Side:なのは


 「大人しく…!」

 『Divine』

 「消え去れなのーーー!!」

 『Buster.』


 紫天の書から帰還した瞬間に現れた『闇の欠片』。
 皆が皆私達と同じ姿をしてて気味が悪いけど、だけど此れくらいは敵じゃないの!


 「消えろ…パルマ・フィオキーナ!」

 「闇に滅せよ!エクスカリバー!!」

 「我が魔導の前に散れ…ディザスターヒート!」

 「一撃必殺!速攻滅殺〜〜!!雷刃封殺爆滅剣〜〜〜〜!!!」


 ルナも冥沙達も絶好調!
 フェイトちゃんとはやてちゃんに騎士さん達も欠片なんかには負けないの!


 ルナ、星奈、そろそろ終らせよう!










 魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福65
 『解析結果は予想外?』










 「あぁ、終りにしようか!」

 「全て消しとばしましょう。」


 流石に話が早いね♪
 レイジングハート、行けるよね?


 『No problem Master.I can be shot “Starlight Breaker”』


 流石だね!
 それじゃあ行くよ!

 「全力全壊!」

 「咎人達に滅びの光を。星よ集え、全てを貫く光となれ!撃ち抜け閃光!」

 「集え明星。全てを掻き消す焔と変われ…!」

 『『『Starlight Breaker.』』』


 此れでトドメなの!!


 「「「スターライトブレイカー!!!」」」


 ――ドッゴォォォォン!!!


 全力全壊の手加減無しの一発!
 耐えられるものなら耐えてみろなの!


 「…全て消えるとは、恐ろしい威力だな…」

 「や、やっぱ悪魔じゃねえのか…?」

 「流石って言うか何て言うか…」

 「空恐ろしい威力やなぁ…」


 む、ちょっと酷いよヴィータちゃん!
 私悪魔じゃないよ!?


 「嘘こけ!あんな常識ハズレの一撃ぶっ放す奴が只の魔導師な訳ねぇ!!」

 「でも悪魔は酷くない!?」

 「なら『白い魔王』だ!異論は認めねぇ!!」

 「異議ありまくりなの!!」

 てか、『魔王』って悪魔よりもランクアップしてるよね!?
 大体私が魔王ならルナはどうなるの?ルナは私よりもずっと強いんだよ?


 「アイツは『白夜の魔神』だ!それ以外にあるかよ!!」

 「…幾らなんでも少し傷つくぞ鉄槌の騎士よ…」

 「でも、ちょっとかっこいいかも♪」


 お姉ちゃん、其れは褒めてるかどうか分らないよ?
 って言うかこんな戦いは初めてのはずなのに、シグナムさんと『最強剣客コンビ』になってたお姉ちゃんは何者なんだろう?





 うん、取り合えずアースラに行って現状確認とお姉ちゃんの検査が最優先だね。

 「はやてちゃん、アースラとは…」

 「抜かり無しやでなのはちゃん♪美由希さんの精密検査の準備も出来とるそうや。」


 流石ははやてちゃん、仕事が早いの♪
 エイミィさんの方でも解析とか出来てると思うし、取り敢えずはアースラにだね。

 「アミタさんとキリエさんも一緒に来て下さいね?」

 「はい、勿論です!」

 「ハイハイ、ちゃ〜〜んと行くわよ……座標を間違えるなんて、とほほ…


 キリエさんガンバなの…

 アースラで闇の欠片の事とか分るといいんだけどなぁ……あと、あの子の場所も。








 ――――――








 Side:ルナ


 さてと、アースラに来た訳だが…

 「執務官、現状は如何なって居る?」

 闇子(仮)は何処かへ転移してしまったが…


 「闇子って(汗)…いや、そちらの探索は今も継続中さ。
  ただ、アレだけの力を持った存在だ、そう時間が掛からずに見つかるとは思うが…」

 「出来るだけ早いほうが良いと思うの――あの子を助けなきゃ!それと『闇子』はダメなの…

 「まぁ、正式名は救済後に考えるといたしましょう。
  ですが、エクザミアが完全暴走に至る前に対処しなければ厄介な事になるでしょう。」


 エクザミアがナハトヴァールに匹敵するとなれば当然だな。
 ナハトの暴走体は愚鈍で殆ど移動もしなかったから兎も角、あの子の姿のままで暴走したら……少し厳しいな。


 「確かに凄い力だったが、其れほどなのか?」

 「…暴走したお前と同等かそれ以上だと思ってくれ、リインフォース。」

 それならドレほどか分るだろう?
 付け加えるなら、エクザミアもナハトヴァール級の防御能力を有していると見るべきだ。


 「そらきっついなぁ?どうやって止めればえぇんやろか?」

 「それだがな小鴉よ、うぬが使った方法がそのまま使えるのではないかと我は考えている。」

 「王様?私が使った方法?」

 「うむ。飽和攻撃でエクザミアを停止し、其の隙にナノハとルナでエクザミアの機能を上書きして正常に戻す。
  貴様が闇の書を夜天の魔導書に戻したのと同じ方法であろう?」

 「成程…その手が有ったな!」


 そう言う事だ。
 あくまで現時点での最も有効な手段と言うだけだが、あの子を止めて救うには恐らく此れしかないと思う。

 「欲を言えば、攻撃が有効になりやすい攻撃プログラムでも有るといいんだが…」

 「早々巧くは行かないだろうな……戦いとは得てして思い通りには進まんものだ。」


 マッタクだよ将。
 何れにせよ転移したあの子を見つけてからじゃないと動きようがないな。


 「あぁ、そっちの方は観測を続けているし、現場にも何人かの武装隊員が出撃している。
  無理な戦闘は避けて、出来るだけ観測にと言ってあるから大丈夫だとは思う。」


 なら、今は待つしかないか。
 ……それで、その…美由希の事なんだが…


 「………あぁ、解析結果は出た……出たんだが…」

 「クロノ君?」

 「正直どう言ったものか……何と言うか、彼女は一言で言えば『特異体質』としか言いようが無い?」

 「特異体質?」

 「そ、其れってどういうことかな?」


 ホントに如何言う事だ執務官?
 何か美由希が少々ビクついているから詳細説明が欲しいんだが…


 「…魔導師の力の源『リンカーコア』…此れは生まれ持ってくるもので、後天的に発生する事は先ず無い。
  けど…彼女、美由希さんにはリンカーコアが存在しているんだ。
  ジュエルシード事件の時になのはの家族構成を調べた時には存在していなかったリンカーコアが!」

 「ほえ?それじゃあお姉ちゃんも魔法が使えるの?」

 「特異体質ってのは驚いたけど、其れは嬉しいかな?」


 いやいやいや、待て待て待て!
 その言い方だと何か?美由希は後天的にリンカーコアが生成されたと言うのか!?


 「そうとしか思えないんだ。
  …此れはあくまで観測的予想なんだが、美由希さんには『周囲の魔力素から自分の中にリンカーコアを作り出す』力があったとしか思えない。
  君やなのは達と触れ合う中で、濃密な魔力を其の身に受けた結果、自身の中にリンカーコアが出来たとしか考えられない。」

 「…ナノハのみならずミユキも存外一般人ではなかったか…」

 「さっすがミユキ!凄いぞ〜〜♪」


 いや、凄いとかのレベルじゃないだろう!?
 いやはや美由希がそんな能力を持っていたとは驚くしかないな…

 両親はリンカーコアが無いにも拘らず、高レベルの魔力を持ってるなのはに自らリンカーコアを作り出す美由希…


 ドレだけだ高町家?
 まぁ、私も其の高町家の一員なわけだが…

 しかし……そうだな。

 「リンカーコアがあるなら美由希にも手伝ってもらおうか?」

 「ルナ!?…ちょ、そんなの流石に…!」


 あぁ、確かに少し無謀かもしれない。
 だがなのは、美由希は魔力無しの私と互角に打ち合えるんだぞ?


 「あ……」

 「だろう?正直戦力は多い方が良い……」

 力を貸してもらって良いか、美由希?


 「勿論!あの子も私の妹になるんだからね。妹を助けない姉は居ないでしょ?」

 「確かにな。」

 お前が居てくれると正直助かる。
 …月影は全てが決着するまで使ってくれ。


 「ありがたくそうさせてもらうね。」


 あぁ、存分に使ってやってくれ。



 「お姉ちゃんの事も此れで良いとして……ねぇクロノ君、アミタさんとキリエさんは…」

 「…別にどうにもならないさ。」

 「む?そうなのか?てっきり厳しい沙汰がなされると思って居ったぞ?」


 確かに……何でだ?


 「確かに違法渡航者では有るが、聞いた事も無い世界からの渡航者だ。
  ミッドに降り立ったらな未だしも、降り立ったのは第97管理外世界……任意同行もできないさ。
  管理外世界から管理外世界への渡航まで、管理局で規制できる訳じゃないからな。」

 「成程、そう言う事ですか。」

 「ありがとうございます!ですが、私達も協力しますよ!」

 「そうそう、元はと言えば私の撒いた種だし……責任取らなきゃ駄目んこのSTDね♪」


 まぁ、協力してくれるならありがたいさ。






 さて、問題はあの子が何処に転移したかだが…まだ捕捉は出来ないか?


 「流石にそう簡単には行かないと思うんだが…」


 ――ビーッ、ビーッ!!


 「「「「「「「「「「「「「「「「「!!!」」」」」」」」」」」」」」」」」


 非常警戒ベルか!
 此れが鳴ったと言う事は…!


 「あぁ、何か起きたんだ!皆、ブリッジに移動するぞ!」


 了解だ執務官!



 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・・・・

 ・・・・・・・・・

 ・・・・・・

 ・・・



 さて、ブリッジに来た訳だが…どうなってるんだリンディ?


 「観測地点で結界の発生を確認したの。」

 「術式は古代ベルカ。多分、あの女の子だと思う。」


 結界、其れも古代ベルカか……確かにあの子かもしれないな…


 「さ、更に観測地点で闇の欠片の発生を無数確認!…10体、15体……ど、ドンドン増えています!!」


 闇の欠片までか…!
 エイミィ、モニターに出す事は出来るか?


 「ちょっと待って!………OK現場の映像を出すよ!!」




 ……此れは…確かに古代ベルカ式の結界だな。
 シャマルの物と同等、或いはそれ以上の堅さかもしれない…

 「此れは出た方が良いな?」

 「うん、勿論!行こう、皆!!」


 なのはの号令に…誰も異は唱えないな。
 ならば行くか!


 「…ちょ、ちょっと待って下さい!結界の頂点に強大な魔力反応を確認!!
  膨大な力です……す、推定魔導師ランクSSオーバー!?…そんな…!」


 …いざ出撃と言う時に新たな敵か?
 しかも魔導師ランクSSオーバー(暫定)だと……厄介な。

 「何処の誰なんだ一体?…映像を出してくれ。」

 「OK………って嘘!?此れは……!」


 な、馬鹿な…此れは…!

 「オリヴィエ・ゼーゲブレヒト…!!」

 古代ベルカの聖王が何故?
 私や将の記憶から再生されたのか?……そんな馬鹿な…!


 「か、観測対象から通信!!…繋げますか?」

 「闇の欠片から通信?…繋いでくれ…!」


 通信だと?
 …オリヴィエ――欠片と見て間違いないだろうが……お前は一体…私達に何を伝えようとして出てきたんだ…?













  To Be Continued…