Side:アインハルト


此度の模擬戦は、両チーム共に全員が戦闘不能と言う事で引き分けに終わりましたか……とは言え、実に充実した時間であった事は否めません。


「「「「「「「「「「「「「「「「「「お疲れ様でした!!」」」」」」」」」」」」」」」」


ですが、其れだけに此れで終わりと言うのが残念でなりません……私はもっともっと戦いたい――こんな機会は滅多にないのですから。


「それじゃあ、おやつ休憩と陸戦場の再構築をしたら2戦目行くからね?」

「2時間後にまたここに集合ね?」

「「「「「「「「「「は〜〜〜〜い!」」」」」」」」」」


え?あの、2戦目……ですか?


「あれ?説明してませんでしたっけ?実は今日一日で3戦やるんですよ?休憩挟んだり、作戦組み直したりして。」


そうなんですか!?
と言う事は、またやれる!もっと戦えるんだ――この凄い人達と!

「良かった、実を言うともっとやりたかったんです。」

「はい、アインハルトさんならそう言うと思ってました♪」


作戦を変えてと言う事は、2戦目はチーム編成も変わるのかもしれません……此れは、何とも心が躍りますね。









遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow21
『新たな扉を開きまっしょい!』











Side:レーシャ


――で、その後の試合は展開を変えて、マッチアップ相手も少し変わって。


3戦目はチーム構成もトレードで入れ替わって、熱く激しく、陸戦試合は過ぎて行って―――





「「「「あう〜〜〜〜〜〜〜〜……」」」」

「結果としてちびっ子組は私とルールーを除いて死屍累々状態と……」

幾ら何でも張り切り過ぎだと思うよ私は?……いや、私も全力は出してたけどさ。


「うぅ…腕が上がらない……」

「お、起きられない〜〜〜……」

「……動けません。」

「ほんとに……」


「限界超えて張り切り過ぎるからだよ?」

「何事も程々に……全力出すのは悪い事じゃないけど、連戦全部で全力全壊かましたら幾ら何でも持たないっての。」

「ルーちゃんとレーシャは何で平気なの?」

「其処は年長者のペース配分よ。」


ルールー的にはそうだろうけど、私に言わせれば『デュエリストはタフじゃなきゃやってられない』って所だね?――本気でタフじゃないと無理だし。
私も何度かお父さんのアクセルシンクロのスピードを体験してるから、身体の耐久力がヴィヴィ達と比べたら相当に高いのかもしれないけどさ。



んでさ、アイン、今回の模擬戦で何か得る物はあった?


「思いのほか得る物は多かったです。
 コロナさんのゴーレム創成に、リオさんの独特の格闘戦技、レーシャさんのカードを交えた格闘戦――何れも見事なモノでした。
 ですが、その中でもヴィヴィオさんのカウンター……特に1戦目で喰らった、あの右拳昇打は凄まじかったの一言に尽きます。
 反撃できたのも完全に偶然――一瞬で意識を刈り取られましたから。」


そっか。
だけどさ、スポーツとしての魔法格闘競技も結構熱くなれるでしょ?


「はい、色々と反省する事も有りましたし自分の弱さを知る事も出来ました。
 私の見て居たモノは、世界は本当に狭い物だったと、改めて思い知らされました。」


成程ね……だけど、今日の試合そのものは悪くなかったんでしょ?
だったら――ルールー。


「はいはい。
 今日の試合が悪くなかったって言うなら、この先こんなのは如何かな?――DSAA公式魔法戦競技会。
 出場可能年齢は10歳から19歳で、個人計測ライフポイントを使用した、限りなく実戦に近いスタイルで行われる魔法戦競技。
 全管理世界から集った、若い魔導師達が魔法戦で覇を競う――インターミドル・チャンピオンシップ。」

「!!」


お、顔つきが変わったねアイン?
私やヴィヴィ達も、今年から参加資格があるから出てみようかって言ってたんだよ。


「全国から魔法戦自慢が続々集まってくるんだって!」

「格闘系の人も居るみたいですよ?」


そう言う訳で、自分の魔法や格闘戦技が何処まで通じるのかって言うのを確かめるには、この上ない絶好の場所って訳。
今年はルールーも出るんだよね?


「勿論!」


やる気充分だね?



――ガチャ……



「はぁい皆〜〜、栄養補給のあま〜〜〜いドリンクだよ♪」

「あ、ママ!」

「なのはさん、メガーヌさん、ありがとうございます♪」

ヴィヴィ達みたいにぶっ倒れはしなかったとは言え、流石に疲れたのは間違いないんで、甘い飲み物は正直助かります。
うん、美味しい!甘めのはちみつレモンドリンクが身体に染み渡る〜〜〜〜〜!



「あら?インターミドルの映像?懐かしいわね〜〜〜。」

「アインハルトに出場の勧誘してたの!」

「そうなの?
 でも本当に懐かしいわ〜〜、昔を思い出すわね。」


昔って、メガーヌさんも出場した事が有るんですか?


「えぇ、学生時代にクイントと一緒にね。」


クイントさんて、ノーヴェやスバルのお母さんだっけ?
確か今は、シンクロ化したノーヴェとスバルをオーバーレイしてエクシーズするとクイントさんが降臨するんだよね……如何してそうなった!?
クイントさんの魂は、スバルとノーヴェの中で生きてるって事なのかな?良く分からないけど。


「都市決勝ではクイントと戦ったりもしたのよ?
 そうそう、その時の画像データは残ってるから、良かったら後で見てみましょうか?」

「はい!」

「是非に!!」


で、気付けば何時の間にやらクイントさんvsメガーヌさんの試合の映像を見る事に。
スバルとノーヴェのお母さんと、ルールーのお母さんのガチバトルか……何だか凄い戦いを期待しちゃうのは、多分私だけじゃないと思うな。








――――――








Side:ノーヴェ


「インターミドルか……」

「アインハルトも参加してくれると、健全で良いんだけどね?」


だな。
つーか、今日の試合で確信したよ……アイツが求めてんのは、やっぱりアスリートとしての強さだって。

「決して命のやり取りとか、削り合いじゃねぇし、何かをするための力でもねぇ。
 ただ純粋に、練習重ねて、自分を高めて、公正なルールの中で相手と競い合う――アイツが求めてるのはそんな世界での強さだ。」

「相手に勝って自分にも勝つ……そんな世界だね?」


そう言うこった。
ま、まぁ、アイツ等がインターミドルに参加するってんなら、アタシも覚悟は決めなきゃならないんだけどな。


「ちゃんとヴィヴィオ達の『師匠になる』って事でしょ?」

「い、いやいや、今更師匠面するとかそう言う気は全くねーんだけど、出場者のコーチやらセコンドやらに記名も必要だしさ?
 だけど、只名義貸しってのもなんか中途半端と言うか、無責任な感じがするからよ!!」

「まぁ、其れは分かってるから落ち着け。」


稼津斗の旦那……


「誰かの師となると言うのは、重大な責任が伴うし、大変な事だし、まぁ、相手が見知った仲故に気恥ずかしさがあるのも理解できる。
 だが、伸び盛りのあの子達にとって、自身を導いてくれる師と言う存在は存外大事なモノなんだ――其れが俺でもお前であってもな。」

「そうそう!
 それに、ヴィヴィオ達は何時もノーヴェと稼津斗さんが師匠だって言ってるし――何よりノーヴェも自分の未来を模索中でしょ?
 局員止めて嘱託扱いだけど、この先がどうなるかは分からない……だったら、ヴィヴィオ達と一緒にこの先の道を探していけばいいよ。」


……そうだな。ありがとよ、スバル。


「こうしてみると、やっぱりスバルはノーヴェのお姉ちゃんよね♪」

「姉です!」

「つっても双子だからな!?」

ま、別に良いけどよ。








――――――








Side:レーシャ


此れは此れは……皆の話を聞いて、アインは相当に出場の方向に心が傾いてるみたいね?
デュエリストでも格闘家でも、まだ見ぬ強敵が居ると知れば心が沸き立つし、戦ってみたいって思うのは最早本能みたいなものだもん。


「どう?出たくなって来たアインハルト?」

「えっと、その………」


此れはもう一押しあれば行けるかな?
競技格闘の世界に行ければ、アインも色々目標が出来て良いと思うんだけど――


「アインハルトさん!!大会予選は7月からですから、私もマダマダ鍛えます。
 だから今よりももっともっと強くなって――公式試合のステージで、アインハルトさんと戦いたいです!!」

「………ありがとうございますヴィヴィオさん。インターミドル、私も挑戦させていただきます。」

「はい!」


よっし!ナイスヴィヴィ!!
多分狙った訳じゃないだろうけど、アインはストレートに気持ちをぶつけられるのには弱いみたいだから、おかげで出場に踏み切ってくれたわね。


「あれ?そう言えば出場資格は――

「年齢と健康面は問題なくオッケーよね?」

「コーチとセコンドは、ノーヴェと稼津斗師匠が全員分引き受けてくれるそうですよ?」


そっか、あの2人なら問題ないし、安心だね。
だけど、あれ?出場資格ってか規定ってまだなかったっけか?


「あと、もう一つ――此れは今も変わってないわよね?
 『安全の為にCLASS3以上のデバイスを装備する事』って言うのは……」


そう、其れ!
アインてデバイスは?


「デバイス……持ってないです。」

「あら?だったらこの際に作っておかなきゃ。」

「ですが、真正古代ベルカのデバイスを作るのは難しいかと……」


フッフッフ………其れがそうとも言えないんだなぁ此れが!!


「レーシャさん?」

「自慢じゃないけど、私のお母さんと、その騎士さん達は次元世界にその名も高いバリッバリの真正古代ベルカの大集団!
 加えてお父さんは、管理局技術部の主任顧問、通称『チーフ』だから、真正古代ベルカのデバイスだろうと問題なく作れるはずだよ!!」

お母さんなら、ノリノリで引き受けてくれるだろうからね♪








――――――








Side:はやて


「んん?」

「如何した、はやて?」


いや、今誰かに呼ばれたような気がしたんよ?――一応聞いとくけど、遊星は呼んでへんやろ?


「呼んでないが――若しかしたら、レーシャ達が合宿先で俺達の噂でもしてたのかもしれないな。」


其れが次元を超えて、空耳的に私の耳に聞こえて来たって?幾らなんでも其れはないんとちゃうかな?


「如何かな?親子の絆は、時に現世と冥界の境界すら超えての邂逅を可能にするからな?
 其れに、俺から見ても、はやてとレーシャは物凄く仲が良さそうに見えるから、あながちないとは言えないんじゃないかと思うが………」


まぁ、そう言われたら其れまでや。
てか、自分の子供を愛さない親は居てへんやろ?遊星かて、レーシャに、遊陽にシュターム――子供達の事を愛してるやろ?


「勿論だ。そして、それ以上に、お前の事を愛しているけどな。」

「はいぃぃ!?///

ぐ……流石やな遊星、そんなこっぱずかしいセリフを素で言えるとは……流石は極上イケメン、半端やないで。


でも、だからこそ私は此処に高らかに宣言する!!私の旦那は世界一ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!


「……取り敢えず食事にしないか?」

「せやね。」

遊星と2人きりって言うのもあんましない事やし、レーシャ達が帰ってくるまでは堪能させてもらおかな?――ほな、いただきます♪














 To Be Continued… 








*登場カード補足