Side:なのは
私達の前に行き成り現れたピンク色のお姉さん。
どうやら冥沙に用があるみたいだけど、何て言うか凄く怪しいの。
冥沙は私の大事な妹なの…貴女の好きにはさせません!
「別にいいわよ?力ずくでやらせてもらうから♪」
「ほう?貴様1人で我等を如何にかできるつもりか?…片腹痛いわ下郎が!!」
「お前なんかに負ける僕達じゃないぞ!」
「戦力差は的確に見抜かねば自滅しますよ?」
結界張ってないから変身もデバイスの展開も出来ないけど、気は抜かない。
もしもの時は、何時でも出れるよねレイジングハート?
『All right Master.I'm Clear to go.』
うん、頼もしいね。
何処の誰かは知らないけど、貴女の思うようにはさせないの!
魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福62
『起動する紫天の書』
ハッキリ言います、貴女1人じゃ私達には勝てません。
出来れば話を聞かせて欲しいんですけど……
「ん〜〜〜…争わずに済むなら、勿論最高なんだけど、其れをするにはちょ〜〜っと時間が無いのよね。
まぁ、貴女達が――と言うよりも闇総べる王様が無限連環機構『エクザミア』を渡してくれればそれでいいんだけど?」
……はい?
「エクザミア?何ですか其れ?……冥沙、知ってる?」
「知らん。聞いた事も無い。」
「ナハトの無限再生機構の様な物でしょうか…?」
「僕知ってる、歌って踊る人達だよね!」
雷華、其れはエ○ザ○ルなの!
あの、どうにも誰も知らないみたいなんですけど…
「うそん……本当に知らないの?」
「うむ、知らん。」
「…貴女達って闇の書の『構成素体』――マテリアル…よね?」
「其の認識が間違っていますね。我等は『白夜の魔導書』の守護騎士です。」
「はい?『白夜の魔導書』?」
はい、コレです。
確かに良く似ていますけど、貴女が探してるのとは別物ですよ?
「あ、あら?色違い?別物?つまりは私の勘違い?
じゃ、じゃあ本当の『闇の書』は何処!?アレが無いと私すっごく困るんだけど!!」
…え〜と、何で其れが必要なのかわからないんですけど、闇の書はですね…
「もう、この世界に存在しないんです。」
「は?」
「3ヶ月ほど前に私達と、友達の皆で『闇の書』は破壊したんです。」
代わりに本来の『夜天の魔導書』として存在してるんですけど、強大な力を持った『闇の書』は、もう存在しないんです。
「うそん…」
「本当だ。」
「マジンコで?」
「まじんこで〜〜♪」
――ひゅ〜〜〜〜…
3月だけどまだ風は冷たいな〜〜……
「何と言うか憐れですね…」
「にゃはは…目的物が既に無くなってたんじゃ仕方ないの…」
あの〜〜…大丈夫ですか?
「な、な・に・よそれぇ〜〜!!私の計画は始まる前から瓦解してたって言うの〜〜?
何の為に博士の教え破って、アミタと喧嘩までして此処に来たか分らないじゃな〜〜〜い!!」
あの…――グワシ!……ほえ!?
「何で壊しちゃったのよ!エクザミアが無いと私困るのよ!!
って言うか其の夜天の魔導書とやらは何処!?貴女の白夜の魔導書にはそう言うの入ってないの!?」
「そ、ん、な、一、度に、聞か、ないで、くだ、さい〜〜〜〜!!」
って言うか揺らさないで下さい〜〜!
目が回るの〜〜〜!!
「ちょ、止めろ〜〜!ナノハが嫌がってる!」
「少し落ち着かぬか馬鹿者!!!」
「取り合えずナノハを放して下さい。」
この人を止めて〜〜(泣)
「私の妹に何してるの?」
「何、人様に迷惑をかけているんですか!!」
――パコ〜〜ン!
「はう!!…アミタ!?」
ふにゃ〜〜…やっと解放された〜〜…目が回るの〜〜…
う〜〜ん…ありがとうお姉ちゃん。
「でも、如何して此処に?」
「ん?学校帰りに、その人が『人探しをしてる』って言うから手伝ってたの。
そしたら、その人――アミタさんが探してるって人がなのはを揺さぶってるんだもん…即突撃よ。
って言うかあの人なんなの?如何してなのは達は絡まれてたの?」
ん〜〜…良く分らないの。
冥沙に用事があったみたいなんだけど色々勘違いしてるらしくて…
『エクザミア』って言うのを探してるらしいんだけど、其れが有るのは『闇の書』だって…
「闇の書って…なのはとルナ達で壊して正常に戻したんでしょ?…何で?」
「不明だの…だが、何れにせよアレの力を求めてきたと言う時点で碌な者では無い。」
確かにそうなの…あの〜〜…アミタさん、で良いんですよね?
「はい!あ……すみません、不肖のピンクの妹がご迷惑をおかけしました!!」
「ちょ、其の呼び方止めなさいよアミタ!!」
「不肖のピンクで充分です!!大体こんな小さな子に迷惑をかけるなんて何を考えているんですか貴女は!!」
あの…
「は!失礼しました!何でしょうか?え〜と…」
「あ、高町なのはです。皆は『なのは』って呼んでくれます♪」
「なのはさんですか。アミティエ・フローリアンです。皆は『アミタ』と呼びます……って美由希さんから名前は聞いてますね。」
はい。
あの、それでそちらの方は……ご家族ですか?
「はい。……って、まさか名乗ってないんですか!?」
「「はい。」」
「うん。」
「一言も名乗っておらぬな。」
「……キ〜リ〜エ〜…!」
「はひ!?」
「貴女と言う人は、己の名も名乗らずに何と言う狼藉を働いているんですか!!
初対面の人には先ず名乗る!此れは常識です、鉄則です、人としての礼儀ですよ!!」
アミタさんて真面目な人なんだなぁ……じゃなくて。
「あの、其の方は…え〜と…」
「キリエ・フローリアンよ。キリエで良いわ。」
キリエさんは如何して『エクザミア』が欲しいんですか?
と言うか『エクザミア』ってなんなんですか?聞いた事有りませんけど…
「……闇の書に有るって言う『無限連環機構』よ…システムU-D、別名……『砕け得ぬ闇』…」
「「「砕け得ぬ闇!?」」」
其れって…冥沙達が元の世界で欲してたって言う…!
暴走したリインフォースさんにも匹敵するって言う存在…!
「何で其れを!!って言うか、そんな物に手を出したら危険すぎます!!」
「其れはご心配なく〜。制御の術はちゃんと分ってるわ。
世界への影響は0とは言えないけど、98%安全だから大丈夫よ♪だから…」
――ヒィィィン…!
「「「「「「「!!!」」」」」」」
此れは結界!?
『Caution.Emergency.It comes.』
「レイジングハート?来るって何が?」
『I don't knwo.』
分らないか…でも、普通じゃないの!
星奈、冥沙、雷華!
「心得ています!」
「何処の誰かは知らんが、身の程を教えてくれる。」
「あ〜っはっは!どっからでもかかってこ〜い!!」
お姉ちゃんは下がってて。
此処は私達がやるから!
「まさか、自分の身くらい自分で護れるよ。
だから私の事は気にしないで思いっきりやっちゃいなさい……来るよ!」
「お姉ちゃん…うん!レイジングハート!」
『All right.Standby, ready.Set up.』
うん、準備完了!
さぁ誰なの!?
「……下らない三下が雁首そろえているようね…」
「「「「!!!」」」」
プレシアさん!?
…違う、此れは……ジュエルシードの時のプレシアさんの偽者!!
若しかしてコレが『闇の欠片』……
「目障りよ…消えなさい!」
『『『『『『ウガァァァァァ!!!!!』』』』』』
傀儡兵まで!!
…凄い数…だけど…先ずはコレを片付けるの!!
――――――
Side:ルナ
又闇の欠片が現れたか!
しかも今度のは昼に出てきたのよりも強い……おまけに結界内にはなのは達と…美由希まで居るみたいだな…。
少しスピードを上げるか――振り落とされるなよなはと?
「(こくり)」
「ルナ!!」
「フェイト!なのは達と一緒じゃなかったのか?」
「今日は掃除当番で、待たせると悪いから先に帰ってもらったんだ。
終ったから帰ろうとしたら結界が……コレが『闇の欠片』?」
略間違い無い、昼間の結界と同じだからな。
…見えた、突っ込むぞフェイト!
「うん!」
――ギギ…バシュウ!
よし、結界を抜けた!って既に戦闘中か!
相手は……よりにもよって偽プレシアの欠片と傀儡兵か…面倒な。
大丈夫かなのは、皆!
「ルナ!うん、大丈夫!!」
「美由希も無事か?」
「何とかね。無手で対応ってのはきついけど…」
だろうな……ん?フェイト?
「あら…フェイトじゃない。どうしたの怖い顔して?」
「軽々しく呼ぶな、偽者!お前が母さんの姿をしてるだけでも許せないんだ!」
…此れは地雷だな。
アイツはフェイトにとって最も許すことが出来ない相手だからな…
『グオォォォ…』
「邪魔だガラクタ。」
傀儡兵如きが私に勝てるとでも思っているのか?
お前等など月影の錆にもならんさ……闇の欠片では余計にな。
偽プレシアはフェイトが滅殺するだろうから任せるとして…この傀儡兵の量――一気に決めようかなのは?
「うん!全力全壊なの!」
「全力全壊に異議なしだ!……ん?なはと?」
「(ギンッ)」
――バシバシバシィ!!
此れは…バインドか!
なはとがやったのか?……大したものだ。
「♪」
「ナイスなのなはと!」
「あぁ、此れは撃ち漏らしは出来ないな!」
「うん!行くよ、全力全壊!」
「完全掃滅!」
N&L超広域殲滅コンビネーション…
「「エターナルミーティア!!」」
――ドゴォォン!!!!
うん、綺麗サッパリ吹き飛んだな。
冥沙達は大丈夫か?
「うむ、問題ない!」
なら良かった…さて、フェイトは…
「お前は絶対に許さない!欠片であっても二度と現れるな!貫け雷神!!」
『Jet Zamber.』
「く…あぁぁぁぁ!!!!」
――シュゥゥゥ…
一撃粉滅か…見事なものだ。
そちらのお嬢さん達も大丈夫か?
「はい、大丈夫です。」
「コレくらいの敵は余裕のKTYよ♪」
「そうみたいだな。」
…ん?闇の欠片を倒したのに如何して結界が消えないんだ?
一体…
――ドクン…!
!!
な、何だこの重苦しい感じは!!
「此れは…紫天の書が反応しているだと!?」
冥沙…紫天の書が…光っている?
いや、光っているだけじゃなくて脈動している――まるで夜天の魔導書が起動したときみたいだ…
此れは一体…
『Ich entferne eine Versiegelung. 』
「へ?封印解除?」
「一体何事だと言うのだ?」
『Anfang.』
――カッ!!!
く…閃光が!!
此れは…!!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・
・・・
…閃光が晴れたか…
「皆、大丈夫か?」
「うん、平気なの。」
「目が眩んだと言う事も無さそうですね…」
「うむ、全員無事よ…だが今の閃光は一体……」
「って言うか此処何処〜?知らない場所だぞ〜〜?」
「まるで荒れ果てた荒野みたいね…」
確かにさっきまでの公園とは違うな……紫天の書の発光と関係あるんだろうが…
「キリエ…此れは一体?」
「予想外よこんなの…!なんで…」
…時にあの2人は?
「アミタさんとキリエさん。キリエさんは『無限連環機構』の『エクザミア』って言うのを探してるの。」
「エクザミア?…聞いた事が無いな。」
何にせよ何が起きたのか知りたいんだが……
それにしてもこの景色…どこかで見たことがあるな?…遠い昔にどこかで……
――ドォォォン!!!
「爆音!?」
「どこからでしょう?」
行き成りだな………あっちだ、火の手が上がっている!!
行ってみよう…って美由希は飛べないな――と言う訳で失礼するぞ?
「ルナ!?///」
「コレが一番効率がいいんだ。なはとも引っ付いて居るからな。ちゃんと捕まっていてくれよ?」
「う、うん。お姫様抱っことか反則だよ…」
取り合えず行くぞ。
……此れは……
「ひ、酷い…!」
「幾らなんでも此れはないよ…」
「滅茶苦茶破壊のMKHじゃない…酷すぎるわよ…」
燃え盛る街……そうだ、此れは…
『うぅ……』
「シャマルさん!?」
「いえ、服が違います。此れは甲冑…」
シャマル……他の騎士達は還った後だったな…
『…主殿はたった今亡くなられた…後は残された力で私は主殿の願いを叶えるのみ。
湖の騎士よ、お前も次なる主が見つかるまでの間、しばし闇で眠りに付け…』
「ルナ!?」
「…いや…私は此処に居る…此れは、私の記憶だ…!」
そうだ…此処は戦乱期のベルカ…何代目かの闇の書の主が死んだ直後の私の記憶だ…
何故こんな記憶が……一体、どうなってしまったんだ私達は…?
To Be Continued… 