Side：ヴィヴィオ 大会は、今日から４回戦――そして、この４回戦からチャンピオン『ジークリンデ・エレミア』が登場するって事もあって、会場には長蛇の列が出来て る……やっぱりチャンピオンの試合って言うのは、誰もが見ておきたいものなんだねぇ……かく言う私もその一人だけど。 でも、此処に居る人達の９割はチャンピオンの勝ちを確信して疑わないんだろうけど、私は――私達『チームナカジマ』はそうは思わないよ？ だって、今日のチャンピオンの相手はアインハルトさんなんだからね！ 確かに実績なら何やらではチャンピオンの方が絶対的に上だろうけど、アインハルトさんだって厳しいトレーニングを重ねて相当に強くなってるだろ うし、何よりも稼津斗師匠から継承した必殺技があるから、若しかしたらチャンピオンの牙城を崩す事だって出来るかも知れない！ 会場入りする前のアインハルトさんは静かな闘気に満ちていたからね。 だけど、其れと同じ位に話題になってるのが、今日の第１試合である『レーシャvsジャクリーン』。 何方も、此処まで圧倒的な力を見せつけてのKO殺を展開して来た、今大会注目のダークホースだから、そのダークホース同士の直接対決となれば 自然と話題になるのも頷けるって言う物だよ。事実、チームナカジマの中では、レーシャは最強クラスだからね。 「今年の私達のインターミドルは終わっちゃったけど、レーシャとアインハルトさんのインターミドルはまだ終わってないから、精一杯応援しようね？」 「うん！」 「勿論！！」 頑張ってねレーシャ、そしてアインハルトさん！私達も、全力で応援するからね！！！ 遊戯王5D's×リリカルなのはViVid　　絆紡ぎし夜天の風　Rainbow44 『The strongest judo king』 Side：レーシャ ……２、３、４……よし、ウォーミングアップ完了！！良い感じに身体が温まって来たから、試合でも良い動きが出来そう――付き合って貰って悪かっ たね、オットー、ディード？ 「いえ、此れくらいならば如何と言う事は有りませんよ？」 「寧ろ、指名していただいた事を光栄と思いますから。」 そう？なら良かったよ――難を言うなら、敬語とかその他を止めて欲しかったんだけど、其れは言っても多分無駄だろうからね。 其れに、このキャラがオットーとディードの個性とも言えるから、其れを潰すのは良くないし、此処でキャラが１８０度変わったら、誰でも驚くだろうし。 まぁ、其れは其れとして、今日のアタシの相手――ジャクリーン・ルスカは、此れまで戦ってきた相手とは比べ物にならないほど強いでしょ此れ？ 予選の成績調べてみたら、全試合１ラウンド以内に豪快な投げでKOしてた――って、ドンだけの柔道ファイターなのよ彼女は！？ 打撃とは違ってダメージを逃がしやすい投げのみであの成績ってのは、正直言って脅威を感じたわよ。 だけど、やる以上は勝ちたいからね……負けてあげる心算は毛頭ないから！！ ――轟！！ そのまま、大人モードになって会場に突入！！―――ははは、チャンピオンが出るって事もあって、今日は超満員札止め状態ね此れは。 『レディース＆ジェントルマン！今日も此れから、この会場で熱いバトルが展開されようとしている～～～～！ 　大会は今日から４回戦、そしてこの４回戦からはチャンピオン『ジークリンデ・エレミア』が登場！大会をさらに盛り上げてくれる事に期待大だ～！ 　だが、チャンピオンの登場にだけ目を奪われちゃいけないぜ？ 　今日の４回戦、第１試合を飾るのは今大会注目のダークホースたるレーシャ・Y・不動と、ジャクリーン・ルスカの直接対決と言う大一番！！ 　両選手とも、ルーキー乍ら、此処までKOの山を築いて来たトップランカーレベルの実力者！！此れもまた注目の一戦だぞーーーーー！！！』 でもって、会場ではMCさんが、今日の見どころを説明して、会場内の熱気を急上昇させていく――まぁ、こう言うノリは嫌いじゃないけどね。 寧ろ、俄然やる気が出て来たよ！！反対のコーナーに陣取ってるジャクリーンもまた闘気は相当に高まってるみたいだし、此れは楽しめそうだわ！ 「正々堂々、良い試合をしましょう？」 「えぇ、互いに持てる力の全てを発揮して……いざ、尋常に勝負です！！」 ――ガシッ！ 試合前の握手は当然なんだけど、この人可也握力強いわ。 多分軽く握っただけなんだろうけど、結構な力を感じたし、本気で掴まれたら逃げるのは難しそう――此れは予想してたよりもずっと強敵かもね。 「セコンドアウト！」 「時間か……頑張ってね、レーシャ。」 「うん、行ってくるよ麒麟！」 因みに、今日の私のセコンドには、稼津斗師匠じゃなくて麒麟が付いてくれてる。何でも師匠は『セコンドとしてじゃなく客として試合を見たい』って言 って、今日は観客席にいるんだよね？ 多分お父さん達と一緒に居るんだろうなぁ？何だかんだで格闘チートと頭脳チートは仲良いみたいだし。 さてと、行きますか！！ 『さぁ、互いにセコンドアウトし、準備は万端！果たしてこの勝負に勝つのは何方だ！？ 　神速の打撃か、それとも大地をも揺るがす豪快な投げなのか！？予想が出来ないが、其れだけに試合が楽しみだーーーー！ 　クラッシュエミュレートセットオン！！レーシャ・Y・不動vsジャクリーン・ルスカ！バトル………スタートォォォォォォォォォォォ！！！！』 ――ビー！！！ レーシャ：LP２００００ ジャクリーン：LP２００００ 良し！先手必勝！！ 「ボディが甘いぜ！！」 「く…噂通りに速い！！」 とか言いながら、ガードして来る辺り、相当に研究して来たね此れは？ 何時もなら此処から一気に攻めたてるんだけど、彼女のスタイルは投げだから、ラッシュで攻めるより、スピードを生かしたヒット＆アウェイが有効！ 「ですが、その足を止めれば！！！はぁぁぁ……地雷震！！！」 ――ドン！！グラグラグラァァァァァァァァァァァァァ！！！！ のわぁ！？間合いを開けようとした瞬間に、物凄い揺れ！？ ジャクリーンが両手を床に叩き付けた瞬間に――まさか、床に魔力を叩き込む事で、疑似的に地震を発生させたって言うの！？凄すぎでしょ其れ！ 『おわぁぁ！？たった今、この会場を震源とする地震が発生！ 　震源の深さは地上０ｃｍ、マグニチュードは推定４！最大震度は、この会場限定で４強と見て間違いない！！尚、津波の心配はない模様ーー！』 しかもリングだけじゃなくて会場全体とは……！立ってるのがやっとだわ此れ！！ 「足が止まれば、掴む事もまた容易！！」 「！！！！」 しまった！足を止めたところを狙われた！！……今の地震は、私の足を止める事が目的だったのね！？ 「如何にも！そして、私が組みついた以上、貴女の運命は投げ倒されるか絞め倒されるかの二者一択です！！ 　どぉりゃぁぁぁぁぁぁぁ！！超・大外刈りぃぃ！！！！」 ――バゴォォォォォォォォォォォン！！ レーシャ：LP２００００→１８６００ ガハっ……！う、受け身を取ったのに凄い衝撃……此れは、喰らい続けたらまずいわ！ しかも投げ飛ばしじゃなくて、まだ掴まれてる状態だからダウン判定になってない……ジャクリーンは連続攻撃が可能な状態な訳だし…… 「うおりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ！！」 当然強引に引き起こして、投げを続けるよね？ だけど、簡単に連続投げなんてさせるもんですか！！投げつけられる其の瞬間に………喰らえ！！！ ――バキィィィ！！！ 「あが！！」 ジャクリーン：LP２００００→１９０００ 膝蹴りを叩き込む！無理矢理な態勢からだったからダメージは大した事ないけど、取り敢えず投げ抜けは出来たわ…… 「こんな方法で反撃して来たのは貴女が初めてですよ……矢張り、予想通りに貴女は強い。 　もしも、格闘に携わった時間が貴女の方が上だったならば、私はきっと勝てなかったと思いますが……物心ついた時から、私は祖父から柔道の手 　解きを受けていました……故に、此処で止まる事など出来ないんです！！」 「貴女も強いねジャクリーン……まさか地震を起こしてくるとは思わなかったよ？ 　だけど、私の師匠って世界最強な訳だから、弟子が負ける訳に行かないのよ――加えて、チームの仲間の夢も背負ってるからさ。」 「互いに負けられないのは変わらずですか……ならば！」 「どっちがその意地を貫けるか競うだけでしょ！！」 「異論なし！！行きます！！」 両手を振り上げた？って事は、さっきの地震攻撃！ だけど、地震は空に居れば当たらないからね……同じ技を二度は喰らわないわよ？そして、逆に喰らえタイプ７０７・コマホフリ！！ 「弧を描く軌道の飛び蹴りですか……見事ですが、掛かりましたね？」 ！！！ 振り上げた手を地面に叩き付けない！？つまりはフェイント……仕掛けに乗せられた！！ 「貴女は強い、だけどまだ試合の駆け引きが未熟だ……此処からは、ずっと私のターンです！！雲掴み投げぇ！！」 ――ガシィ！！ドゴォォォ！！！ レーシャ：LP１８６００→１７２００ 「更に……切り株返しぃ！！！」 ――バガァァァァァァァァァァァァン！！！ レーシャ：LP１７２００→１６０００ れ、連続投げは実際喰らうと結構きついわね……受け身をとってもダメージが逃がしきれない――此れは、少し拙いかもしれないわ。 ―――――― Side：はやて 『うお～～～～！！此れはすさまじい！！正に電光石火の投げの連続！ 　レーシャは真面に立ってる暇がないほどの連続投げに次ぐ連続投げ！！『赤鬼』の名を継ぐ少女は矢張り伊達ではないーーーーーー！！！』 アカン、レーシャは完全に相手にペースを握られてしもた……受け身を取ってダメージを最小限にしとるけど、此れは相当にキッツイで！？ 此のラウンドを凌いでも、インターバルでの完全回復は難しいやろし、何度も背中から叩き付けられるのは相当にキツイ筈や……レーシャ…… ――ポン 「遊星？」 「大丈夫だ、レーシャを信じよう。 　確かに今は苦戦しているが、レーシャなら絶対に逆転できるさ。」 遊星……そやな、レーシャやったら逆転してくれる筈やな！！ ――ドゴォォォォォォン！！！ レーシャ：LP９７００→８４００ 「確かに逆転は可能かも知れないが、此れは少しばかり良くないな。」 「稼津斗さん？」 「如何に受け身を取っているとは言え、こうも連続して叩き付けられると平衡感覚が狂ってくるんだ……このままだとKOされるかもしれないぞ。」 そんな！！せやけど、耐えきれば次のラウンドがあるやろ！ レーシャやったらきっと……… ――バキィィィィィィィィィ！！！ 「きゃぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁぁぁあぁぁ！！！」 レーシャ：LP８４００→４０００ クラッシュエミュレート：頸椎軽度捻挫、軽度脳震盪 レーシャ！！今の一撃、頭から落ちたで！？ ダメージも大きいし、クラッシュエミュレートまで！！……そんな、嘘やろ？ 「これで、終わりです！！うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！！！！」 レーシャ………まだ、終わりやないやろぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！！ ――バキィィィィィィィィィィィィ！！！ 「ふべらぁぁぁぁぁ！？」 ジャクリーン：LP１９０００→１５１００ クラッシュエミュレート：口内軽度裂傷、鼻血、口内軽度出血 へ？ 『なんとーーー！此処で、レーシャの喧嘩式ナックルパンチが炸裂ーーーー！！そのカウンター気味の一発で赤鬼ルスカをブッ飛ばしたーー！！ 　柔道ファイターは殴られる経験が極端に少ないという弱点を突いた、見事な喧嘩殺法だーーーーーー！！』 「気付いたか……」 「稼津斗？」 「如何言うことや？」 「格闘には勝敗を分ける幾つかの要素がある。分かりやすく言えば『パワー』『スピード』『テクニック』だが、それらを超えた４つ目の要素がある。 　其れが、型を無視した『喧嘩』だ。喧嘩は何でもありが故にパワーもスピードもテクニックもそんなモノは関係なくなるんだ。 　其れを昇華したのがリオを倒したハリー・トライベッカだからな――まぁ、この土壇場で喧嘩殺法を無意識で選んだレーシャは凄いけどな。」 つまりは今のカウンターが逆転の一手って事かいな？ けど、其れやったら行けるかも知れへん！！ 「「おねちゃ、がんばれ～～～～～～～！！」」 「行けレーシャ！デュエルはマダマダ此処からだ！！」 そう言う事や！！思い切りやったれやレーシャ！！私の娘のカッコいい所を見せてや！！ ―――――― Side：レーシャ はぁ……はぁ……ま、まさか無意識で放った一撃がカウンターになるとはね……勝負って言うのは本当に分からないモノだね…… 「く……この土壇場で！！」 だけど悟った……稼津斗師匠の言ってた格闘の四大要素『パワー』『スピード』『テクニック』そして『喧嘩』……此処は喧嘩で行くしかないわね。 寧ろ喧嘩しかないわ――ジャクリーン・ルスカ……この最強の柔道王を倒すにはね……！！ 　Ｔｏ　Ｂｅ　Ｃｏｎｔｉｎｕｅｄ…　 ＊登場カード補足