ヴィヴィオ:LP11000
ミウラ:LP11000





Side:ヴィヴィオ


インターバルでの回復で、私とミウラさんのライフは同じになった――つまりは、2ラウンド目であっても試合開始直後と大差ない訳だね?
って言うか、アレだけのカウンターをブチかまして大幅にライフを削ったのに、1万以上まで回復するってミウラさんの回復能力ってどうなってるの?
頑丈なのは、1ラウンド目で分かったけど、此の回復力は普通にあり得ない!タフだとか、そんなモンで済ませられるレベルじゃないよ此れ!!!


此のタフネスと、回復力は普通に脅威そのモノだよ……其れだけに、長引けば長引く分だけ私の方が不利になるか……



『さぁ~~て、インターバルを終えて、高町ヴィヴィオとミウラ・リナルディは、再びリング中央で睨みあう~~~~!!
 だが、両者とも第1ラウンドでの激しい戦いが嘘であるかの様に、息一つ乱れていない!此れがルーキーだと言って誰が信じるのか~~~!!』



で、MCさんは相変わらずだねぇ?……まぁ、盛り上がるのは好きだけどさ!



「此のラウンドも本気で行きますよ、ヴィヴィオさん?」

「受けて立ちますよ、ミウラさん!」


そして、その盛り上がりは応えるが礼儀だからね……第一ラウンド以上の激しいバトルを展開させて貰います!!
置いて行かれずに付いて来てくださいね、ミウラさん?


「勿論……徹底的に喰らいつきますよ!!」


そう来なくっちゃ♪――それじゃあ、行きますよ!!!










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow40
『切り札は互いにブレイカー!』











Side:レーシャ


でもって、第2ラウンド開始!
何て言うか、ヴィヴィオもミウラも全体的に固さが取れたって言うか、動きがスムーズになってる気がする――此れは完全に楽しんでるわね互いに。

超重爆打撃が炸裂すれば、其れを寸でで躱してカウンターを放つヴィヴィ。
そのカウンターすら躱して攻勢に出るミウラ――完全に異なるファイトスタイルであるにも拘らず、まさか此処まで噛合うとは思って居なかったよ。


だけど、噛合うが故に決定打を撃つ事が出来ないって言うのもまた事実だからね?


噛合うからこそ、相手の数手先を読むために、必殺の一撃を叩き込むタイミングが計れないって言うところかな??
ヴィヴィもミウラも、ちまちまと削りながらも相手のライフを減らしているけど、このままじゃあ判定になっちゃう可能性のが高いよね、お父さん?


「あぁ、互いに決定打を入れられない状況では、削り合いのまま此のラウンドが終わり、次のラウンドも同じ展開になって判定になる可能性は高い。
 だが、ヴィヴィオもミウラも、互いに『何か』を狙っているような気がするのは確かだな――切り札となる一撃を放つタイミングを覗ってるのか?」

「その可能性は充分にありやな。
 ヴィヴィオはなのはちゃんの娘って事を考えると、母親直伝の一撃必殺がある可能性が高いし、ミウラも抜剣って言う必殺の切り札がある。
 その最大の切り札を切るタイミング、其れが勝負の分かれ目やろうね。」


だよね?
つまり其れまでは、この削り合いが続くって言う事か――あぁもう、本気でどっちも頑張って!!どっちが勝ってもおかしくないんだからさ!!








――――――








No Side


さて、噛合うが故に決定打を欠いているヴィヴィオとミウラの戦いは、ライフダメージにならないような削り合いが続いている。
第2ラウンドが始まってから、2人のライフは全く減っていないのだ。


「てぇぇぇぇぇぇぇぇい!!」

「てやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


今もまた、ミウラの鋭い蹴りに対して、見切りを使ったヴィヴィオがアクセルスマッシュでカウンターを放つが、ギリギリで避けられ掠るに留まる。
此れは偏にミウラの巧さと言う所だろう。

大人モードのヴィヴィオの腕と、ミウラの足ではホンの僅かではあるが、ミウラの足の方がリーチが長い。
其れを利用し、攻撃がギリギリ届く距離で蹴りを放っている――つまり、ヴィヴィオのカウンターは普段よりも遠い間合いから放つ事になり、ギリギリ
ではあるが、直撃を喰らわない程度の回避が間に合うのである。

そしてもう一つの効果として、ヴィヴィオに『ギリギリの間合いで攻撃して来る』と言う事を刷り込ませる事も出来る。
ヴィヴィオは観察眼に優れているので、そろそろこの間合いでも完璧なカウンターを仕掛ける事が出来るようになるだろうが、其れが狙いでもある。

このギリギリの間合いに慣れた頃に、其れまでよりも踏み込んで攻撃したらどうなるだろうか?





絶対とは言えないが、高確率で攻撃された側は虚を突かれて対処が遅れ、結果的に重爆蹴撃の餌食になるだろう。
そして、虚を突くと言う事は、ヴィヴィオの最大の武器であるカウンターが機能しないと言う事にもなる――如何やらミウラは、ヴィータやシグナムから
戦闘技術を学ぶだけではなく、シャマルからこう言った戦術的な事も学んでいるようだ。





だがしかし、戦いに絶対と言う物はない。
其れこそ絶対と言う物こそが『絶対に有り得ない』と言うおかしなものなのだ。


ジェットステップ!!!

「!!!!」


何と、カウンターをギリギリで回避したミウラに対して、ヴィヴィオが更に踏み込んでナイフの様に鋭い蹴りで強襲!
此れには、ヴィヴィオの虚を突こうと考えていたミウラが、逆に虚を突かれた形になり、その一撃を辛うじてガードするが――


「ぐぅぅぅ……!」
ミウラ:LP11000→8500
クラッシュエミュレート:左下腕強度打撲、左下腕軽度骨損傷


ライフを2500も削られ、更にはクラッシュエミュレートまで発生!
左腕は己の攻撃にあまり関係ないとは言え、此れでミウラのガード能力が大幅にダウンしたのは間違いないだろう。左腕でのガードは略不可能だ。




そう、巧いのはミウラだけではない、ヴィヴィオもまた巧いのだ。
此れまでの攻防で、ヴィヴィオは見切りを使っていたが、見切とは相手の攻撃だけを見切る物ではない。

その真髄は攻撃の癖、間合い、タイミング、更には相手の狙いまでをも見通すのが真の『見切り』であり、祖父である高町士郎から、その辺の事は確
りと仕込まれていたのだろう。

つまり、ヴィヴィオはミウラがカウンターを躱すタイミングをも見切り、其処に追撃のカウンターとも言うべき一撃をブチかましたのである。



何方も巧さはあったが、此処は紙一重でヴィヴィオの巧さが勝ったと言う所だろう。




だが、この一撃で試合が動いたのは間違いない。此れまでの削り合いは、ヴィヴィオの一撃が炸裂した事で終了したのだ。


「今のは流石に効きましたよヴィヴィオさん……正直驚きました!!」


其れを示すかのように、ダウン復帰したミウラがダッシュで間合いを詰め、ダッシュの勢いを付けた儘に強烈なスライディングキック!
流石にモーションが大きいだけに、ヴィヴィオは簡単に避けるが、避けた直後に流れるような蹴り上げ、其れも略至近距離でだ。


「!!」


尤も、体勢に無理があったのか蹴り足がヴィヴィオを捕らえる事は無かったが、この蹴り上げでヴィヴィオの動きは一瞬止まってしまう。
そしてその一瞬の隙を逃さずに、蹴り足をそのまま振り下ろして、強烈無比のネリチャギ一閃!!!

ガードも完全回避も無理と判断したヴィヴィオも、身体を捻ってダメージを最小限にしようとするが、左の肩口に凶器と化した踵が炸裂!!!



「うぅっ……!」
ヴィヴィオ:LP11000→8200
クラッシュエミュレート:左肩部軽度骨破損、左肩部亜脱臼


ライフを大きく削られ、クラッシュエミュレートも発生。
此れで互いに公平に(?)左腕が使い物にならなくなった訳だが、其れでもこの2人の少女の顔には笑みが浮かんでいる――恐らくは、相当に痛い
筈なのに、ヴィヴィオもミウラも満面の笑みで戦って居るのだ。今この瞬間が最高に楽しいと言わんばかりに。


「凄い連続技ですね今の……アレだけ体勢を目まぐるしく入れ替える事が出来るなんて凄すぎますよ!
 だけど、負けませんから……てい、りゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「へ?うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


現実に楽しいのだろう。


強烈な一撃を喰らったヴィヴィオだが、何を思ったか突然飛び上がると両足でミウラの頭をホールドし、フランケンシュタイナーで投げ飛ばす!
咄嗟に受け身を取った事でミウラにダメージは無いが、無理矢理受け身で体勢を立て直した事で、片膝立ちの状態になってしまった。

ダウン判定にならない片膝立ちとなれば何がどうなるか?


「でやぁぁぁぁぁっぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


言うまでも無くシャイニングウィザードが炸裂する訳である。
ステップで間合いとタイミングを計っていたこの一撃は、正にジャストタイミングで炸裂した訳で、相当に強烈なのだが、


「「~~~~~~!!」」


ヴィヴィオ:LP8200→7000
クラッシュエミュレート:右膝強度打撲、右膝亜脱臼


ミウラ:LP8500→6800
クラッシュエミュレート:左肘強度打撲、左肘亜脱臼



何と互いに大ダメージ&クラッシュエミュレート発生!
ヴィヴィオの膝がミウラの側頭部に突き刺さるよりも早く、ミウラが咄嗟に肘を立ててガードしたのであるが、其れがこの結果に繋がったのだろう。

肘も膝も人体で最も固く鋭い場所の一つであるが、其れがぶつかり合ったら果たしてどうなるかは言うまでもない事だ――互いに破損は免れない。

その例に漏れず、ヴィヴィオの膝とミウラの肘は互いに大ダメージを負ったのである。


「と、咄嗟にエルボーガードとはやりますねミウラさん。」

「ホントに咄嗟で……おかげで肘が砕けました、もう左腕は使い物になりませんよ。」

「実は私も右膝が完全に御釈迦になりましたよ……そろそろ決め時みたいですねミウラさん?」

「そうですね、ヴィヴィオさん。」


其れでも尚、笑みは消えない。
だが、試合が動いた後での激しい攻防により、互いにボロボロなのもまた事実――だからこそ、此処が決め時だと思ったのだろう。


ヴィヴィオの問いにミウラも同意し、互いに構える。


「この一撃の果てに立って居た方が勝者です……異論は有りませんね?」

「勿論です!僕の抜剣と、ヴィヴィオさんの切り札……どっちが相手のライフを削るのか勝負です!!」


そして其れが合図とばかりに、ヴィヴィオの前には魔力球が集束を初め、ミウラの足にも魔力が集中していく。
形は異なれど、互いに切り札は集束砲(ブレイカー)であるらしい。


集中する魔力に、観客もまた息を飲んでいるようだ。


「行きますよミウラさん!一閃必中、セイクリッド……ブレイザー!!!」


そんな中で先にチャージを完了したのはヴィヴィオ。
未だチャージの完了していないミウラに向かって、一撃必殺となる虹色の集束直射砲を発射!!此れが決まれば、ヴィヴィオの勝ちは間違いない。








だが、勝利の女神と言うのは、この世の誰よりも気紛れであるらしい。







「そうは行きません!!」


ヴィヴィオの一撃がヒットする直前に、ミウラの集束も完了し、辛くも直撃を避け、一足飛びでヴィヴィオに肉薄したのだ。

最大の一撃を放ったヴィヴィオは動く事が出来ない――つまり……


抜剣・流星!!!!


――バキィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!


必殺の一撃はクリーンヒットすると言う訳だ。



「あ………」
ヴィヴィオ:LP7000→0


そして、その必殺の一撃を真面に喰らったヴィヴィオのライフは一撃で0に――この瞬間、この激闘はミウラに軍配が上がったのだ。


『決着ーーーーー!!!最後は弩派手な一撃を互いに放っての壮絶な決着!!
 奇跡のルーキー対決とも言うべき激闘を制したのは、ミウラ・リナルディだーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!』



瞬間、会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれる。
其処には勝者への賛辞、敗者への労いの言葉などが入り混じっているが、何にしても此の一戦が観客の心を打ったのは間違いないようだ。








――――――








Side:レーシャ


激闘を制したのはミウラだったか……もしも、チャージの完了が逆だったら勝ってたのはヴィヴィだったかもだけど、其れは言うだけ野暮だわ。
結果に『もしも』はないんだから――そうだよね、お父さん、お母さん?


「そうだな……様々なもしもがあるのかも知れないが、それらを超えて示されたのが結果と言えるからな。」

「もしもこうだったら……何て言う事を考えるなとは言わんけど、其れで悩むのはアホくさいで?――結果は答えを見せる訳やしね。」


だよね……結局はミウラの集束が僅かに遅かったが故に、最後の攻防はミウラが制するに至った――其れだけの事だからね。


ヴィヴィも惜しかったけど、今度は来年――って、アレ?何かヴィヴィおかしくない?
担架で運ばれるって事は、気を失ってるって事だろうけど、如何してそれでも大人モードが解けないの!?


「そう言えばなんでや!?」

「まさか、重大なダメージを受けてるとでも言うのか!?其れともデバイスが……」


分からないけど……此れは見逃しちゃダメでしょ!


「ヴィヴィオ!!」

「ヴィヴィ!!」


そんな訳で、なのはさんと一緒にヴィヴィの所に行ってきます!!――如何か、何事も有りませんように―――――!!















 To Be Continued… 








*登場カード補足