Side:レーシャ


時が経つのは早いモノで、気付けば何時の間にやらインターミドルの地区予選当日!!
スーパーノービスクラスは全員が2ラウンド以内で相手をKO(TKO含む)して、見事エリートクラスに!本番は此処からってね!!

既に会場は、超満員札止め状態――選考会の時とは比べ物にならない観客の量だけど、ヴィヴィ達は大丈夫?変に緊張とかしてない?


「堅くなり過ぎるって事は無いけど、流石に緊張はしてるって。
 私から言わせて貰えば、此れだけの観客を前にして、レーシャとコロナが如何して其処まで落ち着いていられるかって言うのが疑問なんだけどね?」


なんでって……そりゃ、私とコロナはT&Hのショップデュエリストとして、多くのギャラリーを前にデュエルをする事も有るから、此れ位は慣れてるのよ。
とどのつまり、こう言うのは慣れよ慣れ!どんな物でも、慣れてしまえば如何って言う事ないからね?

「其れに、下手に緊張して負けたなんてカッコ悪すぎるじゃない?
 大体にして、観客の大多数は過去参加者に注目してて、今年出て来たルーキーなんて目に入ってないんじゃないの?
 まぁ、選考会の成績が成績だっただけに、私達に注目してる玄人は居るかも知れないけど、そんなのはホンの一握りに過ぎないでしょ普通は。」

だから、気軽に行こうよ?
油断は禁物だけど、緊張し過ぎも良くはない……チームナカジマ、全員本戦出場を目指して――



「「「「「ファイ、オーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」」」」」



気合も闘気も充実!!
先ずは予選一回戦を、軽~~~く突破するとしましょうかね~~!!!












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow32
『チームナカジマ鮮烈デビュー』











Side:アインハルト


いよいよ迎えたインターミドルの地区予選……否が応でも緊張はしますが、緊張し過ぎては自滅しますので、心は穏やかに保たなくては……
ですが、取り敢えず、予選1回戦は全員が突破出来そうですね?見たところ、1回戦の相手に注目すべき名もありませんでしたからね。


油断大敵とは言いますが、私もヴィヴィオさん達だって負ける心算は毛頭ないようですし……此処は一つ、弩派手に勝って観客を驚愕させましょうか?
チームナカジマの存在を知らしめることにもなりますし……如何でしょうか?


「良いねぇ?その案乗ったよアイン!
 予選1回戦で、同チームの5人が鮮烈なるKO劇を披露なんて、滅茶苦茶燃えて来るじゃない!!精々派手にぶちかましましょうよ!!」

「良いですね……アインハルトさんが、その気なら私だって乗っちゃいます!」

「弩派手に決める……うん、面白そう!!
 其れに、派手なのは嫌いじゃないし、思いっきり手加減抜きでブチかませそう!!」

「私達が今大会のダークホースになるかも知れないって思わせるには良いかもしれないです~~♪」


ありがとうございます。
とは言え、此処に集まったのは厳しい選考会を勝ち抜いて来た猛者故に、甘く見たら手痛いしっぺ返しを喰らうのは目に見えていますからね?

気を緩めずに、適度な緊張を持って戦うが一番ですね。



――ズシャァァァアァ!!



と、如何やら試合が終わったようですね?
となると、次は私の試合と言う事ですか……覇王流の真髄をお見せしましょう!!さぁ、私の相手は誰ですか?


「宜しくお願いします……」


この人が相手……無手の格闘と言う訳ではないようですが、手にした身の丈以上の矛による一撃は、喰らった即お陀仏でしょう――普通ならば。


『其れでは試合開始!!』


アインハルト:LP12000
矛使いの少女:LP12000



試合開始の合図と共に、彼女は矛の切っ先を向けて攻撃して来た――所謂奇襲と言う奴ですが、既に構えていたせいで、技の到達点が見えてます。
狙いは、私のライフを大幅に削る事の出来る胸部だったようですが、攻撃される場所が分かっているならば!


――バキィィィィ!!!


「な!!そんな、私のデバイスが一撃で砕かれるなんて……!!」

「よそ見をしている暇がありますか?」

「!!しま!!」


一撃で終わらせます!……覇ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!覇王空破弾!!!


――バガアァァァァァァァァン!!


「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
LP12000→0



「そんな……たった一撃で……」

「受け継いだ覇王の拳……其れが私の誇りです。
 貴女の腕は見事でしたが、前回出場したと言う事と、初戦の相手がルーキーと言う事で油断しましたね?……戦いに於いて油断は禁物ですよ?」

「……かもね。
 しかも、一撃で武器破壊をされて、ライフを満タンから持って行かれたとなっては何も言えないわ……今回は私の完敗だわ新人さん………!!」


もしも、貴女に慢心と油断がなければ、或は負けていたのは私の方であったかもしれません。
機会が有れば、またどこかで一槍お願いできますか?


「えぇ、機会が有ればその時は!
 ……ところで、貴女の所属してる『チームナカジマ』って聞いた事ないけど、間違いなく今年初参加の新参チームよね?
 貴方とは直接戦ったからその実力は分かるんだけど、他の子達って如何なのかしら?こう言ったら失礼だけど、他の4人はまだ小学生よね?」

「はい。ですが、4人とも強いですよ?戦闘スタイルこそ全員が異なりますが、その実力はルーキーと侮っていると痛い目を見るレベルだと思います。
 良ければ、4人の試合も見て行ったら如何ですか?彼女達が如何に強いか、その目で確かめるのも悪くないと思いますよ?」

「そうね……そうさせて貰うわ。」


まぁ、彼女達の試合を見たら驚く事間違いないでしょうけれど。
ですが、私の予選一回戦は難なく突破できたようです――矢張り、独学で鍛えるよりも、誰かに師事し、そして鍛える方が遥かに身になるようです。


さて、ヴィヴィオさん達はドレだけ鮮烈な試合を見せてくれるのでしょうか?








――――――








Side:ヴィヴィオ


先ずはチームナカジマの先陣を切る形で、アインハルトさんが何と開始直後にカウンター気味の一発で一撃秒殺をやってくれました!!
流石はアインハルトさん、やっぱり私じゃマダマダ敵わない位に強い!!!思わず見とれちゃったもん!!

だけど、其れだけに私達だって負けてられないよ!!


『な、なんと又してもチームナカジマのルーキーが、1ラウンドKO殺!!
 いや、先に行われていた予選一組の試合も今し方決着!!此方もチームナカジマ所属のルーキーが、2ラウンドでのKO殺を披露!!
 一体誰がこの結果を予測しただろうか!?同チーム所属のルーキー3人が、何れも2ラウンド以内でのKO殺の鮮烈デビューとは~~~~!!』



うん、コロナとリオも危なげなく勝ったみたいだし、私達でこける訳には行かないよねレーシャ?


「当然でしょヴィヴィ?
 私等だって狙うは、1ラウンドKO殺!!でもまぁ、気張らずに頑張って行こう?」

「だね、下手に気張ったら要らない力が入っちゃうし……と、次は私だから行ってくるね!」

「頑張ってね~~~!」



うん!!

さてと私の一回戦の相手は……え~~と、本当に十代女子なんですかって物凄く問い詰めたい感じです………何この天然メスゴリラ?
身長は大人モードの私よりも頭三つ分大きいって、確実に身長2m超えてるし、其の十代女子にあるまじき筋骨隆々の二の腕は本当に同性なの!?
性別偽ってませんよね!?実は男でしたとかじゃないですよね!?


「ウホ?」

「それ以前に、人間ですよねぇ!?」

何だろう、物凄く背筋に冷たい汗が……だけど、試合である以上はやるしかない!!
ノーヴェに教えて貰った事を、特訓の成果を全部使って戦うだけ!!……何よりも、負けたくないから!!


『では、試合開始!!』


ヴィヴィオ:LP12000
ゴリラウーマン:LP12000



「ウホォォォォォ!!!」

「!!!」

行き成り突っ込んできた!?
巨体の割には素早いけど、だけどその程度のスピードだったら余裕で見切れる――


――バガァァァァァァン!!



から、躱したんだけど、拳が直撃したリングにはクレーターが出来てるってドンだけの破壊力なのアレ!?喰らったら間違いなく一撃死は必至だよ!?
幸い躱すのは難しくないけど、アレで攻撃を続けられたら堪ったもんじゃない……此れは、カウンターからのラッシュで速攻で沈めるのが良さそう。


「ウホォオォォォォォォォォォォ!!」


また突っ込んで来たけど、動きが見える!
今度の攻撃は突撃からの右ストレート……なら、突きだされた拳を円運動で避け、その円運動のエネルギーをそのままカウンターに乗せる!

ジェットステップ!!


――バキィィィィ!!


「ウボ!?」
LP12000→9000


更に蹴りの動作で生じた勢いを殺さない様に身を屈めて……サマーソルトシェル!!


――メリィィィ!!


「ボガァァ!?」
LP9000→5000


そして、横回転のエネルギーと縦回転のエネルギーを拳に手中して、撃ち抜く!!一閃必中、アクセルスマッシュ!!


――バッキィィィィ!!!


「デアボリガァァァァァ!!!」
LP5000→0


「私の勝ちです!!」


『ぬあんとぉぉぉぉぉ!!!又してもチームナカジマのルーキーが1ラウンドKO殺~~~~!!
 此れはもう、残る1人にも期待が高まると言うところだ~~~!!チームナカジマのルーキーが巻き起こしたKOの嵐は次も続くのだろうか~~!?』



多分続くと思いますよMCさん♪
だってレーシャは、若しかしたらアインハルトさんよりも強くなってるかも知れないんですから。








――――――








Side:レーシャ


対戦相手に突っ込みどころ満載だったけど、終わってみればカウンターからのラッシュでヴィヴィの圧勝。てか、ぶっちゃけパーフェクト勝利。
アインに続いて、ヴィヴィもパーフェクト勝ちときたら、私もキッチリ決めないとだよね?……次はいよいよ私だから、頼むよリラ?


『クリクリ~~~!』


『続いては予選3組の一回戦第5試合~~!!
 此方はルーキー同士の対決だが……
おぉ!?』


――ザワ……


会場がざわめいてるね?……まぁ無理もないか。
大人モードの私はお母さんの姿――『時空管理局特務二佐・不動はやて』な訳だから、そんな有名人が現れれば騒めくのも仕方ないってところかな。


『レーシャ・Y・不動もまた大人モードを使うようだが、その姿は紛れもなく時空管理局特務二佐・不動はやてその物だ~~!!
 レーシャと不動二佐は親子らしいが、まさか大人モードがこうなるとは予想外だーーーーーー!!!』



まぁ、私の中での『最強』をイメージした結果、姿形がお母さんで、顔にはお父さんと同じマーカー模様を入れるに至った訳だからね?そりゃ似てるよ。
てか、相変わらずリアクション良いなぁMCさん?

デュエルでの実況が凄い事が話題になって、今年のインターミドルの実況を任されたらしいけど、やっぱりこの人の実況はテンションが上がるわね!!

てな訳で、テンションが上がった所で勝ちに行くからね?


『試合開始!』


レーシャ:LP12000
新人戦斧使い:LP12000


――シュン!!



「消えた!?」


そう思う?まぁ、そう見えるよね……いきなり相手が目の前から消えたんだからさ。
だけど消えた訳じゃなく、初速からトップスピードで貴女に突進しただけの事………だからこの攻撃は避けられない!!ボディがお留守だぜ!!


――バキ!ガス!!ドガァァァ!!


「がは!?」
LP12000→11000→9000


此れは挨拶代わり!!
今度は足元がお留守だよ?せいやぁ!!!!


「く……この!!」


流石にこの足払いは避けられたけど、ジャンプで避けたのは拙かったね?
安易な飛翔は、格好の的だよ!!喰らえオニヤキ!!おぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁあぁ!!!


――バキィィィィィ!!


「ぐはぁ!!」
LP9000→7000


「でも…まだ!!」

「何とかできる?……甘いよ!!」

「!?」


貴女は既に詰んでいるんだから!
オニヤキを耐えたのは見事だけど、だからと言って着地後に間髪入れずに放たれた攻撃に対処できるかと言われれば、其れはまた別問題だよね?

時間にしたら1秒程度の硬直でも、其れは私には絶好の好機に他ならないんだから!!


追撃はタイプ75カスタムの二段蹴り!更に、其処からタイプ424・ヒキガネに繋いで……トドメは、タイプ707・コマホフリ!!
二段蹴りからの、ステップショートアッパー、そして変則的な延髄切りのコンボの破壊力は、稼津斗師匠のお墨付きだから、此れで終わりだよ!!


LP7000→6000→3300→0
「そんな……何も出来なかっただなんて………同じ新人でも、此処まで差があるモノなんだ……」


いや、貴女も結構な物だったけど、私の場合家族と師匠が激チートだからしょうがないって。
母親が不動二佐で、父親が不動技術部顧問で、師匠に至ってはデェエルで永久禁止カードに指定されてるチートカードの精霊だから……ねぇ?


「チートに交わりチートになった?或は、チート街道まっしぐら?」

「正にその通り!」

けどまぁ、修業して出直して来な……私は、何時でも相手になるからね?
其れに、一度負けただけで終わるなんて、そんなの何とも勿体ないし、やるならトコトンでしょ?リベンジマッチは、何時でも受けて立つわよ!!


「……その為には要修業だけれどね……まぁ、何れまた挑ませて貰うよ。
 悔しい気持ちは有るけど、ルーキー同士の戦いで、此処までの実力差を見せつけられたのは、逆に良い勉強になったからね……ありがとう。」

「此方こそ。」

で、互いに礼!
武道は礼に始まり礼に終わる……稼津斗師匠の言う通りだね。


取り敢えず、此れでチームナカジマは全員が一回戦を突破した訳だけど、そう言えばミウラはどうなったんだろう?
試合はソロソロの筈なんだけど……って、此れってマジ!?



『4組一回戦、第6試合:ミウラ・リナルディvsミカヤ・シェベル』



ミカヤさんが4組に居るのは知ってたけど、まさかミウラが一回戦で当たる相手だったとは……こう言っちゃなんだけど、ミウラは籤運が悪すぎよ!!
八神家の皆さんが師匠とは言っても、行き成りインターミドルのトップ選手が相手だなんて分が悪すぎる……ミカヤさん、滅茶苦茶強いし!!


けど、普通に考えればミカヤさんの圧勝……と思うところなんだけど、如何にもそうはならないような気がするんだよねこの試合に限っては。
ミウラの格闘スタイルは分からないけど、試合の展開によったら、トンでもない事が起こるかも知れない……取り敢えず、此れは注目の一戦だわ!!













 To Be Continued… 








*登場カード補足