに卵を茶色く染めないし、ハチミツは砂糖よりも焦げやすいから、卵に火が通り過ぎる前に焦げ目が付く。
 其れを巧く巻いて行く事で、綺麗な黄色とハッキリとした渦の卵焼きが出来るって訳。」

それと、こっちの唐揚げも食べてみてよ?
紹興酒とオイスターソースと豆板醤の特製ダレに漬けこんで、ごま油で揚げた此の唐揚げは絶品!美味しいよ~~♪



「あ、此れ私が作って来たんだけど、良かったら食べてみて?」

「お、美味しい!!ユミナさんて、料理も上手なんだ?」

「えっと、これアインスさんに教わって、僕が作った物なんですけど、良かったらどうぞ!」

「足りないだろうと思って、適当に買いたして来たから、好きな様に食ってくれ~~~!!!!」



あはは……ランチタイムの筈が、いつの間にかちょっとした宴会になって来たね此れ?
でも、楽しむ時は全力で楽しまないと損だから、此れだけの面子が集まってる訳だし、多少はハメ外して楽しんでも罰は当たらないでしょ?学院祭だし。

そんな訳で、番長が買って来たカルビ串頂戴!あとタコ焼きも!!どっちも大好物だから!!



「おっしゃー!食え食え!!足りなきゃ、また買ってくるからよ!!」



流石は番長!気前がいいっすね!なら、今日はお言葉に甘えさせて貰います!ん~~~~~、美味しい~~~~~!!!



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・・・・

・・・・・・・・・

・・・・・・

・・・



そんなランチタイムも、賑やか内に終わったんだけど………

「あふぅ……此れは、気持ちいいわ~~~。」

「そう?ならよかった♪」



只今絶賛、ユミナ委員長のマッサージを体験中~~~。本気で、身体が解れてく……此れは本気で気持ちいいわ……全身蕩けちゃいそうだからね~。
ミウラがオーバーワーク気味って事から始まったマッサージだったんだけど、その効果は覿面で、ミウラの腰回りの動きが目に見えて良くなったから、私と
番長もって事になったんだけど……此れは、良いわ。



「はい、お終い♪」

「ありがとうございました!!」

お~~~~、砂浜のロードワークで使いこんだ足が、すっごく軽くなったわ。其れこそ、100mを8秒台で走れるかもって位に軽くなった。
しかも、肩回りも軽くなってるから、此れなら『一発に見えて実は五発放ってましたパンチ』が出来る感じだよ……此れは、お世辞なきに凄いわ。



「お~~~……コイツは効くぜぇ~~~……身体が解れてく…堪らねぇぜマジで。」

「番長も、落ちたか……恐るべしユミナ委員長。」

「頑張って、免許取りましたから♪」



成程、ミッド認定資格を取ってた訳か……なら、此の腕前も納得だわ。
でも、此のマッサージのお蔭で、次の準決勝はサクッと行けそう。この準決勝を突破しないと、都市大会には出場できないし、何よりも――



――ギンッ!



「「「………」」」



其処まで行かないと、番長やミウラと戦う事は出来ないからね……次の準決勝は、サクッと勝って行きましょう!!



「都市大会本戦で当たった時にゃ、容赦しねぇからな?」

「都市大会で、会いましょう、レーシャさん!!」

「OK、約束ね?……だけど、勝つのは私だよ?ミウラにも番長にも、絶対に負けないから!!」

「言うじゃねぇか?……楽しみにしてるぜレーシャ!!」

「僕も負ける気は有りません!!――もしも都市大会で当たったその時は、全力で相手をさせて頂きます!!」



考える事って言うのは、其れほど差がないのかもね。――でも、敢えて言うよ?……勝つのは私だからね?



「上等です…相手にって不足なし!!全力で相手をします!!」

「言うじゃねぇかレーシャよぉ?俺と当たったその時は、全力でぶっ潰しに行くから覚悟しとけよな?」

「番長とミウラこそ、都市大会1回戦で敗北とか無いようにね?そうなったら、戦う機会は無くなっちゃうと思うから……全力全壊で試合に臨もう!!」

「「だな!(ですね!!)」」



つい熱くなっちゃったけど、都市本戦に駒を進めれば、ミウラや番長と戦う事が出来る訳だから、テンションが上がるのはしょうがないよ……其れだけ、此
の学院祭が凄いのかって言う事だからね……そう、簡単に勝てるとは思わないでね?本戦でも、勝つのは私達だから!!負ける事は出来ないからね!



「上等だ!…やってみろよオイ!」

「そう簡単にはやられません……寧ろ、返り討ちにします!!」



そう来なくちゃ♪
先ずは今度の準決勝、サクッと勝つとしましょうかね!!








――――――








Side:はやて


そんなこんなで、賑やかやった学院祭も、あっという間にフィナーレや。
学院の広場で薪を組み上げ、其れに火を放って始まった『キャンプファイヤー』は、お祭りのフィナーレとしては悪くない……寧ろ、大歓迎やで♪

キャンプファイヤーの周りにいる子達の中に、レーシャも居たからなぁ?……皆、楽しそうやね。――あの笑顔が、見れただけでも言う事は無いわ……

なあ遊星?



「なんだ?」

「あのな?……私、今メッチャ幸せやで?」

「そうか………奇遇だな、俺もそう思っていた所だ。」



~~~~……もう……ホンマに遊星はサラッとそう言う事言うんやから……やけど、不快な感じはしない……


やから安心しとってや、私のお父さんとお母さん!毎日色々あって忙しいけど、今私は幸せです。元気です。其れだけは、間違いないからなぁ♪













 To Be Continued… 








*登場カード補足