Side:なのは
今日は1学期の終業式。
明日からは皆が待ちに待った『夏休み』!
もう今から夏休みイベントが楽しみで仕方ないの♪
でも、その前に…
「高町なのはさん。」
「はい…。」
通信簿って言う、とってもありがたくないイベントが待っているんだけどね…
魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福28
『ホームステイは突然に』
う〜ん…
――そろ〜…
「ふぅ、良かった〜〜。2年生の3学期よりも成績が上がってるの♪」
理科と算数は評価限界突破の8、図工と音楽は4、体育が3、国語と社会が2……まずまずなの。
でも5段階評価で、それ以上の評価って言うのは如何なんだろう?
うん、考えない方が良いかも♪
皆は如何だった?
「僕は体育以外は全部1!でも体育だけは評価基準越えの30だって!」
雷華は予想通りなの。
……まぁスポーツテストで全種目新記録樹立なら納得なの。
「我は平均的に高めだのう。」
うん、冥沙は成績が安定してる。
全科目3以上で、国語と算数が評価限界突破の8は誇って良いよね。
「私はややバラつきがありますね。ですが図工の評価限界突破は予想外でした。」
体育以外は全部高いけど、星奈は図工が凄すぎ。
…紙粘土細工で1/20スケールの『ミロのヴィーナス』作ったんだからある意味この評価は妥当なの…
評価限界突破は今まで色々見たけど100って言うのははじめて見たの…
「皆凄いね♪」
「なのはのところは色々人間超えてるわねぇ…」
「にゃはは…でもアリサちゃんは図工と音楽と体育以外は評価限界突破の7だし、すずかちゃんも体育は評価限界突破の10だよね。」
我が友人ながら2人ともとんでもないの。
…私ってそういう人が周りに集まるタイプなのかな?…ま、良いか。
「時になのは、アンタ夏休みの予定は?やっぱ皆で出かけるんでしょ?」
「うん!夏祭りは行ける所は全部行く予定。海やプールも目一杯♪」
この前買った水着と浴衣も楽しみだし。
何よりも夏休みは楽しまなきゃ損なの。
「その意見には賛同ですね。では、思い切り楽しむ為にも宿題は今日のうちに貫徹で終わらせてしまいましょう。
えぇ、リインフォースの手助けがあれば可能なはずです!全てを終わらせて只只管に楽しい夏休みを!」
「星奈、やる気ありすぎなの…」
「星奈んすご〜い!」
「終業式の日に夏休みの宿題を終わらせる奴など…居ないよな?」
「普通居ないわよ?」
「大抵は最終日まで残しちゃうから…」
だよね〜。
う〜ん、でも心配なく夏休みを過ごすのに其れも1つの手かな?
ルナに手伝ってもらえば出来ると思うし……うん、やってみよう!
「本気かナノハ!?」
「お?なんだか良く分らないけど、ナノハがやるなら僕もやるぞ〜!」
「私の意見を採用していただき、光栄の極みです。」
にゃははは、まぁ頑張ってみようよ。
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「ただいま〜。」
「たっだいま〜〜〜!」
「只今戻りました。」
「戻ったぞ。」
で、帰宅。
今日は直接翠屋に。
「あぁ、おかえり。今日は終業式で半日だったか。」
「お疲れ様ルナ♪」
お昼だから結構混んでる。
うん、私達も直ぐにお手伝いするね。
「そうしてくれると助かr「すいませ〜ん、注文良いですか?」はい、ただいま!」
ルナは人気者♪
急ごうか?
「そうしてください。私だけでは未だ手は足りませんでしょうから。」
「星奈!?」
「ぬお、何時の間に!!」
「凄い早着替え!星奈んすご〜い!」
「ウェイトレス道を極めるならば此れくらいは出来ませんと。」
殲滅服の上着なしにエプロン…殲滅服への変更は直ぐにって言ってもエプロンまでって…流石なの。
私達も此れで行こうか?
「うむ…まぁ、確かに此れの方が早いと言えば早いか。」
「良いじゃん、動きやすいし♪」
じゃ、ウェイトレスさんで一仕事だね♪
――――――
Side:ルナ
ふぅ…相変わらずの忙しさだったが、取り合えずピークは過ぎた。
お前達も帰ってきたばかりだった言うのにご苦労様だったな。
「にゃはは、大丈夫大丈夫。此れくらい平気だから♪」
「そうそう、僕らは全然ヘッチャラ!」
「そうか、其れならば良いんだが。」
そろそろ休憩の時間だ、ゆっくり休むか。
――チリンチリ〜ン
と、思ってると新たに客が来るのはお約束だな。
いらっしゃいませ。って…ん?
「クロノ執務官?」
「クロノ君?」
「失礼する。」
此れは又珍しい…取り合えず席に、注文はどうする?
「いや、其れも良いんだが…艦長から連絡は何も来ていないのか?」
リンディ提督から?
「私は何も…なのはは?」
「私も聞いてないの。」
となると星奈達が聞いている可能性も低いな。
何か事件でも起きたのか?
「いや、そう言う訳じゃないんだ。」
にしては何か余裕が無いと言うか…本当にどうしたんだ?
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「「「「「夏休み?」」」」」
取り合えず、休憩時間を使って話を聞いているわけだが、夏休みか…
「端的に言えばそうなる。溜まりに溜まっている休暇を消化するようにと、艦長とエイミィから追い出された。
しかもご丁寧に、8月31日まではアースラ及び本部への転送ポートの使用制限のオマケ付だ。」
其れは又なんとも…。
事情は分ったが、それで如何して此処に?
「地球で僕と面識があるのは君達くらいだ。艦長が『高町さんの所に話は通しておきます』と言っていたんだが…」
其れだと連絡を受けているのは桃子か士郎だろうが……
……何故だろう、リンディ艦長と桃子の『悪戯っ子』的な笑顔が頭をよぎるのは…
連絡は来ていないのか?
「あら、ごめんなさい言うの忘れてたわ♪」
「嘘だ。絶対に確信犯だ。その『無駄に良い笑顔』がリンディ艦長と共謀しての事だったと証明している。」
さて、反論はあるか桃子?
「お母さん?」
「モモコ?」
「モモコよ…」
「忘れんぼさんだな、モモコも〜〜♪」
…取り合えず雷華は今はおいておくとしてだ、
「私達の方がクロノ執務官と先に会ったから良かったようなものの…恭也が先だったら面倒な事になっていたぞ?
ジュエルシード事件の時に説明しに来た執務官にとてつもない殺気と警戒心を向けていたのを覚えているだろう?」
「え〜と…そう言えば目を血走らせてクロノ君を睨んでいたわねぇ…」
だろう?
もしも、恭也が先にクロノと会ってしまったら…「許さんぞ…」…と、こう言う風に…ん?
「許さんぞ、クロスケ!貴様あまつさえ家に居座って夏休み中になのはを相手に『自主規制』や『検閲により削除』な事をする心算かぁぁ!!」
「何処から湧いた恭也!!」
と言うか店内で何絶叫してるんだお前は!?今は休憩中で店内に人が居ないから良いようなものの!
脳味噌は大丈夫か?暑さで煮えたか?寧ろ煮えすぎて溶け出してるのかお前!?
取り合えず…
「少し落ち着け!」
「恭ちゃん煩い!其れと、何絶叫してるの!」
――ゴンッ!×2
「グホッ!」
よし、撃沈。
其れからおかえり美由希。
「ただいま♪其れといらっしゃい、クロノ君。」
「あ、あぁ、お邪魔している。…その、ソレは大丈夫なのか?」
「構わん。どうせ直ぐに復活するわ。」
そう言う事だから大丈夫だ。
話がそれたが、つまりは夏休み期間中は此処に滞在すると言う事か?
「そう言う事になる。勿論そちらがよければだが。」
「大丈夫!私は構わないの。皆は?」
「我は構わぬぞ。」
「私も依存はありません。いっそウェイターでもやってもらえば良いのではないでしょうか?」
「僕も賛成〜!くろのはちょっとゆーずー効かないとこ有るけど、いい奴だから!」
勿論私も反対じゃない。
桃子はリンディ提督から連絡受けていたわけだから問題ないだろうし、美由希も良いだろう?
「勿論。弟が出来たみたいで楽しそうだし。それにお母さんがOKしてるならお父さんもOKのはずだよ?」
「だな。と、言う訳で何も問題なしだ執務官。」
「いや、其れはありがたいが…目覚めたら面倒くさい事に…「だからダメだと言っているだろう!!」…なるんだな…」
本当にな。
何時もよりも復活が早くないか?
「だが、ダメだといってもお前以外は全員賛成だ。日本は民主主義、多数派の意見が尊重される国だぞ?」
「それで納得できるか!なのはの身にもしもの事があったらどうする!」
何も無いと思うがな……クロノ執務官は真面目な方だぞ?
其れに未だ14歳だ、間違いを起こすことは無いと思うがなぁ…?
「14歳!?ある意味で最も危険じゃないか!思春期真っ盛り!!これはm「なら僕と勝負しろ恭也。」…なに?」
「クロノ君!?」
「ほう?」
「成程…考えましたね。」
「?どゆこと?」
成程な、言葉でダメなら力で決着だ。分ったか雷華?
「うん。そっか、それならやっちゃえ!!」
勝負して勝った方の…と言ったところだが、お前も相当にアタマにキテいるな執務官?
「当たり前だ。ありもしないことを勝手に言われたら我慢にも限界がある。
勝負は…僕とお前が夫々の得意な獲物と戦術での一本勝負。
お前が勝ったら僕は此処じゃない場所で過ごすが、僕が勝ったら一切の口出しはしないで貰う。…如何だ?」
「良いだろう。魔法でも何でも使え。俺も剣士の実力を見せてやる!」
「ちょ、ちょっと待って!!」
なのは?
いや、此処まできたらやらせたほうが後腐れ無いんじゃ無いか?
「ダメなの!そんな事で戦っちゃダメ!!…お兄ちゃん!」
「な、なんだなのは?」
「クロノ君は私のお友達なの!そのお友達に酷い事言うお兄ちゃんなんて…」
あ……うん、最強の兵器が有ったなそう言えば。
執務官、此れで万事解決だ。
「?」
「見ていれば分る。」
さて、言ってしまえなのは。
「そんなお兄ちゃんなんて…大っ嫌いなの!!!」
「なのふぁぁぁぁぁあぁぁっぁぁぁぁ!!!!!ま、待て、俺は!」
「ふんだ!」(プイッ)
「グホアァァァァ!!」(吐血)
お見事、急所に当たったな。
「効果は抜群ですね。」
「う〜ん、なのはもだんだん恭ちゃんの扱い方が分ってきたなぁ♪お姉ちゃん嬉しい。」
「凄い破壊力だな…言葉は何にも勝る兵器になる、か。」
そう言う事だ。
で、こうなった以上は恭也はお前の、そう『ホームステイ』を認めるより他は無い。
恭也がこの世で最も恐れる事はなのはに嫌われることだからな。
「ぐっ…クロノ君…君のホームステイを心から歓迎しようじゃないか…」(血涙)
「…如何贔屓目に見ても絶対に歓迎しては居ないな。」
まぁ、未だなんか言って来る様ならその時こそ沈めてしまえば良い。
必要ならば、私と美由希も加勢するから安心しろ。
「そ、だから安心してね♪」
「あ、あぁ……それじゃあその、改めて夏休み期間中、お世話になります。」
「うん!いらっしゃい、クロノ君!」
「歓迎するぞ黒髪。」
「一杯遊ぶぞ、くろの〜〜!」
「どうぞ、ごゆっくり…」
此れにて万事解決だな。
…いい加減に認めろ、そんなことだと何時か本気でなのはに嫌われるぞ恭也?
「あんなに喜んでいるんだから良いじゃないか。」
「ぐぬぅ…言いようの無い敗北感だ…」
歳の離れた兄よりも、幾分歳が近い友達という事だろう。
そう思って割り切った方が良い。
「はぁ……其れより仕方ない。なのはに嫌われたくないからな。」
「そうしろ。」
ともあれ、予想外のゲストだったが此れは此れで悪くない。
明日から8月31日までの40日間、果たしてどんな事が起きるのか楽しみだ。
To Be Continued… 