Side:レーシャ


「激しい戦いとか、嬉しい事や悲しい事とか色んな事が有って、それらを全部ひっくるめて今がある……
 そう思ってたんやけど、なんだってこないな事になってんねん?大体何で大人モードで私なん?こう言っちゃなんやけど普通はプレシアさんやろ?


え〜〜〜とですね……ぶっちゃけて言うと、私の中での最強のイメージはお父さんとお母さんな訳で、この姿なんです。
プレシアさんは確かに次元世界最強の魔導師とも言われてたみたいだけど、私には実感がないし、こっちの姿の方がしっくりくるんだよお母さん♪

それにね、前から練習してたし、こっちの姿の方が格闘の練習やシュミレーターでのライディングデュエルはやり易いからね。
実を言うと、格闘と魔法の練習がしやすいって事で、ヴィヴィも大人モードになれるようになってるし……それにレリックとかはもう関係ないから。


「ん〜〜〜〜……成程なぁ?見た目は私で、そんで遊星と同じマーカーを顔に入れたと……
 しっかしなんや、こうして見るとまるで格闘ゲームの同キャラ対戦みたいやなぁ?」

「確かに言えてるかも知れないな……或は見た目が酷似した性能違いキャラとも言えるかな?」


後者の方がしっくりくるかもしれないよお父さん。

まぁ、伝え忘れてたのはごめんなさいだけど、大人モードになっても私が私である事に変わりはないから安心してよお母さん?

「其れにですよ?確かお母さんだって、今の私の年くらいの時には結構過激な事をしてたって聞いてるんですけれど?」

「「けれど〜〜〜?」」

「う……まぁ、次元世界渡って『一狩行こうぜ』的な事をした事はあるし、なのはちゃん達と世界の危機救ったりしてたからなぁ………」


ほら、私の大人モードよりも全然凄い事してるじゃない?……っていうか、其れは如何考えても一般的な子供時代とはかけ離れてると思うよ……











遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow2
『動き始めるViVidな世界』











「まぁ、確かにそうやなぁ……せやけどそないな事言ったら遊星なんて存在自体が珍獣になってまうで?」

「お父さんはもう色々規格外で、ある意味で『進化した人類』とも言えるから何でもありだと思います!」

「「ます!!」」

「進化した人類……装備カードで作っても良いかもしれないな。」


進化する人類の互換版で?……って、自分が珍獣扱いされてる事にはスルーですかお父さん……流石と言うか何と言うか。
んん……其れは兎も角として、この姿って本当に便利だし、大人の視点て言うのも楽しいよ♪


「そか……なぁレーシャ?その変身魔法はレーシャの魔法やからとやかく言う心算はないんやけど、幾つか約束して貰えるかなぁ?
 その姿、絶対に必要な時以外は使ったらアカンよ?……なんぼ便利な魔法や言うても、便利やからこそ必要な時以外は使ったらアカン。
 ……約束してくれるか?」

「……はい。」

「星に誓って?」

「星と、お父さんとお母さんに誓って!」

「……其れなら良し!!
 でもってやレーシャ、実はプレゼントはデバイスだけやないんや……此れも渡してえぇよね遊星?」

「あぁ、恐らくは其れはレーシャの持つべきモノだと思うからな。」


へ?リラ以外にもプレゼントがあるの!?――其れは嬉しいサプライズだけど、一体何かなぁ?


「これや。」

「?……白紙のシンクロモンスターのカード?」

「このカードは、シュタームと遊陽が生まれた日に、T&Hのカード製造機が生み出したモノらしいんだ。
 名前もイラストもないシンクロモンスターのカード……恐らくこのカードは、持つべき者の手に渡った時に初めてその姿を現すカードなんだろう。」


えぇ!?そんな事ってあるの!?
でも、だとしたら何で此れが私のカードだって分かるのお父さん!?


「あるんだ……例えば俺の切り札である『シューティング・スター・ドラゴン』も、俺が手にした時に初めてその姿を現したカードだ。
 他にはジャックの『スカ―レッド・ノヴァ・ドラゴン』、龍亞の『ライフ・ストリーム・ドラゴン』なんかが其の類だな。
 そして、何でそのカードがレーシャのモノだって分かるかと言われれば……其れは俺のデュエリストとしての勘と……」

「私の魔導師としての勘やね。
 もっと言うと其れ等に加えて、T&Hのスタッフ全員が触れてもカードは白紙のままだった事って言うのもあるけどな。ヴィヴィオ達も同様に白紙のままやったしね。


つまり最終候補が私って言う事でもある訳だね。

うっわ〜〜〜、其れって何かドキドキだよ!!
本当に此れが私のカードなら、一体どんなカードなんだろう?……ワクワクするなって言うのが無理だよね!!



――パァァァァァァァ……



!!私が触れた途端に、カードが光ってイラストとテキストが!!……『銀河眼の閃光龍(ギャラクシーアイズ・シャイニング・ドラゴン)』……本当に私のカードだったんだ……!!
今の切り札の『ギャラクシーアイズ・FA・フォトンドラゴン』の纏ってる鎧を白銀にした感じの銀河眼のシンクロモンスター……私の求めてたエース。


『グルルルル……!!』


!!今のは……貴方なの閃光龍!?
……宜しく頼むって所かな?寧ろ此方こそ、此れから宜しくお願いしますだよ。


「如何やらレーシャのカードで間違いなかったみたいやなぁ?」

「あぁ、しかも『精霊』が宿ってるカードだ……聞いたんだろ、そのカードの声を……」


うん!!しっかりバッチリ聞いたよ!

「ありがとう、お父さん、お母さん!!此れでやっと私のデッキが納得いく形になったよ!
 つきましてはお父さん……何時の日かこのデッキでお父さんを倒すから覚悟しておいてね!!」

「あぁ、何時でも挑んで来い――そして何時の日か、俺を超えるデュエリストになって見せろ。」


勿論その心算!
勿論お母さん以上の魔導師にだってなってみせるよ!!……あ、だけど稼津斗さん以上の格闘家はちょっと無理かも……


「そら無理や、不可能や……アレを超えるには人間を辞めるしかあらへんて……」

「なのはの集束砲は都市を破壊するが、アイツの一撃は星を破壊するからな……」


マジですか?……途轍もないチートキャラだと思ってたけど、本気で私とヴィヴィ達の師匠ってトンでもないんだねぇ……








――――――








Side:ヴィヴィオ


へ〜〜〜〜、其れじゃああの白紙のカードはレーシャのカードだったんだ?


「うん!おかげでやっとデッキがしっくりいく形になったよ!
 此れなら満足な動きが出来るし、近い内にT&Hにショップデュエリストの認定デュエルをお願いする心算だよ♪」


いよいよレーシャもデュエリストとして本格デビューって事だね。


時に、レーシャもデバイス貰ったんでしょ?……大人モードはどんな感じだった?


「お母さんが少しばかり暴走しました!!」

「あはは……家もフェイトママがちょ〜〜〜〜〜〜〜〜〜っと暴走したかなぁ。」

まぁ、私の大人モードは聖王だし、レーシャの大人モードは八神司令だしねぇ……そりゃ、驚くなって方に無理があるよね。
だけど、これで魔法や格闘技の練習はやり易くなったよ♪


「だね〜〜〜。私はライディングデュエルも出来るしね♪」


じゃあ、早速今日の放課後は大人モードでジムでスパーリングしようか?
リオとコロナも一緒に来るでしょ?


「もっちろん!大人バージョンのヴィヴィオ達とも戦ってみたいからね♪」

「其れに、デバイスの試験運用も兼ねてるだろうから、私達なら良いレベルだと思うし。」


なら、決まりだね♪
ふふふ、大人モードでの練習って言うのも少し楽しみだなぁ♪








――――――








――
その夜…



Side:ノーヴェ



ふ〜〜〜……すっかり暗くなっちまった。
ったく、あのチビ共はヤル気は人一倍あるから、やるとなったらトコトンやるんで、逆にこっちが疲れちまう……稼津斗の旦那は平気だけどな。

だけど、ヴィヴィオもレーシャも巧い事大人モードを使ってやがったから、あれなら少し鍛えれば良い使い手になるのは間違いねぇな。



――んで、アタシに何か用か?



「……気付いていましたか……」

「ハッ、んな分かり易い闘気に勘付かねぇ間抜けじゃねぇよ。
 ………その容姿――巷を騒がしてる『通り魔』か?……今度の獲物がアタシとは、随分買われたみたいだなアタシも……!!」

「……ストライクアーツ有段者、ノーヴェ・ナカジマさんで間違いありませんよね?」


さぁな?
だけどな、人に名を訪ねるなら、先ずはアイバイザーを外して素顔を見せやがれ、でもってそっちから名乗れ――其れが礼儀ってもんじゃないのかよ?


「此れは失礼しました……確かに無礼でしたね……ハイディ・E・S・イングヴァルド――『覇王』を名乗らせていただいています。」


やっぱり噂の奴か……如何やらトンでもない貧乏くじを引いちまったみたいな――まぁ、やるってんなら返り討ちにしてやるけどな…!!!








――――――








――
同刻



Side:ディエチ



T&Hでのイベントデュエルに参加してたらすっかり暗くなっちゃったね。
出来れば早く帰りたいんだけど――どうにもそうは行かなさそう……私の前に現れたデュエルディスクを装着した小柄な男の子。

「若しかしなくても、巷を騒がせてる辻デュエリストだよね?」

「辻デュエリスト……否定はしないぜ!!
 お前、T&Hのショップ認定デュエリストのディエチだよな?……俺とこの場でデュエルして貰うぜ!!」


デュエルなら受けて立つけれど……貴方は一体誰なの?


「デュエリストだ……勝手ながら『武藤遊戯』を名乗らせて貰ってるけどな!!
 だけど、俺は間違いなく遊戯のデュエルが出来る……お前には俺の踏み台になって貰うぜ!!!」


其れは無理かな?
自慢じゃないけど、お兄ちゃんに鍛えて貰ったから、私のデュエルの腕は中々だよ?――甘く見てると痛い目にあうからね?


だけどそれ以上に『武藤遊戯』を名乗るのはいただけないかなぁ?

お兄ちゃんが借りて来たバトルシティのDVDを見たけど、あの人は多分お兄ちゃんや遊星さんよりも強い。
其れだけの人の名を、辻デュエリストが名乗るなんて言うのはおこがましいにも程があると思うなぁ?


何よりも、デュエリストと見れば、誰彼構わず無理矢理デュエルを強制するなんて言う事は、絶対に間違った事としか言いようが無いよ?


だけど、捜査中の事件の犯人が態々あらわれてくれたのは僥倖かな?
このデュエルに勝って、貴方を拘束させてもらうから。――果たして何を思って『武藤遊戯』の名を語ったのかも聞かなきゃならないしね。


けど、一つだけ言うなら――貴方じゃ私に勝つ事は出来ないよ?――其れを証明してあげるよ、遊戯を名乗る辻デュエリストさん!










 To Be Continued…