Side:レーシャ


ヴィヴィとミウラの大激闘を制したのはミウラだった。
最後の最後で、ヴィヴィが勝負を急いでブレイカーを先に放ったのが敗因だわ…ミウラの突進を待って放てば結果は違っていたかもしれないよね。

まぁ、結果に『もしも』は無いから、言うだけ無駄かもだけど、そんなifを考えちゃうくらい良い試合だったのは間違いない。


だけど其れとは別に、KOされたヴィヴィの変身が解かれてないって言うのは普通じゃないわ!!
なのはさん、ヴィヴィは大丈夫なんですか!?


「大丈夫だよレーシャ。
 ヴィヴィオの大人モードが解除されてないのは、頑張り過ぎたせいでクリスがオーバーフローを起こした結果で、身体に異常は全く無いからね。
 クリスも、少し休めば大丈夫って事らしいから、このまま安静にしていれば大丈夫……直ぐに元に戻るよ。」

「よ、良かった~~~~~!!」

大人モードのままで気絶してるから、何か重大なエラーが起きたのかと思っちゃったよ!
だけど、頑張り過ぎた末のオーバーフローが原因なら、時間の経過で自然回復するってモノだから、取り敢えずは安心出来たよ~~~!


――シュゥゥゥ……


其れを示すかのように、ヴィヴィの姿が元に戻ったし――うん、エミュレート超えてのダメージは無いみたいね。


マッタク、無理するのはなのはさん譲りなのかなぁ?
全力全壊は良い事だけど、あんまし仲間に心配かけてくれないでよヴィヴィ?――まぁ、今回の試合は、エクセレントな内容だったけどね♪










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow41
『戦いの果てに紡がれし物』











「ん………うぅん……」

「ヴィヴィオ!」

「ヴィヴィ!目が覚めた!?」



「へ?ママ……レーシャ?
 あ、アレ?私は何でこんな所に居るの?確か、ミウラさんと試合をしてた筈なのに?」


うわ~~お、見事に自分がKOされた事がすっぽり頭から抜けてるよこの子は!!目が覚めたのは、嬉しい事だけど、逆に面倒くさいわね此れは。
多分、ヴィヴィは何で自分が医務室に居るのか分かってないだろうからね~~~……完璧に意識刈り取られたって事よね此れ。


え~~と、端的に言うならヴィヴィ、アンタはミウラに負けました!
で、KOされても大人モードが解除されなかったから、何か異常があるかも知れないって事で、担架で医務室に運ばれたって訳。

まぁ、異常は見られなかったから大丈夫だとは思うけど、今は安静にしてなさいヴィヴィ。


「レーシャの言う通り、今は安静にしててヴィヴィオ。
 頑張るのは良いけど、無理して無茶して取り返しのつかない事になったら大変だから、休むべき時には休まないと……分かった?」

「うん、了解です。」


で、なのはさんの援護射撃も有って、ヴィヴィを大人しくさせる事には成功したわね――なのはさん、強烈な援護射撃GJでした!流石ですね♪



――コンコン



「ん?誰かな?……どうぞ~~~。」


……そんな中で、医務室の扉をノックする音――誰が来たのかしら?なのはさんは警戒はしてないみたいだけど―――――――



「し、失礼します!ヴィ、ヴィヴィオさんは大丈夫ですか!?」



扉が開いて現れたのは、ミウラ!?
如何したのよミウラ?別分、怪我を負ってる訳じゃないみたいだけど……試合のダメージは大丈夫?

若しかして、ヴィヴィのお見舞いに来てくれたの?


「あ、はい!こう見えて僕って頑丈なので。
 ――じゃなくて、大丈夫ですかヴィヴィオさん!!変身が解けてないって……」

「大丈夫ですよ、ミウラさん。この通り、元に戻りましたしね?
 エミュレート超えてのダメージは無いですし、身体の方にも問題は無しです。大人のままだったのは、クリスが頑張り過ぎちゃったみたいです。」

「そ、其れなら良かったです~~~」


まぁ、激しいバトルだったから、アレ位のアクシデントは有るかもでしょ?
って言うか、KOした相手を心配して医務室にお見舞いに来るなんて、優しいんだねミウラって?対戦相手の事を心配なんて、中々出来ないよ。


「そんな事ないですよ……あの、御免なさいヴィヴィオさん!」

「え?ミウラさん?」


ちょ、ミウラ、何で謝る訳!?
さっきの試合は、互いに力を出し尽くした良い試合だったんだから、謝る理由は何処にもないでしょ?何だって、謝ったりするのよ?


「だって僕、ヴィヴィオさんに酷い事しちゃって……アレだけの破壊力は、必要なかったのに、つい気分が高揚して、不必要に威力を上げて………
 その結果、ヴィヴィオさんがこんな事になっちゃって……だから……」

「「「はいストップ!!!」」」

「へ?」


うむ、ヴィヴィとなのはさんと見事にハモッたわね♪

あのねぇミウラ、此れは試合でしょ?序に格闘でしょ?正確には魔法戦技会だけど、何れにしても戦いである事には間違いない訳で、戦いの場で
あるなら、何が起きてもおかしくないんだよ?無論今回みたいな事も含めてね。


「お互いにヒートアップしたのはヴィヴィオも同じだよ、ミウラちゃん?
 互いにヒートアップして、全力を出した末に、ブレイカーでの勝負になって……そして、今回はミウラちゃんが勝った、其れだけの事なんだよ。
 だから、謝るのは無し……ね?」

「それに、私はミウラさんとの試合が凄く楽しかったんです――其れこそ、この大会での此れまでのどの試合よりも、心が奮えました!
 だから、謝らないでください。私はミウラさんと戦えてよかったです♪
 こんなに強い人と、スタイルの噛み合う人と、楽しい試合が全力で出来た――ミウラさんと戦えた事を、私は誇りに思いますから。」

「ヴィヴィオさん……」

「今回は負けちゃいましたけど、今度は――来年のインターミドルでは負けませんからね?」

「――はい!!もう一度戦う事が有れば、その時もまた全力でお願いします、ヴィヴィオさん!!」


如何やら吹っ切れたみたいね~~?


だ・け・ど、此れで益々本戦まで駒を進めて、貴女と戦うのが楽しみになって来たわよミウラ!
アタシは絶対に本戦まで勝ち進んで見せる!って言うか、勝ち進む!地区予選で好成績を収めるだけじゃ、満足出来ないぜ……


「へ?あの、レーシャさん?」

「今のはお父さんのお友達の一人である『鬼柳さん』の真似~~。」

因みに私は『満足さん』て呼んでるけどね。
だけど冗談抜きで、アタシも貴女も予選通過が『最低条件』なのは分かるでしょ?本戦まで駒を進める事が出来なきゃ、アタシと貴女は戦えない。

正直言うと、ヴィヴィとの試合を見て俄然貴女と戦いたくなったのよミウラ!
ヴィヴィのカウンターでも倒れないタフネスと、一撃必殺の抜剣……アタシのスピード=パワーが何処まで通じるのか、そしてアタシの光速拳と貴女
の抜剣のどちらが強いのか、本気で知りたくなったし……やっぱり、親友の仇は取っとかないと、少々格好が付かない物だからね?


「僕も、貴女とは戦ってみたいですよレーシャさん。
 僕の重爆蹴撃と、貴女の超光速ラッシュ……対極にある『攻め』のスタイルがぶつかるとどうなるのか、ずっと考えていましたから。」

「あら……其れは光栄、実に楽しみだわぁ……」(五十嵐ボイス)


「あ、あれ?レーシャちゃんが、プレシアさん化してる?」

「まぁ、遺伝子的にはマッタク持って同一の存在なモノですからねぇ♪」

其れは其れとして、お互いに予選を勝ち抜いて本戦に行きましょうミウラ?
そして、本戦で弩派手でエクセレントなバトルをしようじゃない!――異論は有るかしら?


「有りません!なら、先ずは本戦への駒を進めなきゃですね!!……残りの試合も頑張ります!!」


その意気よ!


「あはは……レーシャとミウラさんは、正しく『強敵』と書いて『友』と読むって関係になりそうだねママ。」

「そうだねぇ~~~……若しかしたら、私とフェイトちゃんの全力バトル並の超バトルが展開されるかもだね♪
 だけど、全力でぶつかる事で見えて来る事も有るから、本戦まで駒を進めて、そして戦う事になったその時は、2人とも手加減は不要だからね?」

「「押忍!!」」


分かってますよなのはさん。
戦いは常に全力全壊!!!なのはさんから教わった事だろうけど、お母さんが何時も言ってますし、お父さんも『デュエルは全力を尽くすが礼儀』
って言ってる上に、稼津斗師匠が『戦いの場で手を抜くのは、相手への最大の侮辱と知れ』って言ってましたから。

戦う以上は、誰が相手でも本気を出すだけです!!



あれ?そう言えば、次の試合ってリオと番長の試合じゃなかったっけ!?
今から客席に戻っても間に合わないだろうから……リラ、お願い!!


『クリクリ~~!』


――ヴィン



リラの能力で光学モニターを召喚!これで、会場の映像をライブで見る事も出来るからね?……うん、如何やらこれから試合開始みたいね。


実力的には番長の方が上だけど、リオのパワーと炎と雷のデュアル変換資質は、其れだけで並の魔導師を圧倒する力を有してるから、場合によっ
ては、番長が苦戦する事も……ビギナーズラック的にリオが勝つ事だってあり得ないとは言いきれないわ。

此の一戦もまた、目が離せないわね♪








――――――








Side:ハリー


俺の次の相手は、レーシャと同チームのチビッ子か。
レーシャと同チームだから何て無粋な事を言う心算はねぇが、コイツも相当な使い手なのは間違いねぇ……舐めて掛かったら、俺が痛い目見るな。


ノービスでの試合を見る限り、コイツは圧倒的なパワーと、雷と炎の二重変換資質で相手を圧倒するタイプだが、その本質は格闘戦にある。
各種魔導で相手の動きを制限しつつ、圧倒的なパワーを持ってしての格闘戦でケリを付けるのがコイツのスタイルだからな……心底気に入った!

喧嘩ってのは、全力で殴り合うもんだからな……分かってるぜテメェはよ!!

「レーシャとの前哨戦――なんて、温い事を言う心算は更々ねぇ!!
 今の俺の相手はテメェだからな……持てる力の全てをもって、掛かってきやがれ!!!真正面からそいつをブチ砕いてやるぜ!!」

「はい、全力で行きますよ番長!!!」


『おぉっとぉ!両者すでにやる気は充分かーーー!?
 片や砲撃番長ことハリー・トライベッカ!片や奇跡の新人軍団『チームナカジマ』のリオ・ウェズリー!!!
 見る者の心を熱くする砲撃番長と、炎と雷の二重変換資質と、圧倒的なパワーを有する新人の激突は、期待するなってのが無理ってモノだ

 一体どんな、バトルになるのかは、俺にだって想像がつかないぞーーーーーーーーーー!!!
 そんなこんなで期待一杯の此の一戦!!!両者とも俺達を満足させてくれ~~~!!いざ、試合開始ぃぃぃぃぃぃぃぃ!!』




ハリー:LP15000
リオ:LP15000




で、MCさんの実況に駆られる形で始まったこの試合。
まぁ、新人に華持たせて負ける心算は毛頭ねぇ……だから覚悟しとけよちびっ子?……この試合、俺は手加減できそうにねぇ。

「だからよう……小細工なしの真っ向勝負と行こうじゃえねか!!異論は有るか?」

「有りません!!真っ向勝負上等です!!!」



そう来なくちゃな!!
其れじゃあ始めようぜ……一切の手加減を排除した、俺とお前の最高の『喧嘩(試合)』って奴をなぁ!真っ向勝負で行こうぜ!!!!















 To Be Continued… 








*登場カード補足