Side:レーシャ


選考会から出場するのは、初出場選手か前年度のノービスクラス落ち選手なんだけど、それでも中々の使い手が集まってるのは間違いないと思う。
実際に、会場に満ちてる熱気と闘気は凄い物があるし、リング上での戦いは選考会とは思えない位に熱いモノだってあるからね。

だけど、その上で敢えて言うわ――私達『チーム・ナカジマ』に敵はないってね!


「破ぁぁぁ……ジェット・ステップ!!

「えぇい!……ハンマーシュラーク!!!


チームの先陣を切って出てったヴィヴィが、高速拳打で相手の動きを止めた上で鋭い蹴り抜きで相手をKO!
それと、別のリングではシグナムさんの所からの出場者――確か、ミウラさんって言ったと思うけど、彼女が見るからに重いボディブローで一撃KO!

正直言って、ミウラさんのボディブローは見ただけで喰らいたくないって思えるわアレは。

ともあれ、初出場選手が選考会を、事実上の一撃KOで決めたってのは結構注目の的なんじゃないかな此れは?


だけど、観客の皆さん、驚くのは此れからですよ~~?
此れより、私を含めた『チーム・ナカジマ』からの出場者が、目の肥えた皆様の度肝を抜く戦いをご覧に入れる予定だからね?

私達は、今大会の台風の目になる予定ですので、選考会でその力をとくとご覧あれ!!選考会だって、手加減しないで思いっきりぶちかますから!!












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow30
『Auswahl-Gesellschaft』











さてと、取り敢えずお疲れ~~~……って事もないかなヴィヴィ?基本的に1ターンキル状態だったからね?
ヴィヴィの相手って、何回も出場してる選手だったらしいけど、それをあんなに簡単に倒すだなんて、やっぱりヴィヴィは天才肌だと思うわよ私は。


「そうかな?
 こう見えて結構緊張してたんだけど……勝てて良かったよ~~~。」

「いや~~……今のヴィヴィだと、ノービスクラスじゃ相手は居ないっしょ?
 其れは、同じく一撃KOを披露してくれた貴女もだけどねミウラさん?――ヴィータさん譲りの豪打、実に見事だったよ。」

「へぇぇ?僕の試合も見てたんですか!?」


そりゃあ、お母さんが注目してた選手だから、見てますって。
ミウラさん……なんか慣れないから、ミウラって呼び捨てにさせて貰うけど、貴女の豪打と私の速打……是非とも正面から打ち合いたいって思ったわ。


「其れは、楽しみです!……え~~と……」

「あ、ゴメン!自己紹介してなかった!!
 チーム・ナカジマ所属の、レーシャ・Y・不動です。貴女の事はミウラって呼ばせて貰うから、私の事はレーシャって呼んでね?」

「はい!宜しくお願いしますレーシャさん!!」


宜しくねミウラ♪
にしても、この細腕で良くあんな豪打が放てるわね?筋肉の付き方はリオにそっくりだから、やっぱりパワーに恵まれた体質なのかもしれないわね。
其れに、細いけど身体は絞り込まれてるし……此れは結構気合入れて鍛えたね八神家の皆さんは。

其れだけミウラへの期待が大きいって事なんだろうけどね。


だからこそ、選考会で当たらなくて良かったって思う――ミウラとは、せめて予選のスーパーノービスで戦いたい所だからね。
勝負だから、勝っても負けても恨みっこなしだけど、予選、或は本戦でぶつかったその時は、手加減抜きの本気の試合をしようねミウラ?此れ約束!


「分かりました……って言うか、ヴィータ師匠から『やるからには誰が相手でも手加減するな』って言われてますから、戦う事になったその時は!!」

「全力全壊、手加減抜きでね!!」

私の試合の前に、ライバルになりそうな人と出会えるとは、此れもまた幸運かな?



――私の本能が告げてるからね、ミウラと番長が、チームナカジマ以外の出場選手では最大のライバルになるって。
だけど、ライバルは居るからこそ燃える物だよ……其れが居るからこそ、此処で負けてなるモノかって言う気持ちも大きくなるからね……燃えて来た!


「てぇぇぇぇい!!!」

「うおりゃぁぁぁぁぁぁ~~~~!!!」

「はぁ!!!」


んで、リングを見れば、何時の間にやらコロナと、リオと、アインも圧倒的な実力差で余裕のKO……本気で初出場とは思えないチーム・ナカジマだね。
だけど、こうなると私が負ける事は余計に出来なくなった感じじゃない?

チーム・ナカジマ5人全員が選考会を通過しなきゃ話にならないモノ。


『では続いて、ゼッケンナンバー3000・2500の選手はCリングに上がって下さい。』

「お、いよいよ私の出番か!」

「頑張ってね、レーシャ!全員で選考会通過だよ!」

「頑張って下さいレーシャさん!僕も応援してますから!」


任せときなさいヴィヴィ!それと、ミウラも応援よろしく!!
ゼッケンナンバーが、私のデッキのエースモンスターの攻撃力と同じってのも、なんか良い感じだし、先ずはデビュー戦をキッチリ決めてきましょう!!








――――――








Side:ハリー


あ~~~、クソ!すっかり寝坊しちまった。
アホのエルスが選手宣誓なんぞするって言うから、思いっきり笑ってやろうかと思ったのによ~~!……バトルシティのDVDが面白過ぎたせいだな。

選考会も何試合か見逃しちまった感じだが、あのチビ共は勝ち抜けたかね~~~……って、お?

「奇遇だなヘンテコお嬢様、選考会から来てるなんて、ちょいと意外だったぜ~~?」

「そう言う貴女こそ、何で此処に居るのかしらポンコツ不良娘?」


ん?いや~~~、アホのエルスが選手宣誓するって言うから笑ってやろうかと思ってたんだけど寝坊しちまってよ~~~~♪
そうだヘンテコお嬢様、オメーはオレよりも早く此処に来てたんだろ?レーシャ、ヴィヴィオ、リオ、コロナ……コイツ等の試合って終わっちまった?


「貴女が、其の方達と如何言う関係かはご存じありませんが、高町ヴィヴィオ、リオ・ウェズリー、コロナ・ティミルの3名ならば難なく勝ちましたわよ?
 それと、彼女達と同チームであるアインハルト・ストラトス――覇王の末裔の方もね。」

「そっか……アイツ等勝ったのか~~~!!んで、レーシャは?」

「その方は未だですが……」


そうなのか?って事は、レーシャの試合は此れから見れるって事だな!うん、其れだけでも価値はありそうだ。


『では続いて、ゼッケンナンバー3000・2500の選手はCリングに上がって下さい。』


Cリングは次の試合――って、Cリングに上がって来たのはレーシャじゃねぇかよ!!
付いて早々、アイツの試合を見れるとは此れは遅れて正解、怪我の功明ってか?……いや、違うかもしれねーけど、どんな戦い方するのか楽しみだ!


「その反応を見ると、Cリングのどちらかがレーシャなのでしょうけど、どちらが?」

「ゼッケン3000の方だ!お、始まったぜ!!」




――バシィィィィィィン!!




「「へ?」」


お、おいヘンテコお嬢様、オメー今の見えたか?


「見えませんでしたわ……相手の方は辛うじてガードしたようですが、気が付いたらガードに横蹴りが突き刺さってましたわよ!?」

「目にも映らねーって、ドンだけはえーんだよアイツ!?
 って、オイオイオイ!更にガードされてるにも拘らず殴って蹴ってまた殴って…腕と足が沢山見えるって、ドンだけの攻撃速度だ本気で!?」

レーシャの戦闘スタイルは、速さにモノを言わせた『ラッシュタイプ』って所か?
だが其れも、相手の防御が堅いと先にガス欠を起こしちまう可能性もある……レーシャの打撃その物の重さは其れほどないみたいだから余計にな。
其れじゃあ、予選は勝ち抜けねーぞ?


「其れはあくまで、普通のラッシュスタイルならだろ?」

「え?……ってアンタは!!!」

逆立ったオレンジの髪に、弩派手なフェイスペイント……まさか、ミッドでナンバー2の実力者とされてるデュエリスト、クロウ・ホーガン!?
うおぉぉぉ~~~!まさか、生で見れるとは思ってなかったぜ~~~!!あぁ、本当に今日のオレはついてるぜ~~~!

でも、何でこんな所に居るんすか?


「レーシャの親父が俺のダチ公で、更に俺の妹がアイツ等のコーチでな。
 今日は非番だもんで、ちょいと見に来たのさ……へっ、レーシャの奴、稼津斗の旦那が鍛えただけあって、凄いスピードしてやがるぜ。」


アイツの親父さんとクロウさんがダチ公……そう言や、レーシャの親父さんは『アノ』不動遊星だったっけな。
けどよクロウさん、普通のラッシュスタイルならって如何言うこった?レーシャのアレは普通のラッシュスタイルじゃないのかよ?


「違うだろ、そもそも攻撃速度そのものが段違いじゃねぇのか?アレは正に『スピードこそがパワー』。速度が其のまま攻撃の破壊力になってるぜ?
 更に、ガードの上からの攻撃も、只殴ってるだけじゃなくて、最初に攻撃したところと同じところを狙って攻撃してるからな?
 どんなに堅牢な盾だって、同じところを休む間もなく攻撃されたらどうなるかは………言う必要ねぇよな?」

「何れは、打ち崩される……其れが彼女の狙いですの!?
 いえ、それどころかもしも初撃をガード出来なかったら、その超速の攻撃を一身に喰らって終わり……なんて、恐ろしいスタイルですの……!」


確かにトンでもねぇなオイ!?
ガードしたらしたで、反撃も許されない猛ラッシュの嵐に曝されて、ガードこじ開けられてって事だろ!?……やっぱアイツは只者じゃねぇか……


「そう言うこったろうな。
 そして、ガードをこじ開けたら、同時に其処で試合終了の合図だぜ?――っと、言ってるそばからガードが開きやがった!!」





「しまっ……!!」

「あぁぁ~~~!喰らえ~~!せいっ!!うりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


――ゴス!ガス!!バキィィィィィ!!


『し、Cリング試合終了!勝者、ゼッケン3000!!』

「……アンタじゃ燃えねぇな。」




ガードをこじ開けたら、一気に踏み込んでの左ブロー!更に撃ち抜いた左腕を返しての裏拳に繋いで、〆は勢いを利用したジャンピングアッパー!
しかも、最後のアッパーは抉り込むように放たれてたからな……あの速度でこの連続技は、喰らった方からしたら堪ったもんじゃねぇだろうな……


「危なげなく勝利か……ま、此れでチーム・ナカジマは全員がスーパーノービススタートって事になった訳だ。」


つー事は1回勝てばエリート行き……ったく、トンでもねぇルーキーが出て来てくれたもんだよな、ヘンテコお嬢様?
テメーとは去年の続きをしてーところだが、其れにばっかり固執してたら足元掬われちまうかもしれねー……気合い入れて行かねーとな?


「ですわね……よもや、これ程のルーキーが出て来るとは思いませんでしたわ。」


だろ?
あとで、アホのエルスにも言っといてやるか……オレとの再戦に燃えるのは構わねーが、オレと当たるまで勝ち上がって来いってな。

今年は初出場組が、何ともアツいからよぉ?逆に喰われねーように、気を引き締めとねーとだからな。
どうやら、今年のインターミドルは去年よりもずっとおもしれー大会になりそうだ!予選開始が待ちきれなくなって来たぜ!!!





と、其れは其れとしてクロウさん!!


「なんだ?」

「サインください!オレは見る専だけど、デュエルも大好きなんです!!
 ミッドのナンバー2デュエリストとこうして会うなんて滅多にない事だから、是非サインください!!」

「俺なんかのサインで良いのか?……まあ、其れ位なら良いけどよ……」


あ、出来れば『ハリー・トライベッカへ』って入れてくれると嬉しいぜ?あと、何か一言あれば……


「一言は思い浮かばねーが……ほらよ、こんなんで良いか?」

「此れは……サインの他に『ブラックフェザー・ドラゴン』のイラスト入り!?絵も巧いんすね……」

だけど此れは良い物を貰ったぜ!
クロウさんの、直筆イラスト入りサインを持ってる奴なんざ、早々居るもんじゃねぇからな!!コイツは、予選前に最高のプレゼントを貰っちまった!
ぜってー負けられねーなコイツはよぉ!!








――――――








Side:レーシャ


選考会も超絶ラッシュからの連携で難なく勝利!如何ですか、師匠?


「師匠としては及第点をくれてやるが、選考会ならお前が負ける事は無いさ。
 寧ろ、本番は予選からだと言う事を忘れるなよ?……仮に本戦まで駒を進めたその時は、トンでもない強者との試合が待って居るからな。」

「うん、分かってますって。」

でも、取り敢えずデビュー戦白星発進てのは幸先がいい感じ!



「うお~~~い、レーシャーーーー!!」

「うわぁ!?
……て、番長!?」

選考会、見に来てたんだ……


「良い試合だったぜ今のは?オレも見てただけなのにアツくなったからな!!
 でもって、俄然お前に興味が湧いちまった……本戦まで勝ち上がって来いよ?大舞台でオレと、最高の喧嘩(試合)をしようじゃねぇか!!」


そう言われたら応えない訳には行かないじゃないの……OK番長、必ず本戦に勝ち上がって見せるわ!
本戦まで進めば、ミウラと戦う機会もあるしね?……敢えて言うよ番長――オイ、バトル(デュエル)しろよ。


「上等だ……オレと当たるまで、負けんじゃねーぞレーシャ?」

「番長こそ、気を抜いて負けないようにね?」

絶対勝ち抜いて本戦に出場してやるわ!ミウラと、そして番長と戦う為にも絶対にね!!


此れは燃えて来た!其れこそ、バーニングソウルを会得できるかもって位に、私の心は燃えて来た!!此れは、予選が楽しみで仕方ないわね!!














 To Be Continued… 








*登場カード補足