Side:遊星


しかし、噂には聞いていたが、実際に来てみると凄い事この上ないな無限書庫は?
まさか、大昔の王族の書庫が丸々保管されているとは、そのスケールの大きさには脱帽してしまうな――一体、どれだけの書物が此処に在るんだ?


「正確な数は分からんけど、どんなに少なく見積もっても10億冊は下らんて言うのがユーノ君の見解やね。
 管理局始まって以来の『優秀な司書長』と言われとるユーノ君がそう言うんやから、相当な数が所蔵されとるのは間違いないと思ってえぇんやない?
 ちゅ~か、恐らく今回レーシャ達が探索に入った此れも、無限書庫の全体からしたら精々1%程度のモンやろうね……割と冗談抜きで。」


其れは、また何とも凄いな?
レーシャ達が探索してるのは、戦乱期のベルカだからこの程度だが、もっと広く調べようとしたら其れこそ膨大な数の書籍を調べないとならないな。

……若しかしたら、俺の知らない技術が記された本もあるかも知れないから、今度暇を見て探索してみるか。



「…………」

「ん?如何かしたか稼津斗?」

「なんや、眉間にしわ寄せて……そんな難しい顔してたら、折角のイケメンが台無しやで~~?」

「…いや、妙な気配を感じた気がしたんだが、如何やら俺の気のせいだったらしい――今は何も感じないからな。
 レーシャ達が探索に入った所からも、入った人間以外の気配は感じないし、気配察知が敏感故にネズミやゴキブリの気配でも感じ取ったのかもな。」


妙な気配?
確かに、稼津斗の察知能力は並の魔導師や騎士を遥かに凌駕しているから、書庫内の小動物の気配を察知してもおかしくはないが……如何にも、無
視して良いようには思えないな?

一応、気に留めておいた方が良いかもしれないな――もしも何かあった時に、直ぐに動けるようにな。










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow52
『迷宮にモンスターは付き物』









*此処から先、各視点開始の時間軸は全て同じ時間帯となります。



Side:リオ


「へぇ?リオちゃんの実家は、春光拳の総本山なのかい?何とも、興味がそそられる話だね?」


実はそうなんです♪
結構山奥の古~~~~い道場なんですけど、今でも門下生の数は軽く3000人は居るって言う、超大型の武道道場なんですよ、私の実家って。

それと、確か爺ちゃんの書庫には古い武道の指南書とか、そう言った類の物が有ったはずだから、若しかしたらミカヤさんのお役に立てる物があるか
も知れませんよ?――例えば、古流剣術の指南書とかそう言う類の物が。


「――其れは本当かい?だとしたら、物凄く興味をそそられるのは事実だね。
 なら今度、連休の時にでも御実家に伺っても良いかなリオちゃん?」

「全然OKですよミカヤさん♪
 寧ろ、ミカヤさんみたいなタイプは爺ちゃんも気に入ると思うんで、きっと書庫の方も自由に使わせてくれると思いますから♪」

「そうかい?……ならば、交渉の方は君に全面的に任せるよリオちゃん♪」


はい、任されました!!


「頼もしいね。
 しかし、太古の王族の城の書庫を、丸々保管しているとは言え、この量は凄まじい物があるね流石に。――しかも、此れで全体量の2%未満とは…」

「無限書庫の名は伊達じゃないですね♪」

確かに、此れだけの膨大な量の中から『エレミアの手記』を探し出すのは『九牛の一毛』に等しい行為ですけど、探すエリアは絞り込んであるから大丈
夫です!!其れに、絞り込んだ場所に『エレミアの手記』があるのは間違いないんだから、此処からは虱潰しに探していくだけです!!


「成程な……だが悪くないよ。
 なら、私達の割り当ての区画をさっさと終わらせてしまうとしよう。――若しかしたら、掘り出し物の本が見つかるかも知れないからね♪」


そうですね!――って、ミカヤさん後ろ!!


「ん?」

『ンガァァァァァァァァァァ……』
不死王リッチー:ATK2600



「んな、此れは!?」

「デュエルモンスターズのモンスターです!!」

「デュエルモンスターズの?と言う事は、レーシャちゃんかコロナちゃん……な訳はないか、彼女達がこんな悪戯をするとは思えないし、確かあの2人の
 デッキに、こんなアンデッド族の上級モンスターは居なかった筈だからね。」


はい!……って言うか、詳しいですねミカヤさん!?


「実は、こう見えて隠れデュエリストでもあるんだよ私は。
 まぁ、あくまでも剣が本業だから、デュエルは息抜き程度だけれど、偶にT&Hでやるフリーデュエルは大体8割位の勝率かな?
 奥深い戦略と、相手の数手先を読む洞察力が必要となるのは格闘と同じだしね。因みに使用デッキは『真六武衆』だよ♪」

「割とガチですねミカヤさん………」

ま、其れは其れとしても…………


『『『『『『あんぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!』』』』』』
ヴァンパイア・ロード:ATK2000
龍骨鬼:ATK2400
アンデッド・スカル・デーモン:ATK2500
及び、その他諸々のアンデッド族下級モンスター:ATK300~1800(もっさり)


如何しましょうか、このゾンビ軍団?
誰が、何の目的でこんな事をしたのかは知らないけど、コイツ等を倒さないとエレミアの手記どころじゃないって言うか、私等が拙い気がしますけど!?


「迷宮にモンスター……しかもアンデッドとはRPGの王道だね。
 おまけに、探索を続けるには現れたモンスターを倒すしかないと言う、逃走不可能の強制バトルか――なら、押し通るだけだろうリオちゃん?」

「それは、確かにそうですね!!」

其れに、ミカヤさん程の実力者が一緒なら怖い物は何もないですし!
此処は一丁、私の春光拳で大暴れさせて頂くとしましょうか!!―――時に、レーシャやヴィヴィオ、コロナは無事かな?無事だと良いんだけど……








――――――








Side:コロナ


ん~~~……見つかりませんねぇ?其方は如何ですか、ヴィクターさん?


「今の所、其れらしい物は見当たりませんわね……と言うか、此れだけの膨大な書物の中から、エレミアの手記を見つけ出すのは、巨大な山の何処か
 に落としてしまった指輪を見つけ出すのと同じ位に難易度が高いのではないかと思いますわ。」

「其れは確かに……でも、此処に有るのは確実なんですから頑張りましょう!」

「それは、確かにそうですわね。
 それにしても貴女は、見た目以上に芯が強いのだと言う事が、こうして直に言葉を交わしてみると良く分かりますわ……貴女は、強く優しいのね。」


そんな、買い被りすぎですよヴィクターさん。
私はチームナカジマの中では格闘では一番下だし、デュエリストとしてはレーシャには及ばない……まだまだ、私は未熟ですから。


「確かにそうかも知れませんけど、其れで良いんじゃありませんの?マダマダ未熟と言う事は、此れからマダマダ伸びると言う事ですもの。
 其れに、貴女が試合で見せたゴーレムですが、アレだけの密度と強さと持ったゴーレムの一撃を喰らったら、私も無傷では済みませんわよ?」


そうなんですか!?


「えぇ――だから、自分に自信を持ちなさいな?
 インターミドルは、また来年も有るのですから、その時に頑張れば良いのではなくて?――貴女はルーキー、マダマダこれからなのですから。」


そう、ですね。頑張ってみます。




さてと、其れは兎も角『気付いて』ますよね、ヴィクターさん?


「えぇ、ヒシヒシと感じますわ……来ますわよ!!」


『『『『『『『ゴガァァァァァァァァァァァァァァァ!』』』』』』』
迅雷の魔王スカル・デーモン:ATK2500
闇の公爵ベリアル:ATK2800
暗黒の侵略者:ATK2900
その他悪魔族下級モンスター軍団:ATK300~2200(もっさりもさもさ)




此れはまた、大量の悪魔族モンスターが……レーシャがこんな事をするはずがないから、他の誰かが仕掛けて来たって事だと思うけど、一体何が目的
でこんな事を……若しかして、私達がエレミアの手記を手に入れる事を妨害してるのかな?


「何処の賊かは知りませんが、その可能性は高そうですわね?――相手は可成り大勢ですが、やれますかコロナさん?」


勿論です!
万が一に備えて、デッキとデュエルディスクも持って来ましたから、相手がデュエルモンスターのモンスターなら負ける気はしません!!!

だから、力を貸して私のゴーレム……出でよ『メタル・ゴーレム サバーニャ』『メタル・ゴーレム イサカル』『スチール・ゴーレム ガイオン』!!



メタル・ゴーレム サバーニャ:ATK3300
メタル・ゴーレム イサカル:ATK2800
スチール・ゴーレム ガイオン:ATK2500




「この布陣は……手加減なしですわね?」


手加減が出来る相手じゃありませんからね!!!

先ずはこの悪魔族軍団を制圧しない限りは、エレミアの手記の探査どころじゃないですから!!――切り抜けて見せます!!行きますよ!!!








――――――








Side:アインハルト


「ん~~~、此れもハズレや……この中から正解を探り出すんは並の事じゃ不可能やと思うで!?」

「其れはそうでしょうね……この無限書庫は、文字通りの『無限』ですから、目的の物を探し出すのは容易ではないでしょう。
 まして、其れがエレミアの手記と言う者ならば尚更ですからね?……こんなS級ミッションにお付き合いいただき、感謝しますよチャンピオン?」

「まぁ、私自身も気にはなって居たからなぁ?
 取り敢えず、御先祖様の事で色々あるかも知れへんけど、仲良くしよか『ハルにゃん』♪」



………ハルにゃん?



「あ~~~!!アカン、そう呼びたいって思てたら。思わず言ってもうた~~~~!!
 えっと、ある意味での事後承諾だけど、ハルにゃんて呼んでもえぇやろか?……実を言うと、そう呼んで仲良くなりたいて思てたんよ?……ダメ?」



……其れならば、どうぞ御随意に……



「良かった~~~……ほな、此れからは『ハルにゃん』て呼ばせて貰うな~~♪
 しっかし、此の書庫はホンマに無限迷宮その物や――少しでも気を抜いたら、飲み込まれてまうかも知れへん。」


それは、最高難易度の迷宮と言っても過言ではありませんからね。



ですが、迷宮には付き物の連中も、如何やら現れてしまったようです。


『『『『『『アンギャァァァッァァァァアァ!!』』』』』』
トライホーン・ドラゴン:ATK2850
混沌帝龍-終焉の使者:ATK3000
ブラック・デーモンズ・ドラゴン:ATK3200
その他ドラゴン族下級モンスター:ATK1400~2000(ムダ毛の如くもっさり)




如何やら、エレミアの手記を巡る無限書庫探索は、平穏無事で終わる事は無いようですね……突然の事態ですが、行けますかチャンピオン?


「確認不要やハルにゃん!
 それと、私の事は出来れば『ジークリンデ』或は『ジーク』って呼んでもろても良いかなぁ?チャンピオン言うのは、少しこそばゆいもんでな?」


そう言う事ならば、了解しましたジーク。


一体何処の誰が、此れだけのモンスターを呼び出したのかは知りませんが、立ち塞がるのならば砕いて進むのみ!!――其れが覇王流ですから!


「エレミアと覇王……ある意味で、最強のタッグ結成やな。――ほな、手加減なしで行こうか?」

「えぇ、手加減など皆無です!!」

全力で制圧してこそ、意味があると言うモノですからね……こんな所で止まる事は出来ません!!覇王流の正統後継者として、絶対に!!!



それが、私の誇りにも直結して来ますからね――











 To Be Continued… 








*登場カード補足