Side:志雄


ったく、闇の欠片とマテリアルだけでも面倒極まりねぇのに、その上更には正体不明の渡航者が現れるとは、如何やら俺はトコトン面倒事には
縁があるみたいだぜ――こんな縁は、マッタク持って有り難くねぇがな。
何よりも問題なのは、俺の前に現れたオッドアイのハニーブロンドが、俺の事を『パパ』とか抜かしやがった事だ。
他人の空似で間違えた可能性ってのもあるだろうが、アイツは勘違いとかじゃなくて、ガチで俺を父親として認識していやがった……となると、
アイツは未来からの渡航者って事か。

なのはの方に現れた奴も、なのはの事を『ヴィヴィオさんのお母様』って言ってたらしいからな。



「志雄さん!!」

「なのはか。」

そんでもって、此処でなのはと合流だ。
相手が未知の存在である以上は、単騎で動くよりもツーマンセルで動いた方が得策だからな――此れは、柊からの受け売りだが、お前はこの
状況での動き方を分かってるみたいだななのは?
ったく、末恐ろしいが頼りになるぜ。



「其れも此れも、志雄さんのお陰ですよ――4年前に教えて貰ったBLAZEの信念と魂、其れが私に力を与えてくれてますから♪」

「嬉しい事言ってくれるじゃねぇか!!」

なら、景気づけに、闇の欠片を粉砕すんぞ!――多少強い個体が居る様だが、それでも俺達の相手じゃねぇからな!纏めてぶっ飛ばす!!



「了解です!!」

「俺達に喧嘩を売った事を後悔しな!!」

さぁて、一発ブチかますとすっか!!














リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE95
『A's portable~フェイトvsレヴィ~』










Side:フェイト


うみなりはけっこーひろい町だから、ここからやみのまてりあるをさがし出してたおせって言うのは、ハードモード通り越したマスト・ダイレベルの
難易度だよ。
まぁ、僕は誰が出てきても、斬って撃ち抜いて、そんでもってスラッシュするだけだから、問題はまるでないけどね。



「そうかも知れないけど……来るよ、フェイト!!」



あるふ?……お~~、ほんとーだ!金色の雷光がこっちに向かってきてる!
かくそうともしないこのとーき……此れはまちがいなくまてりあるの子たちが、ちかづいているって言う事だよね?――なら、まっしょーめんから
うけきってやる!
さぁ、かかってこーい!!



「それじゃあ、要望に応えて参加させて貰おうかな?」

「おーー!あらわれたかまてりある!!」

「君の魔力を追って来たんだけれどね。」



其れでも、おまえたちがあらわれたのは、とってもうれしーぞ!!ひさしぶりだなぁ、元気だったかまてりある!!
ぜんかいはおもいっきりやっつけちゃったけど、こんかいはもうちょっとたのしもーね!!



「君は、相変わらず元気だねフェイト?」

「げんきがぼくのとりえだぞ、まてりある!」

「マテリアルじゃなくて、レヴィ。私はレヴィ・ザ・スラッシャーだよ?」

「れびい?」

「レヴィ。」



れびい。レヴイ……めんどくさいからまてりあるでいーや。



「そっちの方が長いと思うんだけど……それよりも如何かな、今回復活して、私は本来の魔力光を取り戻す事が出来たんだ。
 ちょっと派手な感じがしなくもないけど、綺麗な金色でしょ?」

「おぉ!金いろっていうのは、すぺしゃるな感じがするゾ!
 きんぱつで、きんいろのまりょく……おまえ、スーパーサイヤ人だったのかまてりある!!」

「いや、違うからね!?」

「それにしても、やっぱりまてりあるの方がありしあに似てるんだよな~~……まりょくの色は、ぼくのほうがちかいけど。
 っていうか、何でありしあのいでんしからうまれた僕よりも、僕をこぴーしたお前の方がありしあにそっくりなんだよ!なんかずっこいぞ!!」

「って、今度は話題が飛んだ!?」



って言うか、はやてをまねたおーさまとおまえは兎も角、なのはをまねたって言うまてりあるはぜんぜん似てないってきいたぞ?どう言うことな
んだよ!
それと、いろちがいのこんぱちキャラなんていまどき流行らないぞ~~!色だけじゃなくて、かみがたとかも変えろーーーー!!



「髪型……シュテルは、其処まで考えてたのかな?」

「あ、なのはのまてりあるはかんがえてたんだ?」

「いや、やっぱりそんな事考えないでセミロングにしたのかも。」



って、どっちやねーん!!



「ふふふ、君を見てると力のマテリアルとしての使命とかが、何だかそんなに重い物じゃないって思えて来るよ。――目的を達成する為に、どう
 するか悩んでた自分がバカみたいだ。」

「くろのは、なやむことこそがヒトであるあかしだってよくわからないことをいってたけど、なやむひまがあるなら、撃ち抜いてぶった切って、楽しく
 スラッシュする方が100ばい面白かっこういいと思うんだよね~~♪」

「そうかも知れないね。
 なら、私も目的を果たそうとしようかな?……砕け得ぬ闇を手にする上での最大の障害は、矢張り君達みたいだからね。」



む、そのことば、僕へのちょーせんとうけとった!
あいにくとお前のおりじなるは、いまはじくーかんりきょくのしょくたくまどーしなんだ!だから、お前をみすごすことはできない!っていうか、最初
っからみすごすつもりはないけどな!!
さぁ、いくぞまてりある!かかってこーい!!



「か、かかって来いと言いつつ、自分から攻めて来るのは変わらないんだ……もう、突っ込んだら負けなのかな……」

「あ~~っはっは!!どうした、そのていどかまてりある!もっと、ほんきをだせー!
 力のまてりあるをなのるなら、ぱわーで僕をあっとうしてみせろーー!っていうか、シオくらいのぱわーが無いと、僕にはかてないぞーー!」

「いや、君がおかしいだけだよフェイト!?
 私の力はマテリアルの中でも一番なのに、パワーは君の方が上だよ!!――このままだとジリ貧……なら!」



――カッ!!



おぉ、マテリアルが光った?
これはあれか?ピカっとひかって、パワーアップってやつか!!いいぞ、そうこなくっちゃおもしろくない!!ほんきで、しょうぶだまてりある!!



「本当はもっと温存しておきたかったんだけど、私達が眠ってる間に、君はとても強くなったみたいだから使わせて貰うよフェイト。
 防御力を捨てて、そのリソースを攻撃力とスピードに振り分けた強襲形態『スプライトフォーム』――単なる君のコピーじゃなくて、私が私であ
 る事の証明でもある姿だ。」



僕の『ソニックフォーム』みたいなものかな?
だけど、これはたんなるまねっこじゃないってことくらいは、僕だってわかる――これは、まてりあるがじぶんでかんがえて、そしてかたちにした
ものであって、僕のそにっくふぉーむとはにてるけどちがうものだ。



「ところで、今回はバルニフィカスの大剣モード――ブレイカーはOKなのかな?前回は駄目だったけど……」

「こんかいはいーよ?
 ぶれいかーって名前があるみたいだし、かたちはおんなじでも、こんかいはまりょくじんがまてりあるの魔力光のきんいろになってるから、僕
 のザンバーとは別物だから。」

「良かった。其れじゃあ、仕切り直しと行こうか?」



よっしゃー!かかってこーい!!
まえとはくらべものにならないくらいに強くなったみたいだけど、だけど僕はまけないぞまてりある!!僕のほんきっていうものをみせてやる!








――――――








Side:アルフ


フェイトとマテリアルの戦いは、フェイトがソニックフォームを、マテリアル――レヴィがスプライトフォームってのを展開してからは、目にも映らな
い超高速のバトルが展開されてるよ。
アタシは狼だから、辛うじて匂いを頼りに2人が何をしてるのかを探る事が出来るけど、此れだけの高速戦闘となると、一流の魔導師であっても
其れを捉えるのは難しい筈さね。



「あ~~っはっは!やるじゃないかまてりある!やっぱりたたかいっていうのは、こうじゃないとおもしろくないぞ~~!!」

「私は、戦いに面白さは求めてないけれどね。」



ほんの一瞬だけ2人の姿が見える事はあるけど、次の瞬間にはまた目で捕らえる事が出来なくなってるんだから、ドレだけの高速戦闘を展開
してるのかって思うね――何よりも、2人共身の丈以上の大剣を武器にしてる訳だから。

けど、こう言っちゃなんだけどフェイトが負ける要素は何処にもないんだよなぁ……自分のご主人様をこう言うのは何だけど、フェイトってば生粋
のアホの子だから誰が相手でも全力で行っちゃうし、頭はパーでも、戦闘のセンスに関しては天才的だから、戦いの最中に何かを閃く事も有る
からね?
其れを踏まえると、フェイトが負ける確率は限りなく低い――



「どっせい!!」

「へ?うわぁぁぁぁぁぁ!!!」



って思ってたら、マテリアルが横薙ぎに一閃した大剣を躱してから、その大剣を足場にして渾身のシャイニングウィザードかよ!
しかも、バッチリ決まってるし!的確にテンプル(蟀谷)に突き刺さってるし!……此れは、マテリアルの戦闘不能は間違いないね?膝蹴りだか
ら、殺傷能力はないとは言え、人体の最も堅い部分の一つである膝で蟀谷を一閃されたら、昏倒するだろうからね。



「あ~~っはっは!僕のかちだ~~!!」

「ま、大体予想通りさね。」

フェイトが負けるとは思えないからね。
んで、コイツは如何してくれようか?マテリアルってのは、此処で排除しても良い気がするんだけど、コイツ等の目的が一体何なのか位は、聞
いて方が良いよなぁ?――答えてくれるかは別として。



「ふっふっふ、それについてはしんぱいないぞあるふ!こんなこともあろうかと、棒つきのれもんあじのきゃんでぃーをもってきた!
 此れなら、まてりあるだってくいつくはずだ!!」

「んな、アホな……」

「試してみなけりゃわからない!
 ほら起きろまてりある~~。起きてきみたちのもくてきをきかせてくれ~~!このれもん味のきんいろのきゃんでぃーあげるからさ。」

「私の知ってる事で良ければ。」



って、復活した!?其れで良いのかマテリアル!!
いや、コイツは変な所で、フェイトの『アホの子』成分を受け継いでるのかも知れないね……まぁ、良い、聞かせて貰おうか、アンタ等の目的って
言う物をね。



「私達の目的は、闇の書に眠る『砕け得ぬ闇』を手に入れる事。
 王様もシュテルも、その目的を果たす為に動いてるんだ――そして、勿論私もね。」

「くだけえぬやみって何?」

「その詳細は分からない――だけど、その名前からして途轍もない力を持っているのは間違いない。其れを考えると、砕け得ぬ闇の力を得る事
 が出来れば、私達は更に強くなれるからね。」



砕け得ぬ闇……名前からして物騒だが、そんなモンの復活をしようと目論んでるってんなら、アタシ達だって、それを『はい、そうですか』って見
過ごす事は出来ないさね。



「それで、つよくなってどーするの?」

「それは……キャンディーまだある?」

「あるふ、れもんきゃんでぃーまだある?」



いや、もうない。
今のが最後の一本だったんだよ――大体にして、街の福引で当たった景品だったんだから、そんなに数は多くないしね。だから、諦めてくれマ
テリアル。



「じゃあ、もう話す事はないね――またね。」

「お~~!まったね~~~♪」



って、其処で普通に別れるんかい!!
フェイトの事は未だに把握しきれてないけど、フェイトのマテリアルはそれに輪をかけてトンでもないな……だけど、アイツ等の目的が、闇の書
の奥深くに眠ってるであろう砕け得ぬ闇だって言う事は理解した――なら、其れの解放は絶対に阻止しないとだ。

絶対にアイツらの思い通りになんてさせない――砕け得ぬ闇は絶対復活させちゃならねぇモンだろうからね。やれるだけ、やってやろうじゃない
か!!
天下無双のアホの子と、狼の獣人が手を組んだらどうなるか、其れを教えてやろうじゃないか!!――精々覚悟しておきなマテリアル!!








――――――








Side:はやて


キッツ~~……まさか、此処までとは思ってなかったわ。
王様を探し出す為に、超短時間で日本を縦断しとるんやけど、今だもって見つからへん――移動時にはリインフォースが手伝ってくれるから問
題ないけど、其れは其れとして、まさか、訪れた先に、王様とピンクさんが居ったのは予想外やったね。

「もう、王様!人の迷惑になる事はやったらアカンて教えたやろ!!」

「ふむ、言われてみればそうかも知れん。
 だが、我は王ぞ?その王が、命じる事は全て真実になる――うるさい夜天の小鴉は此処で倒し、我は我の道を行く!!」



人の話聞けやコラ。
ったく、相変わらずの王様ぶりやなぁ?……せやけど、アンタのその王様ぶりは、今回に限っては通らへんよ?――何でって、この場に最後の
夜天の主である私と、公式チートバグのリインフォースが居るからね。

せやから覚悟して貰うで王様?
砕け得ぬ闇は絶対に復活させへん――夜天の主として、闇の書の最後の不始末、此処で片付けさせて貰うで!!










 To Be Continued…