Side:遊星


デュエルインターミドルも、遂に決勝戦か……長いようで短かったな。
しかも決勝の椅子の一つは、レーシャが取っているんだ……此れは、燃えて来ないのが嘘だろう?決勝に駒を進めただけでなく、レーシャは準決勝で
クリアマインドの境地に達したのだからな……どんなデュエルになるか楽しみだ。



「クリアマインドの境地に辿り着いて決勝に駒を進めたレーシャと、寄生者の力を駆使して、コロナのゴーレムのパワーを真っ向から砕いて決勝に駒を
 進めて来たイナミ……この一戦は見逃せへんな。」

「だろう?
 どっちが勝つのかは俺にも分からないが、レーシャとイナミ、この2人のデュエルは見逃せない上に、先が読めない……それだけ、互いに気を張ってい
 るという事なのかもしれないけどな。」

「という事は、此の決勝戦はレーシャの一方的勝利にはならんという事やな?」



恐らくはな。

きっと決勝戦のデュエルは、俺達の度肝を抜いた内容になるのは、間違いないだろうな――で?



「ちょっと、書類の処理手伝って貰えへん?」

「その程度なら、お安い御用だな。」

どうにも最近、整備と同じくらいに事務処理能力が上がって来てる気がするが……其れはきっと、はやてのおかげであるのかも知れないな。












遊戯王5D's×リリカルなのはViVid  絆紡ぎし夜天の風 Rainbow111
『デュエルインターミドル決勝戦開幕』











Side:レーシャ


さぁ~~て、いよいよデュエルインターミドルも決勝戦!
コロナのゴーレムを打ち破った、寄生者使いのイナミは、相手にとって不足はない!――寧ろ、私のデッキにとっては良い相手であるかも知れないし。
勿論狙うは優勝だけなんだけど……何してんですか、アリシアさん?



「え?応援用のチアガール製作?」

「何で疑問形?……いや、それは兎も角として、何なんですか、そのギリギリ限界までヤバさを追求したチアガールの衣装は!ありえないでしょう!」

ホットパンツとビキニトップ、其れと袖なしのGジャンのチョイスだけでもアレなのに、胸が隠すべき場所を最低レベルでしか隠してないじゃない此れ!!
多分プレシアさんは此れを見てKOされただろうから、ショップ非公認で着てるんだろうけど、割と本気で止めてくれないアリシアさん?一歩間違えば『T&
H』のあらぬ噂が広がる事になっちゃうから!!



「あ、其れは勘弁。其れじゃあいつものチア衣装で。
 ……まぁ、今のは確かに、フェイトの『真・ソニック』以上だったかもしれないからね……ちょっと反省。」

「ちょっとじゃなくて、大いに反省して下さい!!」

「てへ♪」



……絶対に反省する気ないわねこの人は。
次同じ事をしようとしたら、こんな危険物をヴィヴィに着せようとしてたって、なのはさんに密告(ちくっ)ちゃいますからね?本気の本気で。



「あ、其れ勘弁。なのはにバレたら、バインドでぐるぐる巻きにされた上で、ブラスタービット付きブレイカーで頭冷やされちゃうだろうから。
 てか、折角生き返ったのにもう1度死ぬのは嫌!絶対に嫌だから!!」

「なら、余計な事はしないでください!」

「……デュエル前に白熱しちゃってるみたいだけど、大丈夫かーーー?」



大丈夫ですMCさん。T&Hでは、私とアリシアさんのこの手のやり取りは日常茶飯の事なんで、サラリと流してください。
其れは兎も角、今日も実況お願いしますねMCさん?勿論、私も最高のデュエルをしますけれど、そのデュエルをMCさんの最高の実況で、更に盛り上げ
てくれると嬉しいです♪



「勿論その心算!
 10代最強デュエリストを決める大会の決勝戦、そんな凄いデュエルを私が実況せずに、誰が実況するのか!今日も盛り上げていくぞー!!!」

「私も実況がんばるぞー!」



あは、これは私が言わなくても盛り上げてくれたわね。
なら、尚の事実況しがいのあるデュエルをしないとだわ――何よりも、相手はコロナを倒したほどのデュエリストだから、私が今まで戦って来たデュエリス
トの中は、お父さん以外では一番強い相手かも知れないから。

だけど負ける心算は毛頭ないわ。何より、デュエルインターミドルを制覇出来ない様じゃ、お父さんに勝つなんて夢のまた夢だからね?
だから、気合入れて行くわよ、私のデッキ(相 棒)



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『レディース&ジェントルマン!ようこそホビーショップT&Hへ!
 今日、この場所で遂に『10代最強デュエリスト』が決定する……そう、デュエルインターミドルの決勝戦の開幕だーーーーーーーー!!!
 決勝戦を戦うのは、圧倒的なパワーを持った『銀河眼』を従え、父がミッドのデュエルチャンピオンと言う、デュエリストとして最高の決闘を受け継いだ
 レーシャ・Y・不動と、変幻自在にして予測不能、相手に寄生してその力を発揮する『寄生』モンスターを操るイナミ・ヘルライズ!
 準決勝で新たな力に覚醒したレーシャが勝つか!それとも、決勝進出濃厚と言われていたコロナ・ティミルを下したイナミが勝つのか!!
 このデュエルは、正に見所しか存在しないぞーーーーーーー!!!』


「「「「「「「「「「わぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」」」」」」」」



あはは……デュエル中どころか、デュエル前から大盛り上がりね?流石はMCさん、会場を盛り上げる事に関しては、右に出る者は居ないわね。
だから、最高のデュエルをしましょうイナミ?



「勿論だ。
 準決勝のコロナも強かったが、お前はそれ以上なのだろう?……言わずとも分かるぜ、俺のデッキが騒いでるからな。」

「其れは奇遇ね?私もよ。
 私のデッキも騒いでるわ、『早く戦いたい』ってね。――互いに、強敵を前にしてデッキが黙ってられない……そんな状況なんじゃないかって思うわ。」

「違いない。」



なら、私達デュエリストはデッキの思いに応えるだけでしょ♪
さてとシミュレーターに……ん?客席に何か……って、なんじゃありゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?



『必勝!Fightだレーシャ!負けるなレーシャ!!』



2階席に、物凄い応援の横断幕が!!
ヴィヴィ達じゃないだろうけど、一体誰が……って、まさか!!!



「思い切りやっちまえレーシャーーーーーー!!」

「リーダー贔屓のデュエリストは、私等にとってもそうっすから!!」

「絶対勝てよーーー!!」

「ファイトー!!!」



番長と、その仲間の皆さん!?態々横断幕まで作って応援に来てくれたんだ……此れは、デュエル前に最高のエネルギーを貰った感じね!!
更に、横断幕を見つけたおかげで、その近くに見つけたからね、一緒に観戦してるお父さんとお母さんを――仕事を超速で終わらせた上で、時間休を取
って見に来てくれたんだろうねきっと。

番長達の応援と、其処までして会場に来てくれたお父さんとお母さん……此れはもう、絶対に負けられないわこのデュエル!!
だから、最初から私のデュエリストレベルを最大にして行くわ……覇ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!



――轟!!!



『ここ、此れは、レーシャが大人モードになると同時に、金髪碧眼になって髪が逆立ったーーー!!
 此れは、インターミドルのvsミウラ戦以来となる、スーパーレーシャの降臨だーーー!このデュエルは、予想以上に激しくなりそうだーーーー!!!』


「……お前、どこぞの戦闘民族じゃないよな?」

「違うよ?此れはあくまで、変身魔法の延長だからね。折角なんで、今回は『超サイヤ人2』をイメージして、前髪も逆立ててみました~~♪」

「成程。デュエルや格闘の腕だけじゃなくて、エンターテイメント的な事も得意みたいだな。」



デュエルの腕はお父さんに、格闘は稼津斗師匠に、そしてショーマンシップはお父さんのライバルのジャックさんから教わりましたので。
でも此れで、会場のボルテージは最高潮に達しただろうから……始めようかイナミ?私と貴方の、最高のデュエルって言う物を!!!



「そうだな……手加減なしだぜ、レーシャ?」

「Come on!Get Serious!!(上等!マジでやろうじゃない!!)」


『さぁ、両者共にシミュレーターに入り、そしてシグナルが点灯……ライディングデュエル、アクセラレーショーーーーーン!!!』



――ドォォォン!!!



先ずはコーナー争いだけど、先攻は譲らないわイナミ!
私のマシンはお父さんの手が入ってる最高性能のマシンな上に、私は最高のライディングテクニックを見て、体験してるから10代デュエリストでは最高
のライディングテクニックを持ってるって自負してるわ。
自惚れる訳じゃないけど、私からファーストコーナーを取れるのは、ミッドではお父さんとクロウさんだけだよ!!――先攻は貰うわ!!


――グン!!



『ファーストコーナーを制したのはレーシャ・Y・不動!!
 其れじゃあ行くぞ!デュエルインターミドル決勝戦……デュエル、スタートォォォォォォォォ!!!』


「「デュエル!!!」」


レーシャ:LP4000   SC0
イナミ:LP4000   SC0




私のターン!!

さて、如何するか……何時もなら、初手から大型を召喚してプレッシャーをかけて行くところなんだけど、イナミ相手にそれは悪手でしかない。
初手に大型を召喚しても、返しのターンで『寄生』モンスターを召喚されて、召喚した大型モンスターを奪われる可能性がある訳だから……初手は様子
見+αが上策ね。
私は『フォトン・ブレーダー』を攻撃表示で召喚。


フォトン・ブレーダー:ATK1800



カードを1枚セットして、ターンエンド。



「俺のターン!」


レーシャ:SC0→1
イナミ:SC0→1




「俺は、『寄生生物ベビー』を召喚。」
寄生生物ベビー:ATK0


「寄生生物ベビーの召喚に成功した時、相手フィールド上のレベル4以下のモンスター1体を対象にして発動する。
 エンドフェイズまで、効果の対象となったモンスターのコントロールを得る……此れで、フォトン・ブレーダーは頂くぜ。」


フォトン・ブレーダー:CTRレーシャ→イナミ


行き成りのコントロール奪取!
だけど、ベビーは寄生生物の名を冠しながら、寄生して奪う効果じゃない……何か隠された力があるわね、このモンスターには。



「そして、寄生生物ベビーと、ベビーの効果で奪ったモンスターの2体をリリースして、現れろ『超寄生戦士スーパー・ベビー』!!」

『ウオォォォォォォォォォォォォォ!!』
超寄生戦士スーパー・ベビー:ATK2800



其れは、更なる強さを秘めたモンスターだったか!
ベビーの召喚に成功すれば、略確実に召喚出来るモンスターだから、攻撃力は破格ってモノじゃないけど、行き成り2800ってのは大盤振る舞いだわ。



「バトル!スーパー・ベビーでダイレクトアタック!『スーパー・アドベント』!」

「行き成り……と言いたい所だけど、その攻撃は通さないわ!
 リバースカードオープン!トラップカード『ガード・ブロック』!この効果で、戦闘ダメージを0にして、デッキからカードを1枚ドローする!!

「そう来たか……カードを1枚セットしてターンエンドだ。」

「私のターン!」


レーシャ:SC1→2
イナミ:SC1→2



私のフィールド上にモンスターが存在しない場合、手札の『フォトン・スラッシャー』を特殊召喚出来る!


フォトン・スラッシャー:ATK2100


続いて『ギャラクシー・ドラグーン』を召喚!


ギャラクシー・ドラグーン:ATK2000


そして、この2体の攻撃力2000以上のモンスターをリリースし……現れよ、我がデッキの根幹となる一柱の龍よ!!
『銀河眼の光子竜』降臨!!


『グオォォォォォォォォォ!!』
銀河眼の光子竜:ATK3000




「銀河眼の光子竜!!……来たか!!」



さっきのお返しよ!
銀河眼の光子竜で、超寄生戦士スーパーベビーに攻撃!!『破滅のフォトン・ストリーム』!!!!」


『グガァァァァァァァァァアァァ……ガァァァァァァァァァァ!!!』



――ドゴォォォォォォォォォォォォォォン!!!




「く……やってくれるな!」
イナミ:LP4000→3800



先手は貰ったけど、この程度はジャブでしょ?
本番は此処から――このデュエルの勝利は譲らない……否、もぎ取って見せるわ!!其れが出来ない様じゃ、私のレベルアップは望めないからね!














 To Be Continued… 








*登場カード補足




超寄生戦士スーパー・ベビー
レベル8    水属性
水族・効果
このカードは通常召喚出来ない、自分フィールド上の「寄生生物ベビー」と、「寄生生物ベビー」の効果でコントロールが自分に移ったモンスターをリリー
スした場合に特殊召喚出来る。
このカードが相手の効果によって破壊された場合、エンドフェイズに墓地の此のカードを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力と守備力は3500になる。
ATK2800    DEF2800



寄生生物ベビー
レベル3    水属性
水族・効果
このカードの召喚に成功した場合に発動する。
相手フィールド上のモンスター1体を選択し、エンドフェイズまで選択したモンスターのコントロールを得る。
ATK0    DEF0