Side:洸


まぁ、チーム分けをしたのは俺だし、多分こうなるんじゃないかって言う予想はしてたんだけど……ある意味で、此れは予想以上の状態じゃないのか?
いや、志緒先輩の力を考えると、予想通りってのが正しいのかもしれないけど……



「おぉぉらぁぁ!!でやぁ!!散れぇぇぇぇい!!
 邪魔だぁぁぁ!!イグニスブレイク!!!どぉぉぉらぁぁあ!ブラストエッジィィィィィィィィィィィィ!!!!



――ドッガァァァァン!!!



ぶっちゃけ、俺達要らないだろ此れ?冗談抜きで、ガチで志緒先輩無双だろ?それこそ、コーエーテクモさんが『高幡無双』ってゲームを作ってもオカシ
クないレベルで無双だろ!

滅茶苦茶強いのは今更だけど、あの人は本気で俺達と同じ人間なのか、怪しくなって来たぜ!?一度、遺伝子解析した方がいいんじゃねぇかオイ!



「実はバイオコントロールで生み出された超戦士とか言われても、信じちゃいそうです。」

「或は、見た目は人間だけど、実は中身は超強力なサイボーグだったとかね………自分で言っておいて、ちょっと否定できそうにないわ此れは。」

「何てバカ強さ……アイツ本当に人間かぁ?」



いやまぁ、多分人間だと思うけどな?!きっと!Maybe!
だけど、志緒先輩のお蔭で、苦戦する事なく、先に進めてるんだから、此処は感謝しないと罰が当たるぜ――それに、このまま一気に最上部へ行くって
言う目的は変わらないからな!!











リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE35
『いざ、異界の最上階層へ!!』












Side:なのは


ふぅ……如何やらここが最上階のフロアみたいだね?
この広間に繋がってるのが、私達が通って来た道とは別のルートからの道が繋がってるから、AチームとBチームの合流点は此処で間違いないし、そ
れなら、最上階であるのもまた間違いないの。

そうじゃなかったら、2つのルートが一緒になる場所を作る意味がないからね。
つまりは、後は志緒さん達を待つだけなんだけど、そう簡単に行かないのが異界なんだろうね……私達の前に、今し方2体のエルダーグリードが現れ
てくれた訳だからね……



『グガァァァァァァァァァ!!!」
エルダーグリード:ドレッドゴーレム


『ギャァァァァァァァァ!!』
エルダーグリード:レゾナンスゴーレム




「大ボス前の中ボスって、王道じゃん?
 ある意味でテンプレ展開だけど、此処まで来たら引き返す事も出来ないし、せめて僕のやり方で好きなようにやらせて貰おうかな?」

「うんうん、本番前のリハは大切だからね!――本番前にもうひと頑張りだね!!」



でも、だからと言って、退く気は全く無いの!
何よりもフェイトちゃんが復活して、私達に力を貸してくれて、黒衣の魔導師さんが仲間に居る以上、負ける事は絶対に有り得ない!負けないの!!!

流石に、此処まで来るのは楽じゃなかったから、体力も魔力も残り半分くらいだけど、貴方達を倒すには、其れでも充分過ぎるくらいだよ、本気でね!

ともあれ、先ずはあれを殲滅します!!
璃音さん、祐騎さん、美月さん、ユーノ君、お願いします!!



「OK、メインアタッカーは任せるよ、なのはちゃん!フェイトちゃん!!」

「ま、エルダーグリードとは言え、最弱クラスのゴーレム系だから、僕達が苦戦する事も無いと思うけど?パワーは凄いけど、動きは重いの典型だし。」

「ですが、此処までの攻略での戦闘による疲労は否定できませんから、油断せずに行きましょう。」

「サポートは任せて!」



うん!一気に行こう、フェイトちゃん!!あの2体が同じ場所に集まったら!



「手加減無用!僕の爆光破と、君のでぃばいんばすたーでブッ飛ばす!じゃまするやつは、パワー全開でやっつける!」

「勿論、全力全壊で!!」

志緒さん達が到着するのを待っても良いんだけど、此処は倒す事が出来そうだから、倒した後で志緒さん達を待ってても良い訳だし、先に辿り着いて、
更に其処に居た敵を一掃しておけば、志緒さんも褒めてくれるかもしれないし♪

それにしても、璃音さんと美月さんと祐騎さん、X.R.Cの仲間として一緒に戦って来ただけあって、連携が見事だよ。
2体のゴーレムの攻撃を躱しながら、射撃スキルをメインに、璃音さんは飛翔スキル、美月さんと祐騎さんは剛撃スキルで、ゴーレムを誘導して、ユーノ
君が罠を張ってるキルゾーンに追い込んで行ってるからね。



「はいゴール!ユーノ!!」

「了解!チェーンバインド!!



――バキィィィン!!



流石!ドレだけパワーが強くても、ユーノ君のバインドを外す事は簡単じゃないの!!だから此れで終わり!!
そもそも、キルゾーンに誘導されてる事に気付かなかった時点で、既に勝負は決してたのかもしれないけどね?喰らえ、ディバインバスター!!!



「ぶっとべ!爆光破ーーーーー!!!



――バゴォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!



『『グワァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』』



「私達の勝ちだね♪」

「イエーイ!ぜったい負けないもんね~~!」



うん!そうだね、フェイトちゃん♪
此れでこのフロアの敵は一掃したから、後は志緒さん達の到着を待つだけ――



『『『うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉん!』』』
――エルダーグリード:オルターアンヘル×3




と思ったら、追加のボスグリード!?
しかも、この3体はさっきのゴーレム2体とは比べ物にならない程の強さなのが私でも分かる!!もっと言うなら、此のメンバーじゃ対抗するのは難しい
って言う事も――!!



「天使が3体って、幾らなんでもサービスし過ぎじゃない!?」

「ゴーレムなら兎も角、天使3体が相手だと、此のメンバーじゃ無理ゲーっぽいんだけど………」



だけど、それでもやらないと……



「気合を入れろや!!!」



!!この声は……志緒さん!?それと、洸さん達も!!



「悪いな、遅くなっちまったぜ皆。
 志緒先輩が安定の無双っぷりを発揮してくれたんだが、意外と頑丈な奴が多かったせいで遅れちまった……だが、間に合ってよかったぜ!!」

「天使が3体だろうと、俺達全員の前じゃラスボス前の肩慣らしにしかならねぇだろ?畳み掛けんぞお前等!!」



はい!勿論です!
志緒さん達が一緒なら、例え天使型が相手でも、何とかなると思うからね!!!








――――――








No Side


ギリギリのタイミングで志緒達が合流した事で、3体の天使型グリードとの戦闘も、完全に主導権はなのは達の側にあった。否、主導権をもぎ取って居
たのだ。

滑空突進攻撃や、魔力弾や魔力波と言った強力な攻撃手段を持つオルターアンヘルだが、その最大の脅威は一瞬で別の場所に移動する瞬間移動な
のだが、先ずは其れが完全に無効化されたのが大きいだろう。


「次に現れるのは、志緒先輩の後ろと、フェイトちゃんの左側と、洸君の右側!」

「了解したぜ!でぇりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

「うおりゃー!吹っ飛べ!!」


「させるかよ!せいや!!!」


その身に天使の力を、しかもオルターアンヘルよりもずっと上位のグリムグリードであった『絶架ノ熾天使』の力をその身に宿している璃音には、瞬間移
動の移動先が分かるのである。

その能力を駆使して、オルターアンヘルの移動先を先読みし、其処にカウンターの一撃を喰らわせる事で、天使を相手に戦いを完全に有利な形で進め
て居たのだ。

そして、其れは一人の少年の闘志にも火を点けた。


「こんな所で、僕だけ負けてられるか!!
 広がれ、戒めの鎖。捕らえて固めろ、封鎖の檻!アレスター・チェーン!!!


抜群のカウンターが炸裂して、怯んだ3体のオルターアンヘルに対して、ユーノが広域チェーンバインド『アレスター・チェーン』を発動して、その動きを完
全に封じて見せたのだ。
大人しそうに見えても、ユーノだって男の子だ、年頃の男の子特有の負けず嫌いが顔を覗かせたのだろうが、しかしこれは極めて有効な一撃だった。


「やるじゃねぇかユーノ?良い支援だぜ。
 なら、この好機に一気に決めんぞ!!行くぜなのは!!」

「はい!!せーの……!!」

「「クロスドライブ!!」」


この機を逃さずに、なのはと志緒がクロスドライブを発動し、一気に勝負をかける!
なのはの射撃と志緒の斬撃が、元々強力なこの攻撃がクロスドライブによって強化された状態で放たれたら、幾ら天使型のエルダーグリードとは言え
只では済まないどころか、深刻なダメージであろう。

そして、志緒となのはがクロスドライブを発動しての連携攻撃だけで終わるだろうか?答えは断じて否だ。
志緒もなのはも、考え方の根幹に『やる時は徹底してやる。全力全壊でぶちかます』と言う、ある意味ではた迷惑且つ、ある意味シンプルで分かり易い
考えが根付いているのだ。
そんな2人の連携ともなれば…


「一気に行くぞ!!
 どぉぉぉぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!クリムゾン……レイドォォォォォォォォォォォォォォォ!!!!

「全力全壊!!スプラッシュインパクトォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!


志緒のXストライク『クリムゾンレイド』と、なのはの直射砲撃のバリエーションであるスプラッシュインパクトが炸裂して、天使3体を完・全・撃・滅!!!


史上稀に見る天才魔導師の少女と、杜宮最強の人情派不良の前には、強大な力を誇る天使であっても障害では無かったようだ。
尤も、此れを見た祐騎が『何このチートコンビ?此れなら最初から、なのはと志緒先輩を同じチームにしとけば楽勝だったんじゃないの?』等と呟いてい
たが、其れは結果論なので、言いっこなしだろう。








――――――








Side:志緒


少しばかり遅れちまったが、まさかラスボス前に天使が3体も待ち受けてるとは思わなかったぜ……ま、玖我山の能力と、なのはの魔導師としての能力
の高さもあって、苦労せずに倒せたけどな

しかも驚いた事に、なのは達は既に一戦交えてたってんだから、大したモンだぜ。

俺達よりも先に到着して、更に先に一戦交えてたってのに、アレだけの戦いが出来るのは見事だったぜなのは?



「はい、頑張りましたから!!」



あぁ、よく頑張ったぜ。
其れにそっちの青ガキ……フェイトも良くやってくれたぜ。
アンだけの事が有ったから、戦線復帰は難しいと思ってたんだが、見事立ち直って参戦するとは大したモンだ……良い面構えになったみてぇだしな。

ま、プレ……もとい、黒衣の魔導師が一緒に居るって事は、敢えて突っ込まねぇがな。


だが、それ以上に良くやったのはお前だユーノ。3体の天使を纏めてバインドで拘束するとは、見事だったぜ?
お前には、少し頼りない印象を持ってたんだが、肝心なところでちゃんと『漢』を魅せたじゃねぇか?大したモンだ。


――クシャ


「うわ!?……はは、ありがとうございます。」

「相変わらずだね志緒先輩は……ユーノだってそう言うキャラじゃないでしょ?」



ハッ、そんだけの軽口が叩けるなら、まだまだ大丈夫みてぇだな四宮?
まぁこの先に待ってるのは、ラスボスだから、そんぐれぇじゃねぇと、頼りないがな?――この扉の先に待ってるのは、熾天使に匹敵する位の、トンでも
ねぇ相手だろうからな。

とは言え、突入以外の選択肢は有り得ねぇ!!――準備と覚悟は良いかお前等!!



「はい!勿論です!!」

「僕の覚悟はもう決まってる!僕はもう迷わない!!」

「何時でも良いぜ、志緒先輩!」

「ラストステージに相応しい、最高のパフォーマンスをする準備はバッチリだよ志緒先輩♪」

「最強のラスボスか……面白そうじゃん?」

「何だって良いさ……あの鬼婆の頭を地面に擦り付けて、フェイトに謝らせる事が出来れればね!!取り敢えず、全身全霊でブッ飛ばす!!!」

「郁島流の名に懸けて、此処は勝ちます!!!」

「ネメシスの執行者としての本分を果たすときは、今でしょう!」

「ゾディアックの白き巫女の役割、果たさせて頂きます!!」



ふ、如何やら聞くまでも無かったみてぇだな?なら、いざ最終決戦の地にだぜ!!
おぉぉらぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!打っ飛べや!!!!



――バゴォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!!……ズゥゥゥン……



「ケンカキック一発で、石造りの大扉が崩壊しただってぇ!?」

「幾ら何でも有り得ないでしょ此れ!鉄板が入ってる安全靴なら兎も角、志緒先輩の靴って普通のショートブーツでしょ!?此れは有り得ないって!」

「志緒先輩だからと言えば、其処までなんですけれど……」

「だけど、其れが一番シックリくるからなぁ、志緒先輩の場合は。」



まぁ、細かい事は気にすんな。
それに、ラスボスが待つ玉座に、こうして辿り着けたんだから問題ねぇだろ?――たとえ其れが、本当の意味での本番が此処からであったとしてもだ。



「此処まで辿り着くとは……ゴミ屑風情が良く頑張ったと褒めてあげるわ。」

「ハッ!例えゴミ屑でも、集って力を合わせれば、最強が作り出した衛兵を凌駕する事は出来るらしいぜ?俺達が、其れを証明しちまったからな?」

その玉座に居たのはプレシア・テスタロッサ!――否、プレシアさんの姿を模した最悪のグリムグリード!
テメェが何者なのか何てのは、俺にとっちゃ、今更如何でも良い事だが――取り敢えず、テメェにゃ然るべき年貢を納めて貰うぜ?文字通り、此れが年
貢の納め時になっちまうかもしれねぇんだからな!!

テメェの馬鹿げた、誇大妄想満載の野望なんぞ、俺達の魂が燃やし尽くしてやるぜ!!!――精々覚悟してな、グリムグリード『冥界ノ闇魔女』!!

ジュエルシード事件、此処が全てを終わりにする時だ――BLAZE魂、全力で行ってやんぜ!そして、此れで清算してやろうぜ!全ての因縁をなぁ!!












 To Be Continued…