Side:スバル


ギン姉と志緒さん達は、無事にゆりかごに突入したみたいだから、アタシ達は市街地を防衛するだけなんだけど……



「あ~っはっは~!くらえ~~、雷刃封殺爆滅剣~~!!

「遠き地にて深き闇に沈め……デアボリックエミッション!!



――ドッガーン!!!



ぶっちゃけ、アタシ等必要なくない?
フェイトさんとアインスさんが居れば、市街地戦は絶対負ける事は無いって、自信を持って言い切れるんだけど、その辺についてどう思うかな
ノーヴェ?



「言うなスバル。アタシも若干思ってたからな。
 でもまぁ、フェイトさんとアインスさんがドレだけ強くても、此れだけの数を相手にするとなると必ずやり残しが出るから、アタシ達の仕事は、そ
 れを始末する事だって事にしておこうぜ?」

「だよね、ヤッパリ。」

まぁ、そんな訳で市街地はアタシ達が守りますから、ゆりかごの方は頼みましたよ志緒さん、なのはさん――速攻でそのデカブツをやっちゃっ
て下さい!!












リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE140
『ゆりかご内の異界を進め!つき進め!』











Side:志緒


動力炉破壊組と分かれて、なのはと共にゆりかご内を進んでる訳だが……次から次へと雑魚グリードが現れて、うざってぇ事この上ねぇな?
個々の能力は低いとは言え、徒党を組んで出てくると厄介極まりねぇが、その程度で俺となのはを止められると思ってんじゃねぞ、此のクソッ
たれが!!

「道を開けな三下共!こちとら、テメェ等の相手をしてやってるほど暇じゃねぇんだ!!」

「目的はヴィヴィオの奪還ですからね……邪魔をするなら吹き飛ばすまでです!レイジングハート!!」

『All right.Excellion Buster.』



――キィィィィン……ドガァァァァァァァァァァァァァン!!




なのはのエクセリオンバスターが炸裂したか……相変わらずスゲェ威力だな?
もしも内部が異界化してなかったら、今の一撃でゆりかごの外壁を貫通してたんじゃねぇかって思うぜ……まぁ、あの龍の力を受け継いでん
だから、これ位の威力は普通なのかも知れねぇがな。

まぁ、其れは俺も同じか。俺の場合はなのはと違って、物理攻撃に特化してるだけでな。



『『『『ギギギギギギ!!!』』』』

「!!エクセリオンバスターが直撃したのに無事なグリードが!!」



っと、生き残りが居たみてぇだが……コイツ等は『魔法無効シールド』を纏ってる奴等か。
此れを纏ってるグリードには、どんな強力な魔法も――其れこそ、アインスの奴のデアボリックエミッションだって無力だからな?……尤も、コ
イツ等は物理攻撃、特に剛撃スキルにゃ笑えるほど脆いけどよ!

吹き飛びな!イグニスブレイク!!!



――ドッガァァァァァァァァァァァァァァン!!!



一撃掃滅ってな!
突入したのがなのはだけだったらヤバかったかもしれないが、魔法が効かねぇ奴は俺がぶった切って叩き切るだけだ――テメェの女の不得
手をサポートしてこその男だからよ。

つまり、魔法最強のなのはと、物理最強の俺が組めば敵はねぇってこった。



「ですね。
 『最強の剣聖と、最強の魔導師が組めば、一国を攻め落とせる』って言葉があるくらいですから。」

「そうなのか?
 だが、その理論で行くと、国を攻め落とす事が出来るなら、ヴィヴィオを奪還して決戦兵器をぶっ壊す位は雑作もねぇってこったな?……そ
 んじゃあ、もっと盛り上げて行こうじゃねぇか!!」

サイフォンの音楽アプリ起動して、戦いにピッタリのガンガンのロックを鳴らして行くぜ!!――ロックのビートってのは、人を興奮させる効果
があるらしいから、バトルにゃ持って来いだぜ!!



「良いですね!
 エレキギターの戦慄にドラムのビートが戦闘意欲を掻き立ててくれます!此のまま一気に行きましょう志緒さん!!」

「オウよ!かっ飛ばして行くぜ!!」

尤も元々雑魚共じゃ、俺達の足止めにもなりゃしねえけどよ!



――ビー!ビー!!



んで、少し開けた場所に来た所で、中ボスクラスのSグリード『ガストグレンデル』が登場か。
倉敷の時には大分苦戦させられたが、今となっちゃ、テメェ如きは大した敵でもないぜ!!――先手必勝!ブチかませなのは!!!



「はい!ディバインバスター!!

『Divine Buster.』



――ドッガァァァァァァン!!!




良い一撃だぜ!
つーか、威力が前より上がってやがるな?……戦う事で、体内の生体CPUとやらが負荷で壊れるどころか、逆に活性化してるのかも知れな
いな此れは。

だが、効果は抜群だ、デカい隙が出来たからな!!

「デカブツが……調子こいてんじゃねぇぞオラァ!!」

間合いを詰めて、頭掴んで持ち上げて、放り投げると同時にローキックで蹴り飛ばし、ダウンした所を掴んで右に左に叩き付けまくった上で上
空に放り投げ……

「その命、貰ったぁ!!」



――ドガァァァァァァァァァァン!!



トドメにヴォルカノゲイザーで派手に燃やす!
フェイトの奴が考案した『暗黒地獄極楽落とし』ってのを、俺なりにやってみたが、これは案外悪くねぇな?――技の特性的に複数の相手にゃ
使えないが、タイマンならこれほど強い技もないぜ。



「豪快其の物な技ですけど、志緒さんがやると絵になりますね♪」

「褒め言葉と受け取っておくぜなのは。
 だが、Sグリードが出て来たって事は、ラスボスが居る部屋はそう遠くはねぇ筈だ……ゆりかごのラスボスをぶっ倒して、ヴィヴィオを奪還す
 んぞ!!」

「はい、言われなくてもその心算です!!」



ふ、よく吠えたななのは!!
もうお前の身体に制限時間はねぇ……その心算で行くぜ!!――否、そもそもにして、BLAZEの魂を受け継ぐ奴に制限時間なんてモンは存
在しねぇからな!!

俺とお前のBLAZE魂で、ヴィヴィオを取り戻してゆりかごを落とすぜ!!








――――――








Side:ヴィータ


ゆりかごの内部が異界化してるって事で、ある程度予想はしてたけど、ヤッパリか此れは。



『キシャァァァァァァァァァ!!』

――エルダーグリード『ターミネイトモーターΩ』




まさか、動力部のエンジンが、異界の力と融合してグリードになってるとはな……幾ら予想して事とは言え、実際に目にすると可成りのインパ
クトがあるのは否めねぇな。



「エンジンが化け物に……」

「はっ!逆に分かり易くていいじゃねぇか?
 コイツをぶっ倒せば、ゆりかごは動力を失うんだ――簡単な事だぜ!!速攻でぶっ倒して、ゆりかごを止めてやろうぜ?
 あの2人がヴィヴィオの奪還をする前にな!!」



アホ!馬鹿な事言ってんじゃねぇ三月!
アイツ等がヴィヴィオを奪還する前にぶっ壊しちまったら、ヴィヴィオを救済する事無く墜落しちまうだろうが!!壊すのは構わねぇが、節度を
もってやれってんだこのスットコドッコイが!!



「ぶっ壊す相手をぶっ壊して、何が悪いんすかヴィータさん!!」

「悪いとは言ってねぇ!匙加減を覚えろって言ってんだこの馬鹿!!」

「すんません、自分マジで脳筋の馬鹿なので!!」

「……自分で言って居れば世話ないわよ三月……」



ギンガも呆れてるじゃねぇか!
でもまぁ、コイツはぶっ壊さなきゃならない相手だから、徹底的にぶっ壊すってのには賛成だ――粉微塵にしてやるから覚悟しとけ化け物!
お前等は、アイゼンの頑固な汚れにしてやるから光栄に思いな!

こっちはアタシ等が何とかするから、お前等は必ずヴィヴィオを取り戻せよ志緒、なのは……もしも奪還できなかったら、只じゃおかねぇ!
アイゼンで頭かち合わってやるからその心算でいろ!――絶対に負けんじゃねぇぞ、DVE!



「DVE?」

「デンジャラス・バイオレンス・エンジェルズってな。」

ミッドチルダの未来、テメェ等に預けたぜ!!








――――――








Side:なのは


異界迷宮と化したゆりかごの内部を進む事十数分、遂にゴールまで辿り着いたんだけど……此れはまた何とも巨大な空間だね?
確かにゆりかごは大きいけど、此れだけの空間を許容できるキャパシティは無かったと思うんだけど……でも、実際に目の前にあるんだから
否定はできないかな……此れも異界化のせいなのかな……



「かもな。
 だが、俺達が辿り着いたのは確かにゴールみたいだぜ?……玉座にヴィヴィオが居るからな。」

「!!」



志緒さんの言う通り、玉座と思われる場所にはヴィヴィオが!
ヴィヴィオ!私の声が聞こえる?聞こえたら返事をして!――貴女を迎えに来たよ、一緒に帰ろう?



「ママ?パパ?……ダメ、今すぐここから逃げて!!」

「逃げろだと?何言ってんだお前は……お前を残して行けるかよ!そもそも、逃げる気なんざ更々ねぇ!!」

「志緒さんの言う通りだよ……私達は貴女を取り戻すために来たんだから、帰る事なんて出来ないよ。」

「違うの!そうじゃないの!!」



違うって一体何が違うのヴィヴィオ?



『ククク……如何やらゆりかごに賊が侵入したようですなぁ聖王様?
 賊は始末せねばなりませぬまい……そ奴等は排除すべきですよ、聖王陛下。』


「「!!」」


空中の光学ディスプレイに映し出されたのはCGで作られた顔……成程、脳味噌だけになった最高評議会は、こう言うツールを使って自分の
意思を伝えてる訳か。
でも、その最高評議会の放った一言は、戦況を一変させるのには充分過ぎたね。



「え……あ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



ヴィヴィオが突然苦しみだしたかと思ったら、次の瞬間には、其処には黒いバリアジャケットを纏って、ハニーブロンドの髪をサイドテールに纏
めた女性が立っていたんだから。
此れは、若しかして予想よりもキツイかな?――ヴィヴィオが敵になるとは思ってなかったらね。



「ハッ!何を言ってやがるなのは。
 テメェの娘が道を踏み外しちまったってんなら、力ずくで戻してやるが親の仕事だろ――だから、先ずはヴィヴィオをぶちのめして正気を取り
 戻させるがの先決だろ?
 クソッタレ共の滅殺は、其れからでも遅くないからな!」

「志緒さん……」

そうですね、先ずはヴィヴィオの奪還が最優先ですからね!――少しだけ待っていてねヴィヴィオ、必ず、私と志緒さんが貴女を救って見せ
るからね!!!

だから、此処から先は少しだけ痛いのを我慢してねヴィヴィオ――!











 To Be Continued…