Side:レーシャ


どうにも、この魔女娘は、古代ベルカの王族と関係があったらしいけど、クラウスの記憶の中にあの子っているのアイン?


「少なくとも、今の私は覚えていません――単に思い出していないだけかもしれませんが。
 ですが、彼女の魔法そのものは、クラウスの記憶で見た事がありますから、恐らく……と言うか、略間違いなく私達と関わりがあったと思いますよ…」


だよね。
って言うか、何らかの関係がなければ、ヴィヴィとアインに敵意をむき出しにする理由がないからね。



「私は絶対に許さない。裏切り者の聖王と、私達を見捨てた覇王とエレミアを……!
 その末裔であるお前達を滅してこそ、私の一族は救われる……だから、大人しく闇に沈め、我が怨敵よ!!」

「って、行き成り!?
 悪いけど、そう簡単にやられる訳には行かねーんだよね~~?……喰らいやがれぇ!!」


――轟!!



「……邪魔立てする気?………ならばお前も敵だ、魔女の裁きの前にひれ伏すと良い。」


迎撃しただけで敵認定ってマテやこら。
此れは如何やら、4年前の事件の時の私とヴィヴィ以上に打っ飛んだ状態になってるのかも知れないわね?……ったく、面倒な事この上ないわ。

だけど、戦力的にはこっちの方が断然上なわけだから、先ずは大人しくさせてからお話をさせて貰うとしましょうかね!!










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow57
『黒き魔女を制圧し、未来を拓け』









Side:遊星


行け、コズミック・ブレイザー・ドラゴン、シューティング・スター・ドラゴン、スターダスト・ドラゴン、そして麒麟よ!群がる敵を纏めて蹴散らせ!!


『コアァァァァァァァァァァァ!!』

『キュショアァァァァァァァァァァァッァ!!』

『ギャギョォォォオォォォォォォォォォォォォォォ!!!』


これで終わりだ……抜刀鬼人斬り!!



――ドガスバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



「3体の星龍に、雷の神獣って、文字通りの全力全壊やね遊星。
 まぁ、事が事だけに、出し惜しみやらなんやらは無しやけど、弩級のシンクロモンスター4体が揃い踏みするって言うのは、ホンマに圧巻な光景や。」


まぁ、手加減をしていられる状況じゃないからな。
レーシャとハリーを先行させる事は出来たが、其れでこの件を解決させる事が出来た訳じゃない――解決するその時まで気は抜けないだろ?


「マッタク持ってそのとおりやけど、先行したレーシャと番長がしくじるとは思えへんのもまた事実や。
 恐らく、ヴィヴィオをはじめとした他のメンバーも、この異変に対処し始めてるやろし、何よりも超絶チートバグが出張ってるから、絶対大丈夫やろ?」

「……確かに、稼津斗が出張っている以上は大丈夫かも知れないな。」

『オリジナルと同期して来た』とか言って力を増してるみたいだし、アイツが強くなるたびにカードの効果とステータスも変動するからな?
と言うか、基本攻守が1億であらゆる効果を受け付けず、貫通効果とバーン効果と攻撃力アップ効果を持っていると言うのは、流石にやり過ぎだろう。


「せやからあの人は未来永劫禁止カードなんや。
 コンなカードの使用が解禁されたら、環境がぶっ壊れ所やないわ!今だってどうやって『三幻神』をOCG化しようかって悩んどるってのに!!」

「管理局の仕事以外に、カードの開発もだから大変だな。」

だが、新しいカードのデザインや効果を考えてる時のはやては生き生きして居て、俺は好きだぞ?
そう言えば、子供の頃からカードのデザインを考えてる時のはやては、凄く楽しそうだったし、意外とカードの開発は天職なのかも知れないな。


「ホンマに遊星は、サラッとそう言う事言うんやから……マッタク何度惚れ直したか分からへんやないの。
 せやけど、確かに色んなカードを考えるんは楽しいのは確かやで?多分、デュエルモンスターズの生みの親であるペガサスさんもそうやったんと違う
 かなぁ?てか楽しくなかったら、出来へんやろ?」


かも知れないな。


「まぁ、今は其れは横に置いとくとして先に進もか?――尤も、マダマダ進路妨害をしてくれる敵さんは居るみたいやけどな?」


『ガァァァァァァアッァぁぁぁぁアぁ!』
超電導恐獣:ATK3200


『コハァァァァァァァアッァァァ……!』
人造人間 サイコ・ショッカー:ATK2400


『フハァァ!』
ブラック・マジシャン(パンドラ仕様):ATK2500



なら倒して進むだけだ――俺とはやてが力を合わせれば、どんな相手にだって勝つ事が出来るからな。少なくとも、俺は信じている!



「其れは私もやで?
 やったら、次元世界最強夫婦の力、篤と味わわせたろやないの?――人様に迷惑をかけた悪い子には、ちょ~っとお仕置きが必要かもやからね。」


まぁ、その辺りは程々にしてやってくれ。



其れにしても、此れだけの事をした犯人は、一体何が目的なんだ?
恐らくはエレミアの手記、或はそれに準ずる古代ベルカの記録を狙っているのは間違いないだろうが、此処までの凶行は流石に解せない事だ。

……此れは、何とか確保して話を聞くより他に方法は無いのかも知れないな。








――――――









Side:レーシャ


さてと、私としては速攻でやる気満々だったんだけど、如何やらヴィヴィはそうじゃなかったみたいね?



「えっと、若しかして古代ベルカの王族関係ですか?
 もしもそうなら、私達は敵じゃありませんよきっと――争う必要なんて何処にもないんです。話せばわかりますよ。」


この魔女が言った一言から、古代ベルカの王族関係者だって言う事を看破して、己は敵じゃないと伝えるとか、見事なモノよね?流石は聖王様だわ。
でも、だからと言って其れが相手に届くかと言えば、其れは否。


「必要かどうかは私が決めるし、お前達と話をする必要性は何処にもない……消えろ!!」


予想通り、ヴィヴィの言葉を一蹴して、攻撃を仕掛けて来たか……だけど、その攻撃はヴィヴィには通じないよ?
後の先を取るカウンター戦法をメインとしてるヴィヴィは、物凄く目が良くて、攻撃を直前で回避する事に長けてるから、近距離での射撃であっても、回
避するのは何も難しい事じゃないんだよね?


「ふ!」


「あの距離で避けた!?」

「流石はヴィヴィオさん、見事なモノですね。」


ご覧の通り、チャンピオンも驚くほどの瞬間回避ですので。
ぶっちゃけて言うなら、ヴィヴィが本気で守りを固めたら、私の光速打撃でもヒットさせるのは難しいかもだからね……ヴィヴィの回避を先読みして攻撃
しない限りは、絶対にクリーンヒットは望めないと思うわよ?

今だって、現実にヴィヴィに攻撃はヒットして居ない訳だからね。


「そんな事を言わないで下さい。――少なくとも私は、お話をしてみたいと思って居ますよ?」

「!?」



でもって、ヴィヴィが接近してその手をギュってね。
魔女の方も呆気に取られて、如何して良いか分からないって所だろうけど、此れは好機だよ?少し大人しくしててもらおうかな?


「レーシャさんの言う通りです。少し大人しくして居て下さい。」

「ったくてこずらせてくれて……はい、魔力錠。」



――ガキィィン!!シュゥゥゥゥゥゥン……



「!?」


でもって、私とアインで次の動作を止めて、其処にルールーが拘束魔法を発動してターンエンド。
魔力錠の追加効果で、あらゆる魔法効果が解除されて、現れたのは私達と同世代のちびっ子魔女。……ったく、何がしたかったのよアンタは?



「レーシャの言う通りやで魔女っ娘?
 何が目的か知らんけど、おいたが過ぎたらあかへんよ~~~?」



――コツン



「!?」



って、チャンピオンが魔女っ娘のおでこを軽く小突いた瞬間に、魔女っ娘の気配が変わった?
今までの敵意剥き出しの感じとは違って、少しばかり驚きながらも、瞳に光が戻った――此れは若しかしなくても、恨み以外の記憶が蘇ったのかもね。





「なんだ、終わったみたいだな?」

「少しばかり遅れてもうたけど、その間に状況終了って所やろか?」

「まぁ、其れは其れで何も問題は無いんだけどな。」



で、この局面で来ますかお父さん、お母さん、そして稼津斗師匠!!――師匠と一緒にコロナとヴィクターの姿が見えるけど、共に此の襲撃を抜けて来
たって言う事だろうね。


時に稼津斗師匠は、左腕の袖が無くなってるけど何かあったの?


「物量にモノ言われて『ヘルポーン・デーモン』に左腕切り落とされたんだよ。
 尤も、腕の1本や2本は切り落とされたところで直ぐに再生できるんだが、流石に袖までは再生できなくてな…結果、こんな状態になったって訳だ。」



「まさか切り落とされた腕が再生するなんて……」

「この上なく貴重なモノを見させてもらいましたわ……二度と見たいとは思いませんけれど。」



多分そんな所じゃないかと思ったけど、何してんの稼津斗師匠!?
幾ら再生できるからって、斬り落とされた次の瞬間に再生して元通りって、そんなのアリなの!?いや、師匠の異常性を考えれば十分アリなのかも知
れないけど、此れには流石に驚いたわ。



「稼津斗さんには今更突っ込むだけ徒労やでレーシャ。
 だけどまぁ、先ずは此度のいざこざで壊れた無限書庫を直さなあかん……全てをあるべき姿に戻せ――」



――シュゥゥゥン……



そんでもって、戦闘で破損した無限書庫内部もあっと言う間に修復って、お母さんは魔導師ランクSSS+を取得してもおかしくないと思うよ本気で!!
タイマンで戦ったらなのはさんやフェイトさんが勝つだろうけど、チーム戦となればお母さんのチームが圧勝するのは間違いないからね。

其れが指揮官て言う事なのかも知れないけどね。




でもって、どんな状況でしょうかお母さん様?


「まぁ、この子がこれ以上悪さする事は無いやろ?バインドで拘束されて、力も制御されてもうた訳やからね。
 せやけど、こんだけの事をしたって言う事に関しては、最低限の落とし前はつけなアカン――自分が悪かった時は、如何すれば良いかは分かるな?」

「………ごめんなさい。」

「そや、自分が悪かったその時は、迷惑かけた相手にゴメンナサイして、其れで終わりや。
 ちゃんとゴメンナサイして、そんで反省すれば誰も何も言わへんし、罪を償った暁にはゴメンナサイした相手と友達になる事だって出来るんやで?
 君のした事は、笑って許せる範囲を超えてもうたかも知れへんけど、だからと言って此れで人生が終わる訳やない。
 自分が犯した罪を清算して、そんでもってもう一度戻っておいで?――君はきっと戻って来る事が出来る……そうやろ?」

「………うん!」



何て言うか、お見事ですお母さん。
私達でも魔女を制圧は出来ただろうけど、お母さんみたいに教え諭す事はきっと出来なかったと思うから、其れに関しては大感謝なのです。


だけど、取り敢えず、状況終了って所かな?

魔女――フォビアも、これ以上は何かする気はないみたいだしね……だけど、其れとは別にエレミアの手記は結局見つからなかったね?
探し方が足りないのか、其れともそもそももう存在して居ないのか……何れにしても、もう少しだけ探索してみる必要がありそう――やらないとだよ!!

目的の物を見つけられなかったら、ミッションエンプティーだからね!

エレミアの手記、何が何でも見つけ出してやろうじゃないの!!








――――――








Side:リオ


書庫内のゴタゴタも、不動司令と不動博士、そして稼津斗師匠が来てくれたお怪我で、如何やら沈静化するみたいだね?
個人的には楽しめたんだけど、流石にあれだけの物量を相手にするって言うのは二度と勘弁だよ――稼津斗師匠も左腕を斬り落とされたし。

尤も師匠は、直ぐに再生するから如何って事は無いのかも知れないけどね。


いずれにせよ、無事鎮静化は間違いないよね?書庫内の景色が元通りになって来たし。――でも、だから私は此れの存在に気付いたのかもね。

「?此れは……手記かな?」

再生された本棚の片隅に、ひっそりと佇む1冊のメモ帳――と言うか、小型のダイアリーノートの存在に。



確信はないけど、若しかしたら、此れこそがクラウスの手記なのかも知れないよ?――もしも、そうだとしたら、此れは世紀の大発見かも知れないね!













 To Be Continued… 








*登場カード補足