No Side


場所は、深夜の海鳴臨海公園……の外れにある小規模な雑木林。
そこでは、日常ではあり得ないような事が、しかし現実に起こっていた――誰の目にも留まらず、そして誰も気にしない筈の戦いが。


「漸く追い詰めた……もう逃がさない!!」

『グギャガガガガアアガアガガガアガガガガガアガ!!』


その戦いを行っているのは、10歳前後と思われる、金髪で中性的な外見の少年と、此方は如何とも形容し難い……言うなれば、闇のヘドロが実体化したと言うのが
最も適切と思われる、固定形態ではない異形の怪物だ。


「お前は此処に居てはいけない……大人しくするんだ!」


既に、少年の息は切れているが、其れでも瞳に宿した闘志には曇りは無い。何が何でも、この異形の怪物を、自らの手で葬り去る、或はそれに準じた処理をする心算
なのだろう。中々に、肝が据わっていると言えるだろう。


だがしかし、万全の状態であるならば兎も角、疲労が蓄積した状態でこの怪物に挑んで勝てるのかと問われれば、其れは残念だが『否』と答えるより他にはない。
少年は、類稀な結界魔導師としての才に恵まれていたが、疲労が蓄積している状態では、本来の半分もその力を発揮する事は出来ないのが非情な現実なのだ。


「ぐ………鎮まれぇぇぇぇぇ!!」

『グガァァァッァアァァァァァァァァァァァァッァ!!』


それでも渾身の力を込めて拘束し、何とかせんとするが、力及ばずに怪物に吹き飛ばされ、そして気を失い、フェレットの様な姿になってしまい、その隙に黒い化け物
は、何処かへと消え去ってしまった。


そして、此れが大きな戦いの幕開けだと言う事は、この時誰も分かってはいなかった……













リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE6
『Beyond the Day-to-Day』











Side:志緒


……何やら、妙な夢を見ちまったな?なんなんだありゃ……妙に現実味が有ったんだが、まさか海鳴にも異界のゲートが開くとかは言わねぇよな?
まぁ、開いたら開いたで、その都度対処すりゃいいだけの事なんだが……妙に気になるぜ。


まぁ、今はそいつを彼是考えても仕方ねぇか。

さてと、時刻は6:00……オヤッさんの所だったら寝坊だな間違いなく。
とは言え、この起床時刻は、こっちでは何時も通りだから如何と言う事はねぇ……恐らくは郁島も起きて、道場の方で恭也さん達と朝練の真っ最中だろうからな。

なら俺は――

「お早うございます、桃子さん、士郎さん。」

「やぁ、おはよう志緒君。」

「おはよう、志緒君。」



朝の忙しさを少しでもカバーする事だな。まぁ、4年前もそうしてたからな。



「ゆっくり休めたかしら?」

「其れはもう、こっちに来てから今日まで、毎日グッスリと眠れてるから大丈夫だ。
 其れよりも、何か手伝えることはねぇか?朝の忙しさって言うのはハンパじゃねぇから、俺で出来る事なら遠慮なく言ってくれて構わねぇぜ?」

「あら、頼りになる事♪
 それじゃあ、なのはのお弁当を作って貰っても良いかしら?メニューは志緒君に一存するから、好きなようにやってくれて構わないわ。なのはも喜ぶだろうしね♪」



ソイツは、また何とも重要な任務を承ったもんだが、任された以上はやってやるぜ。
幸いにして、俺は蕎麦屋で鍛えられた料理の腕と、孤児院を訪問した際に学んだ子供の趣向把握があるから、子供用の弁当を作ってやる位は朝飯前ってモンだな。

とは言え、普通の弁当ってのも味気ねぇから、此処は所謂『キャラ弁』でも作ってみるか?

飯は炊けてるし、おかずやら何やらのアレンジで行けそうだし、冷蔵庫の中身も……おし、此れなら『アレ』が作れそうだ。孤児院のガキ共にも人気だったしな。



「おはよう、お父さん、お母さん!」

「あぁ、おはようなのは。」

「おはよう、なのは♪」



あぁ、目が覚めたのか、おはようなのは、よく眠れたか?



「志緒さんも、お早うございます。
 えっとお母さん、何か手伝う事ってあるかな?私に出来る事でだけど。」

「それじゃ、道場に行って恭也と美由希、其れと空ちゃんを呼んで来てくれるかしら?早くから、鍛錬してたみたいだから、朝ごはんが出来たって言って来てくれる?」

「うん♪」



やっぱり郁島は、今日も朝練か……まぁ、恭也さんみたいな実力者と出会えたって言うのは、アイツにとっては良い刺激だろうから、此の機会に他流の良い所を吸収
すりゃいいだろう。
恭也さんの本分は剣術だが、体術でも並の柔道、空手道の有段者なんざ相手にならねぇほどの腕前だからな。
ま、そっちは任せるぜなのは。



「お早うございます。」

「おっはよーございま~す。」

「お早うございます♪」

「あふ……お早うございますっす。」



なのはが道場に向かったのと同時に、柊、玖我山、北都、そして時坂が来たか……柊と北都は問題なさそうだが、時坂と玖我山は何とも眠そうだが、大丈夫か?



「あ~~~、大丈夫っす志緒先輩。
 なんつーか、向こうではバイトとかも入れてて不規則な生活してたんすけど、こっちに来てからは割と規則的な生活送ってたんで、其れで逆に良く眠れて……何かこ
 う、眠り過ぎるっているか……兎に角本気で良い感じに眠れちまうんすよ。」

「アタシもそんな感じかな~?
 やっぱりアイドルやってると、どうしても生活リズムが不規則になりがちだから、キッチリ睡眠が取れるこっちの生活では、どうしても寝過ぎちゃうのかも……」

「成程な……まぁ、良いかそう言う事ならな。
 だが、まだ一人起きてねぇ奴がいるからな……時坂、玖我山、お前ら二人で四宮の奴を叩き起こして来い。手段は問わねぇから。」

「う~っす、了解っす。」

「因みに志緒先輩、プロレス技は何処までが許容範囲ですか~~~?」



誰かを起こすのに、フライングボディプレスは基本だな。
其れで起きなかったら、マウントを取っての張り手の連打、其れでも起きない場合はうつ伏せにしてからのSTF、或はロメロスペスシャル釣り天井に移行して、それで
もダメだった場合には、耳元で起こす対象の最も恐れるワードを耳元で囁いてやればそれでいいだろ?

大抵の場合は其れで目を覚ますだろうからな。



「良く分かったぜ志緒先輩!行くぜ、璃音!」

「りょ~かい洸君!覚悟しなさい、祐騎君!!」



その数分後、高町家には四宮の悲鳴が木霊する事になった……俺が言うのもなんだが、時坂と玖我山は、一体何をしやがったんだろうな…?



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「マッタクもう、幾ら起こすためとは言え、普通寝てる人間にキングコングニードロップとダイビングエルボードロップを喰らわせる!?
 自分でも思ってた以上に頑丈だったみたいだったから大丈夫だったけど、一歩間違えば僕死んでるから!分かってるの、洸先輩、玖我山先輩!?」

「「やり過ぎたと思ってる、だが反省も後悔もしていない!」」

「身も蓋もないよね其れ!?」


四宮も無事に起きて、現在は朝食時なんだが、時坂と玖我山は、中々にデンジャラスな方法で四宮を起こしたらしいな……まぁ、コイツは其れ位しないと起きそうにな
いから、ある意味では『ファインプレー』と言えるかも知れねぇけどな。



「いや、普通に起きれるから!って言うか、7時に起きれば十分でしょ!?
 って言うか、何だって洸先輩も玖我山先輩も、あんなに危険で暴力的な起こし方を選択した訳!?もっとマイルドな方法が有ったんじゃないかって思うんだけど?」

「「何となく。」」

「何となくで、人に大ダメージ与えないでほしんだけど!?」

「「大丈夫だ、気にするな。」」

「祐騎君は、防御に定評のある鋼属性だからきっと大丈夫だと思うよ?」

「いや、普通に気にするから!それから、確かに僕は鋼属性だけど、今は全く持って関係ないし、意味分かんないから郁島!てか、いい加減呼び方変えてよ!」

「じゃあやっぱりユウ君?」

「其れだけは、死んでも拒否する!!」



しかしまぁ、賑やかなこった。こう言うのも悪かねぇがな。
だが、今は飯の最中だ、じゃれ合うのは後にして、今は飯を食えや。折角の飯も、冷めちまったら美味さが半減しちまうからな。



「「「「は~~い。」」」」

「それにしても、本当に桃子さんは料理がお上手なんですね?
 此方に来て数日経ちますが、此の味には驚きです。しかも、朝食のパンまで手作りだなんて……」

「そのパンも、杜宮の有名ベーカリーを遥かに上回っています。本日の『バジルとトマトのパン』も、とても美味しいです♪」

「まぁ、パンはホームベーカーリーにセットしておけば出来るから、其れほどではないわよ♪」



其れでも、確かにコイツは美味いよなうん。バターも手作りの上に、おかずのチーズ入りオムレツも、この熱々トロトロの半熟具合はそう簡単に出せるモンじゃねぇし、
このカップスープのコンソメも、肉や野菜の出汁が効いてて深い美味さだからな。


なんだが、如何したなのは?何時もよりも食事の手が遅いみたいだが……調子でも悪いか?



「あ、別にそう言う訳じゃないないんです……ただ、不思議な夢を見たから気になっちゃって……」

「不思議な夢……?」

「はい。
 私と同じ位の歳の男の子が、なんだか黒い怪物と戦ってる夢で……その子が負けちゃってフェレットになっちゃったところで目が覚めたんですけど――」



なんだと?ソイツは、その夢は――



「ちょっと待て、なのはちゃんもその夢を見たのか!?」

「その夢なら、私も見たけど、時坂君となのはちゃんも見ていただなんて……」

「あ、僕も見たよその夢?」

「私も見ました!」

「実は、アタシも……」

「私もです♪」

「俺もだ。」

つまりは、X.R.Cの全員が、同じ夢を見たって事か?……此処まで来ると、流石に『偶然の一致』で済ます事は出来ねぇんだが……異界絡みで、こう言った事ってのは
有るもんなのか柊?



「其れは……分かりませんね。
 後でサイフォンに保存してある、過去の異界絡みの事件で似たような事例が無かったか調べてみますが、8人もの人間が同じ夢を見ると言うのは、異常ですね。」



つまりは結果待ちか――まぁ、そう言う事なら仕方ねぇ、急いては事を仕損じるからな。
其れよりもなのは、そろそろ『いい時間』じゃねぇのか?遅刻ってのは、流石にしない方が良いと思うぜ?



「ん?あぁぁ~~~~!?何時の間にかこんな時間!?
 (超高速でトーストを頬張って、ミルクで流し込む)御馳走様でした!!それじゃあ、行ってきます!!」

「「「「行ってらっしゃい!」」」」

「まぁ、頑張ってね~~~。」



四宮、適当だなお前は……まぁ、お前らしいけどよ。
……にしても美由希、アンタは良いのか?高校の登校時間は小学校よりも厳しいと思ったんだが……



「あ~~、大丈夫大丈夫。
 うちのクラスの担任て、朝のSHRに時間通り来た事ないから、担任が来るまでに教室に入ってばOKだし、本気を出せば学校までは5分で行けるからね?」

「取り敢えず、高町家の面々が『並の人間じゃない』って言う事はよ~~~く分かったぜ。」

下手したら、普通に異界攻略できるかもしれねぇなこの人達は?……考えるの止めとくか。そっちの方が良い気がして来たからな。

だが、其れは其れとして、今日も翠屋に客が押し寄せる事は間違いねぇだろうから、仕事の方も頑張って行かねぇとだ……今日も一日、気合を入れて行くぜ!!








――――――








Side:なのは


――キ~ンコ~~ンカ~~ンコ~~ン



はふぅ~~~、漸く午前中の授業が終わった~~~。
今日って、午前中は理数系よりも文系が多いから、どうしても退屈になっちゃうんだよねぇ……それでも、美月さんや璃音さんのおかげで、前よりは文系の教科も睡眠
学習は少なくなったんだけど、やっぱり苦手な物は苦手だなぁ……まぁ、此れから頑張っていけば良いよね。

其れでお昼時。
今日は屋上で、すずかちゃんとアリサちゃんとランチタイム。――今日はって言うか、場所が違うだけで、何時もこの3人でランチタイムなんだけどね。



「それにしても、将来の夢って、可成りアバウトだけど、難しいわよね~~?」

「それは、確かに言えてるかも。」



そのランチタイムで話題に上がったのは、今日の3時間目の授業で出て来た『将来の夢』について。
確かに、将来の夢って言うのは大事な事だと思うけど、私の場合は『其れは何?』って問われた場合に、此れだって答える物がないのが事実なんだよね……選択肢
はいくつかあるけど、明確なヴィジョンがないって言うのか、そんな感じかな。



「アタシはやっぱり、バニングス財閥の跡継ぎよね!パパも、アタシの事は評価してくれてるしね!」

「私も、月村財閥の跡取りかな?お姉ちゃんは恭也さんと結婚して、高町の家に入るだろうから、後を継ぐのは私になるだろうからね。」

「アリサちゃんもすずかちゃんも考えてるんだね?……決まってないのは、私だけなんだ……」

「え?アンタの将来って決まってるんじゃないの?}



……はい?
なんで、どうしてその答えに結びついたのかなアリサちゃんは?出来れば、教えて欲しいかなぁ?……可能ならば原稿用紙1枚以内で!!!



「如何してって、アンタって将来は志緒さんのお嫁さんになるんじゃないの?」

「はい~~~~!?」

ま、まさかの予想外の答えが返って来たの!!
志緒さんのお嫁さんて、なれたら良いけど、でも私と志緒さんが夫婦……そして夫婦って言う事は……!!



――ボン!!



「ちょ、爆発した!?確りしなさいなのは!なのは~~~~!!!」

「確りして、なのはちゃ~~~~~ん!!!」



だ、大丈夫だよ!ちょ~~~~っと、妄想が暴走しただけだから!
其れよりも、お弁当食べよう?お昼休みは有限だから、無駄な時間は使えないの。



「其れはそうね……じゃあ、いただきま~す!」

「「いただきま~す!」」



今日のお弁当は志緒さん製って言う事だったけど……此れはまさかのキャラ弁?
此れは確か、志緒さん達の世界のゆるキャラ『モリマル』だよねぇ?其れを再現した、キャラ弁は実に見事なの!!……味の方も、抜群に美味しいしね。

あふぅ~~~~、志緒さん特製の『モリマル弁当』、とっても美味しかったの。御馳走様でした♪



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さてと、今日の授業も全て終わって、後は帰るだけ。
バスで帰ったり、アリサちゃんのお迎えに同乗したりと、その日によって下校手段は変わるんだけど、今日は3人そろって徒歩での帰宅。
バスとかで帰るのも良いんだけど、こうして徒歩で帰る方が、アリサちゃんとすずかちゃんと一杯お話しできるから、私は好き。今日も、会話が弾んで楽しいからね♪

まぁ、途中でアリサちゃんが散歩中の犬に向かって『Be quiet!(静かにしなさい!)』って言ったのには驚いたけどね。


そのアリサちゃんが『こっちの方が近道』って言う事で、公園の雑木林をつっ来てるんだけど、何だろうこの感じ?――何かが起こりそうな予感が……




――た、助けて……




「!?」

な、なに?



「なのは?」

「どうしたの、なのはちゃん?」



えっと、今何か聞こえたような……



――誰か……聞こえているなら、誰でも良いから……助けて……



!!これは、空耳なんかじゃない!!確実に誰かが助けを求めてる!!……だったら、見過ごす事なんて出来ないの!!!
ゴメン、ちょっと寄り道するねアリサちゃん、すずかちゃん!!!



「ちょ、なのは!?」

「なのはちゃん!?」



ゴメン。だけど、アレは空耳なんかじゃない!誰かが助けを求めてるの!!私には其れが聞こえたの……だから、其処に行かなくちゃ!声が聞こえた場所に!!
そんなに遠くないし、多分こっちの方に……

「此処だよ!!」

「此処だったのか………ん?なのは?」

「って、志緒さん!?」

どどど、如何して此処に!?って言うか、何で居るんですか!?翠屋は未だ営業中ですよね!?



「桃子さんに頼まれて買い出しに行ってたんだが、その帰りに『助けてくれ』って声が、頭の中に響いてな……気になって来てみたら、お前達が居たって訳だ。
 恐らくは、俺だけじゃなく、時坂達も聞いただろうが、この場は俺に任せてくれたみてぇだ……まぁ、買い出しに行ってた俺が一番近くに居たってのも事実だがな…」

「其れは……お疲れ様でした志緒さん。」

「此れ位は大した事はねぇけどな。」



ですよね志緒さんなら。


じゃなくって、今の問題は誰からのSOSだったのかって事です!!見た所、此処に人は居ないみたいなんですけど……ん?



「………」

「フェレット?」

良く見ると、辿り着いた場所にはフェレットみたいな生き物と、綺麗な紅い宝石玉が転がっていた……フェレットの方は傷だらけだし、若しかしてこの子が私達を呼んだ
のかな……?有り得ないとは、言いきれない感じだけど……先ずは手当てをしないと!!



「家の犬がお世話になってる動物病院が近くにあるから、其処に連れて行きましょう!」

「うん!そうだね!!」

「なら急いだ方が良いだろ?……道交法違反だが、4ケツで行くぞお前等!!」



って、バイクで買い出しに行ってたんですか志緒さん!?
……まぁ、確かに志緒さんのバイクは大型ですから、小学生が3人乗っかっても、まだまだ余裕はありそうですから……それじゃあ、お願いします志緒さん!!



「任せときな!!病院までの道案内は頼むぜ、バニングス!!」

「了解!任せないって!!」



そうして、志緒さんのバイクが疾走する事5分(若干スピード違反だった気がするけど)、『槙原動物病院』に到着して、フェレット君を診て貰う事が出来たの……診察
結果は『怪我をしてるけど命に別状はない』って言う事で、ホッとしたの。



「大事はねぇみたいだから、取り敢えずは一安心だな。」

「はい、良かったです。」






だけど、この時はまさかこの日の夜にあんな事が起こるなんて言う事は、私も、そして志緒さん達も、マッタク持って全然予想もしていなかった。





そして、此れが、この出会いこそが、大きな戦いの幕開けだと言う事は、私も志緒さんも――若しかしたら、神様でさえも、気付いていなかったのかも知れないの……














 To Be Continued…