Side:レーシャ
第2ラウンド早々、リオが仕掛けて、番長に大ダメージ&クラッシュエミュレートまで発生させたわけだけど、あの番長が此れで終わるとは思えないん
だよねぇ……なんてったって、お母さんが『見上げた喧嘩根性』って絶賛して、お父さんも『見事な闘志』だって言ってたくらいだからね。
現実に、モニター越しで見る番長の目からは、闘志が消えるどころが、より激しく燃え盛ってるみたいだし。
「うん……アレは完全に火が点いたね。
リオちゃんの事をルーキーじゃなくて、倒すべき強者と認識したって言うところかな?…何れにしても、あの子の本気の本気は、多分此処から。」
なのはさんもそう思いますか!……まぁ、番長はそんな感じですからね。
だけど、リオだって簡単にやられる事は絶対に無いわ!!
今だって、本気の本気になった番長と相対して、其れでも眉一つ動かさずに構えを維持してる訳だから、リオも相当に集中しているって事になる!
となると、一瞬の判断ミスや判断の遅れが勝負に直結しかけないから、此処は慎重に行くのが上策!!
って、思うところなんだけど、番長はそんな安全策は絶対に選ばないよ――喧嘩は拳で決着するのが常識みたいな人だからね。
「ところで、レーシャちゃんはこの試合、どっちが勝つと思うかな?」
「唐突ですねなのはさん?……勿論リオ!って言いたい所ですけど、現実的に行けば6:4か7:3で番長の勝利でしょうね。
だけど、場合によっては5:5で、ともすればリオが勝つ事だってあるかも知れません――流石に其れは滅茶苦茶低確率ですけどね。」
だけど、私達はルーキーだから、トップランカーに勝とうって言うのがそもそも無謀な訳で……善戦できれば良い方ですよ。
でも、勝負は時の運にも作用されるから、場合によってはリオが若しかしたら若しかするかも知れないわね……頑張れリオ、全力全壊だ!!
遊戯王5D's×リリカルなのはViVid 絆紡ぎし夜天の風 Rainbow43
『喧嘩番長リミットオーバー!』
ハリー:LP7400
クラッシュエミュレート:右腕強度打撲
リオ:LP15000
Side:ハリー
ったく、2ラウンド開始早々に仕掛けてくれるとはな………おかげでこっちは大ダメージ&クラッシュエミュレートのおまけつきと来た。
まぁ、エミュレートそのものは大したダメージじゃないんだが、殴り合いをするにはちぃとばかし威力が落ちるか……右拳は使わない方が良いな。
ルーキー相手に不覚を取った形だが、此処からは一切の手加減も様子見もしねぇ……俺の100%をお前にぶつけるから、覚悟しとけよリオ!!
「上等です!!私は負ける心算は有りませんから!!」
その意気や良しだな!
つーか、見た目はちびっ子でも、オメェは俺と同類……強者との小細工なしの戦いを望む、喧嘩上等主義者だぜ!!!
なら、尚の事燃えるじゃねえか……この勝負、勝つのは俺だ!!
「そうは行きません!勝つのは私です!!」
ハッ、そう来なくちゃな!!
――ゴォウ!!
――チャキ!
『第2ラウンド開始早々、先手を取ったのはリオ・ウェズリーだが、大ダメージとクラッシュエミュレートを喰らって尚、砲撃番長の闘気は萎えない!
寧ろこの大ダメージで更に闘気が膨れ上がったようにすら思えるとは、なんという喧嘩根性!!
しかも、此処からが本番とばかりに、ヒートチェーンを展開し、観客のハートも一気に灼熱のバーニングソウルレベルだーーーーーーーーー!!!
其れだけでも、興奮冷めやらないが、リオ・ウェズリーもまた剣を装備し、真っ向勝負の構えを崩さない!!
トップランカーとルーキーの真っ向勝負が、此処まで心躍り滾るモノになるとは一体誰が予想しただろうか!!
互いにリミッターを解除した此の第2ラウンドは、盛り上がる事間違いなし!この戦いの結末は、絶対に見逃す事は出来ないぞーーーーーー!』
絶対に負けねぇ…!
お前となら、たとえ負けても悔いのない戦いってやつが出来るかも知れないが、生憎俺は負けるってのが大嫌いないんだよ!!
「喰らいやがれ、レッドホーク!!」
「!!!!」
――ガキィィン!!!
へっ、初見のコイツを弾き返すとは大したモンだが、レッドホークは言うなれば俺の腕の延長みたいなもんだからな、弾かれても変幻自在にお前を
追い詰めるぜ?しかも、チェーンの動きは剣では捕らえきれない無形だから、如何してもお前は回避と防御と迎撃を同時にする必要がある。
足場固めてチェーン操作してる俺と比べれば、スタミナが大きく減るのは道理だよな?
「―――!!」
でもって、お前の動きをある程度制限してるおかげで、俺は右腕をフルチャージ出来る!足が止まった所にブチかます!!!
ってな事を、多分お前は考えてるんじゃないのか?
なら、当然お前は俺が放つ前に何とかしようと接近戦を仕掛けて来る筈だ、『態と俺に通じる様に作ったチェーンの隙間』を通り抜けてな。
――グン!!
おぉっと、良い踏み込みだな?俺に誘導されたとは言え見事なもんだが、こうなるようにしたんだから慌てる事は何もねぇ!!
「雷光拳!!」
「ッラァァァァァァ!!!!」
――ドゴォォオォォォォォォォォ!!!
「うあぁぁ!?」
リオ:LP15000→14380
クラッシュエミュレート:右拳強度打撲
ハリー:LP7400→7220
ったく炎と電気のダブル変換資質だと?
神様ってのは、トコトン不公平な奴みたいだが――大した才能だな、正直羨ましいぜ。けどな、今年の俺は電撃じゃ倒れねぇ!!
「其れは其れで凄いんですけど、普通こっちの拳に対して頭突き繰り出しますか!?」
「あん?なんだよお前知らねぇのか?頭蓋骨ってのは、大事な脳味噌護ってる骨だから身体の骨の中じゃ一番頑丈なんだぜ?
その一番堅い所を、相手の拳にぶつけるってのは、5000年位前の、今みたいにグローブやらナックルガードが無い時代の闘士の間じゃ、割と
ポピュラーな防御方法だったんだぜ?まぁ、一歩間違えば自分が脳震盪起こしかねない諸刃の剣ではあるんだけどな。」
俺も軽くデコが腫れたしな。
だが、少なくともこれで、お前は暫く右腕での全力拳打は打てねぇ!!一気に行かせて貰うぜ!!!
「!!!」
「良い反応だが遅ぇ!!!!」
――バキィ!!!
「うあぁぁ!?」
リオ:LP14380→9680
未だだ、噛み砕けレッドホーク!!
――ガガガガガガッガガガ!!!
「うっぅぅ!!」
リオ:LP9680→6580
更に、お前の周囲を旋回するように攻撃したのにも意味があるんだぜ?
チェーンでぶっ叩いた其の後は、そのチェーンで持って縛り上げる!!!で、縛り上げたら其の後は~~~~~~~!!!!
「うおらぁぁぁぁぁぁぁぁ!ぶっ潰れろぉ!!!!」
――グン……ドゴガァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!
思い切り引っ張って体勢崩して、其のまま力任せに叩き付ける!!!
リオ:LP6580→3930
うし、手応え有!
リオの事はレッドホークで捕らえたままだから、判定はバインディングダウン……立てなけれりゃ其れで終いだし、立っても俺の有利は変わらねぇ。
「うぐ……さ、流石番長……強烈ですね……!!」
って、嘘だろオイ!?
ダウンカウントが開始される前に立っただと!?一気にライフを削ってやったって言うのに……コイツの武器はパワーだけじゃなくタフネスもか!!
「ちぃ……大したモンだが、そのまま座ってりゃ良い物を……」
「ありがとうございます……それ、『立ってほしくなかった』って意味に受け取ります。」
実際、もう立つなとは思ったが、俺が逆の立場だったら絶対に立つだろうからな……マッタク、トコトン因果なもんだぜ俺達はよ。
ボロボロになっても、ライフが残ってて動けるなら勝ちに行く――誰が相手でも勝ちたくて、負けたくなくて、負けて泣きたくねーから必死でよ………
けどなリオ、そんな必死の状態の時こそ、俺達みたいな競技選手は最高に良い顔をしてるんだそうだ。
負けたくなくて、勝ちたくて……今のお前は、始まった時よりも更に良い顔になってるぜリオ?ま、俺も似たようなモンかも知れねーけどな!!
「番長も良い顔してますよ……絶対に負けないってそんな感じで……だけど私だって勝ちたいから一生懸命です!!
今だって、まだ勝つ事は出来るって信じてます!!!」
「良く吼えた!其れでこそ、俺の喧嘩相手だ!!なら、こっちも出力120%でブチかます!!!
おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ……ぶっとべぇ!ガンブレイズ・フルバーストォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!」
「双破龍神翔ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
――ドゴォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
「「てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇい!!!」」
ぐぬぬ……全身拘束されてるくせに、何つ~馬鹿威力だ此れ!?もし、拘束してなかったら普通に撃ち負けてるかも知れねぇレベルだぞオイ!?
「行きます!!!」
って、ちょっと待てリオ、お前レッドホーク掴んで……ま、まさか!!!
「うおりやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
「のわぁ!?」
お、思いっきり引っ張りやがった!?砲撃の維持は……されてるって、この砲撃放たれたら自動発射かよ!?
対して、俺は右腕を砲台として維持しなきゃならない上に、向こうは両手でこっちは片手……腕力に関しちゃリオの方が上だから、コイツは拙いかも
しれねぇが、だからと言って負けるかよ!!根性出せ俺!!力比べは、寧ろ望むところだろうがよぉ!!!!
「ぬぅぅぅぅ………どぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
――バキン!!
!!っの野郎、レッドホークを力で引き千切りやがった!!ドンだけの馬鹿力だよ!!
だが、レッドホークを千切ったって事は――
「此れでフィニッシュです!!絶招 織炎虎咆!!!」
――ドゴォォォォォォォォォ!!!
ハリー:LP7220→520
クラッシュエミュレート:右腕強度打撲+重度熱傷
接近戦!!……クソッタレ、右腕は死んじまったか……だが、2発目は撃たせねぇ!!!
半端な弾丸で悪いが、喰らっとけ!!
――パパァン!
リオ:LP3930→3680
そして、逃がさねぇ!!此れでも喰らえ!!オレ式必殺左ストレート!!!!
「!?」
リオ:LP3680→1830
あぁ、そう言や言ってなかったが、実は俺は左利きなんだよ!!オラァ、もう一発!!
リオ:LP1830→1100
コイツで決めるぜ、ブラックホーク!!!
「えぇい!!!!!」
――バキィ!!!
っと、土壇場で合わせて来るとは流石にやるじゃねぇかリオ?……正直、予選からお前みたいな奴と喧嘩できたってのは運が良かったぜ。
だがな、其れも終いだ!!
油断も加減もしねぇっつったからな……お前のスタイルに付き合うのは此処までだぜ!!捕らえろ、レッドホーク!!
――ギュルリ!!
「!!!」
「生憎と、真ん中から千切られた程度じゃレッドホークは死なねぇんだ……俺と同じでしぶとくてなぁ?……コイツで終わりだ!!!」
「く……双破龍神翔ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」
コイツ……この場面で、もう一度さっきの砲撃を放つ心算かよ!?……俺も吃驚の喧嘩根性じゃねえか!!
だが、もう遅い……お前が放つよりも早く、俺は準備完了してんだからな――特と味わいやがれ、コイツが俺の最大の一撃だぜ!!
「爆裂!!ヴォルカニック・ブレイズ!!!」
――ゴォォォォォォォォォォォォォォォォ!………ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!!
――シュゥゥゥン……ドサッ…
リオ:LP1100→0
『決着ーーーー!!正に文字通りの熱い戦いを制したのは、砲撃番長ハリー・トライベッカ!!
力自慢のルーキーを力でねじ伏せた見事な勝利!!だが、負けたリオ・ウェズリーも俺達を魅了する闘いを見せてくれた~~~~~~!!!!
燃えるような熱いバトルを魅せてくれた両選手に対し、会場からは惜しみない拍手の雨霰の大喝采だーーーーーー!!!!』
ったく、オメーのせいでヘンテコお嬢様やチャンピオンと戦うまで使いたくなかった隠し玉を2つも使っちまったぜ……本気でトンでもねぇ奴だぜ。
「う……」
「おわっ!?そ、そんな顔すんな、泣かないんだろ!?」
強かったよオメーは……技量とかそんなんじゃなくて、俺が今まで戦った奴の中で、一番負けん気と喧嘩根性が強かったぜ?
だからよ――また、近い内に今日みたいな喧嘩をしようぜ?試合場でも何処でも、俺は何時でも待ってるからよ。
「またなリオ。お前は今日から俺の喧嘩相手で好敵手だぜ。」
「はい……ありがとうございました!!」
ありがとうは、寧ろ俺のセリフだぜリオ?
俺の方こそ、こんだけの楽しい喧嘩をさせて貰ってありがとよ!!お前との初喧嘩は、絶対に忘れねぇからな!!
――――――
Side:レーシャ
リオと番長の燃えるバトルの後も、試合は続いて、全く苦戦する事なく私も3回戦突破……此れは、果たして私が強いのか相手が弱いのか……
「多分レーシャが強いんだと思う。」
「見た事のない技も使いますし……今日のフィニッシュのサブミッションは一体何ですか?」
ん?アレは『卍固め』って言う技で、お母さんの故郷の超有名なプロレスラーであるアントニオさんの必殺技。
こう、手足が複雑に絡みつくから、一度決まれば脱出は略不可能なんだよねぇ?もがけばもがくほど締め付けられる悪魔のサブミッションだからね。
まぁ、其れは良いとして、結局3回戦を突破したのは私とアインだけか……しかも、チームナカジマ初等部では、3回戦突破したのは私だけ!!
こりゃ責任重大だわ……アインと共に皆の夢を背負った訳だからね。
「皆の夢を背負った訳だし、次も頑張らないとだねアイン?」
「そうですね、レーシャさん。」
アインの次の相手は、チャンピオンことジークリンデ・エレミア。
そして私の相手は……同ブロックのダークホース『ジャクリーン・ルスカ』が相手――つまりは次の4回戦を勝ち抜けるかが予選突破の鍵になる。
正直言ってどうなるかは分からないけど、私達のやる事は変わらない!私達の全力全壊を、ブチかましてやりましょアイン!!
「勿論その心算です。」
――コツン!
拳を合わせてやる気は充分!!
次の4回戦も、絶対に勝ち抜いてやる――本戦まで進んで、ミウラと番長とやり合うまでは、絶対に負ける事は出来ないからね!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
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