レーシャ:LP2000    SC1
銀河眼の閃光龍:ATK3600(ギャラクシーランサー+自身の効果)
幻獣神-蒼龍:ATK2800(ギャラクシーランサー効果)


イナミ:LP2700    SC6




Side:レーシャ


さてと、2体のレベル8シンクロモンスターを従えてる私の方が、傍目には有利に見えるかも知れないけど、イナミのパラサイト戦術は、相手が強力なモ
ンスターを従えていればいるだけ、その真価を発揮する訳だから、上級モンスター2体で浮かれてる事は出来ないわ。
カードを1枚セットしてターンエンド!!



「俺のターン!」


レーシャ:SC1→2
イナミ:SC6→7



「スピードワールド2の効果発動!スピードカウンターを7個取り除いて、デッキからカードを1枚ドローする!!」
イナミ:SC7→0



で、返しのターンで手札を増やして来たか――上等じゃないのよイナミ……貴方の寄生戦術の全てを、見せて貰うとしようじゃない?……そして、それを
超えて、私は貴女を粉砕する!!
私の全力の全てを持ってして、相手になるわイナミ!!――雷が、アンタを呼んでるぜ!



「なら朽ち果てろ……潔くな!」

「行くぜ!!」

本番は此処からだ……このデュエル、絶対制して見せる!!と言うか、此の大会を制覇出来ないようじゃ、一生お父さんには勝てないだろうからね!









遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow113
『No Limit Max Duel!!』










でも、だからと言って此の大会を低く見てるなんて言う事はないわ……レベルアップしてきた乱堂に、死霊使いのサオリと、今まで戦って来たのは強敵
揃いだったし、今戦ってるイナミのレベルは相当の物だわ。
おまけに、自分のデッキを徹底的に磨いて来たイナミは、間違いなく真のデュエリストだろうと思うからね。



「真のデュエリストか……何時の日かそう呼ばれてみたいもんだ、道は遠いがな。
 だからこそ、お前を倒せば更なる高みに上れるであろう事は間違い無いと俺は思っている――が、お前も俺を倒して更なる高みへ上る心算だろう?」

「其れは勿論。何たって、当面の最終目標はお父さんな訳だし。」

「大きな目標だが、お前ならば不可能ではないかもしれないな。
 だが、其れは兎も角として、このデュエルは俺が勝たせて貰う!俺は、『寄生生物ナイトメア』を召喚!」
寄生生物ナイトメア:ATK0


「寄生生物ナイトメアの効果発動。
 このカードの召喚に成功した時、相手の墓地のモンスター1体を選択して俺のフィールド上に特殊召喚し、このカードを装備する。そして、このカードを
 装備しているモンスターが、相手に戦闘ダメージを与えた時、俺はデッキからカードを1枚ドローする。
 この効果で、お前の墓地の『銀河眼の光子竜』は貰うぞレーシャ!」

『ガァァァァァァァァアッァ!』
銀河眼の光子竜:ATK3000(寄生生物ナイトメア装備)




今度は死者を奪う寄生生物……フィールドのモンスターを奪うだけじゃなく、墓地のモンスターに寄生するモンスターも居たって訳か。
基本コンセプトは『相手のモンスターを奪う』事でも、その方法は一種じゃないって言う事ね?――一筋縄では行かない寄生者……燃えるじゃないの!



「バトルだ!銀河眼の光子竜で、幻獣神-蒼龍に攻撃!『破滅のフォトン・ストリーム』!」

「ところが、そう簡単には行かないんだよね此れが!
 リバースカードオープン!トラップカード『くず鉄のかかし』!相手モンスター1体の攻撃を無効にする!かかし先生の信頼度は世界一ぃ!!!」

「そのカードを此処で……本当に、お前のライフを0にするのは簡単ではないらしい。
 カードを2枚セットしてターンエンドだ。」

「私のターン!」


レーシャ:SC2→3
イナミ:SC1→2



銀河眼の光子竜の効果を使えば、1度は戦闘を回避できるとはいえ、他にモンスターが居ないイナミは1度戦闘を回避した所で次のダイレクトアタックを
喰らうのは確実。
でも、それを易々とさせるとは思わないから、あの伏せカードは戦闘ダメージを軽減するカードか、或は迎撃系のカードである可能性が高いんだけど、こ
こで攻め手を緩めるなんて、私的にあり得ないから攻めあるのみだわ!
頼むわよ『スター・ブライト・ドラゴン』


スター・ブライト・ドラゴン:ATK1900


スター・ブライト・ドラゴンは召喚時に自分フィールド上のモンスターのレベルを2つ上げる事が出来るけど、この状況ではその効果を発動する必要はな
いから、効果は発動しない。
だけど、これで貴方のライフを削る事の出来る布陣を揃えられたわイナミ!此の3体の攻撃を受けきる事は出来ないでしょ?



「そう思うか?……所がそうでもないんだな此れが!
 トラップカード『威嚇する咆哮』!このカードの効果によって、このターン相手は攻撃する事が出来ない!!」



うげ……マジで?
攻撃出来ないんじゃ意味ないじゃない……カードを2枚セットして、ターンエンド!!



「俺のターン!」


レーシャ:SC3→4
イナミ:SC2→3


「手札からスピードスペル『Sp-等価交換』を発動。
 俺のスピードカウンターが3個以上ある時、手札を全て捨て、新たに5枚の手札を得る――エンドフェイズに俺のスピードカウンターは0になるがな。」



此処で手札の入れ替え?……一体何を狙ってるのかしら?



「だが、此れで俺の最強モンスターを召喚する準備が出来た!
 俺は、墓地の『究極寄生者-パラサイト・イヴ』『寄生者-フュージョンのメリッサ』『寄生者-シンクロのイヴ』の3体をゲームから除外し、エクストラデ
 ッキから、『超越寄生生物-パラサイト・インベーダー』を特殊召喚する!!」

『ギシャァァァァァァァァァァァ!!』
超越寄生生物-パラサイト・インベーダー:ATK0



「!!」

狙いは此れか!
召喚条件に必要なモンスターを墓地に送るための手札入れ替えだったって言う事ね?……しかも、呼び出したが『超越寄生生物』とは、ワクワクして来
るじゃないのよ!



「パラサイト・インベーダーの効果発動!
 このカードの特殊召喚に成功した時、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター全てのコントロールを俺に移す!」

「何ですとぉ!?」


銀河眼の閃光龍:CTLレーシャ→イナミ
幻獣神-蒼龍:CTLレーシャ→イナミ
スター・ブライト・ドラゴン:CTLレーシャ→イナミ



私のモンスターを根こそぎ持って行くとは、流石は超越寄生生物……生半可な強さじゃないわね――けど、私のモンスターを奪うだけじゃないわよね?



「無論だ。
 パラサイト・インベーダーの攻撃力は、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカード以外のモンスターのレベルとランクの合計値×200ポイント
 アップする。
 俺のフィールド上の、パラサイト・インベーダー以外のモンスターのレベル合計は28……よって、パラサイト・インベーダーの攻撃力は5600!!」
超越寄生生物-パラサイト・インベーダー:ATK0→5600



更に攻撃力アップ効果も!!……相手が上級モンスターを展開して居る程、自身のコントロール奪取効果と合わせて攻撃力が高くなる訳か。



「此れでお前を護るモンスターは居ない……終わりだレーシャ!
 超越寄生生物-パラサイト・インベーダーで、プレイヤーにダイレクトアタック!『パラサイト・ブレイク』!!」

「トラップカード『くず鉄のかかし』!!」

「悪足掻きだ!トラップカード『トラップ・スタン』!これで、くず鉄のかかしは無効となる!!――俺の勝ちだ!!」

「……其れは如何かな?」

「何?」



確かにかかし先生を無効にされたら私の負けは確定――てか、1体の攻撃をかかしで無効にしたところで後続があった訳だからね。
だけど、勝利に焦ってミスしたねイナミ?――かかしを無効にしなくても、私のライフを0にする事は出来たんだからトラップ・スタンはもしもに備えて温存
しておくべきだったわ。



「!!……だが、くず鉄のかかしを無効にされたお前に、この攻撃を防ぐ手段はないはずだ!」

「確かに、私のフィールド上に攻撃を躱すカードはない……でも、手札には如何かなぁ?
 手札より『ホワイトハネクリボー』の効果発動!手札の此のカードを捨てる事で、このターンに私がダイレクトアタックで受けるダメージは0になる!」

『クリクリーーー!』



「ダイレクトアタックのダメージを0にするモンスターを手札に持っていたとは……!
 だが、ライフアドバンテージもボードアドバンテージも勝っているのは俺の方だ――この状況を覆せるものならば覆して見せろレーシャ!
 カードを1枚セットして、ターンエンド!」
イナミ:SC3→0



言われなくてもその心算よ!私のターン!


レーシャ:SC4→5
イナミ:SC0→1




手札からスピードスペル『Sp-死者蘇生』を発動!
私のスピードカウンターが5個以上ある時、墓地のモンスターを特殊召喚する!舞い戻れ『ホワイトハネクリボー』



ホワイトハネクリボー:DEF200



そして、チューナーモンスター『黄昏の堕天使-Morugana』を召喚!


出番か……
黄昏の堕天使-Morugana:ATK0


行くわよ……今こそ、2枚目の白紙のカードが覚醒する時!
レベル1のホワイトハネクリボーに、レベル1の黄昏の堕天使-Moruganaをチューニング!
銀河を翔ける彗星が、此処に未来の希望を紡ぐ!光射す道となれ!進化の担い手、シンクロチューナー『フォトン・フォース・クリボー』!!


『クリクリーーーー!!』
フォトン・フォース・クリボー:ATK300



フォトン・フォース・クリボーのシンクロ召喚に成功した時、自分の墓地のカード1枚を選択して手札に加える事が出来る。
私はこの効果で、墓地の『Sp-死者蘇生』を手札に加え、そんでもって『Sp-死者蘇生』を発動し、墓地の『ジャンク・バーサーカー』を蘇生召喚!!


『ナマハゲミデッカラナァァァァァァ!!!』
ジャンク・バーサーカー:ATK2700



「この局面で、新たなシンクロチューナーを展開し、更に上級モンスターを蘇生して来るとは大したもんだ。
 だが、バーサーカーでスター・ブライト・ドラゴンを攻撃しても俺のライフは残り、返しのターンでお前のライフを0にする事は不可能じゃないんだがな?」

「其れは勿論分かってるけど……だけどあなたに次のターンはないわイナミ!
 リバースカードオープン!トラップカード『マグネット・シンクロ』!
 手札を1枚捨て、相手フィールド上のモンスター1体をシンクロモンスターの素材に出来る!私が素材として選択するのは『銀河眼の閃光龍』!!」

「んな……まさか!!」



そのまさかよイナミ……行くわよ、クリア・マインド!!


――ドギュウウ!!


レベル8シンクロモンスター銀河眼の閃光龍に、レベル2シンクロチューナーフォトン・フォース・クリボーをチューニング!
集いし希望の結晶が、新たな進化の道を示す!光射す道となれ!!アクセルシンクロォォォォォォオォ!!!


――ゴォォォォォォォォォォォォ!!


招来せよ『銀河眼の閃光神龍』!!


『グオォォォォォォォォォォォォォ!!』
銀河眼の閃光神龍:ATK4000
超越寄生生物-パラサイト・インベーダー:ATK5600→4000



「来たか、アクセルシンクロモンスター!!」

「その力、その身で感じると良いわイナミ!
 銀河眼の閃光神龍のモンスター効果発動!
 デッキの上からカードを5枚確認し、其のカードの中に有ったチューナー1体に付き、エンドフェイズまで攻撃力が500ポイントアップする…ドロー!!」

……私が確認したカード5枚のうち3枚は『ジャンク・シンクロン』『クイック・シンクロン』『エフェクト・ヴェーラー』のチューナー!!
よって、銀河眼の閃光神龍の攻撃力は1500ポイントアップするわ!!


『ガァァァァァァァァァァ!』
銀河眼の閃光神龍:ATK4000→5500



「攻撃力5500……3枚もチューナーを引き当てるとは、なんという勝負強さだ――だが、そうでなくては面白くない!!来い、レーシャ!!」

「行くわよイナミ!
 銀河眼の閃光神龍で、スター・ブライト・ドラゴンに攻撃!『滅びのシャイニング・フォース・バァァァァァァァァスト』!!!」

「そうは問屋が卸さない!
 トラップ発動『オーバー・デストラクション』!フィールド上のモンスターを全て破壊し、互いに2000ポイントのダメージを受ける!!
 俺のライフは2700だが、お前のライフは2000……これで終わりだ!」



うわぉ、デュエル中に1枚しか発動出来ない上に制限指定されてるからピン刺ししか出来ないカードを伏せていたとは、矢張りあなたは本物ねイナミ。
勝つために必要なカードを、必要な時に呼び込む事が出来るのは真のデュエリストの証なんだから。

でも、今回に限っては少しだけ私の方が上回ったわ!
カウンタートラップ『神の宣告』!ライフを半分支払い、相手の魔法・罠の発動及び、モンスターの召喚を無効にする!よって、貴方のオーバー・デストラ
クションは無効になって破壊される!!


レーシャ:LP2000→1000


「そのカードを伏せていたか!……俺の負けだな此れは。」

「紙一重だったけどね。」

「……随分と分厚い、紙一重だな。」



――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!



イナミ:LP2700→0




『決まったーーーーーー!!
 互いに死力を尽くしてのデュエルを制したのは、レーシャ・Y・不動!今此処に、新たな10代最強デュエリストが誕生したーーーーー!!』

『おめでとうレーシャ!
 だけど、イナミもまた見事なデュエルを見せてくれたから、本気でこのデュエルはどっちが勝ってもオカシクなかったって思えるわ!
 手に汗握る見事なデュエルを演じてくれたレーシャとイナミに、盛大な拍手を!!』

「「「「「「「「「「「「「「「わぁぁあっぁぁぁぁぁぁあぁ!!!」」」」」」」」」」」」」」



あはは……本当に盛り上げる事に関しては、MCさんとアリシアさんはS級だわ。会場全体が、私とイナミのデュエルに拍手を送ってくれてるからね。
でも、本当に良いデュエルだったわイナミ――すごく楽しかった!!



「其れは俺もだレーシャ……お前とのデュエルは、準決勝のコロナ以上に心が震えた――最高のデュエルだったぜ。
 だが、負けっぱなしって言うのは俺の性には合わんのでな……今よりももっと強くなって、何れリベンジさせて貰うさ。その時を待ってろ、レーシャ!」

「その時が来たら、何時でも来なさい――私は待ってるから。」


――カツン!


再戦を約束して、拳を合わせて……良いなぁ、こう言うのって。
格闘もデュエルも、一度本気で戦えば其処からは友でありライバルだからね――デュエルでの新たなライバル、寧ろ願ったりだわ!ライバルが居るから
こそ、私は何処までも強くなることが出来るんだからね!!








――――――








No Side


こうして、デュエル・インターミドルはレーシャの優勝で幕を閉じた。
同時に、この年はレーシャ、ヴィヴィオ、アインハルト、コロナ、リオ、ミウラと言う新星が格闘会にデビューした年であり、デュエル界でも新星が多数台頭
し、その筆頭としてレーシャがデュエル・インターミドルを制覇した。

格闘界にとってもデュエル界にとっても新たな風が吹き込んだ年だったのだ。
そしてその風は大きく成長し、毎年のように格闘界とデュエル界を賑わせ――そして、あっという間に6年の月日が経つのだった。









 To Be Continued… 








*登場カード補足





超越寄生生物-パラサイト・インベーダー
レベル12   水属性
水族・融合/効果
「究極寄生者-パラサイト・イヴ」を含む「寄生」儀式モンスター×3
此のカードは上記のモンスターを自分のフィールドまたは墓地から除外した場合にのみエクストラデッキから特殊召喚出来る。(「融合」魔法カードは必
要ない。)このカードの特殊召喚に成功した場合に発動する。相手フィールド上に表側表示で存在するモンスターのコントロールを全て得る。このカード
の攻撃力は、自分フィールド上に表側表示で存在するこのカード以外のモンスターのレベルまたはランクの合計値×200ポイントになる。
ATK0    DEF0



寄生生物ナイトメア
レベル4    水属性
水族・効果
此のカードの召喚に成功した時に相手の墓地のモンスター1体を選択して発動する。選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚し、このカードを
装備する。このカードを装備したモンスターが相手に戦闘ダメージを与えた場合、自分はデッキからカードを1枚ドローする。
ATK0    DEF0



Sp-死者蘇生
スピードスペル
自分のスピードカウンターが5個以上ある時に発動出来る。
自分または相手の墓地のモンスター1体を選択し、選択したモンスターを自分フィールド上に特殊召喚する。



Sp-等価交換
スピードスペル
自分のスピードカウンターが3個以上ある場合に発動出来る。
自分は手札を全て捨て、その後手札が5枚になるようにデッキからカードをドローする。このカードを発動したターンのエンドフェイズに、自分のスピードカ
ウンターは0になる。



オーバー・デストラクション(制限カード)
通常罠
フィールド上のモンスターを全て破壊し、互いに2000ポイントのダメージを受ける。
「オーバー・デストラクション」はデュエル中に1枚しか発動出来ない。