Side:志緒


偶の休日になのはとバイクで出掛けて、なのはのリクエストで最近出来たって言うテーマパークとやらにやって来たんだが……此処の経営
者は一体何を考えてやがるんだオイ!?
今までのアトラクションは突っ込み所しかねぇだろうが!!



「ほへ?そうですか、志雄さん?」

「お前的には、突っ込み所はねぇってのかなのは!?
 お化け屋敷はフリー移動なのは良いとして、内容は完全にゾンビが大量に出てくるどこぞのサバイバルホラーだし、コーヒーカップはやたら
 と高速回転しやがるし、フリーフォールは落差が常識超えてるじゃねぇか!
 中でも一番は、今乗ったジェットコースターだ!なんだ、最大落差1500m、最大荷重7Gってのは!明らかに一般人が乗っていいモンじゃ
 ねぇだろ!!
 ってか、お前の身体は大丈夫なのか!?」

「はぁ、全然大丈夫ですよ?
 そもそもにして、負荷のかかり過ぎで悪影響が出るのは戦闘行為に関してですから、遊園地の絶叫マシーン位なら全然大丈夫なので。」

「随分と都合のいい身体だなオイ……」

これもある意味で、スカリエッティの魔改造ってやつなのか?……まぁ、日常生活で喰らう負荷は問題ねぇってんなら良いんだろうけどな。

……尤も、このアトラクションでの負荷が日常生活の範囲かって聞かれっと、大いに疑問は残るけどよ。

色々と突っ込みてぇ事は有るが、こうなったらトコトン楽しまねぇと損だからな?
次はどのアトラクションに――の前に、良い時間だから飯にすっか?流石に時間はなかったから弁当は作れなかったが、これだけの広さの
テーマパークなら、飯を食う所も結構あるだろうからな。
何が食いたい?



「リンディさんがオーナーをやってるって言う和風レストランのチェーンがあるみたいなんで其処が良いです。」

「……何つーか、日本を誤解しまくったアメリカ人が経営してる寿司屋みてぇな店な気がすんぞ其れは……」

一体何やってんだかリンディさんも……取り敢えずまぁ、興味はあるから行ってみっか。














リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE131
『The Battle Of Holiday』











取り敢えず、其処まで大きく間違ったモンは無かったが、色々と細かく間違ってる店だったのは確かだなあれは。……店内に鹿威しが有る
ってのは間違いなくリンディさんの趣味だぜ。
メニューに関しても、蕎麦とか寿司とかは和食だから良いとして、ラーメンとかカレーうどんは和食じゃねぇだろ!否、日本生まれの日本食っ
てカテゴリーではあるけどな?
でもまぁ味は悪くなかったな?俺は上天ざるを頼んだんだが、中々だったからな――尤も、蕎麦に関しちゃオヤッさんの方が格段に上だが。

さてと、腹も膨れた所で午後は如何する?



「そうですねぇ?午前中は絶叫系で攻めましたから、午後はアミューズメントゲームやファンシー系のアトラクションで行きましょうか?」

「なら、その方向で行くか――」



――キィィィィィィン……



「「!!!」」


この気配は!!なのは!!!



「気付きました!此れは……異界の、グリードの気配!!」

「ちぃ……如何やら休日は此処までみてぇだな?」

異界化はしてねぇが、グリードの気配を感じたって事は、ランスターの奴が仕掛けて来やがったか――アイツの力は、アキがヒートで得てた
物とも違う……一体どうやって手に入れたのかは気になるが、そいつはアイツを取っ捕まえて聞くしかねぇか。
兎に角、仕掛けて来たって事は、グリードの他にガジェットも出てきてる筈だ。
ナカジマ姉妹も出撃してるだろうが、先ずは此処に居る連中を避難させんぞなのは!



「了解です志緒さん。レイジングハート!!」

『All right Master.Setup.』



準備は出来たみてぇだな?――吼えろ、ヴォーパルウェポン!

さぁてと、覚悟は良いなテメェ等?……折角の休日を潰してくれた代償は高くつくぜ?――覚悟するんだな!!



「志緒さんとのデートを潰してくれて……少し頭を冷やしやがれなの。



……でもって後悔しろ、なのはの怒りに火を点けちまったことにな。
否、なのはだけじゃねぇ、時坂とデート中の玖我山と、四宮とデート中の郁島の怒りにも火を点けたのは間違いねぇ……まぁ、今日を狙って
襲撃して来た事を後悔しろや!!








――――――








No Side


平和な休日は一転して、ミッドチルダの市街にグリードとガジェットが現れると言う戦場に変わっていた。
だからと言って、市民に要らぬ被害が出ると言う事は無く、非番だったN2Rの面々と、BLAZEの面々によって、市民の避難誘導と敵勢力の
撃破が成されていた。


「オラァ!!ぶっ潰れろやポンコツが!!」


その中でも一番の活躍を見せているのは矢張り志緒だ。
グリードだろうとガジェットだろうと、現れた先からヴォーパルウェポンで斬って、潰して、叩き伏せる!!まさに一騎当千と言っても過言では
ない活躍だ。

だが、今回に限ってはそれ以上の活躍をしている者がいる――



「ディバイン……バスタァァァァァァァァァァァァ!!!

「吹き飛べぇ!シルフィサイクロン!!

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!
 ドラドラドラドラドララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ!
 無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄無駄!滅殺完了です!押忍!!



其れは言うまでもなくなのはと凛音と空――デートを邪魔された乙女の怒りの前では、AMFだろうとグリードだろうと大した問題ではないの
だろう……現実に現れた先から敵を撃破しているのだから。


「あはは……いや志緒さん達強いねノーヴェ?」

「マジでな……敵じゃなくて良かったぜ。」


そして、其れは仲間達にとってはいい刺激だったらしく、この戦いを見ていたナカジマ6姉妹は、負けじとガジェット達を撃破して行く。
各所での戦いもN2RとBLAZEが圧倒しているので負けは見えないのだが……



「ふぅん?頑張ってるわねスバル?」

「ティア!!」



其処にティアナが、包帯男が変異したΩグリードを引き連れて現れる。――其れだけでも戦場には引き締まった空気が流れる。
スバル達にとっては、3S級のグリードと対峙する機会などないので、怯むのもやむなしだが……


「グリード……矢張り来やがったかテメェ……!!」

「貴女の其の力は、異常だね……詳しく話を聞かせて貰おうかな?」


志雄となのははその限りではない。
志雄はヴォーパルウェポンを、なのははレイジングハートの先端をティアナに向けて言う――その迫力は、百戦錬磨の戦士其の物だ。


「テメェが何の目的でこんな事をするのかは如何でも良いが、平和に暮らす奴等の平穏を脅かすってんなら、相応の対価を払って貰うぜ。」

「ティアナ・ランスター、覚悟は良いかな?私は出来てる。」

「高町なのはと高幡志緒……相手にとって不足は無いわ――さぁ、暴れなさいスカーライト!!
 己の中の破壊衝動のままに!!」

『ガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』


「アタシも忘れちゃダメだよティア!!」

「どうしてこんな事に……此れがテメェの選んだ道だってんなら、ぶっ飛ばしてでも連れ戻してやるぜティアナ!!」


だが、其れに怯むことなくティアナはスカーライトを暴れさせ、其れを止める形でスバルとノーヴェも戦闘に参加――最強のバトルが、平和な
ミッドチルダの市街地で開始されたのだった。








――――――








Side:???


はぁ……はぁ……な、何とか逃げられた。
これも捨てる事は出来ないから、鎖に繋いで引き摺って来たけど……だけど、もう限界……此れを運び出すのは無理だったのかな……



――ドシャァァァァァァァ!!



あう……ダメ、もう動けない。
だけど、こんな所で死にたくない……私はまだ生きて居たい……助けて、ママ……パパ……











 To Be Continued…