Side:ノーヴェ


「カードを1枚セットしてターンエンド。」

「俺のターン!」


レーシャ:SC2→3
イナミ:SC2→3




レーシャとイナミのデュエルは、何方も一歩も譲らずの好デュエルって言っても過言じゃねぇ……遊星さんだって、此れだけのデュエルをする事は少ない
からな……まぁ、相手のレベルのせいもあるだろうがな。
だけど、レーシャとイナミには、それ程の差はない……先手はレーシャが取ったが、この程度は掠り傷だろうから、本番は此処からだよな兄貴!



「あぁ、本番は此処からだぜ。
 俺と遊星に比べたらまだまだだが、レーシャもイナミの野郎も、俺達の領域に片足突っ込んでるのは間違いねぇ……だからこそ、このデュエルが如何
 決着するのかは予想できねぇ。
 ま、どっちが勝ったとしても、最高のデュエルになるのは間違いねぇだろうけどな。」

「だよな、ヤッパリ!!」

兄貴が言うと、説得力が違うなヤッパリ。
てか、兄貴が太鼓判を捺した以上、このデュエルが白熱するのは絶対だろうな……兄貴のデュエリストの勘は、ともすれば遊星さんを上回ってる可能性
があるしね。

だからこそ、此処からが本番か――一瞬たりとも、目が離せないデュエルだな此れは!!










遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow112
『蹂躙する銀河と、蠢く寄生者』











レーシャ:LP4000   SC3
銀河眼の光子竜:ATK3000


イナミ:LP3800   SC3




Side:レーシャ


先手を取ったとは言え、其れはあくまでもジャブだから、其れで屈したりはしないでしょうイナミ?
貴方の持てる最高の戦術で挑んで来なさい――私と銀河眼が、其れを粉砕する!真正面から受け止めて、其れを超えて勝つ!其れだけだからさ。



「言ってくれるじゃないか……まぁ、俺も手加減をする気はなかったけどな。
 なら、味わってもらうぜレーシャ、寄生生物の、パラサイトの真の恐ろしさってモノをな!!
 俺は『融合寄生生物アドヴァンスド』を攻撃表示で召喚!!」
融合寄生生物アドヴァンスド:ATK0



と、さっそく新たなモンスターを召喚して来たね?
攻守0の融合寄生生物……果たして如何なる効果を持っているのか――少なくとも、凡効果でない事は間違いないだろうとは思うんだけど……



「融合寄生生物アドヴァンスドの効果発動。
 相手モンスター1体を選択し、選択したモンスターとこのモンスターを墓地に送る事で、エクストラデッキから『寄生』融合モンスターを特殊召喚する!
 俺は、銀河眼の光子竜を選択し、銀河眼の光子竜と融合寄生生物アドヴァンスドを墓地に送り……現れよ『寄生龍王パラサイト・ドラグーン』!」

『ガァァァァァァァ!!』
寄生龍王パラサイト・ドラグーン:ATK?




此処で特殊融合……!でも、攻撃力は不明って……



「パラサイト・ドラグーンの攻撃力は、融合素材にしたドラゴン族モンスターの元々の攻撃力に1000ポイントを加えた数値となる。
 素材にした銀河眼の光子竜の攻撃力は3000、よってパラサイト・ドラグーンの攻撃力は4000ポイント!!」
寄生龍王パラサイト・ドラグーン:ATK?→4000


此れは、相手が強力なドラゴンを使っているだけ強くなるモンスター!
しかも、特殊召喚の条件的に、相手フィールドのモンスターが今みたいに空になる事だって珍しくないから、場合によってはエンドカードになるわ此れ。
相手に寄生してコントロールを奪うだけじゃなく、寄生融合と言う戦術を繰り出して来たのは、正直言って驚いたわイナミ。

私の打った軽いジャブに対して、随分と派手なカウンターをしてきてくれたじゃない……上等、受けて立ってやろうじゃない!



「そう来なくちゃ、デュエルは面白くないぜ!!
 寄生龍王パラサイト・ドラグーンで、プレイヤーにダイレクトアタック!!『ナイトメア・パラサイト・バスター』!!」



此れを喰らったらゲームエンドだけど、生憎決着にはまだ早い!
リバースカードオープン!トラップカード『エマージェンシーチューン』
私が2000ポイント以上の戦闘ダメージを受ける時、受けるダメージを半分にし、ダメージ計算後デッキからチューナーモンスター1体を特殊召喚する!
この効果で、ダメージを半分にし、デッキからチューナーモンスター『フォトン・ジャンクロン』を特殊召喚するわ!


レーシャ:LP4000→2000
フォトン・ジャンクロン:ATK1300



ライフは半分になったけど、次のターンでのシンクロの準備が出来たんだから、其れを考えると安い代償ね。



「一撃必殺の攻撃を躱すとは、流石は防御に定評のあるチャンピオンの娘ってだけはあるって事か。
 いや、単純に其れだけじゃなくて、お前自身のデュエリストレベルの高さもあるんだろうけどな……だからこそ、より楽しくなってきたぜレーシャ!
 俺は、カードを1枚伏せてターンエンド!」

「其れは私もだよイナミ!私のターン!」


レーシャ:SC3→4
イナミ:SC3→4




私は『ジャンク・スピ―ダー』を攻撃表示で召喚。


ジャンク・スピ―ダー:ATK1700


ジャンク・スピ―ダーの召喚に成功した時、私のスピードカウンターを2つ増やすわ。


レーシャ:SC4→6


そして、手札からスピードスペル『Sp-天よりの宝札』を発動!
私のスピードカウンターが6個以上ある時、互いのプレイヤーは手札が6枚になるようにデッキからカードをドローする!



「スピードカウンター増加からの手札補充コンボか……だが、それだけじゃないよな?」

「当然!私はレベル4のジャンク・スピ―ダーに、レベル3のフォトン・ジャンクロンをチューニング!
 集いし憤怒が、鬼神の力を戦士に宿す。未来へ続く道となれ!シンクロ召喚、叫べ『ジャンク・バーサーカー』!!!」

『イネェェガァァァァァァァァァァァァァァァッァァァァァァァァァァァァァ!!!!』
ジャンク・バーサーカー(な ま は げ):ATK2700




「いやぁぁぁ!でたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」



あぁ、やっぱりヴィヴィはビビるか。
まぁゆりかご内で、バーサーカーに追い回された訳だし、お父さんから聞いた話だと時を遡行した先でもバーサーカーに追い回されたらしい(こっちはヴィ
ヴィの記憶には残ってないらしい)から、仕方ないかもしれないけどね。
だが安心して良いよヴィヴィ、今回バーサーカーはアンタを追い回したりはしない……だって、やるべき事は手にしたアックスソードで眼前の敵を一刀両
断する、只それだけだから!

「ジャンク・バーサーカーの効果発動!
 墓地の『ジャンク』モンスター1体をゲームから除外し、相手モンスター1体の攻撃力を除外したモンスターの攻撃力分ダウンさせる!
 私は墓地の『ジャンク・スピ―ダー』をゲームから除外し、パラサイト・ドラグーンの攻撃力を1700ポイントダウンさせるわ!『パワー・クラック』!!」

「なに!?」
寄生龍王パラサイト・ドラグーン:ATK4000→2300



ジャンク・バーサーカーに睨み付けられたら、どんなモンスターでもビビッて攻撃力が下がっちゃうって訳よ。
でも、此れでパラサイト・ドラグーンの攻撃力は上回った!叩きのめせジャンク・バーサーカー!!『バーサーカー・ブレイク』!!


『ネッガァァァァァァァァァァァァ!!!』


――ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!




「ぐあぁぁ!!……こうも簡単に、高攻撃力モンスターを攻略して来るとは…!!」
イナミ:LP3800→3400



私のデッキは、カウンター型のお父さんとは違って、銀河眼を主力にした、何方かと言えば序盤から攻撃力の高いモンスターでガンガン押していく攻撃
型のデッキ――だからこそ、相手モンスターを攻撃力で上回る手段は豊富に取り揃えているのよ。
カードを2枚セットして、ターンを終了するわ。



「成程な……俺のターン!」



レーシャ:SC6→7
イナミ:SC4→5




「なら今度は、俺のデッキの真骨頂を見せてやるぜ。手札から、スピードスペル『Sp-スピード・リチュアル』を発動。
 俺のスピードカウンターが4個以上ある時、儀式召喚するモンスターのレベル以上になるように、フィールドまたは手札のモンスターをリリースして、儀
 式モンスターを儀式召喚する!
 俺は手札の『寄生生物ジュラル』をリリースし、『寄生者-シンクロのイヴ』を儀式召喚!!」

『ショアァァァァァァァァァァァァ!!!』
寄生者-シンクロのイヴ:ATK0


「シンクロのイヴの効果発動。
 1ターンに1度、相手フィールド上のシンクロモンスター1体を選択してこのカードを装備し、装備モンスターのコントロールを俺に移す。
 この効果で、ジャンク・バーサーカーは頂くぜレーシャ?」



シンクロ専門の寄生者……だけど、そう簡単には行かないわ!トラップ発動『インビジブル・シンクロ』
このカードの効果で、エンドフェイズまで私のフィールド上のシンクロモンスターは、相手のカード効果を受けない!無論、寄生者の効果もね!!



「対策はしていたか……だが、甘い!
 カウンタートラップ『魔宮の賄賂』!相手の発動した、魔法・罠を無効にして破壊する!――その代価として、相手に1枚ドローさせてしまうがな。
 だが、此れでバーサーカーは俺の僕となる!!」

『ネガァァァァァァ!?』


ジャンク・バーサーカー:CTRレーシャ→イナミ




寄生によるコントロール奪取対策に対しての対策もしてたか……まぁ、当然と言えば当然かもしれないけど、又しても一気に大ピンチの状況だわ此れ。
一難去ってまた一難じゃないけど、中々ピンチに好かれてるみたいね私は?……だったら、其れを跳ねのけるだけだけどさ!!



「バトル!ジャンク・バーサーカーで、プレイヤーにダイレクトアタック!『バーサーカー・ブレイク』!!!」

「ところがギッチョン、そうは問屋が卸さない!トラップ発動『チェーン・バインド』
 相手モンスター1体の攻撃と表示形式の変更を封じ、相手ターンのエンドフェイズ毎に攻撃力を500ポイントダウンさせる!」



――ガシィ!!



これで、ジャンク・バーサーカーは攻撃出来ない。
自分のモンスターにこんな事をするのは不本意だけど、やらなきゃ負けてたからね……後で、遊陽とシュタームと思い切り遊ばせてあげるから勘弁して
ねバーサーカー。


「此れもまた躱すとは……カードを1枚セットしてターンエンドだ。」
ジャンク・バーサーカー:ATK2700→2200


「私のターン!」


レーシャ:SC7→8
イナミ:SC5→6




スピード・ワールド2の効果発動!スピードカウンターを7個取り除いて、カードを1枚ドローする!



レーシャ:SC8→1



そして、手札を1枚捨て、チューナーモンスター『フォトン・シンクロン』を特殊召喚!


フォトン・シンクロン:DEF1400


でもって、『ギャラクシーランサー』を通常召喚!


ギャラクシーランサー:ATK1200


行くわよ!
レベル3のギャラクシーランサーに、レベル5のフォトン・シンクロンをチューニング!
虚空に響く仲間の叫びが、新たな絆を紡ぎ出す――光射す道となれ!!シンクロ召喚、現れよ『幻獣神-蒼龍』!!

『ガァァァアァッァアッァアァァァァァァァァァァァァァァアッァァァァァァアァァァァァァァァ!!!』
幻獣神-蒼龍:ATK2500




ギャラクシーランサーを素材にして呼び出されたシンクロモンスターの攻撃力は300ポイントアップし、貫通能力を得るわ。



幻獣神-蒼龍:ATK2500→2800


其れだけじゃないわ!蒼龍の効果発動!
手札のモンスターカードを1枚捨て、自分の墓地から、チューナーとチューナー以外のモンスターを1体ずつ特殊召喚するわ!
蘇れ『フォトン・シンクロン』!そして『ギャラクシーランサー』!!


「まさか、続けざまにレベル8のモンスターをシンクロモンスターを召喚する気か!?」

「そのまさかよイナミ!そして、此れから呼び出すモンスターこそが、私のデッキのエース!!
 レベル3のギャラクシーランサーに、レベル5のフォトン・シンクロンをリチューニング!
 銀河に散らばりし力の欠片が集う時、一筋の閃光が闇を切り裂く!未来へ続く道となれ、シンクロ召喚!空を駆け抜けろ銀河眼の閃光龍!」

『グオォォォォォォォォォォ!!!』
銀河眼の閃光龍:ATK3000



ギャラクシーランサーの効果で、閃光龍もまた攻撃力が300ポイントアップして貫通効果を得るわ。



銀河眼の閃光龍:ATK3000→3300



バトル!幻獣神-蒼龍で、ジャンク・バーサーカーに攻撃!
でもって、蒼龍の攻撃対象になったドラゴン族以外のモンスターの攻撃力は300ポイントダウンする!ドラゴンはドラゴンでしか倒せないのよ!!



「素の状態でも、相討ち入れて攻撃力2800まで処理できるって事か……だが、そう簡単にはやられないぜ!
 トラップカード『パラサイト・バリア』
 俺のフィールド上に、『寄生』モンスターが表側表示で存在する場合、俺のモンスターは相手のカード効果を受けず、1ターンに1度だけ戦闘では破壊
 されない!」



蒼龍の攻撃力ダウン効果が通じないだけじゃなくて、チェーンバインドの効果もリセットされちゃったか……


ジャンク・バーサーカー:ATK2200→2700


だけど、攻撃力は100ポイントだけ蒼龍の方が上回ってる!喰らえ『粛清のバースト・ブレス』!!



――ゴォォォォォォォォォォォォォォ!!



「ぐ……!!」
イナミ:LP3400→3300


そして此れで、奪われたジャンク・バーサーカーの戦闘耐性は無くなった!
追撃よ!銀河眼の閃光龍で、ジャンク・バーサーカーに攻撃!『滅びのシャイニング・ストーーーーーーーーーム』!!!!


『グゴガァァァァァァァァァッァァァァァ……!!』



――キィィィィィン……ドガバァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァン!!!




「ぐぬ……おわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
イナミ:LP3300→2700



銀河眼の閃光龍は、シンクロモンスターかエクシーズモンスターを戦闘破壊した時、攻撃力が300ポイントアップする!


銀河眼の閃光龍:ATK3300→3600



「最高クラスの攻撃力と効果を備えた、レベル8のシンクロドラゴン2体が相手か……相手にとって不足はない、寧ろ上等だ!!
 俺達のデュエルは、此処からがクライマックスだ……つまり、そう言う事だろレーシャ?」

「貴方なら、そう言ってくれると思ったわイナミ。」

そう、私達のデュエルは此処からがクライマックス!
と言うか、デュエリストレベルの限界を超えて、魂を燃やし尽くすデュエルじゃないと満足できないでしょ?私も、貴方も!!――其れ以前に、私の魂が
叫んでるんだ『限界を超えて戦え』ってね。

だから……メインイベントは此処からだ!!











 To Be Continued… 








*登場カード補足




寄生龍王パラサイト・ドラグーン
レベル8   水属性
水族・融合/効果
「融合寄生生物アドヴァンスド」+ドラゴン族モンスター1体
このカードは「融合寄生生物アドヴァンスド」の効果でのみエクストラデッキから特殊召喚出来る。(「融合」魔法カードは必要としない)
このカードの攻撃力と守備力は、このカードの特殊召喚の為に墓地に送ったドラゴン族モンスターの元々の攻撃力に1000ポイントを加えた数値にな
る。バトルフェイズ中のみ、このカードはカード効果によっては破壊されない。
ATK?    DEF?



融合寄生生物アドヴァンスド
レベル3   水属性
水族・効果
1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を対象にして発動する。
選択したモンスターと、このカードを墓地に送り、エクストラデッキから「寄生」融合モンスター1体を特殊召喚する。
ATK0    DEF0



Sp-天よりの宝札
スピードスペル
自分のスピードカウンターが6個以上ある時に発動出来る。
互いのプレイヤーは手札が6枚になるように、デッキからカードをドローする。



エマージェンシーチューン
通常罠
自分が2000ポイント以上の戦闘ダメージを受ける場合に発動出来る。
受ける戦闘ダメージを半分にし、ダメージ計算後に自分のデッキからチューナーモンスター1体を選択して特殊召喚する。



インビジブル・シンクロ
通常罠
エンドフェイズまで、自分フィールド上のシンクロモンスターは相手のカード効果を受けない。



パラサイト・バリア
通常罠
自分フィールド上に「寄生」モンスターが存在する場合、自分フィールド上のモンスターは相手のカード効果を受けず、1ターンに1度だけ戦闘によっては
破壊されない。



チェーン・バインド
永続罠
相手モンスター1体を選択して発動する。
選択したモンスターは攻撃出来ず、表示形式の変更も出来ない。このカードの対象となったモンスターのコントローラーのエンドフェイズ毎に、このカード
の対象になったモンスターの攻撃力は500ポイントダウンする。