Side:なのは


 季節は夏で、私達も夏休み真っ只中!
 で、夏と言えば海で、今年はアリサちゃんが何と沖縄旅行を手配してくれたの!

 なので、今年は私達高町家とテスタロッサ家に月村家、バニングス家と八神家の大所帯で沖縄旅行!

 早速沖縄のビーチに来たんだけど…

 「ビーチの一部が真っ赤になってるの…」

 「うむ…まぁ、主な原因はルナと剣騎士であろうな…男の煩悩恐るべし…

 「えぇ!?私達のせいなのか!?」

 「な、何ゆえ!?」


 ルナもシグナムさんも、もう少し自分のプロポーションと美貌を自覚すべきなの!!
 破壊力凄いんだから…


 「まぁ、ルナとシグナムさんは凄いよねぇ…けどなのは、一部の特殊な趣味の人にはなのは達はクリティカルヒットみたいよ?」

 「う゛……そんな人は撃滅して欲しいの…」

 「私が動く前に恭ちゃんが滅殺に乗り出したか御安心♪」


 あ、それなら確かに安心なの。
 お兄ちゃんは妹思いだからこういう時には無敵最強だね♪










 魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福74
 『THE 沖縄旅行です』










 「貴様ら〜〜…なのはと美由希と忍を汚らわしい目で見るな!!万死に値する!其処に直れぇぇぇぇ!!!!」

 「「「「「マンマミ〜〜ヤ!!!」」」」」



 さてと…あっちで無双してるお兄ちゃんは良いとして…シグナムさん達の水着はやっぱりはやてちゃんが選んだの?


 「そやで?似合ってるやろ?」

 「うん。」

 確かに似合ってるね。
 ヴィータちゃんは可愛らしさ全開の真っ赤なワンピースでシャマルさんは薄い緑色のセパレート。
 シグナムさんはワインレッドのビキニで、ザフィーラは肉体美全開の黒海パン。
 ツヴァイはボーダーのワンピースで浮き輪つき。

 皆よく似合ってると思うけど…アインスさんは凄すぎなの!!
 なに、その必要部分だけを隠して後は紐(?)な水着は!?(INNOCENTのアレなの!)


 「折角はやてが私のために選んでくださったんだ…少し気恥ずかしいが、悪くは無い。」

 「いや、幾らなんでも少しは抵抗する事を覚えろお前は…」

 「確かにアインスさんはちょっと大胆かな…」

 「寧ろビーチの赤化はアインスが原因なんじゃないの?」


 アリサちゃん…確かにそうかも。
 今年はルナの水着も私が選んだけど、あんまり際どくならない程度のパレオ付きの白ビキニ。
 これでも充分すぎるほどセクシーだけど…アインスさんは更に上を行ってるの…


 「まぁええやん♪
  ソレよりも折角の沖縄の海や、南国の海を楽しまんと損やで♪」

 「確かにそうかも……うん、改めまして、それじゃあ遊び倒そう!!」

 「「「「「お〜〜〜〜〜!!!!」」」」」



 やっぱり海なんだから先ずは海に入らないとね!
 ゴーグルをつけて…


 「さて、行くか。」

 「ほえ、ルナ!?」

 え、イキナリお姫様抱っこ!?ってちょっと待って〜〜!!


 「待たない!」


 ――ザップ〜〜ン!!


 と、飛び込み!!
 ちょっと、吃驚するよルナ〜〜!!!


 「はは、ゴメンゴメン…どうせだからお前と一緒に海の中を探索したかったんだ。」

 「む〜〜…なら別に良いけど…次からは言ってね?」

 「あぁ、そうする。」


 OK。
 じゃあ、海の探索に出発!

 レイジングハート、お願いね?


 『OK My Master.』


 レイジングハートが魔力の膜を張ってくれたから此れで息切れは心配ないの。
 ルナもブライトに同じことしてもらったみたい。

 しかも通信機能を利用して海の中でも会話が出来るって……流石はハイスペックデバイス。

 おかげで海の中でも楽しめそう♪





 で、潜ってみたら……ふわ、凄く綺麗!
 水が透き通ってて、テレビで見るのとは全然違う!


 「本当にな…底の方まで光が差し込むなんて物凄い透明度だ。魚達も元気そうだ。」

 「綺麗な熱帯魚、日本の海じゃないみたい♪…ん?」

 アレ?アノ岩場から今何か見えたような…行ってみよう!


 「あ、あぁ……岩場って、この岩の隙間と言うか穴からか?」

 「うん。魚の頭みたいのが見えたの。」

 けど何にも居ない?見間違いだったのかな?
 穴の中は…



 ――にゅ。



 「!?」

 『………』

 「あ〜〜…ウツボの住処だったのか。」


 ウツボ!?あ、あの凶暴な肉食の蛇みたいなお魚!?
 え〜と…ど、如何しよう?


 「いや、大丈夫じゃないか?襲ってこない所を見ると満腹のようだし、此方が何もしなければ攻撃してくることもないさ。」

 「そうなの?う〜〜ん…え〜と…おじゃましました?」

 『………』(ぺこり)


 あ、穴の中戻っちゃった……て言うか今お辞儀したよね?


 「かもしれないな。」

 「ちょっと不思議な感じ…」

 まぁ、いいの。
 海の中をもっと楽しもう♪








 ――――――








 Side:冥沙


 「む?」

 おい、小鴉にアインスうぬ等は何をしておる?
 折角海に来たのだ、ビーチでばかり過ごしては勿体無いぞ?

 見ろ、ツヴァイ(フルサイズモード)となはと(犬サイズ)だってあんなに楽しそうに遊んでおると言うのに…


 「そうは言ってもはやてはまだ1人では歩けないから私が付いていないと…」

 「なれば小鴉には我が付いていてやる。
  うぬは少しくらい海で泳いで来い、折角手に入れた平穏な生も謳歌せねば意味がないぞ?」

 「いや…だが…」


 ふむ、踏ん切りがつかぬか?
 ならば強硬手段をとるまでよ――雷華!!


 「呼ばれて飛び出て即参上!!クロハネ連れて僕は行く、沖縄の青い海を目指して〜〜!!!」

 「うわっ!?ちょ、ちょっと待て!?」

 「問答無用!とりゃぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「うわぁ!?」


 ――ドドドドドドドド……ザッパ〜〜ン!!


 ウム大成功。
 まったく忠義心に厚いのは構わぬが、己が楽しみを犠牲にしては主とて心苦しいと言うのにのう、小鴉?


 「せやなぁ…私に構わんと楽しんで来て言うても聞いてくれへんかったしな…ありがとな王様♪」

 「なに、大した事では無い……時に小鴉、足の方は如何だ?」

 随分頑張ってリハビリとやらをやっていると聞いたが?


 「ん〜〜…歩けるようになるにはマダマダ掛かるやろな。
  やけど、この前は歩行機使ってやけど10m歩くことが出来たんよ!」

 「ほう?ソレは凄いではないか…大したものだ。」

 まぁ、焦らずやればよい。


 ん?そう言えばアノ守護獣は如何した?
 姿が見えんが…


 「あ〜〜ザフィーラやったら…」

 「アルフと一緒。」

 「おぉ、フェイトか!…なんだ、アヤツ等そういう関係か?」

 「みたいやなぁ……何時の間に言う感じやけど…」

 「同族同士、通じる物があるのかも。」


 かも知れぬな。


 「まぁ、仲が良い事は良いことよ。」

 「母さん。」

 「プレシアさん。」

 「プレシア女史か…如何した?」

 「いえ、折角だから冷たい飲み物でも如何?南国のフルーツを使ったジュースですって。」


 ふむ…中々美味そうであるな、ではありがたく頂くとしよう。
 どれ…む!?


 「「「美味しい!!」」」


 何と、話には聞いていたが此れがトロピカルフルーツという者か!
 コクのある深い味わいながらフルーツの爽やかさを失う事無く…実に見事だ!


 「でしょう?私も桃子から薦められて知ったのだけど美味しいわよね。
  他の子たちにもリニスが配っているわ。」

 「流石、空気を読んでいるなアノ猫は。」

 で、如何だ?お前は楽しんでいるかプレシア女史?


 「えぇ、勿論。
  まさか娘と一緒に海水浴に来る事が出来るなんて思っても居なかったわ。
  ……そうね、折角だからもっと楽しみましょうか?…フェイト、一緒にシュノーケリングをしてみない?」

 「え?は、はい!!」


 ふむ…如何やら良い親子関係の様だの。


 「せやな、フェイトちゃんも嬉しそうや♪
  あれ?そう言えば王様、星奈ちゃんは何処や?」

 「む?…そう言えば、何処に…「うおぉぉぉすげぇぇ!?」……む?」

 何事だ?


 「王様!星奈ちゃんあそこや!!」

 「なに?って!!」

 何をしているか星奈〜〜!?


 「あ、冥沙に夜天の主……如何でしょう、サンドアートで『三幻神』『三邪神』『三幻魔』『三極神』を造ってみたのですが?」

 「如何もこうも…」

 「凄すぎやろ…此れが全部砂?…嘘や絶対…」


 去年の『青眼の究極竜』にも驚いたが…こやつ何処までスキルを伸ばす心算だ?
 いや、器用なのは良いことだが…


 「もし、リクエストがあれば何でも造りますが?」

 「ほな『真紅眼の黒竜』を初期版イラストで♪」

 「承りました!」


 小鴉〜〜!!貴様も何普通にリクエストしておるか〜〜!!!


 「じゃあ私は『テディベア』をお願いしようかしら?」

 「なら私は『キティちゃん』をお願いできるかな?」

 「アリサにすずか、うぬ等もか〜〜〜!!」

 「喜んで!」


 乗るな星奈〜〜!!
 ビーチをサンドアートで埋め尽くす気か〜〜!?



 「巨大化したなはとを頼む。」

 「私はネコさんが良いです〜〜♪」

 「人の姿になった時のレイジングハートなの♪」

 「ルナ、ユウリ、ナノハーーーー!!」

 自重なしかウヌ等は!?
 そして、どんどん造るな星奈よ!?


 「いっそ冥沙もリクエストすれば良いの。」

 「ぬ……確かに楽しまねば損か…では『ストライク・フリーダム・ガンダム』を頼む。」

 「御意に!!」


 まぁ、星奈は楽しそうであるから良いのか?


 しかし……まさか本当にストフリを作り上げるとは思わなかったぞ星奈よ…
 取り合えず記念に写真を撮っておくとするか……








 ――――――








 Side:ルナ


 たっぷりと海で遊んで、旅館でお風呂の後は夕飯だ!
 バイキング形式で自由に選べるみたいだが…

 「美味しい!!」

 私はこの『ゴーヤーチャンプルー』が気に入った!
 ゴーヤの苦味と豆腐の甘味に豚肉のコク、そしてそれらを卵が巧くまとめているな…うん、ご飯が進む。


 「私はちょっと苦いのが苦手かな…でも、こっちのラグーは美味しいね♪」

 「ソーメンチャンプルーも良い味ですね…素晴らしい。」

 「ほう?ミミガー…豚の耳とな?…うむ、歯応えが妙味!」


 はは、皆沖縄料理に舌鼓か…雷華とゆうりも食べているか?


 「はい!とっても美味しいです♪」

 「も?」


 …ゆうりは兎も角、雷華はお約束か?
 あ〜〜…取り合えず美味しいんだな?


 「(コクコク)」

 「なら良いさ…だが、口いっぱいに詰め込むくせはいい加減直せ…」

 可愛いけれどな。

 ほれ、なはと油揚げだ。


 「♪」

 「美味いか?…そうか、良かった。」

 皆楽しんでいるな。
 南国というのも良いものだ――アリサには感謝だな。


 「そうだな。…時にルナよ、一杯如何だ?」

 「将…ソレは?」

 「泡盛という沖縄の地酒だそうだ。」

 「じゃあ、一杯だけな。」

 私も将も限界超えては飲まないからな……うん、美味い。
 潮風も良い感じだ……実に気持ちが良い――来て良かったな、沖縄。


 「そうだね……明日も一杯遊ぼうね♪」

 「あぁ…明日は西表島の観光もあるから楽しみだよ♪」


 2泊3日の沖縄旅行、楽しまなければ染んだものな♪



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・



 で、楽しい時間はあっという間に終って、海鳴に戻ってきた訳だが…

 「如何するんだこの子?」

 「いや、そもそもにしてどうやって来たのだ?船にでも紛れ込んだのか?

 「星奈が居たからもしかしてとは思ったんだけど…本当になるなんて…」


 本当に如何しようか、この『イリオモテヤマネコ』。
 西表島で予想通り星奈が猫まみれになっていたから有るかもしれないとは思ったが本土に来てしまうとは…

 「如何する士郎?確かイリオモテヤマネコは国の特別天然記念物だからペットして飼う事は出来ないだろう?」

 「そうだねぇ…だからと言って送り返しても又来てしまうかも知れないからねぇ…うちで保護しよう。
  面倒な行政的な処置は…まぁ、僕に任せてくれれば良い。」


 …士郎の人脈を使えば何でも有りか?
 まぁ、この子の事を考えればソレがベストか……名前を付けてやれよ星奈?


 「勿論です……態々遠い所から来てくれたのですね…アナタを歓迎しますよ。」

 「にゃ〜〜♪」


 やれやれ、沖縄旅行は思わぬ家族の増加になったか。
 ふふ、宜しくな小さな新しき家族よ♪


 「にゃ〜〜〜ん♪」


 うん、良い返事だ。













  To Be Continued…