Side:志緒


俺達の前に現れたオレンジ髪……如何やらスバルやノーヴェの知り合いらしいが、何モンだテメェ?
少なくとも、俺達の味方って訳じゃねぇんだろうが、敵であるにしても、テメェの名を名乗るのは礼儀ってもんだろ?……だから、先ずはテメェ
の名を名乗りやがれ!



「名を名乗るは礼儀……確かにそうね。
 スバル達はもう知ってるだろうけど、アタシはティアナ・ランスター。魔導師よ。」

「魔導師……可成りの力を持ってるねアナタは。」



ティアナ・ランスター……拳銃型のデバイスを持ってるのを見ると、射撃型の魔導師か。
その程度なら大した事はねぇが、気になるのはスバル達との関係だ……テメェを見たスバルは、可成り動揺してたからな。差し詰め、ダチ公
って所なんだろうが……そいつが敵として現れたとなりゃ動揺もするぜ。

だが、動揺しても闘志は消えてねぇみてぇだからなスバル達は?……テメェの勝ちは有り得ねえぜランスター!!



「うん、マッタク持って志緒さんの言う通りだよ……貴女如きで私を止められるとは思わない方が良いよ。」

「あ~っはっは~~!敵が誰であろうとも、僕から逃げられると思うなよ!!」

「テメェとガジェット如きじゃ、俺達は止められねぇぞ!!」

俺となのはとフェイトのチームの前に敵はねぇ……精々、派手にぶちのめしてやんぜ!!――覚悟するんだな!!



「覚悟するのは彼方達の方……さぁ、出番よ我が下僕たち!」

『『『『『『『ギシャァァァァァァァァァァアァ!!!』』』』』』』



!!……コイツ、自分の周囲に小型のゲートを大量に顕現して、其処からグリードを召喚して来やがっただと!?……この間の包帯野郎も
異界を作り出す力を使ってたが、ランスターの能力は更に厄介って所だな?
この力があれば、異界に落とさずともグリードと強制戦闘を行わせる事が出来る訳だしよ。
ったく、何処で手に入れたかは知らねぇが、トンデモない力を身に付けやがったもんだぜ――!















リリカルなのは×東亰ザナドゥ  不屈の心と魂の焔 BLAZE128
『競売!グリード!新たな敵!!』











とは言え、並のグリード共じゃ、何百匹来た所で相手にならねぇってのは正直なところだな?
寧ろガジェットと違って、魔法攻撃が効く分だけ戦いやすいか?……さっきまでは本領を発揮できてなかったチンクとディエチが、今は夫々
得意の武器でグリードを撃破してるからな。



「ハッキリ言って弱い……此れじゃあ、数だけ出しても無意味だよ?ハイペリオンスマッシャー!!

「ハッ!雑魚共が群れやがって!!喰らいな、フレアスラッシュ・クロス!!



――バガァァァァァァァァァン!!



そして当然俺等もグリード共を滅殺中だ。
俺のフレアスラッシュ・クロスと、なのはのハイペリオンスマッシャーで、最低でも50体は葬ったな……如何足掻いても負ける気がまるでし
ねぇな此れは。

さぁてと、オーラスだなランスター?
異界の扉を自在に開き、この世界にグリードを召喚したのは見事だったが、この程度の相手は、俺達にとってはウォーミングアップにもなら
なかったみたいだぜ?

さて、如何する?



「流石に、並のグリードじゃ相手にもならないか……高町なのはと高幡志緒、流石は生きながらに伝説と言われているだけの事は有るわ。
 だけど、アタシの能力がグリードを現実世界に呼び出すだけだとは思わない方が良いわ。
 来なさい、カオス・レイヴン!」


『『『ギシャァァァァァァァァ!!』』』
――A級エルダーグリード:カオス・レイヴン×3



「「「「「「!!」」」」」」

「お~~~、でっかい鳥が3羽もでてきた~~~!!!」



カオス・レイヴン……A級のエルダー・グリードを呼び出す事も出来るのかテメェは。しかも3体も……此れは少しばかり予想外だったぜ。
だが、だとしても今更A級エルダーグリード如きじゃ、俺達は止められねぇぞ?――こちとら過去には10S級の奴と戦った事もあるんでな!



「フフフ、せっかちは良くないわね?
 本当の力を見せるのは此処から……呼び出した3体のカオス・レイヴンを私の力で一つにまとめる――怪異融合!!」



――ギュル……ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……



『ガァァァァァァァァァァァァァァァ!!!』
――5S級Ωグリード:カオス・トリシューラー




んな、コイツ、グリードを融合しただと!?
しかも融合して現れたのは5S級のグリード――其れも、エルダーグリードでも、グリムグリードでもないΩグリードだと!?



「此れがアタシの真の力。
 複数のグリードを融合して、全く新しい新たなグリードに作り替える力……そして、アタシの力で生み出されたグリードには弱点属性が無い
 上に、魔法攻撃への耐性が極めて高い。
 正に究極のグリード――故にΩグリード。その力は、グリムグリードを軽く凌駕するレベルよ。」

「究極のグリードか……はっ、相手にとって不足はねぇ!!」

「寧ろこれ位の相手が出て来ないと歯応えが無いからね……でも、私達を倒す事は出来ないよ。」

「そうだそうだー!おまえなんかが僕達にかとーだなんて、100億兆年はやいんだよーーーー!!」

「……フェイトちゃん、其れどんな単位なの?」

「……謎だな。」

だが、フェイトの言う通り、この程度で俺達に勝とうなんてのは1000万年はぇえ!!
折角呼び出してくれた3本首の鳥野郎だが、悪いが早急に退場願うぜ?

そういう訳で、此のデカブツは俺達に任せて、テメェ等は倉庫の品を護れやナカジマ姉妹!!
そんでもって、スバルとノーヴェは、ランスターの奴を一発打ん殴ってやれ!!――ダチ公にぶっ飛ばされれば、少しは目が覚めるかもしれ
ねぇからな?



「分かってるよ志雄さん……ティアは友達だったけど、だけど友達だからこそ!!」

「間違った事してるんなら、打ん殴ってでも止めてやらねぇとだよな!!」

「そう言うこった。大事な事は分かってるみてぇだなお前等は。」

なら、止めんぞ!
レリックとロストロギア、其れを渡す訳にはいかねぇからな!!








――――――








Side:スバル


三つ首の巨鳥は、志雄さん達が相手になってくれてるけど……まさか、貴女が現れるとは思わなかったけど、どうして貴女がガジェットどころ
かグリードと共に現れたのティア?
と言うか訓練校卒業後に行方が分からなくなってたけど、一体……



「何でか……もう分かってるとは思うけど、アタシはアンタ達の敵よスバル。
 訓練校卒業後、アタシは最高評議会の傘下に入ったのよ……復讐の為にね。」

「復讐だぁ?テメェ、何考えてやがるティアナ?」

「訓練校の時に話した事があったわよね、スバルとノーヴェには?
 アタシの兄さんは管理局の局員で、任務遂行中に殉職したって事は。」



……其れは確かに聞いたけど、だけど其れが如何したの?
其れが復讐って言う目的に直結するとは思えないんだけど……



「いえ、直結するわ……だって、兄さんは管理局によって殺された……ダミーの任務に駆り出されて兄さんは死んだ、殺されたのよ!!
 アタシは管理局が憎い……忌まわしい!!
 だから、アタシは最高評議会の傘下に入ったのよ!!最高評議会に居れば、復讐を果たす事が出来るんだから!」

「ティア……!!」

ティアの気持ちはよく分かるけど、だけどこんなのは絶対間違ってる!
大体にして、最高評議会は、己の保身と金儲けにしか興味のない連中の集まりなんだよ?……そんな奴等が、真面な事が出来る筈ない!
目を覚ましてティア!



「目を覚ます?
 アタシの目は冴え切ってるわよスバル……寧ろ、曇ってるのはアンタの方じゃないのスバル?――兄さんを殺した管理局の局員になって
 るとか、そっちの方がアタシからしたら信じられないわよ。」

「なら信じなくても構わねぇよ……このスットコドッコイが!!」

「!!!?」



――バッキィィィィィィ!!



って、ノーヴェ!?
物凄くキレのいい回し蹴りがティアにヒットしたよ!?って言うか、幾ら何でも女の子の顔面に蹴りをかますのは如何かと思うんだ?
……双子とは言え、お姉ちゃんちょっと心配です。



「復讐の為に、クソッタレに魂売ったてのかテメェは!!
 ふざけんのも大概にしろよテメェ……訓練校時代にアタシとスバルに誇らしげに語ってたテメェの夢は偽りだったってのか?――執務官に
 なって、兄貴の遺志を継ぐってのはよぉ!!」

「……よく覚えていたわねノーヴェ?
 脳筋かと思ってたけど、以外と頭回るじゃない……あの夢は偽りじゃないけど、復讐を果たさずにはいられない……まぁ、今回は此処まで
 みたいね?
 取り敢えず目的は果たしたし、ここいらでお暇させて貰うわ。」



目的は果たしたって……しまった、グリードとの戦いに夢中になってて、ガジェットが疎かになってた!!
恐らくガジェットは、確りと己の任を果たしてた筈……その証拠に、ティアの手の中には、競売品になってたロストロギアとレリックがあったん
だからね?

完全にしてやられたけど、だけど逃がさないよティア!!



「いえ、此処でお終いよスバル……次に会う時を楽しみにしてるわ。」



――ブシュゥゥゥゥゥゥゥ!!!



んな、此処で煙幕!?
く……此れじゃあティアを追いかける事は出来ないけど……まさか、ティアが最高評議会の手先になってるとは思わなかったよ――そして、
其れだけなら未だしも、グリードを召喚する力を身に付けてるとしたら相当な力もあるだろうしね。



「ちぃ、逃げられたか……だが、まさかティアナがアタシ達の敵になるとは予想してなかったぜ……如何すんだスバル?」

「如何するもこうするもないよノーヴェ……殴ってでもティアの目を覚まさせる!!
 そして、その後に、ティアをたぶらかした最高評議会をぶっ潰す!!叩きのめす――其れだけだよ!!」



――轟!!



「うむ、その意気や良しだが、少し落ち着けスバル。
 肌が浅黒く染まって、目が赤くなっている……何時の間に殺意の波動に目覚めたんだお前は?」

「チンク姉、今のアタシは『殺意の波動に目覚めたスバル』じゃなくて、『日焼けしたスバル』だから大丈夫だよ?」

「と言いつつも、その実態は『殺意の波動に目覚めたスバル』……取り敢えず『瞬獄殺』は使えるよね?」



使えません!!

とまぁ、姉妹の悪ふざけは此処までにしておいて……まさか、ティアが敵に回るとは予想もしてなかったよ――其れも、復讐の為にって言う
のがね。

だけど、ティアをこのままでおく事は出来ないから……絶対にアタシが助け出して見せる……!
だから、待っててねティア!――最高評議会も何もかもをぶち砕いて、貴女を自由にしてあげるから!!――せめて其れ位はしないと、ティ
アの相棒(バディ)を名乗ってたとは言えないからね!!

絶対に止めて見せる!――最高評議会の思い通りにはさせられないからね!!



で、気になって志緒さん達の方を見てみたんだけど……



「ハッ!この程度で俺達を殺そうとするとはお笑いだぜ……精々、地獄で眠ってろ!!!」

「融合しても大した事ないかな?……なら一気に畳み掛ける!!」

「あ~~っはっは~~!!
 此れで終わりにしてやるぞとりやろー!!僕がいっとーりょーだんしてやるから覚悟しろー!!」



あっちはマッタク持って問題ないみたいだね……そもそもにして、志雄さんとなのはさんのコンビが強過ぎるからね。


それにしても、まさかティアが敵になるだなんて思っても居なかったよ。
だけど、ティアは絶対に騙されてる筈――取り敢えず、ティアを最高評議会から取り戻す事を第一に考えないとかもね……









 To Be Continued…