Side:リオ
正直な事を言うなら、番長との対戦はちょっと怖かった……だって、私と番長じゃ経験も実力差も明白だから。
――だけど、そんなモノは、リングで番長と相対した瞬間に霧散したって言うべきかもしれない!うぅん、霧散したどころか、闘志に火が点いたよ!
「レーシャとの前哨戦なんて温い事は言わないぜちびっ子?
俺の予想だと、総合力は兎も角として、パワーだけなら俺を遥かに上回るモンがあるだろ?そのパワーを、遠慮なくぶつけて来な!!
クラッシュエミュレート位はハナっから覚悟してっから、本気の本気で俺をぶっ壊す心算で掛かってきな!そうじゃなきゃ、俺には勝てないぜぇ?」
「なら、遠慮なく行きますよ番長!!」
「こいやチビッ子!
手加減なんざ有り得ねぇ!!互いに全力を尽くしてこそ、喧嘩ってのは楽しい物になるってもんだからな!!」
新人の私に対しても、番長は全力で応えてくれるみたいだから、私の今の全力を出し尽くさないのは礼を失するよ。
武闘家たる者、如何なる時でも相手への礼節を忘れるべからず――爺ちゃんが、口を酸っぱくして言ってた事だから、其れは絶対に忘れない!!
だから――
「行きますよ、番長?」
「来な。最高の喧嘩ってもんを教えてやるよ。」
迷わずに、突き進むだけ!!
圧倒的に分が悪いとは言え、勝負に絶対はないんだから、必ず勝利の道がある筈!!――この勝負、何が何でも制して見せるよ!必ずね!!!
遊戯王5D's×リリカルなのはViVid 絆紡ぎし夜天の風 Rainbow42
『The flashy quarrel is splendid』
Side:ハリー
ふぅん?中々良い気迫だな、此のチビッ子も?――大凡初出場とは思えない良い気迫だぜ……コイツは何とも楽しめそうだ。
其れに、ノービスでのコイツの戦い方を見る限り、コイツは俺に近いタイプ――細々としたメンドクセー事考えるよりも、自分の力を最大限に発揮して
の一撃必殺ってのが基本スタイルなのは間違いねぇだろう。
つまり、基本的なスタイルが同じだから、正面からのぶつかり合いになるとは言え、真っ向勝負で滅茶苦茶噛み合う戦闘スタイルって言う訳だ。
まぁ、負けてやる心算は無いが、先ずは挨拶だぜちびっ子!!――見切れるか、ガンフレイム!!
「!!……紅蓮拳!!」
――ゴバガァァァァァァァァン!!!
コイツ……俺のガンフレイムを相殺するとは、予想以上だぜこの野郎!
如何やら砲撃は互角みてぇだが、互角だからこそトコトンだ!!先ずは弩派手な砲撃戦と行こうじゃねぇか!!!
俺は砲撃番長って呼ばれてるから、砲撃戦で負ける気はマッタクねぇし、お前だって今の一撃を見る限りだと砲撃は割と得意なタイプだろ?
勿論伸るか反るかはお前に任せるが、さて如何する?
「考えるまでも有りません!!全力全開の弩派手な砲撃勝負と行きましょう番長!!」
「俺の挑発に敢えて乗ってくるとは、本気で面白いぜオメェはよ!!」
まぁ、そう来なくちゃ面白くもねぇがな!!
『おぉっと!初撃が弩派手な相殺となった両者、間合いは詰めずに再び魔力を集中し始めたーーーー!?
若しかして、若しかしなくても、弩派手な砲撃の撃ち合いは挨拶に過ぎず、此処からは更に弩派手な砲撃戦が展開されるとでも言うのかーー!?
だが、其れは其れで、会場が盛り上がる事は間違いないーーー!!こうなったら思い切りやっちゃってくれーーーー!!!』
言われるまでもねぇよMCさん!
つーか、アンタの実況のおかげで、こっちのテンションも爆発的に上昇したからな……後は、心行くまで全力全開の喧嘩をするだけだ、そうだろ?
「勿論です!其れに、私達の試合でこんなに盛り上がってるんだから、もっと盛り上げたい!!――そう、思いませんか番長?」
「やっぱし?実は、俺もそう思ってたんだよなぁ?なら、互いに思いが合致したって所で、更に弩派手に勝以上盛り上げっとすっか!
――とは言え、手加減はしねぇからな?俺の本気の砲撃に、付いて来られるかちびっ子ぉ!!」
「トコトン喰らいつきますよ番長!!」
良いぜぇチビッ子!そう来なくちゃ、倒し甲斐もねぇってもんだ!!――絶対にぶっ潰すぜ!!
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「オラァァァ!!!!」
「デエェェェェェェェェイ!!!!」
――ドッゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!
『なんと、またしても完全相殺――!!1ラウンド開始直後の砲撃戦から、両選手数多の射砲撃を撃ち合いながらも、互いにダメージは0!!
互角の破壊力を有した弩派手な撃ち合いは、まるで『青眼の白龍』と『銀河眼の光子竜』のガチンコバトルを見ているかのようだーーーーー!!』
ちっ……思った以上にやるじゃねぇかちびっ子?
誘っといて言うのも何だが、俺と射砲撃の撃ち合いをして、此処までノーダメージなんてのは、トップ選手でも中々居ねぇんだぜ?大したモンだぜ。
「はい、頑張ってます!!」
マジで面白い喧嘩だから、もうちっと続けてぇんだが――
――カーン!
残念ながら、此処で第1ラウンド終了。決着は次のラウンド以降だな、ちびっ子よぉ?
「そうですね。――でも、私が勝っちゃいます!」
「ハッ、やれるもんならやってみな!!」
ったく、マジで元気だなアイツ……1ポイントもライフを削れないで1ラウンド終了なんてのは何時以来だろうな?
同時に、俺が1ラウンド目をノーダメージで終わったのも随分と久しぶりな気がするぜ……冗談抜きで、強いなアイツは!マジ楽しくなって来たぜ!
「お疲れ様ですリーダー!」
「砲撃は互角でも、リーダーなら行けますよね!!」
勿論だ!――と言いてぇところだが、アイツのパワーを考えるとそうも行かねぇ。
コイツを見ろよ、掠っただけだからダメージにもならなかったし、上着で隠れる場所だったから誰も分からなかったと思うんだが……
「うげっ、防護服の役割を成してるサラシの一部が焼け飛んでる!?」
「本当に、本当にちょっと掠っただけで、此処が焼き千切られちまったんだ。
幸いにもダメージ判定はされなかったし、審判も気付いてなかったから良かったが、もしもクリーンヒットしてたら相当にヤバかったのは間違いねぇ
だろコイツは?……其れにアイツは砲撃だけじゃねぇからな……次のラウンドでは、砲撃以外を披露して来る筈だぜ。」
「侮れないっすね、あのチビッ子は……」
そう言うこった。
だが、負けてやる心算は更々ねぇからな、此のラウンドで決めて来るぜ!!
「「「頑張って下さいリーダー!!」」」
おうよ!!
さてとチビッ子、此のラウンドも楽しもうぜ?――まぁ、此のラウンドで終わらせるけどよ?
「其れはこっちのセリフですよ番長?――今度は、射砲撃以外の私の技を見せますからね?」
「そいつは楽しみだぜ!!」
『インターバルも終わり、互いに闘気は充分の様子!!
弩派手な第1ラウンドに続き、第2ラウンドはどうなるのか心の底から超・期・待しちゃうのはしょうがないよなぁ~~~~!?
細かい事は言わないぜ、互いの全力を尽くしたバトルを魅せてくれーーー!第2ラウンド、開始ぃーーーーーーーーーーーーーー!!!!』
先手必勝!先ずは一撃ブチかまして――
「雷光縄!!」
――ギュル……
「!!!」
んな、略ゼロタイミングでのバインドだと!?
コイツ、完全に開始直後からのコイツを狙っていやがったな!?そうじゃなきゃ、こんなにジャストタイミングでバインドの発動なんて出来る筈ねぇ!
「うわぁぁぁぁぁ!ウチのリーダー、バインド喰らいすぎでしょ~~~!?」
「素直すぎる性格が仇に~~~~!!!」
あぁもう、この程度で騒ぐなオメー等!
確かに驚いたが、この程度のバインド、あのアホデコメガネのバインドに比べりゃ大した事はねぇってんだ!!速攻でぶち破ってやるぜ!!
――ドゴォォォォォォォォォォォン!!
ってオイ、ちびっ子……リング打ん殴って何してんだ、オメェは?
「よっこい………しょおーーーーーーーーーーー!!!!」
――ベキ!ベキ!ビキィィィィィィィ!!……ズゴォォォォォォオォォォォォォォォォォォォォ!!!
なにーーーーーー!?リングをぶっ壊して、岩塊にするってドンだけだオメェ!?
此れまでの試合を見て、腕力も相当なモノだとは思ってたが、力任せにリングから岩塊を抉り出すって本気か!?力持ちどころじゃねぇぞ此れ!!
「約束したんです!負けちゃったチームメイトの夢は、残った人が叶えるって!
だから、番長にだって負けません!!!」
友情パワーって所か!
いや、其れにしたって、リングをぶっ壊して武器にするとか誰も思いつかねぇっての!!
「行きます!龍王破山墜!!」
「ちぃぃぃ……ブチ砕け、パイルバンカー!!!」
――ドゴォォォォン!!!
『ぬわんとぉぉぉぉ!!リングを破壊して造りだした岩塊を投げたリオ選手に対し、ハリー選手も単射砲撃で、其れを粉砕・玉砕・大喝采ーーー!!
同時にバインドもブチ砕き、バトルモード起動!第2ラウンドも、何とも弩派手な開幕となってくれたぞー!!!!』
ったくトンでもねぇパワーだな……何処に行ったちびっ子!?
――シュン!
其処か!!
このフットワーク……俺が岩塊をブチ砕く事は予想してたな?――弩派手な一撃も、囮に過ぎなかったって事かよ。
だが、その程度じゃ、俺には――!!
――スパン!
!!!コイツ、反撃を片手で払いやがった!?
しかも、殆ど力を入れてないような、本当に手を払うような動きだけで!!!
「虎心掌!!!」
――バキィィィィ!!!
ハリー:LP15000→10800
コイツ……やってくれるじゃねぇか!!
なら、礼はたっぷりくれてやる!!この距離なら、躱しようがねぇよな!?
「そうだけど、其れは番長だって同じです!!!」
――キィィィィン………
!!しまった!!
「絶招ー!……紅蓮吼牙!!」
――ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!!
どわあぁぁぁぁぁあ!!!ぜ、ゼロ距離砲かよコンチクショウが!!
『ほ、砲撃ーーー!岩塊攻撃から格闘戦、そしてゼロ距離砲撃!!
変幻自在に繋がる、多彩な技と溢れるパワー!これが、春光拳士リオ・ウェズリーの本当の実力なのかーーーーー!!!!』
だろうな……コイツは、結構なダメージを喰らっちまったみてーだしな。
ハリー:LP10800→7400
クラッシュエミュレート:右腕強度打撲
『ハリー選手は、ダメージ甚大!しかもクラッシュエミュレートまで発生しているーーーー!!
第2ラウンド開始早々、リオ選手が仕掛け、その結果として砲撃番長に大ダメージを与えるに至った!此れは、若しかしたら若しかするのか―!』
しねぇよ……絶対にしねぇさ。
侮ってる心算は無かったんだが、如何にも心のどこかでルーキーのちびっ子が相手だって言う油断があったのかもしれねーな。
全力でとか言っといて悪かったなちびっ子――いや、リオ!
だから此処からは出し惜しみも様子見も無しだ!!何時かの約束通りに、全力でぶっ潰してやるから、覚悟しておけよ!!
To Be Continued… 
*登場カード補足
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