Side:コロナ


「あり?もう追いかけっこは終わり?」

「うん、あんまり空での戦いは得意じゃないから、此処で戦う事にするよ。」

スバルさんのウィングロードから降りて、私とリオは再度対峙する。
分かり切ってた事だけど、私じゃリオと本当の意味で正面切って戦う事は出来ない――ううん、リオに限らずこの模擬戦に参加してる誰ともね。

だからこそ私は戦いの場を空から地上に移した。
だって、此処だったら私の力が思う存分使えるから!


「そんで、此れから如何すんの?」

「私のとっておきを見せるよ。」

リオのパワーは兎に角すごい。
其れこそパワーだけなら稼津斗さんが『純粋な腕力だけなら自分と同等』って言ったくらいで、其れが大人モードになってるなら絶対に敵わない。

それ以前に、私は格闘も魔法戦も其れほど得意じゃない。



だけど、そんな私にだって一つだけ誇れるモノがある。
1年生の時にレーシャとヴィヴィオが褒めてくれて、其れが嬉しくてずっと磨き続けて来た私の特技。

土にクリスタルの核を埋め込んで自分の思い描いた姿を作り出す――そう、此れが私のゴーレムクリエイト!!!

「お願いゴライアス!!」

『グオォォォアァァァァァァァッァアァッァ!!!』


「おぉ!!カッコいい!!――良いねコロナ、本気でやろうか!!」

「うん、ゴライアスの出力も加減はしないから――本気でやろうリオ!!」









遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow18
『Q:模擬戦の定義とは何か?』











Side:レーシャ


コロナがゴーレムを呼び出したって事は、リオのパワーはコロナの巧さだけで如何にかなるってモノじゃなかった訳か……リオのパワー恐るべし。
だけど此れで漸く、リオとコロナも互角状態って所かな?

私とツヴァイさんは言うに及ばず、ヴィヴィとアインをはじめとした皆が、互いに決定打を与えられない拮抗状態になってるからね。



――ガキィィィィン!!


「く……小柄な体格ながら重い蹴りですね?
 大人モードになって無かったらガードの上からでも蹴り倒されてたかも知れないですよ?」
レーシャ:LP3000→2800


「体術はザフィーラ直伝ですから!
 それに、幾らレーシャの大人モードがはやてちゃんその物だって言っても、戸惑う理由にはならないですからねぇ?……ガンガン行くのです!」


其れは逆に願ったりかなったりですけどね!
寧ろ、私の大人モードに怯む程度の人じゃ相手にもなりませんから……だけどツヴァイさん、何か忘れてませんか?


「忘れてる…ですか?」

「貴女の相手は私だけじゃないんですよ?」

「!!しまった……!!」


気付いた所でもう遅い!
銀河眼の光子竜、ツヴァイさんに攻撃!『破滅のフォトン・ストリーム』!!


『ゴアァァァァァァァァァァァァァァァァァッァァァァァァァアァァァァァァァ!!!』


――ドガバァァァァアァァァァッァッァァァァン!!



よし、一寸の狂いなくクリーンヒット!此れは流石に効いたでしょうツヴァイさん?



「むぅぅぅぅ……ぷっはぁ!!殺す気ですか!!
 ギリギリで盾で防いだから地面にめり込む程度で済みましたが、並の人間が今のを喰らったら全身複雑骨折の危険性すらありますからね!?」
ツヴァイ:LP2700→2100(クラッシュエミュレート:右足首捻挫)


ゴメン、ちょっとやり過ぎたと思ってる。尤も反省はしても後悔はないけど。
だけどツヴァイさん、今の私の攻撃なんてまだまだ生温いと思わない?現在私達の頭上で行われてる『チート同士の最強決定戦』に比べれば。



「斬り裂け、羅刹葬爪!

「迎え撃て、ブラッディダガー!!


――バガァァァァッァァァン!!!



「其れは言えてるかもですけど、お姉ちゃんと稼津斗さんのバトルには突っ込んじゃいけない気がするです……何と言うか本能的に!!」

「チート無限の永久禁止カードの精霊と、元封印指定のロストギアの戦いに突っ込んじゃいけなかったか……」

と言うか、あれだけ激しく打ち合ってて未だにライフが無傷って、一体どれだけの攻防一体の戦い方をしてるんだか甚だ疑問だわ。
まぁ、師匠とアインスさんの戦いの流れ弾だけには注意しとこう――流れ弾が当たっただけでも一撃でライフ0になりかねないしね。


さてと……クラッシュエミュレート発生した直後で悪いんですけどガンガン行きますよツヴァイさん?


「はいです!…とは言え、レーシャと銀河眼を1人で相手にするのは辛いですからね?仲間を呼ばせて貰うですよ?」

「仲間?」

「はい、一目見たその瞬間にそのカッコよさに惚れたです!出でよ『混沌帝龍−終焉の使者−』!!」

『ガオアァァァアッァァァアァァ!!!』
混沌帝龍−終焉の使者−:ATK3000



はいぃぃぃぃぃぃ!?何召喚してんのツヴァイさん!?元祖禁止モンスターの呼び声高い混沌帝龍ってマジですか!?
あんまりにも強力すぎるって事で、お母さんが効果のエラッタをして今は使えるようになったけど……迫力がハンパねぇわ此れ……


「フッフッフ、テキストエラッタで使用可能にしてくれたはやてちゃんには感謝感激なのです!
 おかげでこの超カッコいいドラゴンが使えるですからね?……さぁ、続きと行くですよレーシャ!!」

「望むところ!行け、銀河眼の光子竜!『破滅のフォトン・ストリーム』!!」

『ガァァァァァァァァァァァァ!!!』


――ドガァァァァァァァァアァァァァァアッァァ!!!!




「迎え撃つです混沌帝龍!『グレイブヤード・ヘルフレイム』!」

『グオォォォォォォォォォ!!!』


――ゴォォォォォォォォォォォ!!!




まさか混沌帝龍を呼び出してくるとは思わなかったな〜〜。
確かに混沌帝龍はカッコいいモンスターだから、ツヴァイさんが気に入るのも納得だけどね――だけど、だからって負ける気は一切ないからね?

何よりも私の大人モード――大好きなお母さんを模したこの姿で負ける事は出来ないから!

「覇ぁぁぁぁぁっぁぁ…!お母さん直伝!!バルムンク!!

ううん、例え負けるにしても悔いなく戦わないとだからね!








――――――








ヴィヴィオ:LP2600
アインハルト:LP2600



Side:ヴィヴィオ


アインハルトさんはやっぱり強い。
格闘技の腕に限定したら、間違いなく私はマダマダ敵わないだろうけど――魔法戦も有りならそうとは言えない!

自慢じゃないけど、私のママは管理局のエース・オブ・エース!其のママに直接魔法の教えを受けてるんだから魔法戦なら負けはしないよ!
超高速弾幕で隙を作って畳み掛ける!!

ソニックシューター・アクセルシフト!!

なのはママの誘導射撃に、フェイトママのスピードをプラスした私のオリジナル魔法――受けきれますかアインハルトさん!!



――ドォォォォォォン!!!



「覇王流、旋衝破。


――ギュルルルルルッルルル……


へぇぇえ!?魔力弾丸を受け止めた!?
ううん、受け止めただけじゃなくてこれは―――!!


「破!!!」

「っとぉ!!!」


投げ返してくるなんて予想外すぎるよ!?
確かに稼津斗師匠が『理論上は魔力弾や気弾を掴んで投げ返す事は可能』とは言ってたけど、まさかそれを実戦で使ってくるとは思わなかった。

それ以前にアレだけの魔力弾の軌道を全部読んで、その上で受け止めるなんて並大抵のトレーニングを行って出来るようになる事じゃない。
……アインハルトさんはきっと、私では想像もつかないような苛烈な訓練をして来たんだ。


「咄嗟に蹴り飛ばすとはお見事ですヴィヴィオさん――正直、今のカウンターが決まれば其処から一気に押し切る心算だったのですが……」

「私の方こそ驚きましたアインハルトさん。
 射撃で足を止めてと思ったんですけど……覇王流に飛び道具はあまり効果が無いみたいですね?」

「今の射撃は見事でしたが、覇王の足を止めるには至りません。」


成程……アインハルトさんを止めるには、魔法戦じゃなくて純粋な格闘戦で落とすより他はないと言う事ですか?
そうなると些か旗色が悪いんですけど……格闘戦であっても勝てないまでも、互角に渡り合う事は出来るんですよアインハルトさん!!


――シュン!!


「!?」

「こっちです!!」

「何時の間に!!」


――ガキィィィィ!!


「く……!!」
アインハルト:LP2600→2100



如何ですか?まだまだ完成には程遠いですし、見様見真似にもならないレベルですけど『二刀小太刀御神流』の奥義の一つ『神速』です。
如何にアインハルトさんと言えど、見えない攻撃に完全に対処する事は出来ないですよね?


「攻撃の際の濃密な闘気に気が付かなければ、今の延髄切りで終わっていました……何とも恐ろしい技です。」

「士郎お爺ちゃんや恭也おじさんが使う『神速』はこの比じゃないですけどね。
 見せて貰った事が有りますけど、本物の『神速』は見切るとか感じるとかそう言うのを超越した、本気の速度の世界の話なんですよ……」

「失礼ですがヴィヴィオさん、そのお爺様と小父様は『人間』ですよね?」

「多分人間だと思います……」

自信を持って言えないのがアレなんですけどね。
……って言うか、普通に考えると常識外れの『単騎で戦える砲撃魔導師』で、普通に都市破壊の一撃を放てるなのはママも相当人間辞めてる?



あはははは……割と私の周りは常識はずれが万歳だったみたいだね……
よくよく考えれば、レーシャのパパは不動博士で、ママははやて司令な訳で……チート集団が止まらないよ!!


まぁ、そのお蔭でどんな相手にも気おくれだけはしないで済みそうだけど!!


「破ぁ!!!!」

「てぇぇえぇぇええい!!!」


――ガキィィィィィン!!


「此処からは一切の小細工はなしで、本気でやりあいませんかアインハルトさん?」

「望むところですヴィヴィオさん……覇王の拳は格闘戦でこそ、その真価を発揮しますから。」


そうこなくっちゃ!
私の持てる全ての力を使ってアインハルトさんと戦うんだ!――なのはママから教わった『全力全壊手加減なし』でね!!



――バキィィィィ!!!


「くぅ!!」
ヴィヴィオ:LP2600→2100


「かはっ!」
アインハルト:LP2500→2100


絶対に負けませんからね、アインハルトさん!!








――――――








Side:なのは


状況は思った以上に拮抗してるね?私の予想以上にヴィヴィオが頑張ってるのが大きいかな?
私の予想では、ヴィヴィオはアインハルトちゃんとのバトルで大ダメージを受けて、ルールーの回復をされていた筈だからね?


だけどヴィヴィオは、アインハルトちゃんの反撃に対処し、更には不完全ながらも『神速』を使ってアインハルトちゃんのライフを削って見せた。

つまり状況は未だ大きく動いてはいない――となると此処が逆に攻め時かな?

大きなのを撃つのは数の均衡が崩れた時と思ってたけど、如何やらそうも言ってられないみたい。
此れだけ均衡した闘いだと、ドレだけ相手の戦力を削るかが大事になってくるからね?――レイジングハート!!!



『All right Master.Starlight Breaker Drive ignition.』



OK、其のまま発射待機状態を維持して何時でも撃てるようにしておいて。
撃つべきは、ヴィヴィオとアインハルトちゃん、或はレーシャちゃんとツヴァイの拮抗が崩れたその瞬間!…纏めて殲滅してみせようかな♪


けどまぁ、勝敗はどうあれ、この模擬戦はヴィヴィオ達にはいい経験になるだろうね、間違いなく。





さてとティアナ、司令塔としてドレだけ成長したか見せて貰うよ?――私をがっかりさせないでね?……その心配は不要かも知れないけどさ。















 To Be Continued… 








*登場カード補足