Side:ミカヤ
学院祭……そうか、学生さんは、もうそんな時期なんだね?
今年のインターミドルは、早々に負けてしまったから、何となくいつもと感覚が違っていたんだけど、もうそんな時期に来てたとは、時が経つのは早いな。
「ミカヤちゃんにも、是非来て欲しいて言ってたよ?」
「勿論お邪魔するよ。楽しみだ。」
さて、今日は親友のノーヴェちゃんと、偶の休日を利用してのお出かけだ。
年齢的な事を言うなら、ノーヴェちゃんの方が私よりも1つ上なんだが、そんな事を気にせずに、フランクに付き合う事の出来る友人と言う所だね彼女は。
まぁ、私としても同世代の友人と言うのは、彼女が初めてだから、こう言うお出かけも楽しいモノだけれどね。
「ま、その前に試験が有るから、今は勉強で忙しいみたいだけどね。」
「そのあたりも、学生さんは大変だ。」
試験と言えば、ミウラちゃんとハリーもそうだったね?
あの2人は、余り学業は得意でない感じがするから、私の予想以上に苦労してるかもしれないな?……まぁ、学生さんには頑張って欲しい物だよ。
「ミカヤちゃんも、修士の課題とか大丈夫なのか?」
「其処は其れ、計画的にこなしてるさ。」
そうでなかったら、ノーヴェちゃんとこうしてお出かけなんてしていないからね。
それよりも、此のサングラスは如何だい?こっちの帽子と併せると、ノーヴェちゃんに似合うと思うんだけどなぁ?
「いぃ!?冗談キツイよミカヤちゃん!
サングラスは兎も角、こんな可愛い帽子は、アタシには似合わねぇっての!もっと、ボーイッシュなデザインの方がアタシには合ってるんだよ!!」
「そうかな?ノーヴェちゃんは、確かにボーイッシュな感じだけど、容姿的には極上レベルだから、どんな物でも似合うと思うんだけどねぇ?」
「可愛いのはアタシのキャラじゃねぇ。」
……其れを言われたら、流石に何も言えないね。
とは言え、こう言うウィンドウショッピングは存外楽しいモノだから、今度はノーヴェちゃんに、私に似合う伊達眼鏡や帽子やらを選んで貰おうかな?
折角だから、思い切り楽しまないと損だからね。
遊戯王5D's×リリカルなのはViVid 絆紡ぎし夜天の風 Rainbow65
『ハッピースクールライフ』
Side:ミウラ
や、やりました……なんとか、全科目赤点回避できました。
「お疲れ様だったねミウラ。稼津斗にも手伝って貰って、勉強会を開いた甲斐が有ったよ。」
「文系が酷いけど、理数系の点数が高いから、総合すると平均ラインて言う所だな……まぁ、不得手な部分は此れから克服して良きゃいいだけの話だ。」
あう~~~、文法とか歴史とか苦手なんですよ~~~!
加えて、今回の試験は文系の先生が、何が有ったのかは知らないけど、揃いも揃って滅茶苦茶試験の難易度を引き上げて来たから、何時もにも増して
きつかったんです……正直、赤点にならなかったのが奇跡に思える位です。
「赤点回避が奇跡となると、奇跡が随分と安っぽい物に感じるな?」
「そう言ってやるな稼津斗……ミウラにとって、全教科赤点回避は絶対の目標だったんだから、其れを成し得る事が出来たのは、奇跡に等しいのさ。」
「……取り敢えず、文武両道を目指すべきだなミウラは……」
あう、頑張ります………
「とは言え、此れでミウラは試合に集中できるな?
お前が望んでるレーシャとの対決は、本戦まで駒を進めないと無理だから、其処に行くためにも、今日から特訓再開だぜ!覚悟しとけよ!!」
押忍、ヴィータ師匠!
あれ?そう言えば、レーシャさん達も試験が有った筈だけど、無事に終わったのかなぁ?
――――――
Side:レーシャ
さてと、試験も無事に終わって、その結果が戻って来たんだけど――
「今回も全員、全科目花丸クリアー♪」
「「わーーーい♪」」
楽々全員花丸クリアでした!
付け加えるなら、私は目標としてた全科目100点満点を達成して、見事に学年トップの座を防衛成功!!総合500点満点を超える事は出来ないしね!
今回は、少しばかり大変だった部分が有ったけど、試験勉強の段階で、分からない事はお父さんとお母さんに聞いたりしてたから、其処まで大変だったと
は思わずに、解く事が出来たからね♪
「アインハルトさんも、大丈夫でしたか?」
「えぇ、一応全科目でA評価を頂きました。
理数系がやや不安だったのですが、レーシャさんのお父様と、ヴィヴィオさんのお母様に助けて頂いたおかげで何とかなりました。」
あぁ、其れで最近良く家に来てた訳ね?
確かに理数系に関しては、お父さんとなのはさんの右に出る人はいないだろうからねぇ?お母さんは、どっちかって言うと文系だし、稼津斗師匠は数式
飛ばして答えだけ教えちゃいそうだからねぇ……
でも、此れで全員A評価クリアって事でしょ?
チームナカジマ、全員中々の優等生じゃない!
「コーチも師匠も『文武両道が大事だ』と仰っていましたので、学問も疎かにしてはなりませんね。
学を修めずに、武を極める事は出来ない……クラウスもまた、己の武を磨きながらも学問を修める事を怠っていませんでしたから。」
「そうなんだ?」
エレミアが食客としてクラウスの所に居たのは、そっち方面での彼是も有ったのかも知れないね?
『クリクリ~~~』
「どしたのリラ?――え、ミウラからビデオメールが来てるって?……うん、開けてみて。」
――パッ
『レーシャさん、チームナカジマの皆さん、試験は如何でしたか?
僕は何とかクリアです。次の準々決勝に向けて、頑張れそうです♪』
よかった、試験大丈夫だったんだ~~。
幾ら何でも、追試で試合に出れなくて不戦敗なんて言う事になったら、悔やんでも悔やみきれない所か、下手したらヴィータさんから特大のお仕置きをさ
れかねないからね……良かった、本当に良かった。色んな意味で。
まぁ、私も次が準々決勝だから、サクッと勝って学院祭にだけどね。
「レーシャも準々決勝だから頑張ってね?」
「チームナカジマ最後の選手なんだから!」
「目指せ、本戦出場♪」
「応援していますよ、レーシャさん。」
「応とも!言われなくとも、準々決勝も準決勝も決勝も、サクッと勝って本戦出場一直線よ!
其れに本戦に駒を進めなきゃ、ミウラとの試合も、番長との喧嘩も実現出来ない訳だから、此処は本戦まで駒を進める以外の選択肢はない!」
あの2人と戦わずには、満足出来そうにないからね。
そうだ、折角だから皆でメッセージメールを返信しない?リラに撮影して貰ってさ?
「あ、賛成~~~♪」
「アインハルトさんも。」
「は、はい。」
そんな訳で、撮影宜しくねリラ?
『クリクリ~~♪』
――――――
Side:セイン
そっか、君等学生じゃないから試験とかは無いんだ?
「えぇ、私はもう修士課程まで終えていますので。」
「ウチも、途中まではヴィクターと一緒に義務教育の過程を終えてもーたからな~?」
「成程ね。」
只今聖王教会には、ちっこいイクスに面会って言う理由で、雷帝様とチャンピオンがご来場中。
二人ともベルカの王族の末裔だから、かの有名な『冥王』には謁見しときたかったのかもね?……ま、イクスも喜んでくれてるみたいだから、機会が有れ
ば、此れからもちょくちょく顔を出してくれると嬉しいかな?
ちっこいイクスが体験した事は、イクスの本体の方にもいい影響が有るらしいし、いい刺激が有ればあるほど、イクスの目覚めも早くなるって言うのが専
門家の先生の話だったからさ。
「其れはもう喜んで来させていただきますわ。
ジークも、すっかり冥王陛下の事を気に行ったみたいですので。」
「は~~~~……それにしても、イクス様はホンマにかわえぇなぁ~~~~」
「♪」(にこ)
こりゃ、完全に骨抜きにされちまったみたいだねチャンピオンは。
「そう言えば、試験で思い出しましたが、稼津斗さんは学問の方は如何なのでしょうか?
無限書庫での一件の際に、圧倒的な武の力は見せて頂きましたが……」
「あ~~~……稼津兄ちゃんは勉強の方も凄いよ?学問に於いても不得手は無いって言ったし。
ただ唯一、数学だけは嫌いだって事だったけどね。」
「不得手ではないのに、嫌いなのですか?」
そ、式書くのが面倒なんだって。
それで、学生時代に面倒だから式を書かずに答えだけ書いて答案を出したら半分の点数しかもらえなかったのが納得できないとかなんとか……
「其れはつまり、複雑な数式を暗算していると言う事ですわよね?
圧倒的な武の力のみならず、学問に於いても最高レベルとは、真の達人には本当に頭が下がる思いですわ。」
「まぁ、稼津兄ちゃんはチート無限のバグキャラで、未来永劫禁止カードだからね~~~。」
其れは其れとして、うちの陛下達ってそろそろ学院祭なんだよね?
多分、本人達からも招待状が届くと思うんだけど、行ってあげられそうかな?
「えぇ、試合日程とも重ならないし、お邪魔させていただく予定ですわ。」
「レーちゃんやハルにゃんも、学校の出し物とかやるんかな~~?楽しみやわ。」
多分やるだろうから行ってあげてよ。きっと喜ぶと思うからさ。
インターミドルに出場する選手としてはライバルかも知れないけど、そうじゃない日常では、この間の一件でもう友達になってる訳だからね。
ま、此れも保護者的な観点からの、余計なお節介なのかも知れないけど。
「ですが裏を返せば、其れだけ貴女がヴィヴィ達の事を大切に思っていると言う事ですから、誇って良いと思いますわよ、シスターセイン?」
「なら、そう言う事にしとくよ。」
教会の仕事がなければ、アタシも行きたい所なんだけど、生憎とその日はお勤めが有るからね。
ま、アタシの分まで学院祭を楽しんできてよ――そんでもって、後で土産話でも聞かせてくれれば其れで良いからさ♪
――――――
Side:アインハルト
さて、本日の5時限のホームルームは、学院祭での出し物についての学級会だっがのですが、私のクラスは『スポーツバー』に決定したようですね。
簡単な室内競技で来客と競い、お客様が勝ったらドリンクを無料サービス、負けたらチャリティー品を買っていただくと……確かに、理に適ったシステム
だと言えますね。
加えて、此のクラスには運動部のエースが揃って居ますからそれぞれの分野で活躍してくれる事でしょう。
出し物も、其方の方向で進めるようですからね。
「後はアインハルトさん。」
「はい?」
「アインハルトさんは、インターミドルの選手なんだし、格闘勝負のコーナーとか如何かな?」
えぇ!?ど、如何してそうなるのですか!?
確かに、私は出場選手ですが、もう負けてしまいましたし……
「でも、インターミドルのエリートクラス4回戦て凄い事だし――そんな訳で、如何でしょうか先生?」
「そうですね、実現出来たら楽しそうですけど――出し物で、格闘技はちょっと危ないわね。アインハルトさんの腕前を考えると尚の事ね。」
「「「「「え~~~~~~~?」」」」」
ふぅ……何とか、格闘勝負は避けられそうですね――とは言え、指名された以上は何かのコーナーを担当せざる得ないでしょう。
ですが、此処まで来たのならば覚悟を決めましょう……不肖、アインアルト・ストラトス、如何なる種目であっても、全力でやらせていただきます!!
「そうなると……アインハルトさんの担当のスポーツは……」
――――――
Side:レーシャ
「「「「アームレスリングの選手?」」」」
「はい……何故か、そんな役目に抜擢していただいて……」
良いんじゃない?って言うか、凄いじゃんアイン!
アインは、バリバリのファイタータイプだから、腕力勝負のアームレスリングは寧ろ打ってつけの競技じゃないのかな?大活躍間違いなしだと思うわよ?
「だと、良いんですが………」
「おーい、アインハルトさ~~~ん!
お話し中ゴメンね~~!皆さん、こんにちわ!」
「「「「こんにちわ~~!」」」」
って、誰?
「私、アインハルトさんのクラスのクラス委員!ユミナ・アンクレイヴです。」
あぁ、アインのクラスのクラス委員長。
って言う事は、この人が最終的にアインをアームレスリングの選手に抜擢したんだよね?………OK、アンタ良く分かってるわ、寧ろ良くやった!GJよ!
何やら、アインに耳打ちしてるところを見ると、仲は良さそうだし――何を言われたかは知らないけど、アインの顔が紅潮してるからね。
「実は私、見る専だけど格闘技ファンなんだ。だから、チームナカジマの皆の活躍もテレビで見てたの!
ヴィヴィオ選手に、コロナ選手に、リオ選手……そして、チームで唯一準々決勝にまで駒を進めたレーシャ選手!今度皆に、サイン貰いたいな~~?」
「そんなぁ~~?」
「あはは~~~……」
面白人だね~~~?まぁ、サイン位なら幾らでも良いけどね。
だけど敢えて聞くよ、委員長……私のサインはサインだけでいいの?望みが有るなら、私のデッキのモンスターを追加イラストで描いても良いんだよ?
「では是非とも『銀河眼の閃光龍』で!」
「OK、任せとけ!」
「楽しみにしてるね?……其れじゃあこの辺で!」
「あ、はい。」
ふふ、アインのクラスの委員長って、面白いね?
「ですね。――そう言えば、皆さんのクラスの出し物は?」
「はい、うちは『魔法喫茶』です。
来てくれた人に、基礎魔法の楽しさを見て貰う喫茶店です。」
目玉はコロナのゴーレムかな?
おもちゃや縫いぐるみだけじゃなく、デュエルモンスターズの『可愛い系』のモンスターも、店内に出す心算だから、きっと楽しい喫茶店になると思うよ。
「成程……では、学院祭の事を頭に置きつつ、今日からまたフルタイムでのトレーニングの再開となりますから、今日も練習を頑張りましょう。」
「「「「おーーーーーーー!!!」」」」
そんな訳で、何時もの学校生活とチームの練習、其れから放課後の学院祭に向けての準備。
慌ただしくも楽しい時は過ぎて行って――――――そして遂に、学院祭当日の日がやって来た。
因みに、直前に行われた準々決勝は、私とミウラ、そして番長とヴィクターとジークも、全く危なげなく突破した事を、追記しておくわね。
ともあれ、学院祭、開幕だね♪
To Be Continued… 
*登場カード補足
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