Side:サイファー


「ねぇ、さいはー、へいと、このキノコって食べられるかなぁ?」

「ま、真っ赤は止めといた方が良いよ!其れは間違いなく毒キノコだから!」

「ちぇ〜〜、食べられるキノコだったら持ち帰って王様に料理してもらおうと思ったのに〜〜!」


……緊張感の欠片もないな全く……なのはから『雷華は天下無敵の超ノーテンキ』とは聞いていたが、よもや此処までとは思わなかったぞ。
テスタロッサも何気に律儀に突込みを入れているし……お前等は何か?天然お笑いコンビなのか?見ている方としては面白いがな?


「お笑いコンビ?いいね!どうせならデビューしようか!」

「違うから!しないからねそんなの!
 って言うか曲りなりにも敵の本拠地なんだから少しは緊張感を持ってよ雷華〜!」


「緊張感?ア〜ッハッハ!そんなモノは僕には必要ないむよーのちょーぶつだ!
 どうせ出て来るのは全部敵なんでしょ?だったら細かい事は考えないで、出て来た奴を撃ち抜いてぶった切ってすらっしゅすれば問題なし!」


……ある意味で的を射ているな……確かに出て来るのは敵しかいないからな。
来た端から切り伏せて潰していけば、その内黒幕に大当たりだ……そして来たようだぞ?ゴミ屑以下の機械人形が。

「どれ、景気付けに一発行っておくか?」

「おぉ!いいね〜〜、その案乗った!」

「確かに悪くないですね。」


ならばぶちかます!消し飛べ粗大ごみ……ディバインバスター!!!


光翼斬!!

プラズマスマッシャー!!!


――ドゴォッォン!!


しょぼいな……開始の花火はもっと派手に行きたかったんだがな……まぁ良い、この先に待ち受けるメインディッシュで満足させてもらうとしよう。
尤も、私達を満足させてくれるメインディッシュであるかどうかが問題だがな!











魔法少女リリカルなのは〜白夜と月の祝福〜 祝福108
『Trancemagic&Outbreak!』










さて、ゴミを処理しながら辿り着いたのは開けた空間――此処から先に道はなさそうだから、此処が終点と言う事か?
其れにしては味気なさすぎだが、其れとも内装以上の持て成しをしてくれるのか、誇大妄想のイカレババア?……私達を満足させられるか?


「口の悪いネズミね……だけど貴女達は飛んで火にいる夏の虫に過ぎないわ……圧倒的な差と言うモノを教えてあげるわ!」

「差……教えて貰おうかな、私達がどれだけ貴女よりも強いのかって事を
 ……其れ以前に無事で済むと思わないでね?貴女だけはキッチリと仕留めないと如何にも気分が悪いから。」

「フン…10年前は魔力砲1発入れる事しかできなかった小娘が偉くなった者だわ……その口閉じてあげようかしら。」


口を閉じられるのはお前の方だウスラバカ……お前もエクリプスドライバーだろうが、強さはテスタロッサの足元にも及ばんだろう?
お前の末路は決まってる、簡単に死なない身体になった事を後悔するだろうさ。

まぁ、お前の末路などには微塵も興味はないが、隠していないで出したら如何なんだ?……お前の下僕共をな。
まさかたった1人で私達の相手をするなどと言う馬鹿な事を考えてる訳じゃないんだろ?――いや、その腐れ脳なら考えてるかもしれんが。


「え?アイツの脳味噌腐ってるの?」

「腐ってるぞ、ドロドロだ。蠅が集って、蛆が湧いて、醗酵によるメタンガスまで発生しているかもしれん。
 だからアイツのゲップや屁は恐ろしく臭い筈だ……あぁ言う奴の事を『歩く生ごみ』と言うんだ、学習したか?」

「へ〜〜〜……じゃあ生ごみなら埋めないと!埋めて肥料にすれば少しは社会の役にたつ!」



「如何やら相当に死にたいようね小娘共が!ならば望み通りにしてやるわ!!トーレ、セッテ!」

「「は!!」」


居るならさっさと出せと言っただろうに……だが、誰が出て来るかと思えば、前に私となのはにフルボッコにされた弱っちい戦闘機人じゃないか?
何だ、まだ〆られ足りなかったのか?マゾヒストかお前等は?……まぁ、スクラップにしてほしいと言うのならば望み通りにはしてやるがな。


「この子達だけじゃないわ!現れよ、我がゾンビコマンドー!!」

「「「「「「…………」」」」」」


……今度は死者を無理矢理使役した屍兵か……呆れてモノが言えんな。
だがこうなると、イカレババアの相手はテスタロッサ、戦闘機人2人は私が相手をするから、雷華はそのゾンビどもを頼むぞ?


「勿論……アイツだけは生かしておかない………アリシアの仇を今此処で討つ!」

「ハッハッハ!ゾンビ如きが僕に勝とうなんて10兆万年早い!!僕の雷でこんがり焼いてやるから覚悟しろ〜〜〜!!」


ふ、コイツ等なら億に一つの負けもないだろう。
そして、私もお前等如きに負けてやる心算は毛頭ない……と言うかお前等如きに負けてはルナとなのはに顔向けできんのでな!

「来い、負け犬の三下。格の違いと言うモノをその身に刻み込んでやるからありがたく思え。」

「この間とは違う……そんな事言っていられるのも今だけだ!」

「消えると良い……」


クックック……果たして消えるのは何方だろうな!!


――シュン!!


「「!?」」

「なんだ、この程度のスピードを捉える事すら出来んのか?
 此れ位のスピードならばルナならば超反応して強烈なカウンターを返してくれるんだが……所詮はクズの配下に過ぎんか!」


――ズバァァ!!!


「く……舐めるな!」

「もう全力で行く。」


全力か……そうでなくては面白くもないし、貴様等を殺してやる甲斐もない――弱い者苛めと言うのもあまり気持ちの良いモノではないのでな。
と…流石に本気ともなればそれなりに攻撃は鋭いか?……ルナやなのはと比べれば恐ろしいほどに温いのは否めないが……

「ふん!」


――ガキィィン!!カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン!!


ほらほら如何した!!
二刀流が2人で挑んで私に攻撃を届かせる事すら出来んのか?
私とて二刀流だが、物量で言うならばお前等は私の倍になると言うのに情けない……所詮は己の意思なき機械人形に過ぎんか。


「馬鹿な……私達の力はSランクの魔導師にも匹敵するのだぞ?其れをこうも簡単に!!」

「オーバーSレベルか?……それが与えられただけの力と、鍛錬で鍛え抜いた力の差と知れ低能が!」

幾ら強い力であろうとも、只与えられただけのものなど怖くもなんともないぞ?
ふん、あの市街地戦から少しは強くなってるかと思ったが期待外れだな……すっかり興醒めだ……もう良い、お前等は消えろ。目障りだ。


――ズバシュゥゥゥゥゥ!


「「え?」」

「斬られた事すら分からなかっただろう?此れが私とお前達との覆せない絶対的な実力差だ。」

「そんな……」

「馬鹿な……」


――ズルリ………ドォォォン!


文字通り一刀両断……見事なまでに真っ二つだな……血すら流れないか、六課のひよ子達とは違ってコイツは本当に機械人形だったと言う訳か。
貴様等に魂があるかどうか知らんが、精々閻魔の裁きを受けて地獄に落ちるが良いさ……貴様等には地獄すら生温いかも知れんがな。








――――――








Side:雷華


う〜〜〜〜、鬱陶しいなあコイツ等!
弱っちいくせに耐久力だけはめちゃくちゃ高いんだもん、僕じゃなかったら疲れちゃうところだぞ?

「だがしかし、僕が疲れてぶっ倒れる事なんてなっしんぐ!
 相手が悪かったなゾンビども〜〜!纏めて地獄に送り返してやるから覚悟しろ〜〜〜!!」

そ〜れ、電刃衝!光翼斬!!爆光破!!雷神滅殺極光斬〜〜〜!!


――ドッゴォォォォォォォォォォオォォォォォォォォォン!!


「Ah〜〜〜〜〜〜〜!!」
「ぎゃ〜〜〜〜〜〜〜!!」
「がぁ〜〜〜〜〜〜〜〜…」
「うが〜〜〜〜〜〜〜〜……」



お、効いてるな?あ〜っはっは!此れで止めだ〜〜!ぱわ〜極限全力全壊一撃滅さ〜〜つ!雷刃封殺爆滅剣〜〜〜〜〜〜!!!


――ドガバァァァァァァァァァァァァァァァアッァアァァァァァアッァン!!!


「「「「「「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜……!!」」」」」」
1499985Damage Over Kill


あれ?今一瞬何か見えたぞ?
まぁ、良いか僕の余裕勝ちだから!やっぱり強くて凄くてカッコいい!そう、僕最強!!


……ん?なのはとルナには勝てないから最強じゃないか?……いや、気持ちは何時でも僕最強!最強じゃないとなのはの騎士にはなれないもんね!
それにしても歯応えのない相手だったな〜〜〜……さいはーの相手の方が強かったかも……何か損した気分〜〜。








――――――








Side:フェイト


本当に不死身なんだね、エクリプスドライバーって……貴女のその腕は何本目だったっけ?


「さてねぇ?だけど此れだけやっても未だ分からないの?私は死なない……お前では私を倒す事は出来ないのよ!」

「確かに、貴女の再生力は凄いモノがあるけど、攻撃方法や戦術はあまりにも稚拙すぎる……その程度じゃあ私には通用しない!」

そろそろ本気で叩き潰す……バルディッシュ!


『Yes sir.Sonicform Standby.Drive ignition.(承知。ソニックフォーム準備。然る後に機動。)』

「覇ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」


――轟!!


「……覚悟は良いキスティ?此処からは次元を超えたスピードの世界だよ!」

「!!」


反応出来る筈がない……ルナをして『此れは捕らえ切れない』と言わせたほどの私のスピードをお前に感知できるはずがない!
捕らえられない死神の大鎌に怯えろ!!


――ヒュン、ヒュン、ヒュン!!


「ぐ!!……マッタク恐ろしいわ、そうも簡単に人を殺そうとするなんてね…」

「人を?人の命を奪うって言うなら幾ら私でも戸惑うよ。
 だけど人の心を失った『悪魔』や『化け物』を討つのには何の抵抗も戸惑いもない!お前は生きていてはいけない存在なんだ!プラズマランサー!」

「く……この程度!!」


流石に其れは避けるよね……だけど丸見えだよ!プラズマスマッシャー!!


「ちぃ、小賢しい!!………フェイトは何処!?」


気安く呼ぶな……お前にそう呼ばれると虫唾が走るんだ……二度とその口は開かせない!!はぁぁぁあぁぁぁ!!!


「!!」


――ズバァァァァ!!


「!?」


――ズルリ……


頭から一刀両断した……景色がぶれて見えてる筈だよ。
そして此れで終わり!ハァァァァァァァァァァァァァアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!


――ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ、ザシュ!ズバァァァァァァァァァァァ!!


纏めて細切れに……そして此れで止めだ!消えろキスティ・テルミット・アルマシー!トライデントスマッシャー!!


――ドゴォォォォォォン!!


幾ら不死身でも細切れにして、その上で全部焼き尽くせば復活は出来ない筈……この一撃が効いたかどうかが問題だけど……

「巧く行ったみたいだね……」

『Good Job Sir.』


吹き飛んだんだね、文字通り……サイファーと雷華も自分の相手は倒したみたいだからね。
何か呆気なかったけど、此れで任務完了……アリシア、貴女の仇を10年かかって漸く討つ事が出来たよ……








――――――








Side:キスティ


やれやれ……所詮はクローンね、本物の私には及ぶべくもないわ……戦闘機人と屍兵も役に立たない事…。
まぁ、戦闘機人の残骸やら何やらには利用価値が未だ有るからね……精々リサイクルして手駒にしてあげましょうかねぇ…。

うふふ…精々自分達が優勢と粋がってなさい管理局+α!…最終的に笑うのはこの私『キスティ・テルミット・アルマシー』だと言う事を教えてあげる。

でもどうせなら其処には色と華が必要よね……ククク、其れじゃ先ずは聖王の生き血を頂くとしようかしら?
あの白い魔導師と対峙してるのは、『レオン・アークヒール』の亡骸を使って作った最強のアンデッドウィザード……あの小娘が如何戦うかが鍵ね。


ククク……精々くたばらない様に頑張りなさい………勝っても負けても地獄行きは間違いないわ。
高町なのはとリインフォース・ルナ……10年前の屈辱は万倍にして返してやる!!殺してやる……お前達は残らず全員殺してやるから覚悟しろ!!


この世の全ては私の駒に過ぎない……私こそが世界の支配者に相応しいのよ!
刃向うモノは全て殺して、私は世界の王となる……うふふ、あははははは、あ〜〜〜っはははははっはははははっはあははっはははは!!


壊してやる、殺してやる……私の邪魔をする者は全部みんなすべて!この世から消え去ってしまうと良いわ!


あはははははははははははははは!!あ〜〜〜〜〜っはっはっははははははははははははははあはあはははははははははははは!!










 To Be Continued…