Side:ヴィータ
これは……この感覚は……なのはが集束砲を使いやがったな?
って事は相手は其れだけの奴だって事になるが、なのはが伝家の宝刀である絶対無敵の集束砲って切り札を切ったってんなら、なのはの
勝利は絶対だ。
アタシ等を1000年間縛り続けて来たナハトヴァールをも滅殺した集束砲で倒せねぇ奴はいねぇからな。
だが、なのはが切り札切ったってんなら、アタシ等だって負けてられねぇ!!何よりも、なのは達が勝ったってんなら、時間を稼ぐ必要すら
ねぇからな……此れで終わりにしてやるぜ!!
「やるぞアイゼン!!」
『Jawohl.』
「轟天爆砕!!」
『Explosion.』
「ギガント……シュラァァァァァァァァァァァァク!!!」
「鬱陶しいんだよテメェは!大人しく寝とけボケ!!」
「此れで、終わりにします!!」
アタシの一撃に、三月とギンガが合わせて、動力炉と融合したグリードを鎧袖一触だ!――アタシ等を舐めんじゃねぇぜ!!
何にしても、動力炉を破壊した以上、ゆりかごは落ちるだけだ……だからその前に脱出する必要がある――やる事やったなら、さっさと戻っ
て来いよ、なのは、志緒!
お前等が帰って来なかったら、この作戦が成功したとは言えないからな。
リリカルなのは×東亰ザナドゥ 不屈の心と魂の焔 BLAZE143
『ゆりかごからの脱出、そして――』
Side:志緒
なのはの最強にして無敵の集束砲が炸裂して、聖王を包み込んだか……喰らった相手を強制的に戦闘不能状態にする集束砲を喰らって
も尚動けるってんなら俺達の負けは否めねぇが、闇の書の闇すら吹き飛ばしたスターライトブレイカーを喰らって動ける奴なんざ存在しねぇ
か……居たら、そいつは間違い無くエイリアンだぜ。
「殆ど人間辞めてる志緒さんにエイリアンて言われたらお終いですね♪」
「誰が、人間辞めてるってんだ……時にヴィヴィオは無事か?集束砲で吹っ飛んだとか、洒落にならねぇぞ?」
「其れは大丈夫だと思います。手加減はしましたから。」
……オメェの手加減てのは当てにならないんだが……煙が晴れて状況が少しずつ明らかになって来たな?
スターライトブレイカーが直撃した床は大きくえぐれてクレーターとなり、その中央にブロンドのガキンチョが横たわってる――って、アイツは
ヴィヴィオか!!
姿がガキに戻ってるって事は、グリード化も聖王化も解除されたって訳か。息は……してるな。大丈夫か?
「大丈夫……自分で、立てるから……」
「「ヴィヴィオ!!」」
お前、なのはの集束砲を目一杯喰らったら、非殺傷とは言えフラフラな筈だぜ?……なのにテメェの足で立って見せるとは良い根性だ!
よく頑張ったなヴィヴィオ。
「パパ、ママ……ありがとう、助けてくれて。」
「何を言って居やがる、娘を助けねぇ親が居るかってんだ。」
「志緒さんの言う通りだよヴィヴィオ。
パパとママは、当たり前の事をしただけだから――ヴィヴィオこそ、よく頑張ったね。」
「えへへ……だって、パパとママの子だから。」
ったく、本気で良くやったぜお前は。
クソッタレ共に攫われて、聖王にされて、更には10S級のグリードにまでなっちまったってのにな……血は繋がって無くても、お前にもBLAZ
Eの魂の一端は受け継がれてるのかもな。
「時になのは、聖王ってのはゆりかごの絶対守護者なんだろ?……其れが倒されたら、ゆりかごはどうなるんだ?」
「まぁ、普通に考えて機能停止で墜落するか、自爆するかの2択ですねぇ?」
「だよな。」
艦内にも其れらしきアナウンスが流れてやがるからな。
だったらさっさと離脱すんぞ!ヴィヴィオを奪還した以上、こんな所に長居は無用だからな――って、如何したなのは?
「ご、ごめんなさい。
さっきのブレイカーで力使い果たしちゃったみたいで、ちょっと立つ事が出来ません……」
「ヴィヴィオだけじゃなくてお前までダウンかよ……まぁ、そう言う事なら仕方ねぇ、お前とヴィヴィオの両方を担いで行くしかねぇだろうが!」
――ひょい
「へ?あの、志緒さん!?
私を肩に担いで、ヴィヴィオを脇に抱えてって……」
「四の五の言ってられる場合じゃねぇだろ?
多少不満はあるかも知れねぇが、こっちの方が色々と早いんでな……取り敢えず、確り掴まってろよ!」
「……はい!!」
聖王の間の隔壁が閉じ始めてるか……間に合うかどうか微妙な所だな?
俺一人なら間に合うだろうが、なのはとヴィヴィオを抱えた状態じゃ、幾らなんでも無理か――!!
「ゲームオーバーには……」
「まだ早ぇ!!」
――ドッガァァァァァァァン!!
んな、閉じかけてた隔壁が吹っ飛んだだと!?……やったのはお前等か、スバル、ノーヴェ!!
「市街地の方は大分倒したんで、助けに来ましたよ志緒さん、なのはさん!」
「ギンガ達は先に脱出してるから急ごうぜ!
ドクターから、バイクも預かって来たからよ!」
「テメェ等……土壇場での助太刀とか、美味しい所を持って行きやがるぜ。」
だが、正直言って助かったぜ……あのまま閉じ込められてたらお手上げだったからな――幾ら俺でも、なのはとヴィヴィオを抱えた状態で
あの隔壁を突破するのは無理があったからな。
「……スバル、志緒さんでも無理な事ってあるんだとよ。」
「志緒さんなら、その圧倒的パワーで大概の事が何とか出来ると思ってたよノーヴェ。」
テメェ等、とことん俺を人間扱いしたくねぇみてぇだな?……まぁ、そう思われても仕方ない事をしてるとは思ってるけどよ。
まぁとりあえず今は、ゆりかごからの脱出が急務だな――スカリエッティの野郎も、バイクを寄越すとは粋な事をしてくれるぜ。これなら、な
のははタンデム乗車すりゃ良いし、ヴィヴィオはスバルかノーヴェに預けりゃ無事に脱出できるからな。
もう時間もなさそうだから、全速力で脱出すんぞ!
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・・・・・・・・・・・・
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・・・・・・
・・・
そのまま全速力でゆりかご内部を突っ切って、無事に脱出成功だ。
出口にウィングロードと、エアライナーを繋げていたスバルとノーヴェは状況をよく見てたって事だな――んで、ざっと見た限りじゃミッド市街
への被害はあんまし無さそうだな?
結構な数のガジェットが居たと思ったんだが……まぁ、アインスとフェイトが居ればこうもなるか。
そんじゃまぁ、最後の仕上げと行くか!!
フェイト、ゆりかごに思いきり一発ブチかませや!!
「おっけーー!!
いっくぞーー?パワーきょくげーん!!雷刃封殺爆滅剣ーーーーー!!!」
――ドッガァァァァァァァァァァァァァァァァン!!
――バラバラバラ……
「よっしゃー!粉砕!玉砕!!大喝采ーー!!やっぱり、僕さいきょー!!」
「……フェイトの奴、ゆりかごを粉々にしやがったか……」
「知能を犠牲にしたパワーってのは、馬鹿に出来ないっすね志緒先輩。」
その意見には同意すんぜ時坂。――此れで、この事件は幕引きって事か?……否、そうじゃねぇ――この事件はまだ終わってないぜ!!
俺のサイフォンの異界アプリが、未だ異界の存在を検知してるからな。
こいつは、まさか………
――ゴゴゴゴゴゴ……
――ガシ!ガシ!!ガシィィィン!!!
ゆりかごの残骸が合体して、巨大な人型になりやがった!……もっと言うなら、グリードになったか――!
「んな、ゆりかごの残骸が集まって人型になってる!?……幾ら何でも其れは反則でしょ!?」
「反則かも知れないけど、これは現実に起きてる事だよ祐騎君――真打登場って所だと思うよ此れは……気を引き締めて行かないと!」
「僕の彼女は武闘派だった!!――でもまぁ、隠しボスはゲームのお約束、攻略しない手は無いか。」
「今更ラスボスが現れたからなんだってんだ?……俺達の邪魔をするなら、掃うだけだぜ――行くぜ、璃音!!」
「了解洸君!アンコールは最高のステージにするのが一流だからね。」
だが、これしきの事で怯む俺達じゃねぇ!――テメェに引導渡して終わりにしてやんぜ!!!
『貴様等は、此処で殺す……この世界は、私達の物だーーー!!』
――15S級XXXグリード『偽りの不死者』
現れたのは15S級のXXX――倉敷の3倍の強さだが、今更俺等が其れに驚くと思ってんのか?……脳味噌共の執念が現実になったって
だけの事だろうが!……現れたってんなら、相手になってやんぜ!!
「コイツが最後の一頑張りだ!!気合入れろよテメェら!!!」
「オウよ、分かってるぜ志緒先輩!!」
「気合充実、何時でも行けますよ志緒さん!」
準備も充分に出来たみてぇだし……始めるとしようぜ、最終決戦って奴を!!――尤も、テメェ等の悪運も此処までだから覚悟しやがれ!
15Sだか何だか知らねぇが、俺達の敵じゃねぇってのをその身に刻めや!!
――――――
Side:ティアナ
遂にラストステージまで来たか……なら、私の役目もそろそろ終わりね――さて、ゆりかごの残骸と脳味噌の残留思念が異界で融合した奴
が現れた訳だけど、志緒さんとなのはさんなら難なくアレを突破するのは間違い無いわ――そろそろ、演技の為に被ってた仮面を外す時期
なのかも知れないわね。
何にしても、お前等は終わりだ脳みそ――己の欲望の為にめぐらした謀略の因果応報を、其の身で喰らうと良いわ!!
To Be Continued… 
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