Side:ルーテシア


さぁてと、イタズラ魔女っ娘を捕捉した訳だけど、果てさて如何してくれたものかしらね?
大人しく投降するって言うなら、手荒な事はしないで済むんだけど、少なくとも貴女は、大人しく捕まる気なんて毛頭ないわよね?そうでしょ、フォビア?


「相手が誰だろうと、私は退かないし、捕まる心算もない。
 だが、お前の介入は気に入らない……予想外のイレギュラーは認められないし計画にも傷が付く…だから消す。第一にして魔女の――」

「『魔女の誇りを穢す者は、永劫呪われるが良い』かしら?」

「!?」


何を驚いてるの?貴女の事を調べれば、此れ位の事は直ぐに出て来るモノなのよ?――引きこもり過ぎて、現代の技術レベルを把握しきれてないの?
そんなんじゃ、大凡現代では生きていけないわよ


「黙れ、お前は今此処で叩きのめす。」

「上等、やれるもんならやってみなさい魔女っ娘。
 だけど、私の友達を巻き込んだ事は絶対に許さないから覚悟しときなさいよ?」

ママ仕込みの魔導戦技を、とくと味わわせてあげるから楽しみにしてると良いわ――貴女と私の力の差って言うモノを、実戦を持ってして教えてあげる。


「必要ない……其れに、お前も此処で終わりだ。」

「そう言うセリフは、私に完勝してから言うと良いわ……そして、二度とそのセリフを貴女が吐く事は無いわよ?」

今此処で、私に負けてお縄に成るんだからね。


さて、こんな凶行を行うに至ったその力、少しばかり見せて貰おうかしら!!










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow56
黒き魔法使いの少女(ブラック・マジシャン・ガール)









「消えろ……」

「其れはお断りするわ。」

思った通り、この子の魔法は錬度が高いけど、只それだけだわ――的確に魔法を使ってはいるけど、ドレも見切れないレベルじゃないし、攻撃も単調っ
て感じを受けてしまうわね。

其れでも、大量の雑兵を相手にしたその時には相当な力を発揮するんだろうけど、生憎と今はタイマン状態だから、そんなのは微塵も関係ないわ。
大体にして、貴女の魔法は詠唱付きで分かり易んだから、間合いを外されたら其処でエンドになりかねないのよ?

「こんな風にね?」

「!!」



――ドゴォォォォォン!!



手応えあり!
んでもって追撃のぉ……クラウソラス!!



――バゴガァァァァァァァァン!!



更に此れでフィニッシュ、キャプチュード・ネット!!


――ギュルリ……ビシィ!!



は~い、一丁上がり~~~♪ってね。

魔女の魔法は、確かに強力なのは間違いないけど、強力な魔法であればあるほど詠唱時間が長くなるって言う弱点がある――それじゃあ、技術発展
の中で進化を遂げて来た現代魔法には残念だけど及ばないわよ?

ま、初見の相手には簡単な幻術との組み合わせで勝つ事も出来るだろうけど、貴女の場合はインターミドルで自分の魔法を見せたのが命取り。
自慢する訳じゃないけど、私のママって一流の魔導師だし、知り合いには其れすら凌駕する超一流の魔導師が沢山居るから、先生には事欠かない訳
よ、お分かり?――まぁ、何が言いたいのかって言うと、貴女じゃ私には勝てないって事。

現実にこの結果な訳だし、少しは投降する気になったかしらね?








――――――








Side:コロナ


?……なんだか様子が変わりましたか?攻撃が止まったみたいですけど……


「その様ですが……」

「何か様子がオカシイな?
 確かに攻撃は止まったが、此れは術者がやられて停止したとか、そう言う類のモンじゃあなさそうだ……まさか、コイツ等は―――」

「師匠?」



――ダッ!!



って、逃げます!!
インヴェルズとか、デーモンとかの悪魔が逃げ出す様は、中々レアな光景だとは思いますけど、何で今になって逃走なんて事を?意味不明すぎますよ!


「確かにそうですが、逃がすものですか!!」

「はい、逃がしません!!追いましょう!!」

何よりエルスさん達が捕らわれたままですから、其れも助けないといけませんしね!
大体にして、稼津斗師匠とヴィクターさんと、私のゴーレム達から逃げきれるとは思わない方がいいです!!纏めて、一網打尽にしてあげましょう!!


「その提案には諸手を上げて賛成ですが、相手もトコトン此方の足止めをする心算の様ですわね……!」

「如何やらそのようだな……」


『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『クリクリクリ~~~~~~~!!!』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』
クリボー:ATK300×物凄く沢山




確かに……行く手には大量のクリボーが現れて道を塞いでくれてますからね――しかもこの量、恐らくは『増殖』の魔法効果も使われて居る筈です。
幾ら最下級の悪魔族とは言え、増殖の補助なしに、此れだけ大量に操るのは無理があると思いますから。


「その可能性はありそうですわね……時にコロナさん、クリボーには増殖以外にも何か専用カードが存在して居たような気がするのですが……?」

「ありますよ?クリボー専用の『機雷化』って言う魔法カードが。
 自分フィールド上のクリボー或はクリボートークンを全て破壊して、その数と等しい数まで相手フィールドのカードを破壊するって言うカードが…って!」

凄く嫌な予感……この大量のクリボーはまさか!!



「ちぃ、そう言う事か!!2人とも、俺の後ろに下がれ!!」

「は、はい!!」

「了解しましたわ!」



『『『『『『『『『『『『『『『『『『『『クリ~~~~~~~……クリクリ~~~~~~~~~!!!!』』』』』』』』』』』』』』』』』』』』



――ドガァァァァァァァァァァァァァァアン!!!




「……く、流石に此れだけの大爆発ともなると、爆風は完全にシャットアウトできても、衝撃を完全に消す事は出来ないか。
 最下級モンスターとは言え、初代デュエルキングが愛用していたモンスターは、流石に馬鹿に出来ない物があると言う事か……」


稼津斗師匠の『絶気障』のおかげで私もヴィクターさんも無事だったけど、爆発の衝撃と言うか震動は障壁越しでも感じる事が出来たから、クリボーの機
雷化爆発は相当な物だったんだね……あの数って言うのもあるんでしょうけど。


「其れでも爆風は完全にシャットアウトした訳ですから、稼津斗さんの凄さが良く分かりますわ……」

「100年単位で武に関わって来てるんでね俺は、此れ位は出来ないとだろ?
 だが、クリボーの機雷化まで使って逃走したって言うのは、略間違いなく操り主を助太刀、或は強化する為にと思った方が良いだろうな。
 正直、アイツ等の操り手が何者で、何が目的かは知らないし興味もないが、此れだけの事をした奴を見過ごす事は出来ん――そうだろ?」


そうですね。
何処の誰かは知りませんが、此れだけの事をしてくれた相手ですから、キッチリと落とし前を付けて貰わないと大凡納得できませんから!!!


「落とし前……ですの?」

「何時のヤクザだお前は……健さんのヤクザ映画のDVDでも見たのか?」


違いますーーーー!!レーシャが教えてくれたんですってば~~~!!
って、そうじゃなくて、今は逃げた悪魔族を追いますよ~~~~~!!!








――――――








No Side


ルーテシアに拘束されたフォビアだが、其れでも投降の意思はマッタク持ってないようだ。


「…~~…――………――……」


その証拠に、拘束されながらもぶつぶつと小声で、何やら魔法の呪文を詠唱しているのだ。誰が如何見ても、投降する気は皆無でしかないだろう。


無論、ルーテシアとて其れを簡単に見過ごしはしない。


「警告するわ、今直ぐ詠唱を止めなさい?……さもないと、公務執行妨害も追加されて――」


即座に、詠唱停止を勧告し、追撃の魔法を放たんとするが――


――ガシ



「!?」


その瞬間にフォビアの使い魔的なぬいぐるみが右腕にまとわりつき、デバイスであるグローブを強制解除!
更に、追撃とばかりに、ルーテシアの頭上から超巨大モンスターである『ワーム・ゼロ』が現れ、其のまま超巨体でのプレス攻撃を敢行!!


「んの…!!」


だが其処は、インターミドル出場選手でもあるルーテシア。辛うじて押しつぶされずに、ワーム・ゼロを両腕で支える事に成功していた。

しかし、此れではルーテシアは動く事が出来ず、逆にフォビアにとっては絶好の好機となるのだ


悪魔合身――姿態編成。


この場に集まって来た悪魔族モンスターを取り込み、更にはルーテシアに圧力を加えていたワーム・ゼロに自らを喰らわせ……そして力を高める。


全てが終わったその時には、フォビアの姿は大人の姿に変わっていた。


「魔女の誇りを穢す者は……」

「『未来永劫呪われよ』って?
 何とも古臭い事だけど、向かって来てくれるなら寧ろ好都合だわ――貴女が抵抗すればするだけ、公務執行妨害の適応が可能な訳だしね。」

「失せろ、グラヴィティブレス。

「!?」



其れでも余裕綽々のルーテシアだったが、変身直後にフォビアが略無詠唱で放った重力魔法には後れを取ってしまった。
まぁ、何の予備動作も無しに、行き成り体重の数倍の重力をかけられては、如何にルーテシアと言えども対処が出来なかったのは仕方ないだろう。

しかもこの重力魔法はミッドともベルカとも違う『魔女の術式』で構築されているが故に、重力拘束を解除する術が直ぐには思いつかないのが現状だ。


「撃って。」

『グオォォォォォォォォ!』
デビル・マゼラ:ATK2800




更には、ダメ押しとばかりに『デビル・マゼラ』を呼び出し、ルーテシアにトドメを刺さんとするが――


「!?」

「そうはさせません。」


ルーテシアに攻撃が着弾する刹那にアインハルトが駆けつけ、デビル・マゼラの攻撃を『覇王旋衝破』で完全に防いで見せた。


「――クラウス?」


流石に、突然現れたアインハルトにフォビアは困惑するが、困惑している暇などない。


「貰います!アクセルスマッシュ!!

「!!?」


現実に、直後に現れたヴィヴィオから強烈な追撃がフォビアに放たれたのだから。

尤も其れを紙一重で避けたあたり、フォビアの能力は高いのだろうが、如何せん今回は敵に回した相手が強大過ぎた。



「私達から逃げられると思ってんの?……つーか逃がさないよ?ボディがお留守だぜ!!


更に現れたレーシャが、追撃のコンボ!如何に魔女とて、此れを見切る事など出来る筈がない。
結果的にレーシャの、アラガミ、コノキズ、ナナセの三連コンボを見事に喰らい、此れだけで戦闘不能は間違いだろう。


「コイツで終いだぜ!!」


更にダメ押しとばかりに、レーシャと共に現れたハリーが、フォビアの全身を魔力体の鎖で拘束して、再拘束!
即興とは言え、実に見事なコンビネーションだと言えるだろう。――或はインターミドルの出場選手特有の絆が此れを成したのかも知れないが、何れに
せよ、フォビアを拘束したと言う事実に変わりはなかった。








――――――








Side:レーシャ


何とか間に合ったみたいね……大丈夫ルールー?


「まぁ、何とかね。
 って言うか、不動司令達と一緒じゃないのレーシャ?」


あはは、途中までは一緒だったんだけど、道中で凄まじい数の上級モンスターの軍団とエンカウントしまして、その際にお父さんに『レーシャとハリーは先
に行け』って言われて、道を開けて貰った訳ですよ。

まぁ、お父さんとお母さんは天下無敵なので、どんな相手がドレだけ来たところで脅威にはなり得ないんですけどね~~~。



「ちょ~~~、おいて行かんといてハルにゃ~~~ん!!」

「あ……すみません、少しばかり忘れていました。」



で、新たに現れたこの子は何者なのアイン?
何て言うか、物っすごく可愛いんだけど……



「すっかり失念して居ましたよチャンピオン。」

「忘れちゃいややでハルにゃ~~~~~ん!!!」


若しかしなくても、チャンピオン!?何ともまぁ小さくなっちゃって……まぁ、此れは此れでチャンピオンの新たな魅力って言う感じがして、私的にOKね。
多分『収縮』辺りを喰らった影響なんだろうけど、其れならどんなに長くても3日も有れば元に戻るから心配ご無用よ。

其れ以前に、元凶である魔女娘に、解除させれば其れで終わりなんだけど――


「私は……呪う事を止めない。」


如何やら其れは現状では無理っぽいからね。


「私を見捨てた王たちを――私は絶対に許しはしない。」


何の事やらサッパリだけど、取り敢えず貴方が古代ベルカの王族と何らかの関係があるって言う事だけは分かったよ。

だけど、だからと言ってこれ以上の凶行を行わせる訳にも行かないからね……そろそろラストターンと行きましょうか!!!













 To Be Continued… 








*登場カード補足