Side:なのは


 ゆうりの絶対防御――スーパーアーマーは皆のおかげで解除できた。
 その後に現れた闇の欠片も冥沙にはやてちゃん、クロノ君達が対処してくれてる。

 だから私達はゆうりに集中できるの!


 「そうだな。……さて、どう言う布陣でいこうかなのは?」

 「へ?」

 私が決めるの!?ルナやシグナムさんが指揮とるんじゃなくて?


 「私は戦闘においては将と呼ばれるほどだが、指揮やその他はあまり得意では無いのでな…」

 「私も人を纏めるのは得意じゃない――だがなのは、お前には自然とソレが出来る力がある。
  理論は不明でも、お前の直感の戦術はとても良く嵌ると私は思っているんだ。」


 ルナ、シグナムさん……そう言われたらやるしかないよね!


 …スーパーアーマーが解けたからゆうりに攻撃は効くとは言え、ゆうりの攻撃方法までは変わっていないはず。
 ソレとこのメンバーを考えれば……うん、きっと此れが一番なの!










 魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福69
 『砕け、砕け得ぬ闇を』










 「それじゃあ基本的なフォーメーションを説明するね?
  先ず、私と星奈は砲撃と誘導弾をメインにクロスレンジ〜アウトレンジでの攻撃でゆうりの牽制を。
  雷華とフェイトちゃんはスプライトとソニックに換装して高速移動のヒット&アウェイで攻撃。
  シグナムさんとヴィータちゃんはミドル〜クロスレンジを担当、砲撃とヒット&アウェイの隙を埋めて欲しいの。」

 お願いできるかな?


 「御意に…その任果たして見せましょう。」

 「OKナノハ!僕とへいとに任せてよ!」

 「だからフェイトだってば!…けど――うん、全開でやってみるよなのは。」

 「中々理に適った戦術だ……我が剣の妙技を見せてやろう。」

 「おうよ……やるからには手加減しねぇ!相手が誰だろうとぶっ潰す!!」


 うん、お願い!
 それでルナは…

 「ルナは凄く厳しいポジションなんだけど――オールポジションとフィニッシャーを頼みたいの。」

 状況に応じて全てのレンジでの攻撃を担当して、更にはゆうりを止める一発を撃つ役目…
 此れはとっても難しい事だと思うから、経験豊富で更に一番魔力が強いルナにしかお願いできないの……良いかな?


 「断る理由が無い。折角のご指名だ、その任は果たす――まぁ、任せておいてくれ。」

 「うん!お願いねルナ!!」

 頼りにしてるよ。




 「――――……!!!」

 「ゆうり…!」

 来る…!各員散開、夫々の戦闘レンジに!!


 「「「「「「了解!!!」」」」」」


 先ずは誘導弾が来た…なら!

 アクセルシューター!!

 ブラストファイアー!


 私の誘導弾と星奈の直射砲で全て掻き消す!


 ……うん、やっぱり思ったとおり。
 ゆうりの力は凄いけど、その力が強すぎて逆に次の攻撃までに移るのに少し時間が掛かるみたい。

 でもその僅かなタイムラグは、雷華とフェイトちゃんには恰好のチャンスなの!


 「しっぷーじんら〜い!!」

 「雷光一閃!!」

 「……――――!!」


 対処できてないね――反応は出来てるけど対処が間に合わないって言うのかな?
 まぁ、スピード型に換装した雷華とフェイトちゃんに反応できるだけでも凄いと思うんだけど…と、反撃の直射弾!


 「させるかよ!うらぁ、ぶっ飛べぇぇぇぇ!!」

 『Schwalbefliegen Claymore.』


 「飛竜……一閃っ!!

 「ヴィータちゃん!シグナムさん!!」

 見事な迎撃なの!


 「へっ、此れがアタシ等の仕事なんだろ?」

 「期待には応えられたかな?白夜の聖王殿?」


 文句の付けようがないよ!
 ソレとシグナムさん、その二つ名良いね――頂きます!


 「確かに良い名だな……だが、未だ終らない!縛鎖――吠えよ!!」


 ルナ!
 うん、確かにまだ終りじゃないね…ゆうりは健在。
 今のルナのバインドも――やっぱり砕けちゃったの。


 って…あの、なはと?何してるの?


 「撃ちぬけ、なはと!!」

 「(フンッ!)」


 ――バガァァァァン!!



 角から砲撃!?
 今のって『ディバインバスター』!?


 『It's so.』


 やっぱりそうなんだ…相変わらず、なはとは中々のチートなの。
 けど今の一撃は効果が有った!レイジングハート!!


 『All right.Excellion Mode Driveignition.』


 「ルシフェリオン!」

 『Yes sir.Sacred Mode Driveignition.』


 星奈もフルドライブ!
 ルナ!!


 「任せろ!覇ぁぁぁぁぁぁぁ…!!真・昇龍拳!!」


 ――ガッ、メキッ、バキィィィィィ!!


 「――――!?」


 相変わらず凄いなぁ…けどゆうりの動きが止まった!
 今がチャンスなの!!


 「OK!任せてよナノハ!!一撃ひっさーつ!

 『Thunder Sword.』


 貫け雷神!

 『Jet Zamber.』


 ――ズバシャァァ!!



 「こりゃ負けられねぇ…やるぞアイゼン!」

 『Ja. 』

 「轟・天・爆・砕!!」

 『Gigant.』

 ギガントシュラァァァァァァァク!!!


 「ふぅ…レヴァンティン!!」

 『Bogenform.Nachladen.』

 「翔けよ、隼!!」

 『Sturmfalken.』


 ――ドガァァン!!ドガシュゥゥゥ!!



 「!?……!!?」


 間違いない、効いてる!


 「おぉぉぉ…!撃ち抜け、パルマフィオキーナ!」

 『Break.』

 「次いで…縛鎖×20!!」


 ルナ!
 零距離攻撃から多重バインド…此れならゆうりも簡単には動けない筈!


 「なのは、星奈!!」


 うん!このチャンスは逃せない!!
 行くよ、レイジングハート…全力全壊!!


 『Starlight Breaker.』


 「走れ明星、全てを焼き消す炎と変われ!」

 『Luciferion Breaker.』


 「スターライトォォォ…」

 「真・ルシフェリオォォォォン…」


 一撃必殺!!


 ブレイカァァァァァァァァァァ!



 ――ゴガゴォォォォォォン!!!



 「!!!!?……――――!!!―――!!?――!!!!」


 ゆうり…!此れで目を覚まして!!


 「…………」

 「ゆうり?」

 動きが止まった…やったのかな?


 「…!うぐ…あぁぁぁぁぁぁ!!!」

 「「「「「「「!!!」」」」」」」


 まだなの!?
 ソレにこの魔力は…!!


 「エンシェントマトリクス…!」

 「砲撃!!」

 そんな!!あんなの防ぎきれない…!!


 「(フンッ!!)」


 なはと!!だめ、戻ってきて!!


 ――カッ!!



 「戻るんだなはと!!」

 「なはと!!」

 そんな…なはとダメだよ!!


 「…(ギンッ)」


 ――バキィィン!!


 へ?と、止めた!?


 「(バクン)」

 「「「「「「「食べた!?」」」」」」」


 ――グイィィィン!!


 「「「「「「「巨大化した!?」」」」」」」

 「(ムンッ)」


 ――バッガァァン!!


 「「「「「「「撃ち返したぁぁ!?」」」」」」」


 そ、そんなのありなの?
 砲撃を止めて、食べて、巨大化して更に撃ち返すなんて…


 「なはとならではと言うか…だが、ゆうりの最大の一発を防いだのは大きいぞ!」

 「ルナ…そうだね!今度こそ!!」

 エクザミアを停止させる!
 ルナ、ユニゾンいけるよね?


 「聖王状態のお前に、祝福の月光状態の私をユニゾンするのか?……マッタク、トンでもない事を考えてくれる。
  だが、それで良い。負担は大きいから3分が限界だが…行けるぞ!!」

 「3分あれば充分なの!!」

 「…了解だ!ユニゾン…」

 「イン!!」


 ――ゴォォォォォォ…!!


 …融合完了、祝福の聖王――今此処に!


 『最大の一撃を放ったせいで、ゆうりも次の攻撃を放つまでには時間が掛かる――決めるぞなのは!

 「うん!」

 私のとルナの魔力を併せて!
 ……来た…!最大級の魔力!!

 私の魔導の原点にして必殺の一撃!
 手加減なしの全力全壊!!


 『聖王の鼓動、今此処に列を成す…

 「ディバイィィィン…」

 『天地鳴動の力を今此処に解き放つ――貫けぇぇ!

 「バスタァァァァァァァァァァァァァァ!!!」



 ――バガァァァァァァァァァァァン!!



 カートリッジ6発をロードして、更に私の魔力にルナの魔力を上乗せした最強のディバインバスター。
 お願い…届いて!!


 「!!!!!!!!!!…………」


 ゆうり…


 「…!エクザミアの停止を確認!チャンスですナノハ!」

 「星奈!!」

 止まった――ソレを待ってたの!!
 ゆうり!!








 ――――――








 Side:ルナ


 エクザミアが停止したか…今がゆうりを助ける最大のチャンスだ!
 ユニゾンアウト、行こうなのは!


 「うん!白夜の管理者権限発動!」

 「管制融合騎による補助で対象プログラム『砕け得ぬ闇』を白夜の指揮下に移行。
  次いで、異常無限連環機構『エクザミア』をプログラムからパージ。」

 此れでエクザミアの影響下から解放だ。
 さぁ、なのは…


 「うん…聖王オリヴィエ・ゼーゲブレヒトの名の下に、聖王高町なのはが汝に新たな名を与える。
  宵闇と薄明をもたらす紫天の主、優しき黄昏の担い手……汝が名は『ゆうり』。
  紫天の力を持って白夜を行く不撓の魔導師――『高町ゆうり』なり…」



 ――ヒィィィン…



 闇が消えていく……上書きは成功のようだな。


 「…?貴女は…ナノハとルナですか?…私は…」

 「お前はエクザミアから切り離されて正常に戻った…なのはが新たな名を与えてな。」

 「名前…?」

 「うん。ゆうり――貴女の名前は『高町ゆうり』なの。」

 「ゆうり……とても良い名前ですね…」


 気に入ってくれたみたいだな。

 だが…未だ終りじゃないんだろう?


 「はい…私は解放されても暴走したエクザミアはまだ残っています。
  多分それほど時間を空けずに完全暴走体が姿を現すはずです……ソレを討たないと!」

 「みなまで言うな……何が来ようと叩き潰すだけだ。」

 「完全暴走体だろうと皆の力を合わせれば、そんなもの塵芥にもならないの!」


 そう言う事だ。
 お前は如何する?


 「勿論私も戦います!……解放してもらったばかりですけど、魔力は充実してますから!」


 ――ドンッ!


 成程…良い魔力だ。
 ソレに服が白から黒に……ソレがお前の本当の戦闘服か、良く似合っているよ。


 「黒いゆうり…カッコイイね!」

 「あ、ありがとうございます///


 何と言うか、解放したら偉く可愛くなったな?
 美由希が喜びそうだ。



 だが、ゆうり解放を喜んでばかり居られないな………来るぞ!



 ――ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…



 「!!この魔力は!!」

 「洒落にならんぞ流石に!!」


 執務官と冥沙!欠片はもういいのか?


 「ふん、あんなもの纏めて葬ってやったわ!
  だが、此れは一体なんなのだ?さながらナハトヴァールの暴走体の如き力を感じるぞ?」


 此れが暴走したエクザミアだ。
 此れを討ち滅ぼしてこそ全てが丸く収まるらしい……行けるか?


 「戯言を…我を誰だと思っている!この闇総べる王に不可能などないわ!!」

 「ソレを聞いて安心したよ。」

 それじゃあ始めようか、エクザミア暴走体。
 紫天を巡る物語の――最終章を!













  To Be Continued…