Side:志緒
ったく、次から次へとウザってぇ事、この上ねぇな?雑魚共が群れやがって……大人しく往生しやがれ、クソッタレ共が!!――喰らいな…
イグニスブレイク!!
――ドッガァァァァァァァァァァァァン!!!
「全力全壊……ディバインバスタァァァァァァァァァ!!!」
「あ~~っはっは!!僕達にはむかおうだなんて、そんなのは10ちょうまんねん早い!
だから僕はおまえたちをかえりうちにする!くらえーー!雷刃封殺爆滅剣ーーー!!」
――ドッガァァァァァァァァァァァァlン!!
んでもって、俺のイグニスブレイクに続く形でなのはのディバインバスターと、フェイトの雷刃封殺爆滅剣が炸裂して、雑兵共を一掃してくれた
が、これで終わるとは思えねえ――あくまでも俺の勘だが、トンデモない事が起きる気がするからな?
気を引き締めて行くぞテメェ等!!
「「「「「「「「「「「おーーーーーー!!」」」」」」」」」」」
つってもこの戦力なら早々負けるこたぁねぇだろうが……少しばかり心配なのはアルフの方だぜ。
アイツの実力なら、多少のガジェットに攻撃された所でアジトまでヴィヴィオを連れて逃げきる事が出来るだろうが……俺の勘が告げたトンデ
モない事が、アルフの方に起きなきゃいいんだがな……
リリカルなのは×東亰ザナドゥ 不屈の心と魂の焔 BLAZE137
『~リマジハノリワオ~リカヒノツメハ』
Side:アルフ
ちぃ……まさか、ゴール直前でこんな奴が待ってるとは思わなかったよ――なぁA級エルダーグリードのカオスレイヴン?
まぁアンタに与えらえた任務はヴィヴィオを連れ去る事なんだろうけど……アタシが此処に居る以上、そんな狼藉が働けると思ってんのかい
本気で?アンタに人の言葉が通じるとは思えないけどさ。
「おっきな鳥……アルフ、怖い。」
「なぁに、安心しなヴィヴィオ。あんなのデッカイだけの只の鳥さ。アレからアンタを護りながらアジトまですっ飛んでく位は何とかなるって。
何よりも、アンタのパパに任されたからね……絶対にアンタだけでも無事にアジトに辿り着かせる!」
つー訳で、人型になって今度はヴィヴィオを抱えてさいならーっと!
スピードだけなら狼形態の方が出るんだけど、鳥相手に背中にヴィヴィオ乗せてたら上から攫われちまうかもしれないからね?……抱えて
逃げりゃ、アタシが攻撃されてもヴィヴィオを護る事は出来るって事さね。
『ギシャァァァァァァァァァァァァァ!!』
「って、やっぱり追ってくるよな、此のデカブツ!!」
このバケモンには、ソウルデヴァイスか、それに準ずる性能を持ったデバイスじゃないと有効なダメージを与える事が出来ない……デバイス
を持ってない上に、格闘戦がメインのアタシにゃ到底勝ち目のない相手だから、カッコ悪くても此処は逃げに徹するのが一番だ!!
「アルフ、攻撃しないの?」
「出来なかないけど、アタシの攻撃じゃアイツには決定打になり得ないんだよ。」
「でも、攻撃すれば怯んでスピードが落ちるかも知れないよ?」
……確かに一理あるかもな?
そう言えば、空から聞いた話だけど、志緒は適格者になる前にもグリードと戦った事があって、ダメージこそ与えられなかったけど怯ませるく
らいは出来たんだったっけか?
なら、射撃魔法で牽制してやれば、少しは逃げやすくなるか?……試してみるか、喰らえフォトンランサー!!
フェイトの電刃衝に比べたら威力も精度も大幅に落ちるけど、牽制に使うなら充分だ――撃って撃って撃ちまくってやる!!
細かい狙いをつけてない上に、移動しながらだから命中精度は期待できないけど、下手な鉄砲も数撃ちゃ当たるだ!其れに、直接ヒットしな
くても、弾幕張ってやれば、追跡を遅らせる事位は出来るだろうからね。
――バン!バン!!バン!!!
『グギャァァァァァァァァ!!』
良し、3発ヒット!――って、牽制になれば良いと思ってたが、普通に効いてないかアレ?ソウルデヴァイスも、デバイスも使ってないのに何
でだ?
……若しかして、アタシはとんでもない勘違いをしてたのか?
あの化け物にはあくまでも『普通の物理攻撃』が効かないだけで、魔法攻撃なら普通に効くってのかい!?……だとしたら、コイツは嬉しい
誤算だね?
アタシの大して威力も高くない攻撃が効くなら、倒す事は出来なくても攻撃をしながら逃げる事で、アイツの追跡を可成り引き離す事が出来
るし、アジトの近くまで行けばアジトの防衛に回った連中が来てくれるだろうから何とかなる!
よし、そうと決まれば一気に――
――ドォォォォォォォン!!
って、何だコイツは……右手!?――更に左手も!?
『ウォォォォォォォォォォォン!!!』
更には真っ黒な犬擬きまで……如何足掻いてもヴィヴィオを連れ去る心算だって事か――幾ら攻撃が効くとは言え、ヴィヴィオを護りながら
4匹もの化け物を相手にするのは流石にキツイ……さて、如何したもんか?
クソ、何とかなると思った矢先にチェックメイトとか、其れは無いだろう?……万事休すかねコイツは――
「ゲームセットにはまだ早いです!フリード!ヴォルテール!!」
『キュクーーーーー!!!』
『バオォォォォォォォォォォ!!!』
「ヴィヴィオは渡さない!!」
――ドッゴォォォォォォォン!!
これは……この攻撃はフリードとヴォルテールのブレスに、強烈な雷撃……キャロとエリオかい!!――まったくいいタイミングで来てくれる
じゃないか?助かったよ。
「ドクターが『嫌な予感がする』って言うので来てみたんですけど……大当たりでした。」
「アルフさんが無事でよかったです。勿論ヴィヴィオも。」
「まぁ、アタシは頑丈だから早々へこたれないが、ヴィヴィオが無事なのはね。
と言うかエリオ、アタシに『さん』は要らないって。アタシはフェイトの使い魔だ……さん付けとか慣れてないんだ。」
「そう言われても、僕とキャロにとってはアルフさんもフェイトさんと同様に母親みたいなものですから……呼び捨てになんか出来ませんよ。」
……まぁ、そう返って来るとは思ってたけどね。
でも、アタシがアンタ達の母親みたいなもんだってんなら、アンタ等の事も護ってやらないとだ――狼の母親は、自分の子供に手を出す輩を
絶対に許しはしないからな。
でもまぁ、これで形勢逆転だ。
鳥と犬っころと巨大な左右の手が揃ったが、こっちはアタシとエリオとキャロに加え、最強種とされてるドラゴンが2体も居るんだ、アンタ達に
勝ち目はないよ?――特に手と犬っころは、フリードとヴォルテールの攻撃で虫の息だからね。
――パチパチパチ
「ブラボー!まさか、グリムグリードの配下を相手に此処までやるとは予想外だったわ……流石はDr.ジェイル・スカリエッティの私設武装組織
の面子と言う所かしら?」
「……行き成り現れて、何モンだお前?」
「あら、貴女と会うのは初めてだったっけ?――私はティアナ・ランスター、最高評議会に属する魔導師よ。」
お前が!!……志緒から聞いた話だと、化け物の召喚とか、化け物の融合なんて事が出来るらしいが、そのティアナが何の用だ?まさかと
は思うが、態々倒されに出て来たのかい?
「そんな訳ないでしょう?――貰いに来たのよ、其の子……聖王の器であるヴィヴィオをね。
その子はアレの起動には絶対に必要だからね……たとえ貴女達を此処で殺してでも奪わせて貰うわ。」
「アタシ達を殺してでもだって?ハッ、大きく出たもんだが出来るもんならやってみな!
こっちには最強種とされてるドラゴンが2体も居るんだ、アンタがどんな化け物を召喚した所で返り討ちにしてやるってもんだ!!」
「フフフ、これを見てもそんな事が言えるかしら?現れよ『迷霧の魔女』!!」
『アハハハハハハ!!』
――エルダーグリード迷霧の魔女
此処で、エルダーグリードを召喚して来たか……だが、其れでもドラゴンには及ばない――キャロ、一気に焼き払っちゃってくれるかい?
「任せて下さい!フリード!ヴォルテール!!」
『キューーーーー!!!』
『ガァァァァァァァァァァァァァァァ!!』
この攻撃が決まれば、化け物共はお終いだ!
化け物が居なくなれば、お前もお終いだろ……此れだけの戦力を相手に、魔導師が1人で如何にか出来るもんじゃないからね――まぁ、ア
ンタが志緒やなのは、或いはフェイトに匹敵する力を持ってるならその限りじゃないのかも知れないけどね。
「ふふふ……怪異融合。」
――ドガァァァァァァァァァァァァァン!!
よし、決まった!!此れで化け物共も一掃出来た筈さ!!
「ふふ、其れは如何かしら?」
『キシャァァァァァァァァァァァァァ!!!』
――4S級Ωグリード:迷霧の支配者
って、何だこれは!?
爆炎が晴れて現れたのは、巨大な犬の身体に腕が4本に増えた魔女の上半身が鎮座し、その背には巨大な翼が現れ、犬の身体からは、
鳥の長い首が何本も生えている……土壇場で、5体のグリードを融合したって事か!!
「ふふ、もう少し攻撃が早ければ倒す事が出来たのかも知れないのに、残念だったわね?
さぁ、やりなさい迷霧の支配者!そいつ等を吹き飛ばしてヴィヴィオを手に入れなさい!!」
『シャァァァァァァァァァァァァァ!!!』
!?此れは……この攻撃は、なのはのブレイカーに匹敵する一撃!!――クソ……土壇場でこんな事になるなんて……ゴメン志緒、アンタ
との約束は守れなかった……!!
クソ!チクショウ!!……ウワァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!
――――――
Side:ティアナ
ふぅ……最終的に最高評議会を潰す為に必要になるとは言え、あの最悪の兵器を起動する為にこの子を攫う事になるとは……此れは、全
部が終わった時には、スバルやノーヴェから一発打ん殴られる事は覚悟しておかないとだわ。
でも、これでレティ提督の計画は最終フェイズに移行する。
最終フェイズの鍵を握ってるのはなのはさんと志緒さんと言う事だったから、あの2人がアレに突入するのは間違い無いか……何にしても作
戦は最終フェイズに入ったんだから、後は計画を完遂するだけ。
アンタ等の終焉までもう間もなくよ最高評議会……その罪に対しての罰、精々受け取ると良いわ。
――――――
Side:なのは
強力なグリードの気配を感じたから、現場に急行したんだけど、到着した時には既に全てが終わってた……アルフとエリオとキャロ、其れに
フリードとヴォルテールまでもが倒されて、ヴィヴィオの姿は無かった……
「ゴメン、志緒、なのは……ヴィヴィオの事、護れなかった……約束したのに護れなかった――あのとんでもない化け物に、やられちまった。
護るって約束したのに……ゴメン、ゴメンよぉ……」
「謝んじゃねぇ……お前は良くやってくれたぜアルフ。
お前のせいじゃねぇ……ティアナの奴がお前を狙ってくる可能性を考えてなかった俺の失策だ……お前等のせいじゃねぇよ。」
「そうだよ!アルフもエリオもキャロも、フリードとヴォルテールも、そんなにボロボロになってもヴィヴィオを護ろうとしてくれたんでしょ?其れ
だけで充分だよ……だから、自分を責めないで。」
でも、私達の仲間を此処まで傷付けて、更にはヴィヴィオまで攫って行ったんですから、これに対しては相応の対応をしないとですよね志緒
さん――BLAZE魂を継ぐ者としては、キッチリと落とし前を付けた上でヴィヴィオを奪還するべきだと思うんですが如何でしょう?
「決まってんだろ、倍付で落とし前を付けさせた上でヴィヴィオを取り戻す……其れだけだ!!」
「ですよね!!」
今回は不覚を取ってヴィヴィオを奪われたけど、奪われたなら取り戻せば良いだけの事だから、必ずヴィヴィオの事は返してもらうよ最高評
議会……取り敢えずヴィヴィオを攫った事を、徹底的に後悔させてやるの!!
待っててねヴィヴィオ、必ずママとパパが助けてあげるからね!!
To Be Continued… 
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